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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

花屋さんは、花を ならべる まえに なにを して いるの?

花屋さんは、花を並べる前に何をしているのか:週5〜6回の仕入れと、バラの斜め切り、ガーベラの焼きミョウバン

花屋の仕事は「売る」前の手当てにある:週5〜6回の小分け仕入れ、茎の切り方、湯あげから技能検定まで

分野:生きもの

花屋さんに ついた ばかりの バラは、そのまま ならびません。くきを ななめに きって、トゲを 1本ずつ とります。ガーベラの きりくちには、やきミョウバンという こなを つけます。どうして 花ごとに ちがう ことを するのでしょう。

この メモでは、花を ながく さかせる ための しごとから、花たばの ちゅうもんの しかた、花屋さんの しごとの ひろがりまでが わかります。

店に届いたバラは、そのままでは店先に並びません。茎の下の端をナイフで斜めに切り、トゲも少しずつ取ります。ガーベラの切り口には焼きミョウバンをつけます。同じ切り花なのに、なぜ花ごとにやることが違うのでしょうか。

この記事では、仕入れから水揚げ、花束の注文、技能検定の試験範囲まで、花屋の仕事が「花を長く咲かせる段取り」でできていることが分かります。

ある花屋では、バラの茎を下端からナイフで斜めに切り、トゲも一本ずつ取ってから売り場に出す。ガーベラは切り口に焼きミョウバンをつける。花の種類ごとに手当てが違うのはなぜか。しかも、その店は週に5〜6回も市場へ仕入れに出るという[1]。

この記事では、仕入れの小分け、水揚げ、花束の注文、国家検定の試験範囲を通して、花屋の仕事の中心が「売る前の手当てと段取り」にあることが分かる。ただし取材した店は東京の1店であり、どの花屋も同じとは限らない。

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1. どうして しいれを なんども するの?

1. 週に5〜6回も市場へ行くのは、花が生きているから

1. 仕入れを小分けにして何度も行くのは、なぜか

花屋さんの 朝は、市場しじょうから はじまります。市場は、花を たくさん あつめて うる ところです。

東京の ある 花屋さんは、1しゅうかんに 5回から 6回も、市場へ 花を かいに いきます。たくさん まとめて かえば、いちど ですむのに、なぜ なんども いくのでしょう。

花は 生きて いるので、じかんが たつと 元気が なくなって いきます。だから、すこしずつ、あたらしい ものを かって くるのだそうです[1]。

では、とどいた 花は すぐに ならべるのでしょうか。じつは、その まえに、花ごとの おせわが あります。

東京・台東区に、昭和3年から続く花屋があります。この店は、鮮度を保つために、できるだけ少ない単位で花を仕入れています。そのため、週に5〜6回は市場へ出かけるそうです。ふつうは月・水・金が切り花、火・木・土が鉢物の仕入れ日です。ただし、仕入れ日は地域や店によって違います[1]。

まとめて買えば回数は減らせます。それでも小分けにするのは、切り花が生きていて、時間とともに弱っていくからでしょう。

仕入れ先は、花き市場のほか、仲卸、卸売りのサイト、生産農家などです。購入できる単位も、1本あたりの値段も、仕入れ先で異なります[2]。

市場の大きさも見ておきます。東京都の統計では、2025年に大田市場の卸売業者の1社(大田花き)が扱った切り花は、約3億1500万本でした[5]。1年を365日で割ると1日に約86万本ですが、市場の休みを考えない単純な計算で、1社分の数字です。

これだけの花の中から選んで店に運んだ花は、並べる前にまだ仕事が残っています。それが、花ごとの手当てです。

花屋の仕事は、仕入れと手当てをしてから売り場に花を並べる順で進む。取材された台東区の花屋(昭和3年から続く)は、鮮度のために可能な限り少ない単位で仕入れ、週に5〜6回は市場へ行く。通常は月・水・金が切り花、火・木・土が鉢物の仕入れ日だが、これは地域や店で違う[1]。まとめ買いなら回数も手間も減るのに、あえて小分けにするのはなぜか。出典は「鮮度のため」と述べており、切り花が時間とともに傷む生きものであることが理由だと読める。

