このサイトは、ほんの入り口です

ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

つりばりの かたちは、どうして こんなに いろいろ あるの?

釣り針の形は、どうしてこんなに種類が多いの?

釣り針の形はなぜ多様なのか:魚の食べ方、釣り方、守る目的、道具の伝統

分野:海・釣り

おきなわの ほらあなで、2まん3ぜん年ぐらい 前の、貝で できた つりばりが みつかりました。かたちは、半円の ような まがりが ひとつ あるだけです。いまの つりばりは、さかなごとに ちがう かたちが あって、のみこまれても くちの はしに まわりこむ ものまで あります。

どうして かたちは、こんなに ふえたのでしょう。この 記事を よむと、さかなの たべかたと つりかたに かたちが あわせて ある ことが わかります。

沖縄の洞くつから、約2万3千年前の貝でできた釣り針が見つかっています。形は、半円を描くような弧がひとつ。ところが、いまの釣具店には魚ごとの針が並び、魚にのみ込まれても自分で口の端に回り込む針まであります。

針の形は、どうしてこれほど増えたのでしょうか。魚のエサの食べ方、釣り方、守りたいものという3つの目で見ると、形の理由が分かります。

沖縄島のサキタリ洞遺跡で見つかった約2万3千年前の貝製の釣り針は、幅約1.4cmの、半円状に曲がった1本の弧だった[7]。いまの釣具メーカーは、魚種別に専用の針を並べ、さらに魚にのみ込まれても自ら口の端に回り込む針まで設計している[1][4]。

では、形はなぜ分かれていったのか。魚の食べ方、釣り方、守る目的、道具の伝統という4つの条件を順に当てはめると、その理由と、いまも決着のついていない問いが分かる。

読み方を切り替えられます。画面の上にある「よみかた」のボタンで、小学校低学年むけ・小学校高学年むけ・中学生むけの3つの書き方に切り替わります。むずかしいと思ったら、いつでもやさしい方に戻ってください。選んだ読み方はブラウザが覚えているので、次に別の記事を開いたときも同じ読み方で始まります。

1. 2まん3ぜん年 前の つりばりは、なぜ 半円だけ だったの?

1. 2万3千年前の針は、弧がひとつだけだった

1. 最古級の針は弧1本、いまの針は魚種ごと ── 何が形を分けたのか

おきなわの サキタリどうで みつかった 貝の つりばりは、はばが 1.4センチぐらい です。貝の そこを わって、半円の かたちに つくって あります[7]。そばからは、みがく ときに つかった らしい いしも みつかりました。

いまの つりばりは、さかなごとに かたちが ちがいます。つりぐの メーカーも、さかなごとの はりを ならべて います[1]。

かたちを きめる ヒントは、さかなが えさを どう たべるか です。すいこむ さかな、かじる さかな、つつく さかな。それぞれに あう かたちが あります[1]。

では、すいこむ さかなと かじる さかなでは、はりの なにが ちがうのでしょう。

沖縄島のサキタリ洞遺跡から出た約2万3千年前の釣り針は、ニシキウズ科の巻貝の底を割って作ってあり、幅は約1.4cm。半円の弧を描き、片方の先がとがっています[7]。同じ層からは、磨くのに使ったらしい砂岩の破片と、未完成品も1点出ています[7]。この針で何を釣ったのかは、出典に書かれていません[8]。

いっぽう現代の釣具メーカーは、針を「付属品の中でもっとも種類が多い」と紹介します。淡水用ではタナゴ、ヤマメ、ヘラ、海用ではチヌ(クロダイ)や伊勢尼など、魚の名前のついた針が並びます[1]。

選ぶときの基準は、狙う魚がエサを吸い込むのか、かじるのか、つつくのか。その食べ方で形と軸の長さを決め、合わないと釣れないこともあるといいます[1]。では、食べ方がちがうと、針のどこが変わるのでしょうか。

