1. きえた 10日は、どこへ いったの?
1. 10月4日の次が10月15日 ── 消えた10日
1. 1582年の改暦 ── 10月4日(木)の翌日が10月15日(金)
1582ねん、ローマの きょうこうの グレゴリウス13せいは、あたらしい 暦を きめました。この 年の 10月4日の つぎの 日を、10月15日と する ことに したのです[3]。
曜日は、木ようびの つぎが 金ようびで、つながって います。かわったのは 日づけだけです。10日ぶんの 日づけを、とばしました。
まちがって いた 暦を、なおすための ことでした。どこが まちがって いたのか。まずは 1年の 長さから 見て いきましょう。
1582年、教皇グレゴリウス13世は新しい暦を定め、この年の10月4日(木)の翌日を10月15日(金)としました[3]。
曜日は木曜から金曜へ続いていて、ずれていません。飛んだのは日付だけで、10日ぶんです。ただ、この切り替えを全部の国が同じ日に行ったわけではありません。
直したかったのは、それまでの暦が少しずつ季節からずれていたことでした。まず、1年の長さから確かめます。
2. 1年は、ほんとうに 365日?
2. 1年は365日ちょうどではない
2. 太陽年約365.2422日と暦年365日の差
カレンダーの 1年は 365日です。でも 地球が 太陽の まわりを 1まわりして、きせつが ひとめぐりするまでは、365日と 6時間ちかく かかります。くわしく いうと 365.2422日、つまり 365日と 5時間49分ほどです[1]。
暦を 365日の ままに すると、毎年 6時間ちかく(5時間49分ほど)の ずれが たまって いきます。暦が こわれて いるのでは ありません。地球が 1まわりする 時間が、ちょうど 365日では ない だけです。
ずれを ほうって おくと、春分の 日づけなどが、少しずつ かわって いきます[2]。そこで 4年に 1回、1日 ふやして、ずれを もどします。これが うるう年です。
3. 4年に 1回、だれが きめたの?
3. カエサルの暦 ── 4年に1度、2月に足す
3. ユリウス暦 ── 365.25日と4年周期の閏日
4年に 1回 日を ふやす 暦は、古い ローマの カエサルの もとで つくられました。「ユリウス暦」と いう 名前は、この 人の 名前、ユリウス・カエサルから きて います[4]。
1年を 365日と 4分の 1日と みなして、4年に 1回、1日 ふやします。紀元前46年に きめられ、紀元前45年の 1月1日から つかわれた、といわれます[4]。
ふやした 日は、2月に 入れました。むかしの ローマの 暦では、2月が 1年の さいごの 月だったから、と せつめい される ことが あります[6]。こうして 2月29日が うまれました。
4. ふやしすぎて、ずれて しまった
4. わずかな「足しすぎ」が、1500年で10日になる
4. ユリウス暦の誤差と、復活祭を巡る改暦の動機
けれども、ここに 小さな まちがいが ありました。本当の 1年は 365.2422日、ユリウス暦は 365.25日。ユリウス暦の ほうが、毎年 0.0078日 だけ 長いのです。
0.0078日は、1分ちょっとです。でも、これが 128年 つづくと 1日に なります。1500年ほど たつと、およそ 10日です[3]。
むかしの きょうかいは、春分の あとの はじめての まんげつの つぎの 日曜日に、ふっかつさいと いう おいわいを する ことに なって いました(325年の 会ぎの ころ)[5]。ところが 1500年代には、本当の 春分は ユリウス暦の 3月11日ごろに なって いました。暦の 日づけが うごいたのでは なく、空の 春分の ほうが、暦の 日づけより 10日ほど 早く きて いたのです。おいわいの 日が、空の 本当の ようすと 合わなく なって いました。
ここに、小さな誤差がありました。本当の太陽年は約365.2422日、ユリウス暦は365.25日です。暦のほうが1年につき約0.0078日長く、1分ちょっと余計に進みます。