仕入れ先も一つではない。中小機構のJ-Net21は、主な仕入れ先を花き市場、仲卸、卸販売サイト、生産農家と整理し、購入単位や1本あたりの仕入値が異なるとしている。仕事全体は仕入れ、商品管理、店頭業務、活け込み(施設の装飾)、運営管理、集客に分けられる[2]。ただし仕入れの頻度や時刻はこの資料にはなく、前の1店の例である。

取り扱いの規模は、数字にすると見えてくる。東京都の統計によると、2025年(令和7年)の1〜12月に、大田市場で大田花きという卸売業者が扱った切り花は315,355,340本だった。365日で割ると1日あたり約86万本になる。ただし市場の休みの日は考えていない単純な割り算で、市場全体ではなく1社分の数字である[5]。

そうして届いた花を、花屋はそのまま並べない。では、売る前に何をしているのか。

2. 花ごとに ちがう おせわは、なぜ あるの?

2. バラのトゲを取り、ガーベラに焼きミョウバンをつける理由

2. 茎の切り方、湯あげ、焼きミョウバン:水揚げの手当てが花ごとに違う理由

花屋さんが まず するのは、花に 水を すわせる ことです。これを、水あげと いいます。

バラは、くきの したの はしを ナイフで ななめに きります。きりくちが ひろく なって、水を すいやすく なるからです。トゲも、ナイフで すこしずつ とります。

ガーベラには、きりくちに やきミョウバンを つけます。ばいきんが ふえるのを ふせぐ ためです。バラの ように、くきの はしを あつい おゆに 15びょうから 20びょう つけて、つめたい 水に うつす 花も あります[1]。

水の なかで くきを きると、くきの なかに くうきが はいりにくく、水が あがりやすいと、ながの県の しりょうは せつめいして います。水は いつも きれいに して おきます。水に つかる 下の はっぱは くさりやすく、水を よごすので、とって おくと よいそうです[3]。

では、おみせで かった 花を、おうちで ながく たのしむには どうすれば いいのでしょう。

花屋さんが最初にするのは、水揚げです。水揚げは、日本農林規格(JAS)で「切り花に水分を補給させること」と決められています。ただしこの規格は、花を出荷する生産者向けの基準で、花屋向けの決まりではありません[4]。

花屋の水揚げは、花ごとに少しずつ違います。バラは茎の下の端をナイフで斜めに切って断面を大きくし、水を吸いやすくします。トゲもナイフで少しずつ取ります。ガーベラは、雑菌を防ぐために切り口へ焼きミョウバンをつけてから水に入れます。花によっては、茎の端を熱湯に15〜20秒つけてから冷たい水に移す湯あげをします。どれも地域や店によって違う方法です[1]。

長野県の資料には、水の中で茎を切ると、茎に空気が入らず水が上がりやすいとあります。水につかる下の葉は腐りやすく、水が汚れる原因になります。余分な葉やつぼみは養分を使ってしまうので、花持ちが悪くなるそうです[3]。

切り口を広げ、清潔にし、水を汚さない。花ごとに道具や方法は違っても、花が水を吸える状態を保つ段取りという点は共通しています。では、家に持ち帰ったあとは、何に気をつければよいのでしょうか。

店に着いた花に最初に行う作業は、水揚げである。JAS(日持ち生産管理切り花、JAS 0001:2018)は水揚げを「切り花に水分を補給させること」と定義し、品質保持剤をエチレン阻害剤、抗菌剤、糖類など品質の保持を目的とした薬剤としている。作業は清潔な状態で行い、水は水道水を使う(清澄な水に抗菌剤を適切に使った水でもよい)。ただし、これは出荷する生産者向けの規格であり、花屋に義務づけられた規則ではない[4]。

