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ミツバチは、なぜ 花の みつを はちみつに かえるの?

ミツバチは、なぜ花の蜜をはちみつに変えるのか

ミツバチは、なぜ花の蜜をはちみつに変えるのか

分野:生きもの

ミツバチが 花から 集めて きた ばかりの みつは、サラサラの みずっぽい えきたいだ。パンに ぬる、あの とろりと した はちみつとは、ずいぶん ちがう。

ミツバチは の 中で、はねを つかって この みつを あおぎ、水分を とばして いく。そう する ことで、はじめて はちみつに かわる。

ミツバチが花から集めてきたばかりの蜜は、サラサラの水っぽい液体だ。パンに塗る、あのとろりとしたはちみつとは、ずいぶん違う。

ミツバチは巣の中で、羽を使ってこの蜜を扇ぎ、水分を飛ばしていく。そうすることで、初めてはちみつに変わる。

ミツバチが花から採集した直後の蜜は、糖度が低く水分を多く含む液体である。市販のはちみつのような粘度の高い状態とは大きく異なる。

巣に持ち帰られた蜜は、働きバチの酵素でショ糖が分解され、さらに羽で扇いで水分を蒸発させることで、糖度80%前後のはちみつへと変化する。世界に9種いるミツバチのうち、日本には2種類がいる。そのうちの1種、ニホンミツバチだけが持つ天敵への対抗手段には、意外な代償があることも分かってきた。花の種類による味の違い、危険な「マッドハニー」、そして乳児に与えてはいけない理由についても触れる。

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1. 冬を こすための 食りょうとして、みつを ためる

1. 冬を越すための食料として、蜜を蓄える

1. 冬を越す保存食として、はちみつが作られる

冬など 花が すくなく なる ときには、ミツバチは みつを 集められなく なる。だから 夏から 秋の うちに、たくさんの みつを 集めて、に ためて おく ひつようが ある[1]

あつめた 花の みつは、ミツバチの もつ こうそ(体の 中で ものを かえる ちからを もつ もの)の はたらきで、あまい とうぶんに かわる。それを はねで あおいで 水分を とばすと、こくの ある はちみつに なる[1]

この「水分を とばす」ところは、ぬれた せんたくものを、せんぷうきの 風に あてて かわかすのと、にた はなしだ。風を あてつづけると、水分だけが 空気中に にげて いき、のこった ものが こく なって いく。ただし ほんとうは、ミツバチが あおぐのは せんぷうきの かぜでは なく、じぶんの はねの かぜだし、はちみつが あまく なるのは、この 前の 「こうそ」の はたらきの おかげだ。

冬など花が少なくなる時期には、ミツバチは蜜を集められなくなる。だから夏から秋のうちに、たくさんの蜜を集めて、巣に蓄えておく必要がある[1]

集めた花の蜜は、ミツバチの持つ酵素(体の中でものを変える力を持つもの)の働きで、甘い糖分に変わる。それを羽で扇いで水分を飛ばすと、こくのあるはちみつになる[1]

花が少ない冬季を乗り切るため、ミツバチは夏から秋にかけて大量の蜜を集め、巣内に貯蔵する。これがはちみつを作る根本的な理由である[1]

採集された花蜜は、働きバチの体内で分泌される酵素の働きにより、主成分のショ糖が果糖とブドウ糖に分解される。その後、巣内で羽により扇がれて水分が蒸発し、糖度がおよそ80%まで上昇することで、粘度の高いはちみつへと変化する[1]

2. 世界に 9しゅ、日本には 2しゅの ミツバチが いる

2. 世界に9種、日本には2種のミツバチがいる

2. 世界に9種、日本には2種のミツバチが分布する

ミツバチの なかまは、世界に 9しゅしか いない。日本には、そのうち 「セイヨウミツバチ」と 「ニホンミツバチ」の 2しゅが いる[2]

むかしの 日本では、ニホンミツバチだけを かって みつを とって いた。明治めいじ時代に なって、セイヨウミツバチが 外国から やって くると、養蜂ようほう(はちを かって みつを とる しごと)の 多くは セイヨウミツバチで おこなわれる ように なった[2]