1分ちょっとでも、積もります。約128年で1日、16世紀には約10日のずれになりました。実際、天文現象としての春分は、ユリウス暦の3月21日ごろから、3月11日ごろへと早まっていました[3]。暦の日付が動いたのではなく、空の春分と暦の日付がずれたのです。
これが困ったのは、教会の行事のためです。325年の公会議を経て、復活祭は春分(ユリウス暦の3月21日)のあとの最初の満月のあとの日曜日を基準に決められることになりました[5]。春分が暦の日付より早く来るようになると、祝う日が空の様子と合わなくなります。これが改暦の動機と説明されています。
ユリウス暦の1年(365.25日)は太陽年(365.2422日)より0.0078日長い。1/0.0078≒128であるから、約128年で1日進む。325年から1582年までの約1257年では、0.0078×1257≒9.8日、つまり約10日である[3]。
実際、16世紀後半には天文現象としての春分がユリウス暦3月21日ではなく3月11日頃に到来していた[5]。暦の日付が動いたのではなく、春分という天文現象と暦の日付とのずれである。325年時点の3月21日から3月11日頃までは約10日で、上の約9.8日の計算とも合う。
この10日が問題になったのは復活祭の算定のためである。325年の第1ニカイア公会議を経て、春分(ユリウス暦3月21日)後の最初の満月のあとの日曜を基準に復活祭を算定することになった。春分が暦の日付より前に来ると、復活祭が天文の実際とずれる。これが改暦の動機とされる[5]。
5. うるう年の 「れいがい」
5. 補正の補正 ── 100年と400年の例外
5. グレゴリオ暦の規則 ── 400年に97回
あたらしい 暦は、うるう年の きまりを 少し かえました[1]。
- 4で わりきれる 年は、うるう年。
- ただし、100で わりきれる 年は、うるう年に しない。
- ただし、400で わりきれる 年は、やっぱり うるう年。
だから 2000年は うるう年ですが、1900年は ちがいます。400年の あいだに、うるう年は 100回では なく 97回に なります[3]。
これで 1年の 長さの へいきんは 365.2425日。本当の 1年との ちがいは、たんじゅんに 計算すると 1日ぶんに なるのに 3000年いじょう かかる ほど、小さく なりました[3]。
グレゴリオ暦は、うるう年の決まりを次のように変えました[1]。
- 4で割り切れる年はうるう年
- ただし、100で割り切れる年は平年
- ただし、400で割り切れる年はうるう年
だから2000年はうるう年で、1900年は平年です[1]。決まりから考えると、2100年は平年になります。補正した後の補正、という形です。
400年のうるう年は、4の倍数100回から100の倍数4回を引き、400の倍数1回を足して97回です。すると平均の1年は365.2425日になり、太陽年との差は年に約0.0003日。単純計算では、1日ずれるまで3000年以上かかります[3]。この年数は見積もりに幅があり、資料によってもっと長い数字も出てきます。
グレゴリオ暦の閏年規則は、4で割り切れる年を閏年、ただし100で割り切れる年は平年、ただし400で割り切れる年は閏年とする。2000年は閏年、1900年は平年である[1]。規則を適用すれば2100年は平年になる(規則からの導出であり、資料が個別に明示した記述ではない)。
400年間の閏年は、4の倍数100回−100の倍数4回+400の倍数1回=97回。400年は365×400+97=146097日で、平均1年は365.2425日になる。太陽年との差は365.2425−365.2422=0.0003日で、単純計算では1日の誤差が生じるまで3000年以上かかる[3]。ただし、この年数は見積もりの取り方で幅があり、資料によって異なる数字も示される。
6. 2月29日うまれの 人は、いつ 年を とる?
