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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

アジサイの 花の 色は、土だけで きまるの?

アジサイの花の色は、土の性質だけで決まるのか

アジサイの花色は土壌だけで決まるのか:アルミニウム・リン酸・品種・老化の関わり

分野:自然

むらさき色の アジサイの 花を、小さな ところまで 見ると、一つの 色では ありません。青い 細胞さいぼう、赤い 細胞さいぼう、むらさきの 細胞さいぼうが、モザイクのように まざって いると つたえられて います。

花の 色は、土で かわると 聞いた ことは ありませんか。本当に 土だけで きまるのでしょうか。この ページを 読むと、土の はたらきと、土では かわらない 品種ひんしゅが ある わけが わかります。

紫色のアジサイの花を細胞の大きさで見ると、一色ではありません。青い細胞、赤い細胞、紫の細胞がモザイクのように混ざっていることが、大学の研究で報告されています[1]。

アジサイの色は土で変わる、とよく言われます。では、土だけで決まるのでしょうか。この記事を読むと、酸性の土が青をつくる道すじと、土では説明できない色の決まり方が分かります。

紫色のアジサイのガク片は、細胞のレベルで見ると単一の色ではなく、青・赤・紫の細胞がモザイク状に混在している。名古屋工業大学の研究課題が報告した事実である[1]。花色は土のpHで決まるという通説だけでは、この混在をうまく説明できない。

では、土壌は花色にどこまで関わり、何が土では説明できない部分を決めるのか。この記事を読むと、アルミニウムによる青色発色の機構、リン酸の影響、品種と花の老化の寄与が、出典ごとの強調点のちがいも含めて分かる。

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1. 土が さんせいだと、どうして 青く なるの?

1. 酸性の土は、どうやって花を青くするのか

1. 酸性土壌で青くなるとされるのはなぜか:アルミニウムと色素の結合

梅雨つゆの 庭で、となりあった アジサイが、青と ピンクに わかれて さいて いる ことが あります。「土の せいだよ」と 言われる ことが 多いのですが、ほんとうでしょうか。

土が 酸性さんせいだと、土の 中の アルミニウムと いう ものが とけだしやすく なります。それを アジサイが すいあげて、花の 色の もとと くっつくと、青く なると 考えられて います。

赤い 花の ガクには アルミニウムが 入って いなくて、青い 花には たくさん 入って いたと いう 研究も あります。

ただし、土が すべてを 決めるとは 言えません。それを この あと 見て いきます。

梅雨の庭で、隣り合って植わったアジサイが、片方は青、片方はピンクに咲いている。そんな場面に出会うと、多くの人が「土が酸性だからだ」と説明します。

この説明には根拠があります。秋田市の公園の解説によると、土が酸性だと土の中のアルミニウムが溶け出し、アジサイに吸収されて、花の色素(アントシアニン)と結合して青色になると考えられています[2]。日本植物生理学会の解説も、酸性の土ではアルミニウムが溶けやすく、萼(ガク片)に運ばれてアントシアニンと錯体(結びついた形)をつくることが、青色の理由と考えられていると述べています[3]。大学の研究では、赤いガク片にはアルミニウムが含まれず、青いガク片には多く含まれていました[1]。

ところで、西洋アジサイの花色は、もともとは基本的にピンクで、土の性質によって様々に変わるとされています[4]。ここまでが「土の話」です。けれども答えを先に言えば、色は土だけでは決まりません。品種の性質やリン酸、花の老化も関わります。では、同じ花の中ではどうなっているのでしょう。

庭で隣り合う株が青とピンクに分かれて咲く光景は、土壌のpHで説明されることが多い。説明の骨格は次のとおりである。酸性土壌ではアルミニウムが土から溶け出して吸収され、ガク片に運ばれてアントシアニンと錯体を形成し、青く発色すると考えられている[2][3]。実際、名古屋工業大学の研究課題は、赤いガク片にはアルミニウムが全く含まれず、青いガク片には多く含まれたと報告している[1]。

一方、東邦大学の解説は、セイヨウアジサイの花色は基本的にピンクで、土壌の性質により様々に変化するとする[4]。つまり土は、ピンクを青や紫へ動かす外からの条件として語られている。

しかし、この「土壌で決まる」という筋書きには、後の章で見るとおり、土だけでは説明しきれない品種の性質やリン酸の影響、開花後の色の変化がある。答えの要点を先に言えば、土は大きな要因の一つだが、花色を単独で決めるわけではない。では、まず同じ花の中の色から見る。

2. 一つの 花の 中でも、色は ちがうの?

