1. おなじ「1ピエ」なのに、町で 長さが ちがったの?
1. 同じ「1ピエ」なのに、町ごとに長さが違った?
1. 革命前の単位の乱立:同じ「ピエ(足)」が、32cmから51cmまでばらついた
むかしの フランスに、「ピエ」という 長さの 単位が ありました。「足」という 意味です。ところが 同じ 1ピエでも、町や 地方で 長さが ちがいました。
ある 本の しょうかいでは、パリの 1ピエは 32.5センチメートルほどです。ピエモンテ地方では、51センチメートルほどでした。19センチメートル近くも ちがいます[9]。
こんな 単位が、地方や しごとごとに あって、同じ なまえでも ながさが ばらばらでした[2]。
1789年、身分の ちがう 人たちが 国に 出した おねがいの 手紙にも、重さと 長さを 国じゅうで 同じに してほしい、と 書いた ものも ある、と いわれます[8]。
では、どこの 町の 人が 使っても 同じ 長さに なる ものさしは、なにを もとに すれば いいのでしょう。
たとえば、同じ「1ピエ(足)」のつもりで板を頼んだとします。ある書籍の紹介によれば、1ピエの長さはパリで約32.5cm、リヨンで約34.25cm、ピエモンテ地方で約51cmでした[9]。パリとピエモンテでは、19cm近くもずれます。
革命前のフランスでは、同じ単位名でも都市によって示す量が違いました[2]。地域や職業によっても単位が違い、同じ名前でも長さや重さがそろいませんでした[2]。
1789年に各地から集められた陳情書には、聖職者・貴族・平民の三つの身分が、重さと長さの統一を求めた例があると説明されています[8]。「全員が求めた」とまでは言えませんが、不便を感じる人が少なくなかったことはうかがえます。
では、だれの言い分にも偏らず、どこでも同じ長さを示すには、何を物差しにすればよいのでしょうか。
パリの大工とピエモンテの大工が、どちらも「1ピエの板」と言ったとしたら、板の長さは19cm近くも食いちがう。ある書籍の紹介によれば、1ピエ(足)は、パリで約32.5cm、リヨンで約34.25cm、ピエモンテ地方で約51cmだった[9]。この数値は書籍紹介の記述に基づくので、参考値として読む。
こうした食いちがいは、足の一例にすぎない。革命前のフランスでは、同じ単位名でもパリとボルドーで示す量が違った[2]。地域や職業ごとに単位が違い、同じ名前でも示す量がそろわなかった。単位の数は数え方で大きく変わり、はっきりした数は言えない。
この不便は、当時の人にも意識されていた。仏語の解説によると、1789年の陳情書(cahiers de doléances)には、聖職者・貴族・平民の三身分が、重さと長さの統一を強く求める例が見られる[8]。ただし、これは検索で得た解説文に基づく説明であり、「全員が求めた」とは言えない。
統一したいという声があっても、問題が残る。どの町の足、どの商人の秤を基準にしても、ほかの土地の人は納得しにくい。では、どこの人にも公平な物差しは、何をもとに作れるのか。
2. 町や 人で かわらない ものは、どこに あったの?
