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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

つくしと スギナは、ちがう くさなの?

つくしとスギナは、どんな関係なのか ── 胞子のゆくえと、地面の下のつながり

つくしとスギナは、どうつながっているのか ── 胞子のゆくえと地下茎

分野:生きもの

つくしは、スギナと べつの くさに 見えます。でも、ほんとうは スギナが 春に 出す 「こなを つくる くき」です。

では、つくしの あたまの こなは なんでしょう。つくしが かれた あとも、スギナが また 出て くるのは なぜでしょう。この メモで、そのわけが 分かります。

春の土手で見つけるつくしは、スギナとは別の草に見えます。ところが資料によると、つくしはスギナの一部で、胞子をつくるための茎です[1]。しかも地面の下で、スギナの緑の茎とつながっていることが多いといいます。

頭の中の緑の粉は何なのか。湿ると縮み、乾くと広がる「糸」で、どうやって風に乗るのか。つくしが枯れても、スギナが毎年出てくるのはなぜか。胞子の旅から足もとの茎のつながりまで読むと、毎年また会える理由が分かります。

つくしは独立した草ではなく、スギナ(トクサ科のシダ植物)が胞子をつくるために出す茎である。緑色の栄養茎とは、地下の茎でつながっていることが多い[1]。

ではその胞子はどう散らされ、どう次の世代になるのか。つくしが枯れたあとも、スギナが毎年現れるのはなぜか。胞子の散布、地下茎による繁殖、石炭紀の化石へと読み進めると、毎年同じ場所に戻る理由の筋道が分かる。

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2. みどりの こなは、たねなの?

2. 緑の粉は、種ではなく胞子と呼ばれる

2. シダ植物の増え方 ── 花も種子もつくらず、胞子で増える

この こなは、たねでは ありません。胞子ほうしと いいます。

スギナは、シダの なかまです。シダの なかまは、花が さかず、たねも つくりません。かわりに、この ちいさな 胞子ほうしで なかまを ふやします[3]。

つくしは、胞子ほうしを つくって とばす ための、春の 先ぶれの くきなのです。

この粉は胞子です。スギナはトクサ科のシダ植物で、シダの仲間は花を咲かせず、種子もつくりません。その代わりに胞子で仲間を増やします[3]。

花が咲いて種ができる、という植物の増え方とは別の道です。つくしは、その胞子をつくって送り出すための茎だと考えると、頭にぎっしり並んだ六角形の意味が分かってきます。

ところで、胞子は粉のように軽いものです。風に運ばれず親の足もとにそのまま落ちるだけなら、遠くには広がれません。何か仕掛けはあるのでしょうか。

シダ植物は花をつけず、種子もつくらない。増え方の基本は胞子である[3]。スギナはトクサ科のシダ植物で、つくしはその胞子をつくる茎にあたる[3]。

胞子は粉に見えるほど小さな粒だ。軽ければ風に運ばれやすい一方で、風に乗らず親の足もとに落ちるだけなら遠くへ広がれない。ならば胞子の側に、飛びやすくする仕掛けがあるのではないか。そこで次に、胞子の構造を見る。

3. こなは、どうやって とぶの?

3. 胞子は、湿り気で動く「糸」を持っている

3. 弾糸の伸縮 ── 湿度に応じて動く散布の仕掛け

この 胞子ほうしには、小さな 糸のような ものが ついて います。弾糸だんしと いいます[2]。

弾糸だんしは、水気が あると ちぢみます。かわくと ひろがります[2]。からっと はれた 日に ひろがると、風に のりやすく なると いわれて います[2]。

水気は、人の 息でも 足りる と いわれて います。ですから、ぬれた 日と かわいた 日で、胞子ほうしの とび方が かわる のかも しれません。

胞子には弾糸だんしという細い紐のような部分があり、湿度に応じて伸び縮みします[4]。水分があると縮み、乾燥すると広がります[2]。

乾いた晴れた日に広げることで、風に乗りやすくなる、というのが資料の説明です[2]。空気が湿っているときは丸まり、乾くと広がる。胞子を飛ばすなら、風がよく乾いた日のほうが都合がよさそうです。