2. 一つの花の中で、細胞ごとに色がちがう

2. 同じガク片の中の色のばらつき:細胞ごとのモザイク

むらさき色の アジサイを、えんぴつの 先で つついたような 小さな ところまで 見たと します。そこには、青い 細胞さいぼう、赤い 細胞さいぼう、むらさきの 細胞さいぼうが、モザイクのように ならんで いると つたえられて います。

むらさき色は、一つの 色素しきそが むらさきを 出して いるのでは なく、青・赤・むらさきの 細胞さいぼうが こまかく まざって いるので、むらさきに 見えるのだと 考えられて います。

ふしぎなのは、となりあった 細胞さいぼうなのに、色が ちがう ことです。同じ 花の 中なので、土の 水も 同じはずです。どうして ちがうのかは、まだ よく わかって いません。

紫色のアジサイの花は、遠くから見ると紫一色です。ところが、ガク片を細胞ごとに調べた研究では、青、赤、紫の細胞がモザイク状に存在することが分かりました[1]。つまり紫は、1種類の紫の色素が出す色ではなく、細胞ごとの色の混ざり合いとして見えていると考えられます。

ここで不思議になるのは、隣り合う細胞どうしの色のちがいです。同じ株の同じ花は、同じ土から水と養分を得ています。それなのに、アルミニウムの量が細胞によって異なり、色がちがう理由の詳しい仕組みは、まだ分かっていません[1]。

この事実は、「土のpHが花の色を決める」という一本の筋書きでは、花の中の細胞ごとの色の差は説明しにくいことを示します。土の影響があるとしても、そこに植物の側の事情が重なっていそうです。では、土をいくら変えても色が変わらない品種はあるのでしょうか。

紫に見えるガク片は、実は一様ではない。大学の研究課題の報告では、細胞を単位に見ると青、赤、紫の細胞がモザイク状に混在していた[1]。紫は、特定の紫色素が一様に出す色というより、細胞ごとに異なる色の集合として見えている可能性がある。

さらに、青い細胞にはアルミニウムが多く、赤い細胞にはほとんど含まれないという結果と合わせると[1]、隣接する細胞のあいだでアルミニウム量が異なっていることになる。同じ花、同じ土、同じ環境に置かれた細胞どうしで、なぜ蓄積量がちがうのかという機構の詳細は、この研究課題の時点でも未解明とされている。

この混在は、土壌条件が花色に及ぼす影響が、細胞内の振る舞いを通してしか現れないことを示唆する。ならば、土壌条件を変えても花色が動かない例が見つかれば、品種側の性質の寄与がより直接に示される。次に、そうした品種を探す。

3. 土を かえても、色が かわらない アジサイは あるの?

3. 土を変えても色が変わらない品種がある

3. 土壌pHに依存しない品種:白花、ヤマアジサイ「紅」、近年の園芸品種

あります。白い アジサイの アナベルは、青や 赤の 色に かかわる アントシアニンという 色素しきそを もって いません。ですから、土が さんせいでも そうでなくても、白く さきます。

ヤマアジサイの 「紅べに」と いう 品種ひんしゅは、土の せいしつに かんけいなく、白から 赤へ かわって いくと いわれます。

お店で うられて いる 新しい 品種ひんしゅには、土の さんせいの つよさに えいきょうされにくい ものも あると しょうかいされて います。

むかしの アジサイは、日本の げんしゅの 青い 花でした。それが ヨーロッパへ わたり、赤い 品種ひんしゅが つくられて、今の 西洋アジサイに なりました。色は、人が えらんで そだてて きた ものでも あるのです。

