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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

こんにゃくは、なにから どうやって できるの?

こんにゃくは、何から、どのように作られるのか ── 粉に水を混ぜただけでは固まらないわけ

こんにゃくの精粉は、アルカリを加えてどう固めるのか ── 凝固と精粉製法の理由

分野:技術

こんにゃくは、ぷるぷるで、つめたくて、水そのものみたいです。でも、もとは、土の中で 3年ほど そだてた「いも」です。

その いもを こなに して、水で ねっても、こんにゃくには なりません。ある ものを まぜた とき、はじめて かたまります。なにを まぜるのか、どうして こなに するのか、いっしょに 見て いきましょう。

こんにゃくは、約3年かけて育てた芋が材料です。ところが、その芋を粉にして水を加えても、それだけではこんにゃくになりません。石灰などのアルカリを加えて、はじめて固まります。

なぜ芋を粉にするのでしょうか。なぜ石灰のようなものを入れるのでしょうか。作り方の流れと、粉にする工夫が生まれた事情、生の芋から作る方法との違いが分かります。

こんにゃくの原料は、加工できる大きさまで約3年かかるこんにゃく芋だが、製品の多くは芋を直接ではなく、粉(精粉)にしてから作られる。しかも、その粉は水を加えてねるだけでは固まらず、アルカリを加えて、ゆでることで凝固する。

なぜ芋を粉にするのか、なぜアルカリで固まるのか、生芋から作る製品とは何が違うのか。公的機関の資料と百科事典から、この工程が成り立つ条件と、資料から言える限界が分かる。

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1. 3年も そだてる、こんにゃくの もと

1. 加工できる大きさになるまで、植えて、掘って、また植える

1. 原料の条件 ── 約3年の栽培と、グルコマンナンという成分

こんにゃくの もとに なる のは、「こんにゃくいも」です。サトイモの なかまで、球茎きゅうけいと いう、土の 中の まるい くきが その 正体 です[1]。

この いもは、1年では こんにゃくに できる 大きさに なりません。あきに ほって、しまって おいて、つぎの はるに また うえる。これを くりかえして、こんにゃくに できる 大きさに そだてます。2年から 3年 かかると いわれます[1]。ただし、年数は 土地や しりょうに よって ちがいます。

この いもには、食物繊維しょくもつせんいの「グルコマンナン」が たくさん はいって います[2]。これが、こんにゃくの かたまる もと です。

こんにゃくいもを つくる のは、群馬県ぐんまけんが とくに さかんで、とれる いもの 10こに 9こ いじょうが ぐんまけんの もの です[3]。

こんにゃくの材料は、サトイモ科の植物の球茎(地下にある丸い茎)です。こんにゃくに加工できる大きさになるまで、約3年かかるとされます[1]。この間、秋に収穫して保管し、翌春にまた植え付ける、という作業を3回くり返します[1]。

ただし、年数は資料によって幅があります。群馬県の資料の抜粋には「通常2年、まれに3年」という書き方もあり、「必ず3年」とは言い切れません。

では、こんにゃくの原料に、この芋が使われるのはなぜでしょうか。理由は、この芋にグルコマンナンという食物繊維が多く含まれているからです。こんにゃくの主成分で、アルカリを加えると固まる性質があります[2]。

産地は群馬県に集中しています。こんにゃく芋の収穫量の9割以上を群馬県が占めると、農林水産省の資料に書かれています(令和3年度)[3]。

こんにゃく芋はサトイモ科の球茎で、加工できる大きさに達するまで約3年を要し、その間に収穫・保管・翌春の植え付けを3回くり返す[1]。一方、群馬県の資料の検索抜粋には「通常2年、稀に3年」とあり、栽培年数は資料や産地によって幅があると読むのが妥当だ。

では、なぜ手間をかけてまでこの芋なのか。理由は成分にある。主成分はグルコマンナン(食物繊維)で、こんにゃく芋に多く含まれ、アルカリによって凝固する[2]。JETROの資料は、東南アジア原産の芋の多くは日本で栽培される芋と違ってグルコマンナンを含まず、加工しても固まらないと説明する[1]。つまり、こんにゃくは「どの芋でも作れる」ものではなく、成分によって原料が決まっている。