2. 「変わらないもの」を求めて、選ばれたのは地球だった
2. 振り子案から子午線案へ:自然の変わらない量に基準を求める
1790年、タレーランという 人が、「かわらない しぜんの ものを もとに しよう」と 提案しました[3]。
はじめの かんがえは、ふりこでした。ちょうど 1秒ごとに ゆれる ふりこの 長さを、もとに する 考えです[3]。同じ 年の 5月、議会は、重さと 長さを 同じに する ことを 決めました[3]。
ところが 1791年3月、べつの かんがえが えらばれました。地球の 子午線、つまり 北極から 赤道までの みちのりの、1000万分の 1を 1メートルに する かんがえです[3]。みちのりは 計算すると、約1万キロメートルです。
ここで 答えを 先に 言います。1メートルは、「だれの 足でも、町の 決まりでも なく、地球の 大きさを ものさしに しよう」と、決める ことに なった 長さです。地球なら どこの 町の 人にも 同じ 大きさなので、町の きまりに ふりまわされない ものさしに なると 考えられたのです。
でも 地球を ものさしに するなら、ほんとうに 地球を はからなければ なりません。その 役目を もった のが、二人の 技師です。
1790年3月、タレーランが、変わらない自然の基準にもとづく、統一された単純な単位を提案しました。最初の案は、緯度45度で1秒ごとに振れる振り子の長さを基準にするものでした[3]。同じ年の5月、国民議会は、重さと長さを統一する原則を採択しています[3]。
ところが、1791年3月に選ばれたのは別の案でした。地球の子午線の4分の1、つまり北極から赤道までの道のりの1000万分の1を、1メートルとする案です[3]。逆算すると、その道のりは約1万kmになります。
ここで、答えを先に言っておきます。1メートルは、「だれの足でも町の決まりでもなく、地球の大きさを物差しにしよう」と決めることになった長さです。地球ならどこの町の人にも同じ大きさなので、町ごとの決まりに左右されない物差しになる、と考えられたのでしょう。
ただ、地球を物差しにするなら、実際に地球を測らなければなりません。その役目を負ったのが、二人の測量技師でした。
1790年、タレーランが提案したのは、変わらない自然の基準にもとづく、統一された簡単な単位だった。最初の案は、緯度45度で1秒ごとに振れる振り子(秒振り子)の長さを基準にするものだった。同年5月、国民議会は、重さと長さを統一する原則を採択している[3]。提案の月は資料により3〜4月と幅があるため、ここでは1790年としておく。
ところが1791年3月、選ばれたのは振り子案ではなかった。地球の子午線の4分の1の1000万分の1、つまり北極から赤道までの道のりを1000万に分けた一つ分を1メートルとする案である。学士院の決定日は3月19日説と30日説があるため、日付は「1791年3月」にとどめる。この案にもとづき、ダンケルクからバルセロナまでの子午線の弧を、三角測量で測ることが決まった[3]。
逆算すると、地球の子午線の4分の1は約1万kmになる。この案が選ばれた理由を、読んだ資料は説明していない。ただ、秒振り子と子午線の案は、どちらも「人の足や町の決まりに頼らない自然のもの」を基準にする考えに立っている。そして地球は、どの町の人にも同じ大きさで存在する。町ごとの決まりに左右されない物差しになる、という見通しが背景にあったと読めるが、これは資料に書かれた選定理由ではなく、この記事の読み解きである。
基準を地球に置くなら、その大きさを実際に測る必要がある。この仕事を任された二人の技師が、子午線の北半分と南半分に分かれて出発した。
3. 地球を はかる 旅は、どこから どこまで?