土の酸性・アルカリ性に関係なく色が決まる品種は、実在します。

白い花のアナベルは、アントシアニンという色素をもたないので、土の酸性やアルカリ性とは無関係に白くなります[5]。ヤマアジサイの「紅」は、土のpHに関係なく、白から赤へ変わる品種として紹介されています[6]。三鷹市の解説によると、近年園芸店で売られている品種には、さらに改良が進み、花色が土の酸度に影響されにくいものもあるそうです[7]。

また、アジサイは日本原産で、原種は青色でした。それがヨーロッパにもたらされ、赤い品種が育種されて、西洋アジサイになったと報告されています[1]。つまり、私たちが見る色の多様さは、土の反応だけでなく、人が長い時間をかけて選び、かけ合わせてきた結果でもあります。

では、土が酸性でも、品種が青くなれる性質をもっていても、青くならないことはあるのでしょうか。

土壌pHの影響を受けない花色は、実在する。白花のアナベルは、アントシアニンを持たないため、土壌の酸性・アルカリ性に関係なく白くなる[5]。ヤマアジサイの「紅」は、pHに関係なく白から赤へ変化する品種とされる[6]。三鷹市の解説は、近年の園芸品種には花色が土壌の酸度に影響されにくいものもあるとする[7]。

この差は、色素の有無や、色素が結合する相手を取り込む仕組みが、品種ごとに異なることから生じていると読める。ただし、ここに挙げた出典は、品種ごとの仕組みの細部までは述べていない。

育種の歴史も、品種の寄与を裏づける。名古屋工業大学の研究課題によれば、アジサイは日本原産で原種は青色であり、ヨーロッパへ渡って赤色品種が育種され、セイヨウアジサイとなった[1]。現在の花色の幅の一部は、人間による選抜の産物である。

では、品種が青くなれる性質を持ち、土も酸性であれば、必ず青くなるのか。リン酸という別の要因も、青くなるかどうかに関わる。

4. さんせいの 土でも、青く ならない ことが あるのは なぜ?

4. 酸性の土でも青くならないことがある:リン酸という別の要因

4. 土壌のpHとアルミニウム量だけでは説明できない部分:リン酸の影響

近ごろの けんきゅうでは、アルミニウムの 多さと 花の 色の あいだに、はっきりした かんけいは ないと 言われて います。かわりに、土や 肥料ひりょうに ふくまれる りんさんが 多いと、アルミニウムと くっついて、青く なるのを じゃまする ことが わかって きたと しょうかいされて います。

とちぎけんの しけんじょうでは、植木ばちで、りんさんを 多めに あげたら、赤い 色が くっきり 出たと つたえて います。

このほかにも、水の りょうや 肥料ひりょうの バランス、品種ひんしゅの せいしつなど、いろいろな ことが 重なって、色が 決まると 言われます。

酸性の土ならアルミニウムが溶けて青くなる。この筋書きだけなら、酸性の土で育てれば、いつでも青くなるはずです。ところが、神戸市立森林植物園の解説は、近年の研究で、アルミニウムの濃度は花色と相関関係がなく、リン酸の濃度が高いとアルミニウムと結合して青色の発色を妨げることが分かってきた、と紹介しています[8]。

赤い色を安定させる方法を探した栃木県農業試験場の鉢植え栽培の試験では、リン酸成分量を鉢あたり4.4g以上与えると、与えない場合に比べて赤色の発色が際立ちました。土壌溶液中のリン酸濃度が、定植から開花期まで5ppm以上であれば、安定して赤く発色したと報告されています[9]。なお、この数値は鉢植えの栽培試験の条件で、庭にそのまま当てはまるとは限りません。

薬草園の解説も、花色の変化には、土の水分量、リン酸の含有量、肥料のバランス、品種の性質など、さまざまな要因が複雑に関わっていると述べています[10]。酸性度だけを見ても、色は予想しきれないのです。

出典によって、アルミニウムを青の主役とするか、リン酸との関係を重く見るか、強調点はちがいます。

アルミニウムが青色発色に必要という前章の説明は、なお土壌pH単独で花色を予測できるという意味ではない。神戸市立森林植物園の解説は、近年の研究によりアルミニウムの濃度は花色と相関関係がなく、リン酸濃度が高いとアルミニウムと結合して青色発色を阻害することが分かってきたと紹介する[8]。