ミツバチの仲間は、世界に9種しかいない。日本には、そのうち「セイヨウミツバチ」と「ニホンミツバチ」の2種がいる[2]

昔の日本では、ニホンミツバチだけを飼って蜜を採っていた。明治時代になって、セイヨウミツバチが外国からやってくると、養蜂(蜂を飼って蜜を採る仕事)の多くはセイヨウミツバチで行われるようになった[2]

ミツバチ属(Apis属)は、世界に9種しか確認されていない。日本に生息するのは、そのうちセイヨウミツバチと、在来種であるニホンミツバチの2種である[2]

日本では長らくニホンミツバチのみが養蜂に用いられてきたが、明治時代にセイヨウミツバチが導入されると、採蜜量の多さから養蜂種の主流はセイヨウミツバチへと移っていった[2]

3. ニホンミツバチには、てきを ねつで たいじする 特技とくぎが ある

3. ニホンミツバチには、敵を熱で退治する特技がある

3. ニホンミツバチは、熱でオオスズメバチを撃退する

ニホンミツバチの 天てきは、オオスズメバチだ。オオスズメバチが に せめて くると、何百びきもの ニホンミツバチが、まるく かたまって つつみこむ。この かたまりは 「蜂球ほうきゅう」と よばれる[3]

ミツバチたちが むねの きん肉を ふるわせると、かたまりの 中心は 46どから 47どくらいまで あつく なる(調べた 研究に よって すうじは すこし ちがう)。ミツバチは 50どちかくまで あつさに たえられるのに、オオスズメバチは その 温度に たえられず 死んで しまう。この 温度の ちがいを つかった、むしやきの さくせんだ[3]

ニホンミツバチの天敵は、オオスズメバチだ。オオスズメバチが巣に攻めてくると、何百匹ものニホンミツバチが、丸く固まって包み込む。この固まりは「蜂球」と呼ばれる[3]

ミツバチたちが胸の筋肉を震わせると、固まりの中心は46度から47度くらいまで熱くなる(調べた研究によって数値には幅がある)。ミツバチは50度近くまで暑さに耐えられるのに対し、オオスズメバチはその温度に耐えられず死んでしまう。この温度の差を使った、蒸し焼きの作戦だ[3]

ニホンミツバチの天敵であるオオスズメバチが巣に侵入すると、数百匹の働きバチがこれを取り囲み、「蜂球」と呼ばれる球状の集団を形成する[3]

蜂球内のミツバチが胸部の飛翔筋を震わせて発熱すると、中心部はおよそ46〜47度に達する(報告されている数値は研究によって幅がある)。ミツバチの致死温度が50度近くであるのに対し、オオスズメバチの致死温度はそれより低く、この差を利用してオオスズメバチを撃退する。この行動は「熱殺蜂球」と呼ばれ、セイヨウミツバチには見られない、ニホンミツバチなどアジア産ミツバチに特徴的な対抗手段である[3]

4. その 特技とくぎには、だいしょうも あった

4. その特技には、代償もあった

4. 熱殺蜂球は、参加した働きバチの寿命を縮める

この ねつで たいじする わざには、こまった 点も あった。研究に よると、蜂球ほうきゅうに くわわった ミツバチは、たかい 温度の せいで、じゅみょうが みじかく なって しまう[4]

さらに、いちど じゅみょうが みじかく なった ミツバチは、つぎに 蜂球ほうきゅうを 作る ときに、いちばん あつい 中心の 方に あつまりやすく なる ことも 分かって きた[4]

この熱で退治する技には、困った点もあった。研究によると、蜂球に加わったミツバチは、高い温度のせいで、寿命が短くなってしまう[4]

さらに、一度寿命が短くなったミツバチは、次に蜂球を作るときに、一番熱い中心の方に集まりやすくなることも分かってきた[4]

玉川大学などの研究により、熱殺蜂球に参加したミツバチは、蜂球内の高温にさらされることで著しく短命化することが明らかになった。天敵を退治する代償を、参加した個体自身が負う構造になっている[4]

さらに、この研究では、短命化したミツバチが、以降の蜂球形成の機会において、より高温になる中心付近に優先的に集まりやすくなるという対応も見出された。寿命の短い個体が、危険度の高い役割を引き受ける仕組みが存在する可能性を示している[4]