3. ダンケルクからバルセロナまで、二人はどう測ったのか
3. 1792年に始まった子午線の三角測量:担当を北と南に分けた理由と、6年という時間
はかる 場所は、北の 町ダンケルクから、南の 町バルセロナまでです[3]。二人の 技師が、北と 南に 分かれて 受け もちました。
デランブルが 北の ダンケルクから ロデズまで。メシャンが 南の ロデズから バルセロナまで です[4]。
はかりかたは、遠くの 目じるしの 角度を はかって、三角形を つなげて いく やりかたです[3]。
メシャンが パリを 出たのは、1792年6月28日 です[4]。1793年には はかる 作業が 止まりました。ぜんぶ 終わったのは 1798年ごろです[3][4]。6年ほど かかった ことに なります。
この 長い 旅の とちゅうで、南の メシャンは、ある 数字に 気づきました。
測る区間は、北の港町ダンケルクから、スペインのバルセロナまでです。三角測量という方法で、子午線の一部を測ることになりました[3]。遠くの目印どうしの角度を測って三角形をつなぎ、離れた二点の距離を割り出していく方法です。
北側のダンケルク〜ロデズをデランブルが、南側のロデズ〜バルセロナをメシャンが受け持ちました[4]。メシャンは1792年6月28日にパリを出て、バルセロナへ向かっています[4]。
測量は1793年に中断し、完成したのは1798年ごろです[3]。1798年には、デランブルがメシャンの三角測量を仕上げる手伝いに向かいました[4]。始めてから6年ほどかかった計算です。
この長い測量の途中で、南のメシャンはある数字に気づきました。
測る区間は、北のダンケルクから、南のバルセロナまでと決まった[3]。この距離を二人で分け、北のダンケルクからロデズまでをデランブルが、南のロデズからバルセロナまでをメシャンが担当した[4]。
方法は三角測量である。遠くの目印どうしの角度を測り、三角形をつなげて、離れた二点の距離を割り出していく[3]。メシャンは1792年6月28日にパリを出て、バルセロナへ向かった[4]。
ところが、測量は順調には進まなかった。1793年には作業が中断し、完成は1798年ごろになる。1798年にはデランブルが、メシャンの三角測量を仕上げる手伝いに出向いている[3][4]。1792年からの6年ほどは、子午線のような長い距離を地上で測る作業が、時間と手間のかかる仕事だったことを示している。
その長い作業のなかで、南を受け持ったメシャンは、ある数値の食いちがいに気づいた。
4. 南の 技師は、気づいた ずれを どうしたの?
4. メシャンが気づいた、小さなずれ
4. バルセロナの緯度の不一致:メシャンが知らせなかった誤差と、1mあたり約0.23mmの意味
メシャンは、バルセロナで はかった 緯度の 数が、ほかの 数と 合わない ことに 気づきました。1794年3月までの ことです[4]。
もう いちど たしかめに もどる ことが できず、メシャンは この ずれを、だれにも 知らせなかった と いわれます[4]。
あとで、デランブルが メシャンの 記録を 見つけました[4]。ずれは、1メートルで 約0.23ミリメートル と いわれます。コピー用紙 2まい ほどの うすさです。
メシャンが どんな 気もちで 知らせなかったのかは、わかりません。ただ、これほど 手間の かかる はかり方でも、小さな ずれが 出る ことは、記録から わかります。
1796年から 1797年に かけて、はかった ことを もとに、1メートルの 長さが 決まりました[3]。では、その 長さは、どんな 形に なったのでしょう。
1794年3月までに、メシャンはバルセロナで測った緯度の値が合わないことに気づきました。確かめ直しに戻ることができず、この不一致をだれにも知らせなかったと伝えられます[4]。
のちに、デランブルが彼の記録を見つけています[4]。メートルへの影響は、1メートルあたり約0.23mmとされます。コピー用紙2枚ほどの厚みですから、地球規模の測量としては、かなり小さなずれです。
メシャンがなぜ黙っていたのかは、資料からは分かりません。ただ、測量の最前線で、数字の小さな食いちがいに気づいた人がいたことが、記録から分かります。
測量の結果を受けて、1796〜97年に、旧単位のトワーズを使った換算で、1メートルの長さが定められました[3]。では、その長さは、どんな形になったのでしょうか。
1794年3月までに、メシャンはバルセロナの緯度の測定値が合わないことに気づいた。確かめ直しに戻ることができず、この不一致をだれにも知らせなかったと伝えられる[4]。のちにデランブルが、彼の記録を見つけている。
この不一致がメートルに与えた影響は、1メートルあたり約0.23mmとされる[4]。ただし、この値は二次資料にもとづくもので、一次資料との照合は済んでいない。0.23mmはコピー用紙2枚ほどの厚みで、1m(1000mm)に対して約0.023%にあたる。計算すると、約1万kmの道のりでも、この割合なら誤差は約2.3kmにすぎない。
メシャンが黙っていた理由は、読んだ資料からは分からない。確かなのは、地球を測るほど大きな事業でも、一つの測定値の食いちがいに気づいた人がいて、その記録が後に見つかったということである。
測量の結果を受けて、1796〜97年に、旧単位トワーズによる換算で、1メートルの長さが定められた[3]。換算値の数字は資料により食いちがうため、ここでは示さない。では、この長さは、どのような形で残されたのか。
5. 地球で 決めた 長さは、どんな 形に なったの?