この知見は栽培試験とも整合的である。栃木県農業試験場のニュースによれば、鉢あたりのリン酸成分量を4.4g以上とすると、無施用に比べて赤色の発色が際立った。また、土壌溶液中のリン酸濃度が定植から開花期を通して5ppm以上であれば、安定して赤く発色したという[9]。ただしこれは鉢植えの栽培試験の条件であり、庭植えの株や他の品種にそのまま当てはまる数値ではない。

薬草園の解説は、土壌の水分量やリン酸の含有量、肥料のバランス、品種特性などが複雑に関わるとまとめる[10]。出典間の整理としては、アルミニウムは青色の必要条件として説明され[1]、その利用がリン酸によって妨げられうる、と読むのが無理がない。ただし両者の関係の全体像は、ここで引いた資料からは確定できない。

では、開花してから色が変わっていく現象は、これらの要因でどこまで説明できるのか。

5. さいてから 日が たつと、色は かわるの?

5. 咲いてから日がたつと、青い花が赤みを帯びる理由

5. 開花後の色の変化は土壌と無関係:有機酸の蓄積と老化

さいたばかりは 青かった 花が、日が たつと、すこし 赤っぽく なる ことが あります。これは、土が かわったからでは ありません。大学の せつめいでは、花が 年を とる ことで、有機酸ゆうきさんと いう ものが たまって、赤みが 出ると せつめいされて います。

花が おわる ころには、ガクの 色は 緑や、少し 赤みの ある 色に かわって いきます。

ですから、花の 色を くらべる ときは、さいた 日を そろえて 見る ことが 大事です。

咲き始めの青い花が、数日たつと赤みを帯びてくることがあります。静岡県立大学の薬草園の解説によると、開花後に日がたつと有機酸が蓄積されて、青い花も赤みを帯びます。これは花の老化によるもので、土の変化とは関係なく起こります[5]。

さらに花が終わると、装飾花(花びらのように見えるガク片)の色は、緑や、やや赤みを帯びた色に変わっていきます[8]。

つまり、咲いてから日にちがちがう花を並べて「土のちがい」を比べると、見かけの差が老化によるものかもしれません。色を比べるときは、咲き始めの日をそろえることが、考える上での大事な条件になります。

開花後に起こる色の変化は、土壌条件とは独立の過程である。静岡県立大学の解説によれば、花は日が経つにつれて有機酸が蓄積され、青色の花も赤みを帯びる。これは花の老化による現象で、土壌の変化とは関係なく起こる[5]。神戸市立森林植物園の解説も、花が終わると装飾花の色は緑やわずかに赤みを帯びた色へ変化していくと述べる[8]。

この点は、花色を比較する際の交絡要因になる。咲いてからの日数が異なる花を並べて土壌の影響を論じると、老化による色の変化を土壌効果と取りちがえる危険がある。したがって、比較は開花からの日数をそろえた花どうしで行う必要がある。

以上で、土壌・リン酸・老化・品種という要因が出そろった。そこで最後に、品種の性質が最も目に見える形で現れる例として、花の縁だけが赤い「覆輪」を取り上げる。

6. ふちだけ 赤い アジサイは、どうやって うまれたの?

6. 縁だけが赤い花:覆輪の品種づくり

6. 赤色覆輪の色素構成と品種づくり:選抜を効率化するDNAマーカー

花の ふちが 赤い アジサイが あります。こういう ふちどりを、ふくりんと よびます。この 赤い 色は、シアニジンの なかまの 色素しきそ 2しゅるいで 出て いると 調べられて います。

島根県では「ぎんが」と いう、ふちの 色が あざやかな 八重ざきの アジサイが しょうかいされて います。とちぎけんでは、赤い ふちが とくちょうの 3つの 品種ひんしゅを、2024年から 売り始めました。

八重ざきの 苗なえを えらぶ とき、DNAを しらべる 方ほうを つかうと、そだてる 苗なえの 数が、これまでの 4分の1ぐらいに へった という しょうかいも あります。

