1. わいて くるのは マグマ?
1. 湧いてくるのは、マグマなのか
1. 湧出するのはマグマではない
「温泉の お湯は、マグマが わいて きたの?」と 思う人が いるかも しれません。
ちがいます。出て くるのは、地面に しみこんだ 雨や 雪の 水などが、地下で あたためられた ものです[1]。マグマそのものは、出て きません。
では、その 水を あたためる ねつは どこから くるのでしょう。
温泉と聞くと、地下からマグマが湧き出す様子を思い浮かべる人がいるかもしれません。実際に出てくるのは、地面にしみ込んだ雨や雪などの地下水が温められたものです[1]。
ですから問いは「水を温める熱はどこから来るのか」に置きかわります。火山のある所とない所で、答えが変わります。
温泉として湧き出るのは、マグマそのものではない。地中にしみ込んだ雨水や雪解け水などの地下水が、何らかの熱源で温められたものである[1]。したがって論点は熱源の種類になる。以下、火山性と非火山性に分けて見る。
2. 火山の 下には あつい マグマだまり
2. 火山の下にある、1000℃以上のマグマだまり
2. 火山性温泉:マグマだまりの熱
火山の ある ところでは、地下の ふかい ところに マグマだまりが あります。マグマだまりは、1000度 いじょうの ものも ある あつさです[1]。
マグマだまりの ねつが、ガスや お湯、まわりの 岩を とおって 地下の 水に つたわり、水が あたためられて 温泉に なります。これが、火山の 近くに わく 温泉です。
マグマだまりが ある ふかさは、地下 数キロメートル いじょうと いわれます。ただし、しりょうに よって 数字が すこし ちがいます[3]。
3. ふかく ほると、だんだん あつく なる
3. 掘るほど熱くなる:100mで2〜3℃
3. 非火山性温泉①:地温勾配
火山が なくても、地面は ふかく ほるほど あつく なります。100メートル ふかく なるごとに、2〜3度ほど あがると いわれます[2]。
たとえば 地面の ちかくが 15度だと して、1000メートル ほると どうなるか、けいさんして みます。100メートルで 2.5度 あがるなら、1000メートルでは 10ばい。15たす 25で、40度に なります。おふろ くらいの あたたかさです。
これは めやすで、場所に よって ちがいます[1]。階だんを 1だん おりる ごとに、ゆかが すこしずつ あたたかく なって いくような ものです。ただし、本当は 階だんの ように 1だんずつ ではなく、なめらかに 温度が あがります。
4. 地球の 中は、どうして あつい?
4. 地球の中の熱と、熱い場所
4. 地球内部の熱源と地熱地域
そもそも、地球の 中は どうして あついのでしょう。地面の 中の とくべつな 石が かわる ときに 出る ねつと、地球の いちばん ふかい ところから くる ねつが もとだと、考えられて います[4]。
この ねつの 出かたは、どこも 同じでは ありません。地面の あつさが へいきんの 10ばい いじょうに なる ところも あると 書かれて います[4]。
5. むかしの マグマや、ふるい 海水も
5. 昔のマグマの余熱や、古い海水
5. 非火山性温泉②:余熱・高温岩帯・化石海水
火山が ない ところの 温泉には、ほかの わけも あります。
神奈川県の 中川温泉は、およそ 2000万年前に あがって きた マグマの、のこりの あつさで 温まって いると せつめいされて います[1]。ずっと むかしの マグマの ねつです。
また、地面の 中に とじこめられた ふるい 海の 水が、地下の ねつで あたためられる 場合も あります[3]。
6. 火山が ない 有馬温泉の なぞ
6. 火山のない有馬温泉と、沈み込むプレート
6. 有馬温泉:沈み込むプレート由来の水という説明
兵庫県の 有馬温泉は、近くに 活火山が ないのに、あつい お湯が わきます。
神戸大学の 研究者の せつめいでは、日本の 下に もぐりこんで いく プレートの 中の 水が、あつく なって 出て きて、地面の われめに そって のぼって くると 考えられて います[5]。
まだ 研究が すすめられて いる ところで、これで 決まりと いえる だんかいでは ありません。
7. どこからが 「温泉」?
