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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

ホトトギスの ヒナは、どうして ウグイスの おやに そだてて もらえるの?

ホトトギスの卵は、なぜウグイスの巣で育ててもらえるのか

ホトトギスの托卵:卵の色・ヒナの行動・渡来の時期から、ウグイスが育てる理由を考える

分野:生きもの

ウグイスの すには、ちゃいろい たまごが 4つから 6つ はいって います。その なかに、ホトトギスの たまごが 1つ まじって いる ことが あります。いろは、ウグイスの たまごと おなじ チョコレートいろです。

ホトトギスは、じぶんでは 巣すを つくらず、子そだても ウグイスに まかせます。ホトトギスの ヒナは、かえると、ウグイスの たまごを せなかで すの 外へ おし出します。それでも ウグイスの おやは えさを はこびます。どうして そだてて しまうのか、たまごの いろや ホトトギスが くる じきから 考えます。

ウグイスの巣には、チョコレート色の卵が4〜6個並んでいます。その中に、ホトトギスの卵が1個だけまじっていることがあります。日本大百科全書によると、ホトトギスの卵の色はウグイスのものと同じチョコレート色で、1つの巣に産みこむ数は普通1個です[1]。

ホトトギスは自分では巣を作らず、子育てを巣の持ち主に任せる鳥です。ホトトギスのヒナは、かえったあと、ウグイスの卵を背中で巣の外へ押し出します。それでもウグイスの親は餌を運びます。なぜ育ててしまうのか、卵の色や渡ってくる時期から考えます。

ウグイスの卵は、チョコレート色で1巣に4〜6個。この巣に、ホトトギスは同じチョコレート色の卵を、普通1個だけ産みこむ[1][2]。ホトトギスは巣を作らず、抱卵も育雛も宿主に任せる托卵性の鳥である。孵化したヒナは宿主の卵を背中で巣の外へ押し出すが、それでも宿主の親は餌を運ぶ。ではなぜ、宿主のウグイスは別種のヒナを育ててしまうのか。

この記事を読むと、卵の色の似せ方、孵化したヒナの行動、渡来の時期という3つの手がかりと、地域によって宿主の使い方が変わるという研究結果、万葉集にまで広がるこの鳥の位置づけが分かる。

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1. ウグイスの 巣すに、どんな たまごが はいって いるの?

1. ウグイスの巣に、そっくりな色の卵が1個

1. 宿主の巣に産まれる1個の卵は、宿主の卵に似ている

ウグイスの たまごは、チョコレートの ような ちゃいろです。1つの すに、4つから 6つ はいって います[2]。

ホトトギスの たまごも、おなじ チョコレートいろだと いわれて います。そして、1つの 巣すに うむ 数は ふつう 1つです[1]。ウグイスの たまごの なかに、1つだけ、そっくりな 色の たまごが まぎれこむ ことに なります。

ほかの 鳥に そだてて もらう 鳥は、うむ たまごの 色や もようを、そだてて もらう 鳥の たまごに にせる ことが 知られて います[3]。このように 子そだてを ほかの 鳥に まかせる ことを、たくらんと いいます。

では、たまごが かえったら、巣すの なかでは なにが おきるのでしょう。

ウグイスの卵は、チョコレート色で、1つの巣に4〜6個産みこまれます[2]。ホトトギスの卵も同じチョコレート色で、1つの巣に産みこむのは普通1個です[1]。巣の中には、ウグイスの卵に混じって、そっくりな色の卵が1個置かれることになります。

他の鳥に子育てを任せる習性を、托卵(たくらん)と呼びます。托卵する鳥の卵は、宿主の卵の色や斑紋に似せていることが知られています[3]。本州のホトトギスについては、主にウグイスに托卵し、宿主の卵に似た赤みのある卵を産むと、日本の研究者の論文が報告しています[4]。

卵の色が似ていることは、育ててもらえる理由の一つとして説明されます。ただ、卵が巣に入っただけでは、まだ子育ては始まりません。卵がかえったあと、巣の中では何が起きるのでしょうか。