サキタリ洞遺跡の貝製針は、ニシキウズ科の巻貝の底部を割って作られ、幅約1.4cm、半円状の弧の一端がとがる形をしている。同じ層から、研磨に使ったとみられる砂岩片と未完成品1点が出ており、この場で作られた可能性が示されている[7]。ただし、この針で何を釣ったかは出典に書かれていない。同じ遺跡からオオウナギ、ブダイ、アイゴの骨が出ていても、針で獲ったとは示されないため、結びつけて語るのは避けたい[8]。

これに対し、現代の釣具メーカーは、針を付属品の中で最も種類が多いものと位置づけ、淡水ではタナゴ・袖・秋田狐・ヤマメ・ヘラ、海では袖・チヌ・伊勢尼など、魚種名のついた針を並べている[1]。選択の基準は、対象魚がエサを吸い込むか、かじるか、つつくかで、形と軸長を決めるとされる。合わない針では釣れないこともある[1]。

弧1本から魚種別へ、という変化を「進歩」と一言で片づけるのは早い。メーカーは、針の形と軸の長さを、対象魚の食べ方に合わせて決めると説明する[1]。次に、その組み合わせを具体的に見る。

2. すいこむ さかなと かじる さかなで、はりは どう ちがうの?

2. 吸い込む魚、かじる魚、岩のすき間の魚で針は変わる

2. 吸い込む魚や根魚に合わせた針の形

くちが ちいさい さかなには、ほそくて かるい はりが むくと いわれます。そでばりと よばれる はりです[2]。

おおきな さかなには、じくが ふとくて つよい いせあまの ような はり。いわの あいだに すむ さかなには、はりさきが うちがわを むいた むつばりが むくと いわれます[2]。いわに ひっかかりにくい からです。

すいこむ さかなには、まっすぐな はりも つかわれます。はりが ぜんぶ くちに はいると、かたほうの はりさきが ささった とき、はんたいがわが くちの 中で ひっかかって、はずれにくく なると いわれます[3]。

さかなの くちと たべかたに あわせて、かたちが つくられて きたのです。

釣りの解説サイトでは、魚の口の大きさや釣り場に合わせた針が紹介されています。口の小さい魚には細くて軽い袖針、大型魚には太軸で強度の高い伊勢尼、岩場の根魚には針先が内向きで根掛かりしにくいムツ針、という具合です[2]。民間のサイトなので「といわれる」程度の目安ですが、メーカーの「食べ方で選ぶ」という考えと同じ向きです[1]。

まっすぐな針先の針にも理由があります。エサを吸い込んで食べる魚だと、針全体が口に入ります。片方の針先が刺さると、反対側が口の中で向きを変えて引っかかり、外れにくくなるとされます[3]。ただし、外しにくく魚の傷も大きいので、釣った魚を放す釣りには向かないと、この記事を書いた筆者は述べています[3]。

形はこうして「魚の口に合うか」で決まります。ところが、ぴったり合う形なら万全かというと、そうでもありません。

釣りメディアの整理によれば、対象魚の口の大きさ・食い方・釣り場で最適形は変わる。口の小さい魚には細軸で軽い袖針、大型魚には太軸で強度の高い伊勢尼、岩礁帯の根魚には針先が内向きで根掛かりしにくいムツ針が向くという[2]。これは民間メディアの記述であり、あくまで目安だが、メーカーの示す「摂餌様式で形と軸長を決める」という基準と矛盾しない[1]。

ストレート(針先がまっすぐ)形の理屈は次のとおりである。エサを吸い込んで食べる魚では針全体が口に入り、一方の針先が刺さると、反対側が口内で向きを変えて引っかかる[3]。だから外れにくいが、外しにくく魚の傷も大きいため、筆者は放流前提の釣りには向かないとする[3]。「どの魚でもまっすぐ針が有利」ではなく、吸い込む魚に限った話である。

つまり形の選択には、必ず代償がついてくる。その代償をはっきり示す例がアユの友釣りだ。次章で、掛かりやすさと外れにくさの関係を見る。

3. 「かかりやすい」と「はずれにくい」は、いっしょに できるの?