5. 花の しゅるいで、はちみつの あじと 色が かわる

5. 花の種類で、はちみつの味と色が変わる

5. 蜜源植物の違いが、はちみつの風味を決める

はちみつの あじや 色は、みつを とった 花の しゅるいに よって かわる。れんげの はちみつは くせが なく、そばの はちみつは こい 色で、力づよい あじが する[5]

色の こさには、みつを とった 花の しゅるいや、はちみつに ふくまれる てつなどの りょうが かんけいして いると 考えられて いる[5]

はちみつの味や色は、蜜を採った花の種類によって変わる。レンゲのはちみつはくせがなく、そばのはちみつは濃い色で、力強い味がする[5]

色の濃さには、蜜を採った花の種類や、はちみつに含まれる鉄などのミネラル量が関係していると考えられている[5]

ミツバチが蜜を採取する植物は「蜜源みつげん植物」と呼ばれ、日本国内だけでも500〜600種が知られる。蜜源植物ごとに花蜜の成分が異なるため、アカシア蜜のようにクセのない淡い味わいのものから、そば蜜のように鉄分・ミネラルを多く含み濃厚な風味を持つものまで、多様な個性が生まれる[5]

はちみつの色の濃淡は、含まれる鉄や銅などのミネラル量に加え、採取された季節や気候によっても左右されるとされる[5]

6. 「マッドハニー」と いう あぶない はちみつが ある

6. 「マッドハニー」という危ないはちみつがある

6. マッドハニーには、神経に働く毒が含まれる

トルコや ネパールには、シャクナゲと いう 花から とれる、あぶない はちみつが ある。「マッドハニー」と よばれ、体に わるい ものしつが 入って いる[6]

今から 2400年 くらい 前、ギリシャの へいたいたちが この はちみつを 食べて、たおれて しまった という きろくが のこって いる[6]

トルコやネパールには、シャクナゲという花から採れる、危ないはちみつがある。「マッドハニー」と呼ばれ、体に悪い物質が入っている[6]

今から2400年くらい前、ギリシャの兵隊たちがこのはちみつを食べて、倒れてしまったという記録が残っている[6]

トルコの黒海沿岸やネパールに分布するシャクナゲ属などツツジ科の植物の花蜜には、グラヤノトキシンという神経毒が含まれることがある。この蜜から作られたはちみつは「マッドハニー」と呼ばれ、摂取すると中毒症状を引き起こす[6]

紀元前401年、現在のトルコ黒海沿岸を進軍していたギリシャの傭兵部隊が野生の蜂蜜を食べて中毒を起こしたという記録が残っており、集団中毒の古典的な事例として医学・歴史学の双方で引用されている[6]

7. 1さいに ならない 赤ちゃんには、はちみつを あげない

7. 1歳にならない赤ちゃんには、はちみつをあげない

7. 1歳未満の乳児には、はちみつを与えない

はちみつには、まれに ボツリヌスきんと いう きんの たまごの ような もの(芽胞がほう)が まじって いる ことが ある。おとなの おなかの 中では もんだいに ならないが、生まれて 1年に ならない 赤ちゃんの おなかの 中では、この きんが ふえて しまう ことが ある[7]

そのため、1さいに ならない 赤ちゃんには、はちみつや、はちみつが 入った おかしなどを あげては いけない[7]

はちみつには、まれにボツリヌス菌という菌の卵のようなもの(芽胞)が混じっていることがある。大人のお腹の中では問題にならないが、生まれて1年にならない赤ちゃんのお腹の中では、この菌が増えてしまうことがある[7]

そのため、1歳にならない赤ちゃんには、はちみつや、はちみつが入ったお菓子などをあげてはいけない[7]

はちみつには、土壌由来のボツリヌス菌の芽胞が微量に混入していることがある。成人の腸内では問題を起こさないが、腸内細菌のバランスがまだ整っていない1歳未満の乳児では、この芽胞が腸管内で発芽・増殖し、毒素を作り出して乳児ボツリヌス症を発症することがある[7]

芽胞は120度で4分以上加熱しないと壊れないため、家庭での加熱調理では死滅しない。厚生労働省・消費者庁は、1歳未満の乳児にはちみつやはちみつを含む飲料・菓子を与えないよう注意を呼びかけている[7]