ウグイスの卵はチョコレート色で、1巣に4〜6個産みこまれる[2]。ホトトギスの卵も同じチョコレート色で、1巣に産みこむ数は普通1個である[1]。宿主の巣の中には、宿主の卵に混じって、色のそろった卵が1個だけ置かれる。

托卵する鳥が卵の色や斑紋を宿主の卵に似せることは、一般に知られている[3]。本州では、ホトトギス(英名 Little Cuckoo)は主にウグイスに托卵し、宿主の卵に似た赤みのある卵を産むと、Mori らの2012年の論文が述べている[4]。この「似せる」は、人の目から見た色の話である。ウグイスの目にどう見えているかを日本の種で定量的に調べた研究は、今回の資料の範囲には見当たらず、卵の色が似ていることが育ててもらえる唯一の理由だとは言えない。

では、卵が似ているだけで子育てが成り立つのか。次は、卵がかえってからの巣の中を見る。

2. かえった ヒナは、巣すの なかで なにを するの?

2. かえったヒナは、巣の中で何をするのか

2. 孵化したヒナが、宿主の卵を巣の外へ出す

ホトトギスの ヒナが たまごから かえると、おどろく ことを します。まだ かえって いない ウグイスの たまごを、せなかに のせて、すの そとへ おし出して しまうのです[1][5]。

そのあと、ウグイスの おやが はこんで くる えさは、ホトトギスの ヒナだけが うけとります。ほかに ヒナが いないので、えさを ひとりじめして そだちます[5]。

カッコウの なかまの ヒナは、ふつう こうして 巣すの もちぬしの たまごや ヒナを 外へ おし出すと いわれます[3]。

ここまでが、「そだてて もらえる」わけの 大きな 2つです。1つ目は たまごの 色。2つ目は ヒナの はたらきです。のこる 3つ目は、ホトトギスが いつ くるか、です。

ホトトギスのヒナは、卵からかえると、まだかえっていない宿主の卵を背中にのせて、巣の外へほうり出します[1]。森林総合研究所の解説でも、ウグイスの巣でかえったヒナは、ウグイスの卵を背中で押し出して捨て、ウグイスの親鳥から与えられる餌を独占して育つと説明されています[5]。

カッコウの仲間のヒナは、一般に、巣の持ち主の卵やヒナを巣の外へ押し出すことが知られています[3]。巣の中に競争相手がいなくなれば、運ばれてくる餌はすべて自分のものになります。

別の種類のカッコウの話ですが、オオヨシキリが自分より大きいカッコウのヒナに餌を与える例も知られています[3]。宿主の親鳥が、育てている相手の姿に関係なく餌を運ぶことがある、という例です。

ここまでで、題名の問いの手がかりが2つそろいました。卵の色が似ていること、そしてヒナが巣の主導権を握ることです。3つ目は、ホトトギスがいつ巣を探すのか、という時期の話です。

卵が孵化すると、ホトトギスのヒナは、まだ孵っていない宿主の卵を背中にのせて巣の外へ出す[1]。森林総合研究所も、ウグイスの巣で孵ったヒナが宿主の卵を背中で押し出して捨て、親鳥の与える餌を独占して成長すると解説している[5]。宿主の卵が巣に残らなければ、餌をめぐる競争相手はいなくなる。

この行動は、ホトトギスに限らず、カッコウの仲間のヒナで一般に知られており、巣の持ち主の卵やヒナを外へ出す形をとる[3]。宿主が自分より大きい別種のヒナ(オオヨシキリが育てるカッコウ類)に餌を与える例もあり[3]、宿主の親が、育てているヒナの姿が自分の種と違っても餌を運ぶことがある、という意味になる。ただし、これはカッコウ類全般の紹介で、ウグイスが何を手がかりに給餌するかは、この例からは決められない。

卵が似ていることと、ヒナが競争相手を巣から除くこと。この2つで、巣の餌はホトトギスのヒナに集まる。残る手がかりは、ホトトギスがいつ巣を探すのかという時期である。

3. ホトトギスは、どうして なつの はじめに なって やっと くるの?