このように、アジサイの 色は、土だけでなく、品種ひんしゅを そだてる 人の しごとでも 決まって きたのです。

縁だけが赤い花は、覆輪(ピコティ)と呼ばれます。栃木県の研究で調べられた赤色覆輪の品種では、赤い縁の部分に、シアニジン3-サンブビオサイドとシアニジン3-グルコサイドという、2種類のシアニジン系アントシアニン色素が主に見つかったと報告されています[11]。この研究では、色素の組み合わせと、それが子に伝わるしくみ(遺伝特性)が、別々に調べられています。

こうした覆輪の品種は、実際に育てられています。島根県アジサイ研究会の「銀河」は、覆輪が色鮮やかな八重ガク咲きの品種として紹介されています[12]。栃木県は、赤い縁取りが特徴のポップシリーズ3品種を、2024年から販売しています[13]。

品種づくりには時間がかかります。栃木県の広報誌によると、八重咲きの苗だけをDNAマーカーで選べるようになり、育成する苗の数が従来の4分の1程度(約25%)になりました[13]。これは八重咲きの選抜の話で、覆輪そのものの話ではありません。赤色覆輪に関わる具体的な遺伝子は、今後のゲノム解析の進展を待っている段階とされています。

品種の寄与が最も明確な例が、花の縁だけが赤い赤色覆輪である。栃木県の研究で調べられた品種では、赤色覆輪の赤い縁の部分に、シアニジン3-サンブビオサイドとシアニジン3-グルコサイドの2種類のシアニジン系アントシアニン色素が主に確認された[11]。土の条件でなく、品種に備わる色素の組み合わせで色の場所が決まっている点が、前章までの要因と異なる。

実用品種も出ている。島根県アジサイ研究会の「銀河」は、覆輪が色鮮やかな八重ガク咲きの品種である[12]。栃木県は、赤い縁取りが特徴のポップシリーズ3品種を、2024年から販売している[13]。

育種の効率も上がっている。栃木県の広報誌は、DNAマーカーにより八重咲きの苗だけを選抜できるようになったため、育てる苗の数が従来の4分の1程度、つまり約25%になったと述べる[13]。ここで注意すべきは、この数字が八重咲きの選抜に関するもので、覆輪の選抜の効率ではないことである。赤色覆輪の発現に関与する具体的な遺伝子の特定は、ゲノム解析の進展を待つ課題とされている。

以上から、アジサイの花色は、土壌のアルミニウムやpH、リン酸、開花後の老化、品種固有の色素構成と選抜という複数の層で決まるといえる。「土で変わる」は、その一層にすぎない。

7. 近所の アジサイで、色の わけを 考えて みよう

7. 近所のアジサイで、色のわけを考えてみる

7. 身近なアジサイで、色の決まり方を確かめる道すじ

近くの 公園や 庭で、アジサイを 見かけたら、つぎの ことを 見て みましょう。ただし、他人の 庭の 花は とらないで、見るだけに して ください。

一つ目。一つの 花を よく 見ると、色が まだらに なって いる ところは ありませんか。二つ目。同じ 株かぶで、さいてから 日が たった 花と、さいたばかりの 花を くらべると、色は ちがいますか。

三つ目。名ふだが あれば、品種ひんしゅの 名前を 読んで みましょう。見えた 色と、見ただけでは わからない ことを、分けて メモして みると、おもしろいですよ。

近所の公園や庭にあるアジサイを、見るだけで試せることがあります。他人の庭の花は取らないでください。

1つ目は、1つの花を近くから見ることです。色にむらや混ざりがないか、気づいたことを書きとめます。2つ目は、同じ株の中で、咲き始めの花と、咲いて日がたった花を比べることです。色がちがえば、老化の影響かもしれません。3つ目は、名札があれば品種名を読むことです。白や、縁だけが赤い品種なら、土以外の要因を考えるきっかけになります。

見えた色と、見ただけでは分からないこと(土の性質や品種の特徴など)を分けて書いておくと、この記事の出典を読み直したくなるはずです。出典欄の資料は、公的機関や大学のページが中心なので、気になった点は元のページで確かめてください。