3. アユの友釣りでは、掛かりやすさと外れにくさが両立しにくい

3. 掛かりやすさと外れにくさの交換 ── アユ友釣り針の例

あゆを つる 「ともづり」では、はりの かたちを くらべた はなしが あります。

まっすぐな はりは、かかりやすい と いわれます。はりさきが うちがわに まがった 「ねむり」と いう かたちは、かかりは おとるけれど、にげられにくいと いわれます[3]。

よく かかる はりと、にげられにくい はり。りょうほうを ひとつで かなえる のは むずかしい ようです。だから つりびとは、そのときの つりに あう かたちを えらびます。

では、「にげられないこと」より「さかなを まもること」を だいじに した はりは、あるのでしょうか。

アユの友釣りでは、針先の向きによる得意・不得意が語られています。ストレート形は掛かりやすく、針先が内向きの「ネムリ」形は掛かりでは劣りますが、バレ(外れて逃げられること)にくいとされます。フトコロ(針の曲がりの内側)が広いほどバレにくいともいわれます[3]。

どちらも一つの針で満点にはなりません。「よく掛かる」を強めると、外れやすさが残る。「外れにくい」を強めると、掛かるまでが少しむずかしくなる。釣り人はその日の川や魚の元気さに合わせて形を選びます。

ここまでの「よい針」は、釣り人にとってのよさでした。では、魚や海の生きものにとってのよさを考えて作られた針は、あるのでしょうか。

アユの友釣り針では、ストレート形は掛かりが良く、針先が内向きのネムリ形は掛かりで劣る代わりにバレにくい、とされる。フトコロが広いほどバレにくいとも説明される[3]。1本の針で「掛かる」と「外れない」の両方を最大にできないという構造が、ここに表れている。

注意したいのは、これが一つの出典に基づく説明で、アユの友釣りという条件つきの話だという点である。他の釣りで同じ比べ方が成り立つとは、この資料からは言えない[3]。

ただ、ここまで見た針の選択は、すべて「釣り人にとって」の条件だった。ところが針の形には、釣られる側や海の生きものを守るという、もう一つの基準が加わった例がある。

4. のみこまれても くちの はしに まわりこむ はりって、なに?

4. のみ込まれても、口の端に回り込む針

4. サークルフック ── のみ込みを防ぐ設計と、ウミガメ混獲への期待

「サークルフック」は、わの ように まるく まがった はりです。はりさきが、じくの うちがわを むいて います[4]。

さかなが のみこんでも、いとが ぴんと はると、はりは くちの すみに うつって かかります[12]。Jのじの はりは、さきが うえを むいて いて、のみこまれやすい のです[4]。

この はりは、ウミガメを まもる ためにも つかわれます。ながい なわに たくさんの はりを つけて さかなを とる りょうで、まちがって ウミガメが かかる ことが あります。サークルフックを つかうと、ウミガメが しぬ ことを へらす ほうほうの ひとつ だと、日本の けんきゅうほうこくに あります[5]。

はりの かたちが、うみの いきものを まもる しごとも して いるのです。

サークルフックは、円を描くように曲がり、針先が軸の内側を向いた針です。魚がのみ込んでも、糸がぴんと張ると針が口の隅へ移って掛かります[12]。J形の針は針先が上を向き、軸がまっすぐで、のみ込まれやすい形です[4]。

この形は、釣った魚を放す釣りのほか、漁でも注目されました。水産総合研究センターの研究報告(2006年)は、浮延縄(はえなわ)漁業で、ほかの目的の魚といっしょにかかってしまうウミガメの死亡を減らす有効な方法の一つに、サークルフックの使用が挙げられると述べています[5]。