この制約は産地にも表れる。農林水産省の資料では、令和3年度のこんにゃく芋の収穫量の9割以上を群馬県が占める[3]。

2. こなに 水を まぜた だけでは かたまらない

2. 粉に水を加えて練り、石灰の水を混ぜると固まる

2. 糊状の精粉にアルカリ液を加え、形にしてゆでる

こんにゃくは、いもを ほして こなに した「せいふん」から つくる ことが 多い です[3]。この こなに 水を くわえて ねると、のりの ような どろっと した ものに なります[2]。

でも、これは まだ こんにゃくでは ありません。つぎに、せっかいと いう ものを 水に ひたして とった、アルカリの 水を まぜます[2]。これを かたに 入れたり、細い 糸の ように おしだしたり、だんごの ように まるめたり して、おゆで ゆでると、ぷるぷるに かたまります[2]。

ほそい 糸の かたちに した ものが、しらたきの すがた です。さいごに ねっとうで あくぬきを して できあがり です[4]。

多くのこんにゃくは、芋を乾かして砕いた「精粉」から作られます[3]。精粉に水(または湯)を加えてよくねると、糊のような状態になります[2][4]。ここまでは、ただの粘りのある液です。

固まりのもとになるのは、このあとに加えるものです。石灰を水に浸して水酸化カルシウムを溶かし出した、アルカリの液を混ぜます[2]。埼玉県の説明では、これを「あく(カルシウム)」と呼んでいます[4]。

そのあと、型に入れたり、線状に突き出したり、団子状に丸めたりして、湯でゆでて固めます[2]。細い線にした形がしらたきの姿です。農林水産省の説明には、殺菌のために加熱するとも書かれており[3]、埼玉県の資料では、最後に熱湯であく抜きをして完成します[4]。

精粉から製品までの流れは、日本大百科全書によれば、精粉に水を加えて糊状にし、石灰を浸けて水酸化カルシウムを抽出したアルカリ液を加え、型に入れる・線状に突き出す・団子状に丸めるなどして形を整え、湯でゆでて凝固させる[2]。糊状の段階では固まっておらず、アルカリを加えたあと、型に入れるなどして形を整え、ゆでて固める。

埼玉県の工程説明も大筋は同じで、精粉を湯でよくねってから、あく(カルシウム)を加えて型に入れて固め、最後に熱湯であく抜きをする[4]。農林水産省の説明は、これを「水や凝固剤を加えて型に入れ固め、殺菌を目的に加熱処理する」と短くまとめる[3]。

資料ごとに、「アルカリ液」「あく」「凝固剤」と呼び名が違う点には注意が要る。いずれもこの工程でアルカリを与える材料を指すと読めるが、使う物質や分量は、ここで使った資料には書かれていない。そのため具体的な配合は書かない。加熱の目的も、凝固・あく抜き・殺菌と、資料によって書き分けられている。

3. どうして アルカリで かたまるの?

3. なぜ、アルカリを入れると固まるのか

3. アルカリ凝固は、原料を選ぶ条件にもなる

グルコマンナンは、アルカリに ふれると かたまる せいしつを もって います[2]。こなを ねった だけの ときは、のびる のりの よう です。

では、かたまる とき、中で なにが おきて いるのでしょう。がっかいの ろんぶんでも しらべられて いますが[5]、ここでは「アルカリを まぜると かたまる」と おぼえて おけば じゅうぶん です。

いもの なかまは たくさん あります。でも、グルコマンナンを もたない いもは、ゆでても かたまりません[1]。だから こんにゃくは、こんにゃくいもから つくられる のです。

グルコマンナンは、水を加えるととろりとした状態になります。そこへ水酸化カルシウムなどを加えると、ある仕組みで凝固します。日本調理科学会誌の論文の抄録には、そう書かれています[5]。

ただし、分子のレベルで何が起きているのかは、抄録だけでは読み取れません。この記事では、「アルカリで固まる」という事実までを書いています。

この性質は、原料を決める条件でもあります。JETROの資料には、東南アジア原産の芋の多くは、グルコマンナンを含まず、加工しても固まらないとあります[1]。こんにゃくは、この成分を持つ芋だからこそできる食べ物です。