弾糸が何本あるかは、ここでは数えないことにします。

胞子には弾糸があり、1か所から四方へ伸びる形をとる。湿度に応じて伸縮し、散布を助ける[4]。宮城県総合教育センターの資料は、水分があると縮み、乾燥した晴れた日に広がることで風に乗りやすくなる、と説明する[2]。

水分があれば縮むという性質は、息のような水気でも起こると説明されている[2]。この性質を使えば、空気の湿り具合しだいで胞子の「広げ具合」が変わることになる。ただし資料が述べているのは、乾燥した晴れた日に広がって風に乗りやすくなる、という現象までで、なぜそう進化したのかは分からない。弾糸の本数には触れない。

4. おちた こなは、そのあと どうなるの?

4. 落ちた胞子は、まず小さな「前葉体」になる

4. 胞子から前葉体、そして次のスギナへ

風に のった 胞子ほうしが じめんに おちると、まず 前葉体ぜんようたいに なります[3]。

前葉体ぜんようたいには、おすの 部分と めすの 部分が あります。ここで はじめて、おすと めすが あわさります。そのあと、つぎの スギナの からだが そだって いきます[3]。

こなを とばした つくしは、やくめを おえて かれます[3]。ところが、スギナは 毎年 また 出て きます。つくしが かれたら、どうして?

風に乗って地面に落ちた胞子は、すぐスギナになるわけではありません。まず前葉体という小さな体になります。前葉体には雄の器官と雌の器官があり、そこで初めて受精が起こります。その後で、次のスギナの体が育っていきます[3]。

胞子を出し終えたつくしは、役目を終えて枯れます[3]。

ところが、スギナは枯れた年の翌年も、同じ場所に姿を見せます。つくしが枯れても毎年出てくるのは、なぜなのでしょうか。

胞子が地面に落ちると、受精の場となる前葉体になる。前葉体には雄の器官と雌の器官があり、受精はここで起こる。その後、次の世代であるスギナの体が育つ[3]。つまり胞子は種子とちがい、直接スギナの形に育つのではなく、いったん前葉体という別の姿を経由する。

胞子を出し終えたつくしは枯れる[3]。それなのにスギナは、同じ場所に毎年現れる。枯れたつくしだけが頼りなら、説明がつかない。胞子とは別の何かが、地面の下にあるのではないか。

6. じめんの 下の くきは、どれくらい つよいの?

6. 地面の下の茎が、畑で嫌われる理由

6. 地下茎の強さと、畑での扱い

スギナの 地下茎ちかけいは、じめんの 下に ながく のびる ことが あります。

うえの スギナを とっても、したの くきが のこって いると、また 出て きます。ちぎれても ふえる ことが あるので、畑では こまる 草として あつかわれる ことが あります。

つくしを 見つけた とき、足もとの したには、ずっと ひろい せかいが あるかも しれません。

スギナの地下茎は、地面の下を長く横に伸びることがあります。

地上の部分を取り除いても、地下に茎が残れば、そこからまた芽が出ます。地下茎が分断されても増えることがあるため、畑では対処しにくい雑草として扱われることがあります。

春先にかわいらしく顔を出すつくしの足もとには、これだけ強い仕組みが隠れているわけです。かたや、そのしぶとさこそが、毎年同じ場所に戻ってこられる理由でもあります。

スギナの地下茎は、地中を長く伸びることがある。地上部を除去しても地下に残れば再生し、断片化されても増えるため、畑では扱いにくい雑草とされる。

ここで、前節までの話とつながる。胞子による繁殖は一年ごとに新しい個体のスタートだが、地下茎による栄養繁殖は、すでに根づいた体の一部から新しい茎を送り出す方式だ。地上部を取り除いても地下に体が残るので、畑で扱いにくい草とされるのは、この性質によると読める。

7. ロボクの 化石かせきって、なに?