同じ報告は、サークルフックにも多様な形や大きさがあり、形が効果に影響するとして、針のどの部分をどう測るかの決め方を検討しています[5]。針の形をそろえて測る、という地味な作業が、海の生きものを守る研究を支えています。

では、このサークルフックは、どんな釣りでも一番なのでしょうか。

サークルフックは、円形に曲がり針先が軸の内側を向く針で、魚がのみ込んでも、糸が張ると針が口の隅へ移動して掛かる[12]。針先が上向きでまっすぐなJ形は、のみ込まれやすい[4]。前章までの「外れにくさ」とは逆に、深くのみ込ませない方向に形を寄せた例といえる。

日本でも、水産総合研究センターの研究報告(横田ほか、2006)が、浮延縄漁業で混獲されるウミガメの死亡を減らす有効な方法の一つとして、サークルフックの使用が挙げられると述べる[5]。同報告は、サークルフックにも形や大きさの多様性があり、形が効果に影響するとして、測定部位の定義と測定方法を検討した[5]。針の名前だけでは効果は決まらず、どの寸法の針かまで問われる、という指摘である。

ただし、この報告が述べるのは浮延縄漁業の話で、すべての釣りで同じ効果が出るとは書かれていない[5]。では、釣り人の側から見ると、成績はどうなるのか。

5. サークルフックは、どんな つりでも いちばん なの?

5. サークルフックは万能ではない

5. 釣り方による差 ── 75回の釣行で比べた結果と、その条件

アメリカの ノースカロライナしゅうでは、2012年に、シイラなどを つる ときの はりを くらべました。75かいの つりで、サークルフックと J の かたちの はりを つかったのです[6]。

あたりの かずは、どちらも おなじ。かけた あとに つりあげる わりあいも おなじ でした。でも、つれた さかなの ごうけいは、J の かたちの ほうが おおかった のです[6]。

けんきゅうした 人は、ためして いない おおきさや つかいかたなら、けっかが ちがうかもしれないと、じょうけんを つけて います[6]。

どちらが いつも すぐれて いる、とは いえないのです。つりかたと、まもりたい ものに あわせて えらびます。

アメリカ・ノースカロライナ州の研究(2012年)は、シイラ、キハダ、ワフーを釣る75回の釣行で、サークルフックとJ形を比べました。魚が食いつく回数に差はなく、掛けたあとに釣り上げる成功率も同じでしたが、合計の釣果はJ形のほうが多くなりました[6]。

研究者は、試していない大きさや使い方では、結果がちがう可能性もあると条件をつけています[6]。米国の研究なので、日本の釣りにそのまま当てはまるとは限りません。

この結果から分かるのは、「サークルフックが優れている」でも「劣っている」でもなく、釣り方によって有利・不利が入れかわるということです。放す魚やウミガメの安全が大切な場面と、たくさん釣りたい場面では、よい針が同じとは限りません。

ここまでは、魚と釣り方に合わせて形が決まる話でした。では、世界の別の地域では、針は何に合わせて形を決めたのでしょうか。

ノースカロライナ・シーグラントの紹介する研究(2012年)では、シイラ、キハダ、ワフーを対象に75回の釣行でサークルフックとJ形を比較した。ストライク数に差はなく、掛けたあとの釣り上げ成功率も同等だったが、総漁獲はJ形のほうが多かった。研究者は、試していない大きさや使い方なら結果が異なる可能性があると条件を付けている[6]。

これは、前章の「放流・混獲の抑制」という目的と、「たくさん釣る」という目的が、針の選択で食い違いうることを示す。さらに、米国の特定の釣り方での結果なので、日本の釣りやウミガメ保全の議論にそのまま持ち込むことはできない[6][5]。

形の良し悪しが、魚、釣り方、守りたいものの3つに左右されるとすると、地域や文化によって針の形が大きく違っても不思議ではない。そこで目を太平洋に向ける。

6. 魚の かたちを した はりは、なぜ あったの?