花屋の現場では、水揚げは花の種類ごとに違う。『aff』が紹介した店では、バラは茎の下端をナイフで斜めに切って断面を大きくし、水を吸いやすくする。トゲも消毒済みのナイフで少しずつ取る。ガーベラは雑菌を防ぐため、切り口に焼きミョウバンをつけてから水上げする。さらに、茎の端を熱湯に15〜20秒つけて冷たい水へ移す湯あげを、花によっては行う。これらも地域や店で違う[1]。

切り方の理由は、長野県の資料がある程度まで説明している。茎を水に浸けたまま切ると、茎の中に空気が入らず、効率よく水が上がる。水につかる下葉は腐りやすく、水が汚れる原因になる。余分な葉やつぼみは養分を消耗し、花持ちが悪くなる[3]。この資料は、導管の中で気泡がどう水を妨げるのかまでは述べていないので、ここでは「空気を入れない」までにとどめる。

切り口を広げて吸水面を増やし、雑菌と汚れを避ける。方法は違っても、狙いは花の吸水を保つことにある。では、この理屈は、花屋を出たあとの家庭でも使えるのか。

3. おうちでは、どう すれば ながもち するの?

3. 持ち帰った花を長持ちさせるには、家で何ができるのか

3. 25℃という数字が二つの資料に出てくる:家庭での置き場所と水の替え方

おみせで かった 花は、ずっと さいて いるわけでは ありません。めやすは、花屋さんが はなした めやすでは、夏で 4日から 5日、冬で 1しゅうかんから 10日ほどです。花の しゅるいに よって、ちがいます[1]。

花屋さんは、おうちに もって かえったら、水を すいやすい ように くきを みじかく きる ことを すすめて います。そして、エアコンの 風や 日光が あたらない ところに おきます。水は 1日に 1回は かえます。

あつすぎる のも よくなく、25度を こえると、花は ながもち しにくく なるそうです。

水を かえるのは、花に 水を すわせる ためと、水を きれいに する ためです。さて、花屋さんには、花たばを たのむ ことも あります。そのとき、なんと いえば いいのでしょう。

家に持ち帰った花について、農林水産省の雑誌『aff』が紹介した花屋さんは、夏は4〜5日、冬は1週間〜10日が観賞期間の目安だと話しています。花の種類で日持ちは大きく違うので、あくまで目安です。持ち帰ったら水を吸いやすいよう茎を短く切り、エアコンの風や直射日光の当たらない所に置き、水は1日1回は替えるとよいそうです[1]。

ここで、出典を二つ見比べてみます。同じ『aff』では、気温が25℃を超えると花の保ちが悪くなるとしています。一方、生産者向けのJASも、採花後の作業中の気温を25℃以下、作業しないときは15℃以下で保管するよう求めています(気温管理ができる場合の基準です)[4]。どちらにも25℃という数字が出てくるのは、暖かい部屋に置くかどうかが、日持ちを分ける要素になるからでしょう。ただし、2つの数字は別の条件のもので、同じ意味とはいえません。

長野県の資料にあるとおり、水に浸かる下の葉を取り、水を清潔にしておくことも、水揚げと同じ理屈です[3]。

農研機構の研究では、輸送後のチューリップの生け水に1%のブドウ糖と0.05%の抗菌剤を加えると、香りが保たれる期間が無処理の約2倍になりました[6]。ただしこれはチューリップの香りの話で、糖を入れればどの花も2倍長持ちする、ということではありません。

花を長持ちさせる工夫を知ると、店で花束を頼むときの見方も変わります。何を伝えればよいのでしょうか。

持ち帰った花の日持ちについて、『aff』の花屋は、夏は4〜5日、冬は1週間〜10日を目安とし、気温が25℃を超えると保ちが悪くなると述べる。花の種類による差が大きいので、これは目安にすぎない。助言は、持ち帰ったら茎を短く切って水を吸いやすくし、エアコンの風や直射日光を避け、水を1日1回は替えることだった[1]。