5. 地球から決めた長さは、金属の棒になった
5. 1795年の法律から1799年の原器へ:長さ・体積・重さをつないだ十進法
1795年、白金の メートルを いちばんの もとの 単位に する 決まりが、法律で 正式に 決まりました[3]。
1799年には、白金で 作った メートルの ぼうと、キログラムの おもり(どちらも 原器)が、パリの 国の 記録を しまう 場所に おさめられました。ものの 形で 単位を しめしたのは、これが はじめてと いわれます[1][7]。
キログラムは、水と つながって います。たて・よこ・高さが 10センチメートルの はこに 入る 水が 1リットルで、その 重さが ほぼ 1キログラムです[5]。長さ、かさ、重さが、10ずつの 数で つながりました。
地球から 決めた 長さは、こうして 手に とれる ぼうに なりました。では、決まった 日から、フランス中が メートルを 使うように なったのでしょうか。
1795年、白金のメートルを基本単位とするメートル法が、法律で正式に定められました[3]。そして1799年、白金製のメートル原器とキログラム原器が作られ、パリの国立公文書館に納められます。単位を物の形で示した最初の例とされています[1]。6月に納められ、12月10日に議会が承認しました[1][7]。
重さのキログラムは、水とつながっています。1辺10cmの立方体の体積は1000cm³、つまり1リットルで、そこに入る水の重さが、ほぼ1kgです[5]。長さ、体積、重さが、十進法でつながりました。
測量で決めた長さは、こうして手にとれる棒になりました。では、決まったその日から、フランス中でメートルが使われるようになったのでしょうか。
1795年、白金のメートルを基本単位とする十進法のメートル法が、法律で正式に定められた[3]。測量が1793年に中断していた時期に当たるが、1メートルの長さそのものは、測量の結果を受けて1796〜97年に定められている。
こうして定められた長さは、1799年に物の形になった。白金製のメートル原器とキログラム原器が作られ、パリの国立公文書館に納められた。単位を物の形で示した最初の例とされる[1]。納入は6月、議会の承認は12月10日で、日付は別の出来事として区別する必要がある[7]。
キログラムは、水を介して長さとつながる。1辺10cmの立方体(1000cm³=1リットル)に入る水の重さが、およそ1kgという関係である[5]。水の温度の条件は資料に出ていないので、「ほぼ」とするのが安全だ。この設計により、長さ・体積・重さが十進法の一本線で結ばれた。
だが、基準が決まり、原器が納められたからといって、人々の暮らしの単位がすぐに入れかわったわけではない。
6. メートルは、すぐ 世界の ものさしに なったの?