7. 石炭紀のロボク類の化石が、博物館に展示されている

7. 石炭紀のロボク類の化石と、トクサ属の現在

スギナの なかまには、とても ふるい 化石かせきが のこって いる ものが あります。

ぐんまけんの はくぶつかんには、せきたんきと いう むかしの 時代の、ロボクの なかまの 化石かせきが かざられて います[5]。

ただし、スギナそのものが その 時代から いた、という 話ではありません。

群馬県立自然史博物館の資料には、古生代石炭紀のロボク類の化石が、実物として載っています[5]。同じ資料では、トクサ属は今も生きているトクサ綱の中の唯一の属だと説明されています[5]。

ただし、今のスギナが石炭紀の植物と同じだとか、ロボク類の直接の子孫だとかは、この資料からは言えません。

群馬県立自然史博物館の化石資料には、古生代石炭紀のロボク類が実物標本として挙げられている[5]。トクサ属は現存するトクサ綱の唯一の属とされる[5]。

ここで注意が要るのは、資料がロボク類をスギナの直系の祖先と書いているわけではない点だ。また、スギナ自身が3億年前から変わらず存在した、という主張も資料からは出てこない。使えるのは、石炭紀の化石が実物標本として展示されていること、現存するトクサ綱の属がトクサ属だけであること、という範囲までだ。

8. つくしを 見たら、つぎに しらべたい こと

8. つくしの次に、調べたくなること

8. 資料に当たるなら ── 読む順と、残る問い

つくしを 見かけたら、あたまが とじて いるか、ひらいて いるかを 見くらべて みましょう。ひらいた つくしは、なかの こなが もう とんだ あとです[2]。

まだ わからない ことも あります。つくしは、どれくらいの 早さで のびるのでしょう。スギナの 緑の くきは、どんな はたらきを して いるのでしょう。じぶんで 本や はくぶつかんで しらべて みたく なります。

つくしの頭の状態を見くらべるのも、一つの調べ方です。頭が閉じていれば、胞子はまだ中にあります。開ききっていれば、胞子はもう飛んだあとです[2]。同じ場所で何本か見くらべると、散布の進み具合のちがいが見えるかもしれません。

つくしの伸びる速さや、スギナの緑の茎の光合成は、この記事では扱っていない問いです。自分で図鑑や博物館の展示を見て、確かめてみる余地があります。

つくしの頭部の状態(閉じている/開ききっている)は、胞子の放出前後の目安になる[2]。複数の個体を見くらべ、散布の進み方に差があるかを観察するのも一つの調べ方だ。

資料としては、札幌市博物館活動センターの解説[1]と、宮城県総合教育センターの教材[2]を並べて読むと、つくしとスギナの関係が、観察の言葉と教材の言葉の両方で確かめられる。

残る問いは二つある。一つは、つくしが伸びる速さや日数。もう一つは、緑の栄養茎が光合成でどのくらい地下茎を養っているのかだ。この記事では扱っていないので、原典に当たる価値がある。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

本文で使った資料です。インターネットの資料は、2026年10月4日に見た内容にもとづきます。

  1. 札幌市博物館活動センター「つくしとスギナ」 https://www.city.sapporo.jp/museum/ouchimuseum/0502.html (つくしとスギナのつながり、出てくる時期)
  2. 宮城県総合教育センター「ツクシとスギナ」 https://www.edu-c.pref.miyagi.jp/midori/science/kagaku-junkai/junkaikyouzai/tukushi.pdf (頭の観察、弾糸、名前の由来、繁殖の方法)
  3. 医薬基盤・健康・栄養研究所「That's きっと」令和2年3月号 https://www.nibiohn.go.jp/eiken/info/pdf/k266.pdf (シダ植物の増え方、前葉体)
  4. Wikipedia「スギナ」 https://ja.wikipedia.org/wiki/スギナ (弾糸のつくり)
  5. 群馬県立自然史博物館「いろいろな化石」 https://www.gmnh.pref.gunma.jp/wp-content/uploads/01_iroironakaseki.pdf (ロボク類の化石)

なおした ところ

更新履歴

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