じぶんでも やって みる

自分でも調べてみたくなったら

自分でも調べてみたくなったら

家に はちみつが あったら、ラベルを 見て、どんな 花の みつから 作られて いるか、大人と いっしょに たしかめて みましょう。

スーパーで、しゅるいの ちがう はちみつを 見くらべて、色の こさが ちがう ことに 気づけるか、さがして みましょう。

家にはちみつがあったら、ラベルを見て、どんな花の蜜から作られているか、大人と一緒に確かめてみましょう。

スーパーで、種類の違うはちみつを見比べて、色の濃さが違うことに気づけるか、探してみましょう。

スーパーや通販サイトで売られている複数のはちみつを見つけ、原材料表示にある蜜源植物や産地を見比べる。可能であれば実際に味も比べ、色・粘度・風味が蜜源によってどう変わるかを確かめてみるとよい。

しらべた ところ

参考にした情報源

参考にした情報源

  1. 雑学ネタ帳「ミツバチが花の蜜を蜂蜜に変える方法」、みつばち屋「はちみつとミツバチのこと」。 https://zatsuneta.com/archives/006633.html https://hachimitsu.co.jp/blogs/q-a/ハチミツについて (ミツバチが冬に備えて夏から秋に蜜を蓄えること、酵素でショ糖が果糖とブドウ糖に分解されること、羽で扇いで水分を飛ばし糖度80%前後のはちみつになること)
  2. ハチ110番「ミツバチの種類は世界でも9種!」、日本養蜂協会「ミツバチについて」。 https://www.sharing-tech.co.jp/hachi/honeybee-shurui/ https://beekeeping.or.jp/honeybees/ (世界のミツバチが9種であること、日本にはセイヨウミツバチとニホンミツバチの2種がいること、明治時代にセイヨウミツバチが導入され養蜂種の主流になったこと)
  3. 東京大学「ニホンミツバチの「熱殺蜂球」形成時の脳の活動を解明」、山田養蜂場「Beeワールドin日本 ニホンミツバチの熱殺蜂球篇」。 https://www.u-tokyo.ac.jp/focus/ja/articles/a_00024.html https://www.3838.com/bee-world/backnumber/211111_jp12/ (オオスズメバチの侵入時にニホンミツバチが蜂球を形成すること、蜂球内部がおよそ46〜47度に達しミツバチとオオスズメバチの致死温度の差を利用すること、セイヨウミツバチにはこの行動が見られないこと)
  4. 玉川大学「ニホンミツバチの対オオスズメバチ蒸し殺し戦法は「諸刃の剣」だった」。 https://www.tamagawa.jp/graduate/news/detail_14741.html (熱殺蜂球に参加したミツバチが高温により著しく短命化すること、短命化した個体が以降の蜂球形成で中心付近に集まりやすくなること)
  5. はちみつCAFE「はちみつの種類」、みつばちのーと「はちみつの「色」について徹底解説」。 https://www.sakura-honey.co.jp/cafe/type/index.html https://mitsubachi-note.jp/blog/474618 (蜜源植物が日本国内で500〜600種知られること、蜜源植物ごとに味わいが異なること、はちみつの色の濃淡が鉄や銅などのミネラル量や採取時期・気候で決まること)
  6. はちみつ大学「「危険なはちみつ」は実在した古代ローマ軍も倒れた"マッドハニー"の真実」。 https://honeyuniversity.net/madhoney.html (トルコ黒海沿岸やネパールのシャクナゲ属の花蜜に含まれるグラヤノトキシンによる中毒、紀元前401年のギリシャ傭兵部隊による集団中毒の記録)
  7. 消費者庁「ハチミツによる乳児のボツリヌス症」、厚生労働省「ハチミツを与えるのは1歳を過ぎてから」。 https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/food_safety/food_safety_portal/microorganism_virus/contents_001/ https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000161461.html (1歳未満の乳児の腸内でボツリヌス菌芽胞が発芽・増殖し乳児ボツリヌス症を発症すること、芽胞が120度4分以上の加熱でないと壊れず家庭調理では死滅しないこと)

なおした ところ

更新履歴

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