3. ホトトギスはなぜ、夏鳥の中でも遅めに渡ってくるのか

3. 渡来が5月中旬と遅いのは、托卵先の繁殖に合わせるためか

ホトトギスは、夏鳥なつどりです。あたたかい ところで ふゆを すごして、なつに なると 日本へ やって きます。日本に つくのは 5月の 中ごろだと いわれます[7]。

ほかの 夏鳥より おそめに くる わけは、ウグイスが 子そだてを はじめる じきに あわせる ため、と される ことが あります。もう 1つ、早い はるは、えさの 毛虫が とりにくい、という せつも あります[7]。

ウグイスは、5月の おわりから 7月の はじめごろに 子そだてを する ものが、よく ホトトギスの たまごを うみこまれる そうです[2]。ホトトギスが くる 時期と、かさなって います。

ホトトギスが ふゆを どこで すごして いるのかは、まだ よく わかって いない ところが あります。東南アジアには あまり いないと 考えられて いて、セイロン島や 東アフリカの ほかは、どこで すごすのか わかって いません[6]。

ホトトギスは、5月中旬ごろに日本へ渡ってくる夏鳥です(辞典によって上旬〜中旬とも)[7]。遅い理由としては、托卵先の繁殖開始に合わせるため、早春は餌になる毛虫の仲間が得にくいため、という説明が紹介されることがあります[7]。ただ、確定した理由ではありません。

托卵先の側を見ると、ウグイスは5月末から7月初めごろに繁殖するものが、しばしばホトトギスに托卵されると、世界大百科事典は述べています[2]。ホトトギスの渡来と、托卵されやすいウグイスの繁殖期は、重なっています。

ホトトギスが冬をどこで過ごすのかは、よく分かっていない部分があります。東南アジアにはあまりいないと考えられるようになりましたが、セイロン島(スリランカ)や東アフリカ以外の越冬地はよく分かっていないと、キヤノンの野鳥図鑑は紹介しています[6]。長い旅の先がまだ完全には分かっていない鳥が、巣の中では、ウグイスの子育ての時期に合わせて動いているのです。

では、子育てをしない鳥は、どれだけ卵を産むのでしょうか。

日本へのホトトギスの渡来は、5月中旬ごろとされる(辞典によっては上旬〜中旬)[7]。他の夏鳥より遅い理由として、托卵先の繁殖開始に合わせるため、早春は餌になる毛虫類が得にくいため、という説明が紹介されることがある[7]。ただし「とされる」程度の説明で、1つに決まった理由ではない。

托卵先の時期と比べると、ウグイスは5月末から7月初めごろに繁殖するものがしばしばホトトギスに托卵される、と世界大百科事典は述べる[2]。つまり、ホトトギスが日本に着く5月中旬ごろの後に、托卵されやすいウグイスの繁殖が続く。時期が重なるから托卵が成り立つのか、托卵があるから渡来が遅くなったのかまでは、資料から言えない。

渡りの先についても、分かっていないことがある。越冬地について、東南アジアにはあまりいないと考えられるようになったものの、セイロン島や東アフリカ以外の越冬地はよく分かっていない、とキヤノンの野鳥図鑑は紹介している[6]。繁殖地では巣の中の出来事が追えるのに、半年を過ごす場所は不明、という落差がこの鳥の面白さの一つである。

ここまで、卵の色・ヒナの行動・渡来の時期という3つの手がかりを見た。次の疑問は、巣に1個ずつ産みこむ方法で、子孫が残るのかである。

4. 子そだてを しない 鳥は、たまごを いくつ うむの?