庭や公園のアジサイで、次の3点を観察し、見えたことと、見ただけでは分からないことを分けて記録できる。

第一に、1輪のガク片に色のむらや混ざりがあるかを見る。モザイク状の細胞構成[1]が、肉眼でも色むらとして見える場合がある。第二に、同じ株で、咲き始めの花と咲いて日数がたった花を比べる。老化による赤みの増加[5]が、土壌条件と独立に現れるかを確かめられる。第三に、名札で品種名を確認し、白花や縁だけ赤い品種かどうかを見て、土壌以外の要因が関わるかを考える。

なお、他人の庭の花は採取しない。観察の記録には、日付・場所・開花からの日数を書き添えると、比較の条件をそろえやすい。原典としては、モザイク構造とアルミニウム量は名古屋工業大学の研究課題[1]、リン酸施肥の数値は栃木県農業試験場のニュース[9]、覆輪の色素は栃木県の報告[11]にあたるとよい。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

本文で使った資料です。いずれも公的機関・大学・学会・自治体のページです。

  1. 名古屋工業大学「アジサイの細胞ごとの色変異機構の解明」 https://pure.nitech.ac.jp/ja/projects/studies-on-cell-by-cell-color-variation-of-hydrangea/ (細胞ごとの色のちがい、アルミニウム量、原種と育種)
  2. 秋田市「千秋公園の樹木 セイヨウアジサイ」 https://www.city.akita.lg.jp/kurashi/doro-koen/1003685/1007159/1009757/1009903/1007241.html (酸性土壌でアルミニウムが吸収され青くなるという説明)
  3. 日本植物生理学会「植物細胞生理学 フォトギャラリー(アジサイ)」 https://jspp.org/pcp/photo_gallery/back_number/year/detail.html?id=83 (アルミニウムとアントシアニンの錯体)
  4. 東邦大学理学部「あじさい(2008年7月号)」 https://www.toho-u.ac.jp/sci/bio/column/015079.html (セイヨウアジサイの基本の色)
  5. 静岡県立大学「薬草園歳時記(28)紫陽花の色」2023年6月 https://www.u-shizuoka-ken.ac.jp/guide/outline/oike02/june-2023/ (白花のアナベル、開花後の老化による赤み)
  6. 「ハイドランジア(西洋アジサイ)4」(園芸の解説ページ) https://www.aichi-kyosai.or.jp/service/culture/internet/flower/gardening/gardening_01/4_45.html (ヤマアジサイ「紅」)
  7. 三鷹市「アジサイ(紫陽花)アジサイ科」 https://www.city.mitaka.lg.jp/c_service/020/020072.html (土の酸度に影響されにくい園芸品種)
  8. 神戸市立森林植物園「あじさいってどんな花?」 https://www.kobe-park.or.jp/shinrin/ajisai/arekore/about/ (リン酸の影響、花が終わるときの色の変化)
  9. 栃木県農業試験場ニュース第398号「アジサイ花色の安定発色のためのリン酸施肥量の検討」 https://www.pref.tochigi.lg.jp/g59/nousinews/documents/r208.pdf (鉢植え試験のリン酸の量と赤色発色)
  10. 浜松薬科大学 薬草園だより 2025年7月号 https://www.hamayaku.ac.jp/about/map/herb-garden/pdf/yakusouendayori_202507.pdf (花色に関わる複数の要因)
  11. 栃木県農業試験場研究報告「アジサイの赤色覆輪の色素構成と遺伝特性」 https://www.agrinet.pref.tochigi.lg.jp/nousi/kenpou/kp_087/kp87-2_redpicoteehydrangea.pdf (赤色覆輪の色素)
  12. 島根県アジサイ研究会「品種紹介」 https://ajisai-k.jp/variety/index.html (覆輪品種「銀河」)
  13. 栃木県「とちぎ県民だより5月号〔あじさい〕」 https://www.pref.tochigi.lg.jp/c05/pref/kouhou/kouhoushi/415-1.html (ポップシリーズ、DNAマーカーによる選抜)

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