7. 温泉法の「25℃以上」
7. 温泉法の定義:25℃以上、または指定物質
じつは、ほうりつで 「温泉」と よべる きまりが あります。温泉を とるときの お湯が 25度 いじょうなら、温泉です[7]。
25度は、おふろより ずっと ぬるい 温度です。25度 みまんでも、とけている ものの りょうなどの きまりを みたせば、温泉に なります。
温泉法(昭和23年)では、温泉源から採取するときの温度が25℃以上、または指定された物質(溶けている物質の総量が1000mg以上など)のどれか1つを満たせば温泉とされます[7]。
25℃は入浴に向く温度より低いので、「熱い」とは限らないことになります。温度が足りなくても、物質の基準で温泉になる場合もあります。
温泉法(昭和23年)は、温泉源から採取されるときの温度が25℃以上であるか、指定物質(溶存物質総量1000mg以上など)のいずれか1つを満たすものを温泉とする[7]。25℃は入浴温度より低く、また25℃未満でも物質の基準で温泉になりうる。
したがって「温泉=熱い」は法的な定義ではない。ここまで見てきた熱源の話は、温度の面から温泉を説明するものである。
8. じぶんでも たしかめて みよう
8. 自分でも調べてみたくなったら
8. 出口 ── 深さと温度を計算する/出典を読む
おうちで できる ことが あります。
15度から はじめて、100メートルで 2.5度 あがる として、500メートルでは 何度に なるでしょう。1500メートルなら どうでしょう。答えは、めやすの 数字です。
ちずちょうや、おうちの ちずで、近くの 温泉と 火山を さがして みましょう。火山から とおくても、温泉は あるでしょうか。
地表を15℃、100mごとに2.5℃上がると仮定して、深さ2000mの温度を計算できます(答えは15+2.5×20で、65℃ほどの見当です)。そこから、温泉の温度まで届くのに必要な深さも考えられます。
地図帳や家にある日本語の地図で、自分の住む地域の近くの温泉と火山の位置を見比べてみてください。火山から離れた温泉は、どの熱源で説明できそうか。本文で紹介した熱源の説明(火山性、地温勾配、過去のマグマの余熱、高温岩帯、化石海水、有馬温泉のプレート内の水)と比べてみましょう。
しらべた もとの じょうほう
参考にした情報源
参考にした情報源と、その使い方
出典について:神奈川県温泉地学研究所の解説2本、日本温泉協会、地熱学会、ほとんど0円大学の取材記事、地学雑誌の論文(要旨)、環境省のページを使った。数字は目安で、場所や資料によって幅がある。
- 神奈川県温泉地学研究所「火山性と非火山性温泉」 https://www.onken.odawara.kanagawa.jp/hotspring/onsen_kouza/20200518-02.html (マグマだまり・地温勾配の計算例・中川温泉)
- 神奈川県温泉地学研究所「大深度温泉」 https://www.onken.odawara.kanagawa.jp/hotspring/onsen_kouza/20200521-03.html (100mで2〜3℃・1000mで約40℃の計算)
- 日本温泉協会「温泉のメカニズム」 https://www.spa.or.jp/onsen/492/ (マグマだまりの深さ・高温岩帯・化石海水)
- 地熱学会「地熱エネルギー入門:地熱資源の性質」 https://grsj.gr.jp/archives/whatbook/chapter2.html (地球内部の熱源・平均地温勾配)
- ほとんど0円大学(神戸大学の研究者への取材)「有馬温泉」 https://hotozero.com/knowledge/kobeuniv_arimaonsen/ (有馬温泉の熱源の説明)
- 『地学雑誌』132(1)「テクトニクスに関連する非火山性温泉の地球化学的特徴」 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jgeography/132/1/132_132.1/_article/-char/ja/ (近畿の温泉の区分、要旨の範囲)
- 環境省「温泉の定義」 https://www.env.go.jp/nature/onsen/point/ (温泉法の25℃以上などの基準)
なおした ところ
更新履歴
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