6. 魚のかたちをした貝の針と、形の理由をめぐる議論

6. ポリネシアの針と「様式か機能か」の問い

たいへいようの タヒチの まわりの しまじまには、貝で できた ふしぎな はりが ありました。ロンドンの はくぶつかんに、19せいき の おわりごろの ものが あります[9]。

しろい 貝で さかなの かたちに けずった じくと、くろい 貝で つくった かえしの ついた はりさき、ヤシの せんいの いとで できて います。ちいさな さかなに みせかけて、おおきな さかなに たべさせる ための もの です[9]。

はりが そのまま「えさの ふり」を して いるのです。

ポリネシアの はりの じくの かたちが、つれやすさの ためなのか、つくった 人の このみ なのかは、けんきゅうしゃの あいだでも ぎろんが あります[10]。

日本の テンカラという 毛ばり つりでは、はりに いと を とおす あなが ありません。じくの はしを ひらたく ひろげて、いとを むすびます[11]。つりかたの でんとうに あわせた かたちです。

ロンドンのホーニマン博物館には、ソサエティ諸島(タヒチ周辺)の曳き釣り針(マタウ)が収められています。白蝶貝を魚の形に削った軸、黒蝶貝のカエシ付きの針先、ヤシ繊維の糸の3部品でできており、19世紀後半のものです。小魚と間違えて大きな魚に食いつかせるための針で、主にカツオの仲間向けとされます[9]。針そのものが、エサ(疑似餌)の役目を兼ねているのです。

こうしたポリネシアの針の軸の形のちがいが、釣りやすさ(機能)のためなのか、作り手のこだわりや様式の表れなのかは、研究者の間で議論があります。2018年の学会発表の要旨は、ハワイの3遺跡の軸の形を豚の骨で再現し、引っ張る強さを試す計画を述べていますが、結論はここでは書けません[10]。

日本にも、土地の伝統に合わせた針があります。毛バリ釣りのテンカラの針には、糸を通す穴がなく、軸の端を平たく広げて糸を結びます[11]。針の形は、魚の食べ方だけでなく、釣りの文化にも合わせて変わります。

ソサエティ諸島の曳き釣り針(マタウ)は、ロンドンのホーニマン博物館の資料によると、白蝶貝で魚形に削った軸、黒蝶貝のカエシ付き針先、ヤシ繊維の糸の3部品から成る。大型の遠洋性捕食魚に小魚と誤認させるための道具で、主にカツオ類(Sarda属)向けとされ、19世紀後半の資料である[9]。ここでは針が疑似餌の機能を兼ねており、「魚に合わせる」という考え方が、針と餌の区別さえ越えている。

では、こうした針の軸形は何で決まったのか。ポリネシアの軸形の違いを「様式」とみるか「機能」とみるかは、研究者の間で議論がある。アレン(2015)の様式─機能モデルは、軸形の変異が漁獲効率ではなく製作上の選択を反映すると見る立場として紹介され、2018年の学会発表(Blank ほか)は、ハワイ3遺跡の軸形を豚骨で再現して引っ張り強度を試す計画を述べた。ただし、これはいずれも要旨に基づく紹介で、結果は示せない[10]。

日本の例では、テンカラの針に目(糸を通す穴)がなく、軸端を平たくして糸を結ぶとされる[11]。針の形は、魚の食べ方・釣り方・守る目的に加え、伝統や様式によっても決まる可能性がある。形が増えた理由は、一つに絞れないという読み方になる。

7. つりぐの カタログで、はりの かたちを よそうして みよう

7. 針のカタログで「この形は何の魚用か」を予想する

7. 針の形から、魚と釣り方を読み解く

ほんものの はりは、さきが するどくて あぶない ので、さわらないで ください。おうちの 人に、いえに ある つりぐの はこや せつめいしょ、かみの カタログを だして もらい、はりの しゃしんや えを みて みましょう。