6. メートル法が根づくまで、40年以上かかった
6. 日用の単位の復活と廃止、そして1875年のメートル条約:40年以上かかった定着
いいえ。1812年、ナポレオン1世が、昔の 単位に 近い「日用の 単位」を、店で 使って よいと ゆるしました[6]。
1837年の 法律で それは なくなり、1840年1月1日から、また メートルの 単位だけに なりました[6]。1795年の 法律から 数えると、45年です。
1875年には、パリで メートル条約が むすばれ、17の 国の 代表が 名前を 書きました[1][2]。
日本は 1885年(明治18年)に 入りました。1890年には、メートル原器 No.22と、キログラム原器 No.6を 受け取りました。2つの 原器は、2012年に 重要文化財に なりました[2]。
地球から 決めた はずの 長さが、日本にも、ぼうの 形で とどいたのです。では、いまの 1メートルは、どう 決められて いるのでしょう。
答えは「いいえ」です。1812年、ナポレオン1世は、小売り用に伝統的な単位に近い「日用の単位」を認めました[6]。1837年の法律で廃止され、1840年1月1日から、再びメートル法だけになります[6]。1795年の法律から数えると、45年かかった計算です。
そのメートル法が国を越えたのは、1875年です。パリでメートル条約が結ばれ、17か国の代表が署名しました[1][2]。日本は1885年(明治18年)に加入し、1890年にメートル原器No.22とキログラム原器No.6を受け取りました[2]。この二つの原器は、2012年に重要文化財に指定されています[2]。
地球を測って決めたはずの長さが、日本にも棒の形で届いたわけです。では、いまの1メートルは、どう決められているのでしょうか。
決まった単位が、すぐ全土に行きわたったわけではない。1812年、ナポレオン1世は、小売り用に伝統的な単位に近い「日用の単位」を勅令で認めた。1837年7月4日の法律がこれを廃止し、1840年1月1日から、再びメートル法のみになった[6]。1795年の法律から数えれば、45年かかっている。人々が慣れた単位は、法律ができても、すぐには手放されなかったことがうかがえる。
国どうしで同じ単位を使う動きは、1875年のメートル条約で形になる。パリで結ばれ、17か国の代表が署名した[1][2]。日本は1885年(明治18年)に加入し、1890年にメートル原器No.22とキログラム原器No.6を受け取った。両原器は2012年に重要文化財に指定されている[2]。加入の年は手続きが1885年、公布は1886年とする説もあり、資料により表記が分かれる。
革命のフランスで始まった統一の願いは、こうして国境を越えた。残る問いは、いまの1メートルが何で決まっているかである。
7. いまの 1メートルは、なにで 決めて いるの?
7. いまの1メートルは、地球ではなく光で決まっている
7. 地球から原器へ、原器から光へ:1869年と1983年の定義
地球から 決めた メートルは、そのうち、金ぞくの 原器の 長さそのものが ものさしの もとに なりました。1869年の ころの ことです[7]。
1983年に、光の はやさを もとに した 決め方に なりました。いまも「光が、なにも ない 空間を 299792458分の 1秒で 進む 長さ」と 決められて います[7]。光は 1秒に 地球を 7まわり半ほど 進む はやさです。
地球、金ぞくの ぼう、光。もとに する ものは かわっても、「だれにとっても 同じ 長さ」を もとめる ところは、つながって います。
1869年ごろには、アルシーヴ原器の長さそのものが1メートルの定義とされていました[7]。地球の大きさから出発した長さが、金属の棒を基準にする形に変わったことになります。
1983年に光の速さにもとづく定義が採用され、現在の1メートルも「真空中で光が299792458分の1秒に進む距離」と定義されています[7]。光は1秒でおよそ3億m進みます。地球1周を、1メートルの定義から逆算した約4万kmとすると、1秒に7周半ほどです。
地球、金属の棒、光。基準になるものは変わっても、「だれにとっても同じ長さ」を求める点では、つながっています。
地球の大きさから出発したメートルは、1869年ごろには、アルシーヴ原器の長さそのものが定義とされた[7]。測量で決めた値を、物の形で残したことが、基準の置き場所を地球から金属の棒へ移した。
1983年に光の速さにもとづく定義が採用され、現在のメートルも「真空中で光が299792458分の1秒間に進む距離」と定義されている[7]。光は1秒間に約3億m進む。地球1周を、子午線の定義から逆算した約4万kmとすると、1秒に7周半ほどにあたる。地球の大きさから出発した単位が、光の速さで決まる単位へ移ったことになる。
地球・金属の棒・光と、基準になるものは変わった。しかし「だれにとっても同じ長さ」を求めるという点では、1789年の陳情書の求めと、つながって見える。
8. 水 1リットルと 自分の 足で、はかって みよう
8. 水1リットルと自分の足で、昔の「困りごと」をのぞいてみる