ここで、出典どうしを比べると気づくことがある。JASでは、採花後の作業を気温25℃以下で行い、作業しないときは15℃以下で保管し、採花から出荷前までの時間を72時間以内とする。出荷先までは15℃以下に管理できる輸送手段を使う(所要おおむね1時間以内なら例外)。ただしこれは気温管理ができる場合の基準で、管理が難しい場合には、おおむね12時間以内などの別の基準がある[4]。つまり、家庭向けの助言と生産者向けの規格の両方に25℃が現れる。ただし、前者は「保ちが悪くなる気温」、後者は「作業の上限」であり、同じ根拠から出た数字とは断定できない。また「72時間」を一般則として覚えるのも誤りである。

水そのものの手入れも、売り場の水揚げと同じ理屈で説明できる。長野県の資料は、水を常にきれいに保つこと、水につかる下葉を取ること、余分な葉やつぼみを取って養分の消耗を防ぐことを挙げる[3]。

薬剤の効果を見た研究もある。農研機構は、輸送後のチューリップ切り花の生け水に、1%のブドウ糖と0.05%のイソチアゾリン系抗菌剤(CMIT/MIT)を加えると、香りが保たれる期間が無処理の約2倍になったと報告している[6]。ただしこれはチューリップの香りについての結果で、糖を加えれば何でも2倍長持ちするとは読めない。

花が長持ちする理由が段取りの積み重ねだとすれば、その段取りは花束を作る側にも、買う側にもある。注文のときに、何が要るのか。

4. 花たばを たのむ とき、「おまかせ」が こまる のは なぜ?

4. 花束の注文では、なぜ「お任せ」がいちばん困るのか

4. 「お任せ」が花屋をいちばん困らせる:注文で伝えると助かる三つのこと

花屋さんが いちばん こまるのは、「おまかせ」と いう ちゅうもんだ そうです。なんの ための 花たばか、いくらか、すきな いろは なにか。それが わからないと、えらべないからです[1]。

ある 花屋さんは、「おかあさんの たんじょう日。3000円で」と いう ちゅうもんを うけました。そこで、きせつの 花を 中心に 9しゅるいを えらんで、まるい 花たばに しました。

くきの したは、ティッシュと ビニールと アルミホイルで 水を もたせます。リボンと ラッピングの かみ、「花たばの しおり」を つけて できあがりです。

花屋さんの しごとは、みせの なかだけでは おわりません。

花束を注文するとき、花屋さんが知りたいのは、買う目的、予算、好みの色合いです。贈る相手の性別や年齢、好きな花が分かると、さらに選びやすくなります。花屋さんは、「お任せ」がいちばん困ると話しています[1]。何を基準に選べばよいのか、手がかりがなくなってしまうからでしょう。

実例があります。「母親の誕生日。3,000円で」という注文に、その店は季節の花を中心に9種類の花を選び、丸いブーケにしました。茎の下の端は、ティッシュ、ビニール、アルミホイルで包んで水分を保ちます。リボンとラッピングペーパー、それに「花束の栞」を添えて完成です[1]。

たった一言の注文でも、目的と予算と相手が伝われば、花の数や色、包み方まで決まっていきます。花を渡すところまで、手当ての続きが見えます。

花屋の仕事は、この先、店の外にも続いています。

花束の注文で花屋が助かるのは、買う目的、予算、好みの色合い、贈る相手の性別・年齢、好きな花を伝えてもらうことである。『aff』の花屋は、「お任せ」がいちばん困ると述べている[1]。お任せだけでは、選ぶ花も色も予算の割り振りも、手がかりがなくなってしまうからだ。

実例は具体的である。「母親の誕生日。3,000円で」の注文に、店は季節の花を中心に9種類を選び、丸いブーケに仕立てた。茎の下端は、ティッシュ、ビニール、アルミホイルで保水し、リボン、ラッピングペーパー、「花束の栞」をつけた。栞は、花の名前や手入れを渡すためのものと考えられる(栞の中身は出典に書かれていない)[1]。

注文から保水、包みまでが一続きの作業になっていることが分かる。この段取りが、技能検定の試験科目にも現れる。

5. 花屋さんの しごとは、みせの そとへも ひろがるの?