はりの しゃしんを みて、「この はりは、どんな さかなが すき そう?」と、さきに かんがえます。そのあとで、ふくろや カタログに かいて ある さかなの なまえと くらべて みます。

あたって いたら、さかなの たべかたと かたちの つながりが、みえてきます。はずれても、「どうして ちがったのか」を かんがえる のが たのしいところです。

針の実物は先がするどく危険なので、さわらず、写真で確かめます。家の人といっしょに、家にある釣り具の箱や説明書、紙のカタログを出してもらい、魚の名前を隠して針の形だけを見て、「口が小さい魚用かな、岩場の魚用かな」と先に予想してみましょう。

そのあとで袋やカタログの名前を見ると、答え合わせになります。外れたときは、軸の太さや針先の向きのどこを見落としたのかを考えてみてください。

家にある釣り具の箱や説明書、紙のカタログの針の写真を見て、軸の太さ・針先の向き・フトコロの広さから、対象魚と釣り方を予想できるか試せる。実物は先が鋭く危険なので、触らず写真だけで行う。

予想が外れたときは、本稿の4つの条件(食べ方・釣り方・守る目的・伝統)のうち、どれを見落としたかを考える手がかりになる。サークルフックの寸法と効果の関係[5]や、ポリネシアの軸形が機能か様式か[10]は、一次資料にあたると、さらに細かい議論に出会えるだろう。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

針の種類と選び方、サークルフックの仕組みと研究、最古級の針と太平洋の針の資料を参照した。民間メディアの記述は目安として扱った。

  1. DAIWA「釣りの基礎知識 ハリ」 https://www.daiwa.com/jp/beginner/tackle/needle (針の種類数、魚の食べ方による選び方、魚種別の針)
  2. 釣りHACK「釣り針の種類」 https://tsurihack.com/84 (口の大きさと釣り場による針の使い分けの目安)
  3. BE-PAL「奥深き釣り針の世界」 https://www.bepal.net/archives/535794 (ストレート形とネムリ形の特徴)
  4. Wikipedia「Circle hook」 https://en.wikipedia.org/wiki/Circle_hook (サークルフックとJ形の仕組み)
  5. 水産総合研究センター研究報告 第17号(横田ほか 2006) https://fra.repo.nii.ac.jp/records/2010835 (サークルフックとウミガメの混獲)
  6. North Carolina Sea Grant「Coastwatch」 https://ncseagrant.ncsu.edu/coastwatch/?p=1445 (サークルフックとJ形の比較研究、2012年)
  7. 琉球新報「世界最古級の釣り針」 https://ryukyushimpo.jp/news/entry-360160.html (サキタリ洞の貝製釣り針)
  8. 笹川平和財団 Ocean Newsletter https://www.spf.org/opri/newsletter/400_3.html (サキタリ洞遺跡から出た魚骨)
  9. Horniman Museum, object 20.86 https://www.horniman.ac.uk/object/20.86 (ソサエティ諸島の曳き釣り針。英語の資料)
  10. tDAR「Style vs. Function in Polynesian Fish Hook Shank Variation」 https://core.tdar.org/document/442510/style-vs-function-in-polynesian-fish-hook-shank-variation (軸の形をめぐる議論。英語の要旨)
  11. Wikipedia「Fish hook」 https://en.wikipedia.org/wiki/Fish_hook (テンカラ針。百科事典の記述なので参考程度)
  12. Maryland Department of Natural Resources「Circle Hook FAQs」 https://dnr.maryland.gov/fisheries/Pages/recreational/chfaqs.aspx (サークルフックが口の隅に掛かる仕組み。英語の資料)

なおした ところ

更新履歴

更新履歴(改版の記録)

  •  初版を公開。

このサイトでは、公開した記事の本文は原則として書き直しません。誤りが見つかったときや、内容が古くなったときだけ手を入れ、その理由をこの欄に残します。