4. 子育てをしない鳥は、卵をいくつ産むのか

4. 1巣に1個の托卵で子孫を残すために、必要な卵の数

ホトトギスは、1つの すに たまごを 1つしか うみません。そして、そだてて もらえる わりあいは、ひくいと いわれます。いくつもの ウグイスの 巣すに たまごを うまなければ ならない、と ずかんには あります[6]。

しんりんそうごうけんきゅうじょは、ホトトギスが ひと夏に 10こから 15こも たまごを うむと、すいていされて いる、と しょうかいして います[5]。じぶんでは 子そだてを しない ぶん、たまごを うむ ことに ちからを つかうのです。

1つの 巣すに 1こずつ うむなら、10こから 15この たまごには、10から 15の 巣すが いります。ひと夏に、それだけの ウグイスの 巣すを さがして まわる、という けいさんに なります。ただし、これは「すいてい」の 数字を つかった おおまかな けいさんです。

ホトトギスは、ウグイスだけを つかうのでしょうか。

1つの巣に産みこむ卵は1個ですが、托卵による繁殖は成功率が低く、いくつものウグイスの巣に産み落とさなくてはならないと、キヤノンの野鳥図鑑は解説しています[6]。成功率の具体的な数字は、日本の種についての資料では確認できていません。

森林総合研究所は、ホトトギスが一夏に10〜15個の卵を産むと推定されていると紹介し、自分で子育てをしない分、産卵に力を注ぐ、と説明しています[5]。

この2つを合わせて、おおまかに計算してみます。1つの巣に1個ずつ産むなら、10〜15個の卵には、10〜15の巣が必要です。ひと夏の間に、それだけ多くのウグイスの巣に出会わなければなりません。ただしこれは「推定」の数字を使った概算で、実際にその数の巣を使っているという意味ではありません。

ここで、ホトトギスだけを見ていると見えにくいことがあります。他のカッコウの仲間は、どこの巣を使っているのでしょうか。

1巣に1個という産み方では、1つの巣から育つホトトギスのヒナは多くて1羽になる。キヤノンの野鳥図鑑は、托卵による繁殖は成功率が低いため、いくつものウグイスの巣に卵を産み落とさなくてはならない、と解説している[6]。成功率の具体的な数字は示されていない。

森林総合研究所は、ホトトギスが一夏に10〜15個の卵を産むと「推定されている」と紹介し、自分で子育てをしない分、産卵に力を注ぐと説明している[5]。

二つの資料をつなげて、概算してみる。仮に1巣に1個を産むなら、推定の10〜15個には、最低でも10〜15の巣が必要になる。成功率が低ければ、実際にはさらに多くの機会を使うことになり、この数字は最小限の目安にとどまる。ただし推定値と、すべての卵が別の巣に産まれるという仮定の上の計算であり、一夏に10〜15個という推定自体も、確定した数ではない。

では、托卵の相手はいつもウグイスなのか。同じカッコウの仲間を、北海道で調べた研究が、宿主の使い分けを示している。

5. ホトトギスの いない 北海道では、ウグイスの 巣すは だれが つかうの?

5. ホトトギスのいない北海道では、ウグイスの巣は誰が使うのか

5. 北海道中部では、ツツドリがウグイスを宿主にする

ホトトギスの なかまに、ツツドリと いう 鳥が います。本州では、ツツドリは おもに センダイムシクイと いう 鳥の すに たまごを うみます。この たまごは、白っぽい いろです[4]。

ところが、ホトトギスが いない 北海道の 中ほどでは、ツツドリが ウグイスの 巣すに、赤みの ある たまごを うむ ことが わかりました[4]。

おなじ ツツドリでも、そだてて もらう あいてや たまごの いろが、ところに よって ちがうのです。ホトトギスの いる 本州では ウグイスが ホトトギスの あいてに なり、いない 北海道では ツツドリの あいてに なって いる、という かたちです。

ホトトギスの近い仲間に、ツツドリがいます。日本の研究者の論文によると、本州では、ツツドリは主にセンダイムシクイに托卵し、白っぽい卵を産みます[4]。

ところが、ホトトギスが繁殖しない北海道中部では、ツツドリはウグイスを主な宿主にして、ウグイスの卵に似た赤みのある卵を産んでいます[4]。同じツツドリが、場所によって宿主を替え、それに合わせて卵の色も変えているように見えます。