5. 花屋の仕事は、店の外へ、そして国の検定へと広がる

5. 積算と衣服の保護まで問われる:花屋の仕事の広がりと技能検定

おなじ 花屋さんは、1日に 数十けんも、人や 会社へ 花を とどけます。おいわいの 花たばや、おみせの 開てんの 花も つくります。町の しせつの かざりつけを したり、子どもの ための 花の きょうしつを ひらいたり も します[1]。しまるのは、ふつう 夜の 7時から 8時ごろです。

国には、「フラワーそうしょく」と いう ぎのうの しけんも あります。1きゅう、2きゅう、3きゅうと あり、ごうかくすると 「ぎのうし」と なのれます[7]。

花の かたちや いろの ことだけでは ありません。じつは、いくらに なるかを けいさんする ことまで、しけんの はんいに 入っています。花を きれいに かざる ことと、ねだんを 出す ことが、おなじ しごとの 中に あるのです。

同じ花屋さんの仕事は、店頭だけではありません。1日に数十件は、個人や会社へ配達します。ギフトの花束やアレンジ、開店祝いの花も作ります。地域の施設の飾りつけを請け負い、フラワースクールや小学校の子ども向けの教室も開いています。閉店は通常19〜20時です。ただしこれは1店の例で、どの花屋も同じではありません[1]。

こうした仕事の幅は、国の制度にも現れています。厚生労働省の技能検定には「フラワー装飾」という職種があり、1級・2級・3級の等級があります。結婚式のブライダルブーケ、宴会場の飾り花、花環、花束などの製作や会場の装飾が対象で、合格すると技能士と名乗れます[7]。

1級の試験科目の細目には、花束の形(ラウンド=円形、オーバル=卵形)、アレンジメントの基本形(三日月形、S字形、扇形など)、色彩、結束、さし花、針金などの技法があります。さらに製作方法として、「衣服の保護」「安全性」「包装及び維持管理」「積算及び見積り」まで入っています。母の日、バレンタインデー、クリスマスなど、行事に合わせた知識も問われます[8]。これは平成16年版の1級の範囲で、2級・3級は範囲が違います。花屋で働くのに資格は必須ではなく、技能検定は任意の国家検定です。

花の美しさの裏に、見積りや包装、安全の段取りがあります。これで、最初の問いに戻れます。

同じ店の仕事は、店頭販売にとどまらない。1日に数十件の個人・法人への配達、ギフト花束やアレンジ、開店祝いの制作、地域の施設の飾りつけ、フラワースクールや小学校の子ども向けスクールまで広がる。通常19〜20時に閉店する[1]。ただしこれは1店の取材であり、花屋一般の1日の流れではない。

こうした仕事を国が検定にしたのが、厚生労働省の技能検定「フラワー装飾」である。等級は1〜3級で、結婚式のブライダルブーケ、宴会場の装飾花、花環、花束などの製作と会場装飾が対象となり、合格者は技能士(ぎのうし)を名乗れる[7]。

試験範囲の細目(1級、平成16年)を読むと、花束の形から見積りまで項目が並ぶ。花束の形はラウンド(円形)とオーバル(卵形)、アレンジメントの基本形は三日月形(クレセント)、S字形、扇形など。色彩や構成、結束・さし花・針金といった技法に加え、製作方法の項目として、衣服の保護、安全性、色彩、仕上げ、器との調和、包装及び維持管理、特殊処理、積算(せきさん)及び見積りが並ぶ。母の日、バレンタインデー、クリスマスなど、行事ごとの活用の知識も問われる[8]。

この範囲表は1級(平成16年版)のもので、2・3級は範囲が違う。花屋として働くのに資格は必須ではなく、技能検定は任意で受ける国家検定である。

美しい花束の裏に、衣服を汚さない配慮、見積り、包装、維持管理の段取りがある。これは、最初に見た茎の切り方や仕入れの小分けと、同じ種類の仕事である。

6. おうちの 花で、下の はっぱを とると どうなるか くらべて みよう

6. 家の花で、下の葉を取ると日持ちが変わるか比べる

6. 資料の理屈を台所で確かめる:下葉の有無で日持ちを比べる

おうちで、花が 長く さくか くらべて みましょう。コップを 2つ ようい します。おなじ 花を 1本ずつ、おなじ ところに おきます。

2つとも、水を まいにち かえます。1つめは、水に つかる 下の はっぱを とります。2つめは、はっぱを つけたままに します。なん日 さいて いたか、ノートに かきましょう。