凝固の鍵は、グルコマンナンと水酸化カルシウムなどのアルカリの組み合わせにある[2]。日本調理科学会誌の抄録は、グルコマンナンに水酸化カルシウムなどを添加すると、本文に述べる機構で凝固することを要旨として示している[5]。

ただし、この機構の詳細は抄録だけでは読み取れず、ここではアルカリによる凝固までを事実として扱う。分子レベルの説明を知りたいときは、論文の本文に当たる必要がある。

この性質は、原料の条件にもなる。JETROの資料は、グルコマンナンを含まない芋は加工しても固まらないと述べる[1]。凝固がグルコマンナンの性質に頼っている以上、この成分を持たない芋では、同じ工程を踏んでもこんにゃくにならない。

4. どうして いもを こなに するように なったの?

4. 芋を粉にする方法は、なぜ生まれたのか

4. 精粉の考案 ── 輪切り・乾燥・粉砕で保存・輸送ができたとされる

いもは、ほりだした ままでは ながく もちません。そこで 1776年、ひたちのくにの なかじま とうえもんと いう 人が、いもを わぎりに して かわかし、くだいて こなに する ほうほうを かんがえた と いわれます[2]。

こなに すれば、保存ほぞんが できますし、とおくへ はこぶ こと も できます。そのため、こんにゃくを つくる ところが ひろがった と いいます[2]。

こんにゃくは、むかし ちゅうごくから くすりとして つたわり、そのあと たべものとして つかわれるように なったと つたえられて います[3]。

生の芋は、掘り出したままでは長く置けません。日本大百科全書によると、1776年(安永5年)に常陸国の中島藤右衛門が、芋を輪切りにして乾燥させ、砕いて粉末にする方法を考案したとされています[2]。

粉にしたことで、保存も輸送もできるようになり、産地が広がったといいます[2]。この人名と年は百科事典1件の記述なので、「とされる」と書いています。

こんにゃく自体は、中国から薬として伝わり、その後に食用になったと伝えられています[3]。

生芋は保存・輸送がむずかしい。この弱点を変えたとされるのが、1776年(安永5年)に常陸国の中島藤右衛門が、芋を輪切りにして乾燥させ、砕いて粉末にする方法を考案したという記述だ[2]。粉にすれば保存も輸送も可能になり、産地が広がったとされる[2]。

ただし、この人名と年は百科事典1件の記述にもとづく。「とされる」として読むのが妥当だ。粉にすると保存や輸送ができ、産地が広がったとされる。

こんにゃく自体は、中国から医薬品として伝来し、のちに食用となったと伝わる[3]。

5. なまの いもから つくる こんにゃくは?

5. 生の芋から作るこんにゃくは、何が違うのか

5. 生芋製法と精粉製法 ── 工程と食感の違い

群馬県ぐんまけんでは、こなに しないで、なまの いもから つくる こんにゃくも あります。こしが つよくて、はごたえが よく、あじが しみこみやすい と いわれます[6]。

いもを あらって、ふかして、つきつぶし、ねって、かたに いれる、と いう ながれが しょうかい されて います[4]。

ふだん スーパーで うって いる こんにゃくは、こなから つくった ものが 多い そうです[6]。いもを そだてて いる ところだからこそ、できる つくり方 なのです。

農林水産省の「うちの郷土料理」には、群馬県産のこんにゃくは、産地だからこそ生の芋から作ることができ、独特のコシや歯切れ、味のしみ込みやすさが特徴とされる、とあります[6]。一般的なスーパーの製品は、粉から作ったものが多いとも紹介されています[6]。

埼玉県の資料では、生の芋からの工程は「水洗い、蒸かす、搗く、練る、型どり」の流れで紹介されています[4]。粉から作る場合は「粉に水を加えてねる」ところから始まるので、生の芋から作る場合は、芋を蒸してつぶす手間を自分で担うことになります。