この研究が示すのは、「ウグイスの巣=ホトトギスの巣」と決まっているわけではない、ということです。宿主と托卵する鳥の組み合わせは、そこにどんな鳥がいるかによって変わりうるのです。

ここまで見てきたホトトギスは、日本の歴史の中では、まったく別の顔でも知られていました。

Mori らの論文は、本州ではツツドリ(論文中の呼び名は Oriental Cuckoo)が主にセンダイムシクイに托卵し、白っぽい卵を産むと報告する[4]。一方、ホトトギスが繁殖しない北海道中部では、ツツドリがウグイスを主な宿主として、赤みのある卵を産むとする[4]。

同じツツドリが、場所によって宿主の種を替え、卵の色も宿主に合わせて変えているように見える。ただしこの記述は論文の抄録に基づくもので、宿主の替わり方や卵の色が決まるしくみまでは書かれていない。本州でウグイスを使うホトトギスと、北海道でウグイスを使うツツドリは、宿主を共有しうる別の托卵者であり、「どの鳥がどの宿主を使うか」は固定された組み合わせではなく、その地域にどんな托卵者がいるかで変わりうることを示す例になる。

ウグイスの巣で起きる托卵の話はここまで。日本ではこの鳥が、巣とはまったく別の場面で、千年以上も前から人の暮らしに入りこんでいた。

6. 万葉集で いちばん うたわれた 鳥は、どんな 鳥?

6. 万葉集で最も多く歌われた鳥は、巣を作らない鳥だった

6. 万葉集で最も多く詠まれた鳥の、田植えと声

ホトトギスは、むかしの 人にも 大すきな 鳥でした。万葉集まんようしゅうに のって いる 歌の なかで、いちばん 多く 歌われた 鳥だと いわれ、数は 150首ほどです[7][5]。

むかしの 人は、ホトトギスを、旧暦きゅうれき5月の 田植えを しらせる 鳥と 考えて いました[1]。なつが はじまる あいずとして、声が 待たれた 鳥です。

声は、「キョッキョ、キョキョキョ」と するどく 聞こえます。「テッペンカケタカ」や「とっきょきょかきょく」と 聞きなされ、よる にも 鳴きます[1]。

なつの 知らせとして 待たれた 声の 鳥は、じぶんの 子の せわを、ほかの 鳥に たのんで いたのです。

ホトトギスは、日本の古典文学で特別な位置にある鳥です。万葉集で歌に詠まれた鳥の中で最も多く、約150首にのぼります(153首とする資料が多く、数え方で変わります)[7][5]。古今和歌集では42首、新古今和歌集では46首とする資料もあります[7]。

大百科全書は、ホトトギスを旧暦5月の田植えを知らせる渡り鳥としています[1]。夏の訪れを告げる鳥として、声が待たれていたのです。

オスの声は「キョッキョ、キョキョキョ」と鋭く、「テッペンカケタカ」「特許許可局」などと聞きなされます。夜間にも鳴くとされます[1]。

歌に詠まれるほど声が待たれた鳥が、自分では巣を作らず、ウグイスの巣に卵を産む鳥でもある。この二つの顔が、同じ鳥のものだというところに、この鳥の面白さがあります。

ホトトギスは、万葉集で歌に詠まれた鳥の中で最も多く、約150首にのぼる(153首とする資料が多いが、数え方で変わる)。古今和歌集では42首、新古今和歌集では46首とする資料もある[7][5]。

この鳥が歌に頻出する背景には、旧暦5月の田植えを知らせる渡り鳥とされたこと、夏の訪れを告げる鳥として声が待たれたことがある[1]。一方、この鳥の渡来は5月中旬ごろで、托卵先であるウグイスの繁殖期に重なる。「夏の合図の鳥」と「他の鳥の巣に産む鳥」は、同じ時期に現れる同じ鳥の二つの顔である。ただし、昔の人が托卵を知っていたかどうかは、今回の資料から言えない。