くきを きる ときは、はさみを つかうので、おうちの 人に てつだって もらいます。花の しゅるいに よっても ちがうので、ちゃんと くらべたいときは、おなじ しゅるいの 花で します。

どちらが ながく さいた でしょう。もし ちがいが なくても、それも ひとつの はっけんです。

花を買ったら、家で比べる実験ができます。同じ種類の花を2本用意します。水は2本とも毎日替えます。1本は水に浸かる下の葉を取り、もう1本は葉をつけたままにします。同じ場所に置き、何日で元気がなくなるかを記録します。

茎を切るときは、はさみを使うので、家の人に手伝ってもらいます。エアコンの風や直射日光の当たらない場所に、どちらも置きます。花の種類が違うと比べられないので、同じ種類を選びます。

2本だけの結果は、あくまで一例です。ただ、長野県の資料や『aff』の話が、自分の家でも当てはまりそうかを、自分の目で見ることはできます。次に花屋さんの前を通ったら、店先の花がどんな状態で並んでいるか、水が澄んでいるかを見てみると、売る前の手当てが見えてくるかもしれません。

資料の理屈を、家庭で小さく試すことができる。同じ種類の切り花を2本用意し、水は2本とも毎日替え、一方は水につかる下葉を取り、他方は葉をつけたままにする。場所は同じにし、直射日光とエアコンの風は避ける。何日目に花びらや茎の状態が変わるかを、日ごとに記録する。茎を切るときは刃物を使うので、大人に手伝ってもらう。

2本だけの比較は、統計的な結論にはならない。花の個体差や種類で日持ちが大きく違うからである。それでも、長野県の資料が述べる「下葉は腐りやすく水を汚す」「水は常にきれいに保つ」が自分の家で観察できるかを、自分の目で見ることはできる。さらに、農林水産省の『aff』(2017年2月号)や、JAS 0001:2018、厚生労働省の試験範囲表といった原典に当たれば、花屋の仕事を支える理屈を、自分で追いかけられる。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

本文で使った資料です(アクセス日:2026-10-04)。仕入れや営業の時刻は、取材された1店の例です。

  1. 農林水産省『aff』2017年2月号 特集1「花屋さんの一日」 https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/1702/spe1_03.html (仕入れ・水揚げ・日持ち・花束の注文・仕事の広がり)
  2. J-Net21(中小機構)「花屋の仕事内容」 https://j-net21.smrj.go.jp/startup/guide/retail/f004.html (仕入れ先と仕事の分類)
  3. 長野県「お花を長く楽しむには」 https://www.pref.nagano.lg.jp/enchiku/sangyo/nogyo/engei-suisan/kaki/flower-market-2.html (水切りと水の手入れ)
  4. 農林水産省 日本農林規格「日持ち生産管理切り花」JAS 0001:2018 https://www.maff.go.jp/j/jas/jas_kikaku/attach/pdf/kokujikaisei-403.pdf (水揚げの定義と温度の基準。生産者向け)
  5. 東京都中央卸売市場「月別・卸売業者別・部類別取扱数量(令和7年)」 https://www.shijou.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/shijou/h-2025-2-mo-whl-majcat (大田花き1社の切り花の取扱数量)
  6. 農研機構 技術の窓 No.2643(令和6年1月25日) https://www.jfc.go.jp/n/finance/keiei/pdf/2643.pdf (チューリップの生け水の後処理)
  7. 厚生労働省 技能検定「フラワー装飾」 https://waza.mhlw.go.jp/shokushu/list/flower-lb.html (等級と対象)
  8. 厚生労働省 フラワー装飾技能検定試験の試験科目及びその範囲並びにその細目(平成16年) https://www.mhlw.go.jp/general/seido/syokunou/ginou/aramashi/dl/syokusyu_125.pdf (1級の試験範囲)

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