粉にする工夫は、保存と輸送を可能にしました。一方、生の芋は産地で新しく掘ったものを使えるからこそ、粉とは違う食感の製品が作れる、と読めます。

生芋から直接作る方法は、農林水産省の「うちの郷土料理」によれば、産地である群馬県だからこそ可能で、独特のコシと歯切れ、味のしみ込みやすさが特徴とされる。一般に流通するスーパーの製品は、粉から作られるものが多い[6]。

埼玉県の工程図は、生芋の場合を「水洗い→蒸かす→搗く→練る→型どり」と示す[4]。精粉製法が「粉に水を加えてねる」から始まるのに対し、生芋製法は芋の下ごしらえとつぶす工程を自分で担う。

食感の違いは、資料に出てくる「コシ」「歯切れ」という語が示すとおり、味わいに表れる。ただし、粉と生芋の食感の違いが何によるのか、その理由は、ここで使った資料には書かれていない。

6. おうちの こんにゃくの ふくろを 見て みよう

6. 袋の「原材料名」から、作り方を考えてみる

6. 製品表示と原典から、残る問いを確かめる

おうちに こんにゃくが あれば、ふくろの うらを 見て みましょう。「原材料名げんざいりょうめい」の ところに、なにが かいて ある でしょうか。

「こんにゃくこ」と かいて ある ものも、「こんにゃくいも」と かいて ある ものも、あるかも しれません。かいて あった ことばを、メモして みましょう。

ふくろを あける ときや 食べる ときは、おうちの 人と いっしょに しましょう。

家にこんにゃくがあれば、袋の「原材料名」を見てみましょう。「こんにゃく粉」と書かれているか、「こんにゃく芋」と書かれているか。凝固剤に近い言葉も書かれているかもしれません。

書かれた言葉を、ここまで読んだ流れと見くらべて、粉から作った製品に近いのか、生の芋から作った製品に近いのかを考えてみましょう。ただし、表示だけで製法がすべて分かるとは限りません。

もっと知りたくなったら、日本調理科学会誌の論文[5]や、農林水産省の「うちの郷土料理」[6]が入り口になります。袋の表示を、この記事の流れと見くらべてみるのも手がかりになります。

製品の原材料表示は、粉から作ったものか、生芋から作ったものかを考える手がかりになる。ただし、表示の書き方は製品や事業者によって異なり、表示だけで製法を断定できるわけではない。

残る問いは二つある。ひとつは、グルコマンナンがアルカリで分子のレベルでどう固まるのか、という問いだ。これは日本調理科学会誌の論文[5]の本文に当たる価値がある。もうひとつは、1776年の精粉の考案を、百科事典以外の資料でも確かめられるか、という点だ[2]。農林水産省の「にっぽん伝統食図鑑」[3]と「うちの郷土料理」[6]は、歴史や産地の語りを知るうえで読みやすい入り口になる。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

出典について:公的機関(農林水産省・埼玉県・JETRO)の資料、百科事典、学会誌の抄録を使った。何に使ったかは、それぞれの項目の最後に書いている。

  1. JETRO 農林水産物・食品「こんにゃく」。https://www.jetro.go.jp/agriportal/pickup/konjac.html (こんにゃく芋の栽培期間と、グルコマンナンを含まない芋について)
  2. コトバンク(日本大百科全書)「コンニャク」。https://kotobank.jp/word/%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%8B%E3%83%A3%E3%82%AF (グルコマンナン、精粉からの作り方、1776年の粉末化の考案について。二次資料)
  3. 農林水産省 にっぽん伝統食図鑑(農産加工)。https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/traditional-foods/bunrui/nousan-kakou.html (収穫量のシェア、工程の概要、伝来の説明について)
  4. 埼玉県「こんにゃく製品ができるまで」。https://www.pref.saitama.lg.jp/a0904/909-20091210-214.html (粉から作る工程と、生の芋からの工程の流れについて)
  5. 日本調理科学会誌 64巻6号 抄録。https://www.jstage.jst.go.jp/article/kakyoshi/64/6/64_292/_article/-char/ja (グルコマンナンのアルカリによる凝固について。抄録のみ)
  6. 農林水産省 うちの郷土料理(群馬県)。https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/area_stories/gunma.html (生の芋から作るこんにゃくの特徴について)

なおした ところ

更新履歴

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