声は、オスが「キョッキョ、キョキョキョ」と鋭く鳴き、「テッペンカケタカ」「特許許可局」と聞きなされ、夜も鳴く[1]。聞きなしは、鳥の声を人が言葉に写したものであり、鳥の側の意味ではなく、聞く人の暮らしの中で生まれた表現である。

7. じぶんの 耳で、きこえ方を 書いて みよう

7. 声の聞きなしを作り、歌と資料を1つ探す

7. 聞きなしを書き、原典と研究資料に当たる

きょう できる こと

「キョッキョ、キョキョキョ」と、声に 出して みましょう。この 音が、きみには どう 聞こえるかな。「とっきょきょかきょく」の ほかに、じぶんだけの 聞きなしを、いくつか 考えて みましょう。

しらべる とき

図書館で、「万葉集 ホトトギス」の 歌の 本を さがして みましょう。おとなの 人に 手つだって もらうと 見つかります。

今日できること

「キョッキョ、キョキョキョ」を声に出して、自分の耳に合う聞きなしを2〜3つ考えます。「テッペンカケタカ」「特許許可局」と比べて、どの音を拾っているかを見てみましょう。

調べるとき

図書館で、万葉集のホトトギスの歌を探してみましょう。現代語訳つきの本なら、どんな気持ちで声を待っているのかが読み取れます。

資料を読むなら

森林総合研究所の「自然探訪」[5]と、キヤノンの野鳥写真図鑑[6]は、日本語で読めます。2つを読み比べて、同じことが書いてある点と、ちがう点を探してみましょう。

聞きなしを書く

「キョッキョ、キョキョキョ」を声に出して、自分の聞きなしを作る。既存の「特許許可局」「テッペンカケタカ」と比べ、どの音のまとまりを拾っているかを確かめる。

原典に当たる

万葉集のホトトギスの歌は、現代語訳つきの本が図書館にある。声が待たれていたこと、田植えとの関わりが歌からどう読めるか、自分で確かめる。

資料を読むなら

森林総合研究所の「自然探訪」[5]とキヤノンの野鳥写真図鑑[6]は日本語で読める。2つを読み比べて、同じ点と違う点を探すとよい。托卵全般は日本語の百科事典の項目[3]から入るとよい。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

本文で使った資料です。

  1. 日本大百科全書「ホトトギス」(コトバンク) https://kotobank.jp/word/%E3%83%9B%E3%83%88%E3%83%88%E3%82%AE%E3%82%B9 (卵の色・産み方・ヒナの行動・田植え・声)
  2. 世界大百科事典「ウグイス」(コトバンク) https://kotobank.jp/word/%E3%82%A6%E3%82%B0%E3%82%A4%E3%82%B9 (ウグイスの卵の数と色・繁殖の時期)
  3. Wikipedia「托卵」 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%89%98%E5%8D%B5 (托卵全般・カッコウ類のヒナの行動)
  4. Mori et al. 2012, Ornithological Science 11(2) (DOI: 10.2326/osj.11.109) https://bioone.org/journals/ornithological-science/volume-11/issue-2/osj.11.109/An-Eastern-Crowned-Leaf-Warbler-Phylloscopus-coronatus-Nest-parasitized-by/10.2326/osj.11.109.full (本州と北海道での宿主と卵の色・抄録)
  5. 森林総合研究所「自然探訪 2025年7月 ホトトギス」 https://www.ffpri.go.jp/snap/2025/7-hototogisu.html (ヒナの行動・産卵数の推定・万葉集の歌数)
  6. キヤノン 野鳥写真図鑑「ホトトギス」 https://global.canon/ja/bird-branch/photo-gallery/hototogisu/ (托卵の成功率・越冬地)
  7. Wikipedia「ホトトギス」 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9B%E3%83%88%E3%83%88%E3%82%AE%E3%82%B9 (渡来の時期と理由・和歌の数)

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