8. 家でできる検算と、原典・資料への入口
おうちに ある はかりで、水 1リットルの 重さを はかって みましょう。入れものの 重さを ひくと、ほぼ 1キログラムに なるはずです。水は、たいらな ところで、こぼさない ように 気を つけて ください。
もう 1つ。自分の くつの 長さを ものさしに して、ろうかを はかります。おうちの 人にも はかって もらい、数を くらべて みましょう。数が ちがうと、むかしの 人の こまりごとが、少し 分かります。
もっと 知りたく なったら、ページの いちばん 下に ならぶ 日本語の 記事に、メートル原器の ことが のって います。
キッチンスケールがあれば、水1リットルの重さを量ってみましょう。入れ物の重さを引くと、1kgに近い値になるはずです。水はこぼさないよう、平らな台の上で行ってください。
もう一つ、自分の靴の長さを物差しにして、廊下の長さを測ります。家の人にも同じ場所を測ってもらい、数を比べてみてください。数がずれるのは、足のような体の一部を物差しにした昔の人たちの困りごとを、小さく味わうことでもあります。
調べを広げたいときは、日本語で読めるNewsweek日本版[2]や現代ビジネス[7]の記事が、メートル原器のことを取り上げています。メシャンの測量記録については、MacTutorの伝記(英語)が手がかりになります[4]。
キッチンスケールで水1リットルの重さを量り、入れ物の重さを引くと、1kgにどれだけ近いかが確かめられる。1辺10cmの立方体は1000cm³で、1リットルである。温度や量り方の誤差で、きっちり1kgにはならないことも分かるはずだ。
自分の靴の長さを物差しにして、廊下を測り、家の人の靴の長さでも測って、数を比べる方法もある。同じ場所なのに数が変わる体験は、革命前のピエの混乱を、小さく再現している。
原典に近づくなら、日本語ではNewsweek日本版[2]と現代ビジネス[7]の記事が、原器の経緯や日本への到着を扱っている。英語では、Physics Worldの記事[1]と、MacTutorのメシャン伝[4]が、測量の経緯と記録に触れている。
残る問いは、メシャンが知らせなかった理由と、1796〜97年の最終的な旧単位換算値である。これらは、より原典に近い資料をあたる題材として残る。
しらべた もとの じょうほう
参考にした情報源
参考にした情報源と、その使い方
約1万kmや、2.3km、45年、7周半などの数値は、出典の数値をもとに本記事で計算した値です。
- Physics World, The evolution of the metre https://physicsworld.com/a/the-evolution-of-the-metre-how-a-product-of-the-french-revolution-became-a-mainstay-of-worldwide-scientific-collaboration/ (原器、メートル条約)
- Newsweek日本版 https://www.newsweekjapan.jp/articles/-/13436?page=2 (単位の混在、条約、日本の原器)
- IPQ, Creation of the decimal metric system https://www.ipq.pt/en/?p=7729 (タレーランの提案、子午線案、1795年の法律)
- MacTutor, Pierre Méchain https://mathshistory.st-andrews.ac.uk/Biographies/Mechain/ (測量の分担、メシャンの不一致)
- Smithsonian National Museum of American History, Metric Weights https://www.si.edu/object/metric-weights:nmah_1726 (水1リットルと1キログラム)
- Wikipedia, Mesures usuelles https://en.wikipedia.org/wiki/Mesures_usuelles (日用の単位の導入と廃止)
- 現代ビジネス, メートル原器 https://gendai.media/articles/-/65228 (原器の日付、1869年と現在の定義)
- Encyclopædia Universalis, Poids et mesures (histoire) https://www.universalis.fr/index/poids-et-mesures-histoire/ (陳情書の要望。検索要約で確認した範囲)
- De la mesure en toutes choses(書籍紹介) https://www.laprocure.com/product/166489/de-la-mesure-en-toutes-choses (ピエの地域差。紹介文で確認した範囲)
なおした ところ
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