6. 2月29日生まれの誕生日 ── 法律ではどう数えるか
6. 2月29日生まれの年齢計算 ── 民法143条と年齢計算ニ関スル法律
2月29日に うまれた 人は、うるう年で ない 年の たんじょう日を、どう すごすのでしょう。「4年に 1回しか 年を とらない」わけでは ありません。
日本の 法律の 決まりでは、年れいは、たんじょう日の 前の 日が おわる ときに 1つ ふえます。2月29日うまれの 人は、うるう年で ない 年には、2月28日の おわりに 年を とる、と 国立天文台は せつめいして います[7]。
これは 法律の 上での 数え方です。ふだんの おいわいを いつ するかは、家ごとに 決めて いいことです。
2月29日に生まれた人は、平年には誕生日がありません。それでも「4年に1度しか歳をとらない」わけではありません。
日本の法律(年齢計算ニ関スル法律と民法143条)では、年齢は誕生日の前日が終わるときに1つ加わります。平年の2月29日生まれの人は、2月28日が終わるときに歳をとる、と国立天文台の解説は説明しています[7]。誕生日は毎年あるものとして扱われます。
これは法律上の年齢の数え方で、日常の祝い方を決めるものではありません。
年齢計算ニ関スル法律と民法143条により、年齢は誕生日の前日の終了時に加わる。平年における2月29日生まれは、月末の2月28日の終了時に加齢する(誕生日は毎年あるものとして扱われる)と、国立天文台の暦Wikiは説明している[7]。
これは法律上の年齢計算の話であり、日常の祝い方の決まりではない。条文そのものは、e-Govの法令検索で「年齢計算ニ関スル法律」を引けば読める。
7. じぶんでも たしかめて みたく なったら
7. 自分でも調べてみたくなったら
7. 自分でも調べてみたくなったら
うるう年か どうかは、わり算で たしかめられます。家の 人が うまれた 年や、きねんの 年を 4で わって みましょう。まず 4で わって みて、わりきれたら、つぎに 100で わりきれるかを 見ます。100で わりきれる 年は、400で われるか どうかも たしかめます。
2100年は、うるう年でしょうか。決まりに あてはめて、答えを 出して みましょう。
好きな年を選んで、うるう年かどうかを決まりどおりに判定してみましょう。1900年・2000年・2100年のように100で割り切れる年は、400で割れるかも見ます。
もう1つ、自分で計算してみましょう。365×400+97が146097になることを確かめ、それを400で割ると、平均の1年が365.2425日になることを確かめます。
国立天文台の暦Wikiには「うるう」「グレゴリオ暦」「年齢の数え方」のページがあります。本文の数字がどこに書いてあるか、探してみてください[2]。
しらべた もとの じょうほう
参考にした情報源
参考にした情報源と、その使い方
出典について:国立天文台の暦Wiki・暦の話題、世界史の窓、Wikipediaを突き合わせて使った。数字の計算(0.0078日、約128年、約10日、146097日など)は、資料の値から本稿の筆者が計算したもの。日付の切り替えの年月日は複数の資料で表現が異なる。
- 国立天文台 暦の話題「2012年2月」(うるう年の説明). https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/topics/html/topics2012_2.html (太陽年の長さ・うるう年の規則)
- 国立天文台 暦Wiki「うるう」. https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/wiki/B1BC.html (うるうの目的)
- 国立天文台 暦Wiki「グレゴリオ暦」. https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/wiki/A5B0A5ECA5B4A5EAA5AACEF1.html (1582年の10日の飛ばし・400年97回)
- 世界史の窓「ユリウス暦」. https://y-history.net/appendix/wh0103-169_1.html (カエサルの暦の内容)
- ウィキペディア「グレゴリオ暦」. https://ja.wikipedia.org/wiki/グレゴリオ暦 (改暦の動機・日本の明治改暦)
- ウィキペディア「閏年」. https://ja.wikipedia.org/wiki/閏年 (うるう日が2月にある理由)
- 国立天文台 暦Wiki「年齢の数え方」. https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/wiki/CDD7C1C72F1C7AFA4C8A4CFA1A92FC7AFCEF0.html (2月29日生まれの年齢)
なおした ところ
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