1. さばの ごはんは、そだつと かわるの?
1. サバの食べ物は、育つにつれて入れかわる
1. 卵・幼生から魚へ ── 成長段階で入れかわる食べ物
さばは、そだつ ときに、ごはんを なんども かえて いきます。
うまれて すぐの ころは、カイアシるいの たまごや、うまれたばかりの こどもを たべます。すこし そだつと、ちいさな カイアシるいや、やこうちゅう、さるぱなど、うみに ういている ちいさな いきものを たべると されて います[2]。
もっと おおきく なると、さかなを たべる ことが ふえます[1]。おとなの さばは、いわしの なかまや あじ、いか、オキアミなどを たべると いわれます。
これが、だいじな こたえです。このあとは、そのとき うみで なにが おきて いるのか、どこで たべて いるのかを みて いきます。
では、いちばん さいしょの ごはんは、どうして そんなに だいじなのでしょう。
サバの食べ物は、育つにつれて入れかわります。東京都の水産センターの解説では、ふ化したばかりの仔魚は小型の動物プランクトンを食べていて、成長するにしたがって魚を食べる性質(魚食性)が強くなります。成魚はイワシ類やアジなどの魚、イカ類、オキアミ類などを食べるとされています[1]。
国の水産研究機関の資源評価では、もう少し細かく書かれています。仔魚の時期にはカイアシ類の卵とノープリウス幼生(甲殻類が卵から出たあとの最初の姿)を、稚魚の時期には小型のカイアシ類、夜光虫、尾虫類、サルパなどの小さな動物プランクトンを食べるとされます[2]。
体の大きさの伸びも見ておきます。同じ解説によると、生後1年で体長20〜28センチ、2年で28〜35センチ、3年で35〜42センチです[1]。1年目の20〜28センチを12か月でならすと、1か月に約1.7〜2.3センチ伸びる計算です(実際の伸びは季節で一定ではないはずなので、目安にすぎません)。
体長が20センチを超えるまでの1年に、食べ物は卵や幼生から、小さなプランクトン、そして魚へと変わっていきます。それなら、いちばん小さいころの食べ物は、サバにとってどれほど大事なのでしょうか。
マサバの食べ物は、成長段階で入れかわる。東京都島しょ農林水産総合センターの解説は、ふ化仔魚は小型の動物プランクトンを食べ、成長するにつれて魚食性が強まり、成魚はイワシ類・アジなどの魚、イカ類、オキアミ類を食べるとする[1]。
水産研究・教育機構の資源評価は、これをさらに2段階に分けて記している。仔魚期はカイアシ類の卵とノープリウス幼生、稚魚期は小型カイアシ類・夜光虫・尾虫類・サルパなど小型の動物プランクトンである(原典として加藤・渡邊 2002 が挙げられている)[2]。つまり、食べ物は「卵・幼生→小型プランクトン→魚・オキアミ」と、少なくとも3つの段階を経る。
成長の数字を合わせると、変化の速さが見える。体長は1年で20〜28cm、2年で28〜35cm、3年で35〜42cmとされ[1]、各年の下限どうし・上限どうしの差を取ると、2年目・3年目の伸びは7〜8cmである。1年目の20cm以上と比べると、最初の1年に成長が集中している。ただし資料は「体長」とだけ書き、尾叉長か全長かは明記していない。また、成長の速さと食べ物の関係を直接示した資料は、今回の材料にはない。
では、成長が最も速い最初の時期、生まれたばかりの仔魚の食べ物は、生き残りにとってどれほど決定的なのか。
2. あかちゃんの ごはんが たりないと、どうなるの?
2. 生まれたての子にとって、カイアシ類の幼生はなぜ大切か
2. 仔稚魚の生残を左右する餌 ── カイアシ類ノープリウスの密度
カイアシるいは、えびや かにの なかまの、とても ちいさな いきものです。うみの なかを ふわふわと ういて います。
ひろしまだいがくの かいせつでは、うみの さかなの あかちゃんが いきのこるには、えさに なる カイアシるいの こどもが どれくらい いるかが だいじだと して います[6]。
これは、さばだけの はなしでは なく、うみの さかな ぜんぶに ついての せつめいです。さばの あかちゃんも、おなじように、ちいさな ごはんが たくさん ある うみを ひつよう と している のでしょう。
あかちゃんの ごはんは ちいさくて、めに みえない くらいです。では、おおきく なった さばは、どこで なにを たべて いるのでしょう。
広島大学の竹原ステーションによるカイアシ類の解説では、海の魚の稚魚・仔魚が生き残れるかどうかは、餌になるカイアシ類のノープリウス幼生がどれくらいいるか(密度)に左右され、重要だとされています[6]。
ここで気をつけたいのは、これがマサバだけの説明ではなく、海の魚全般についての解説だという点です。マサバの仔魚がカイアシ類の卵や幼生を食べること[2]と、海の魚の仔魚にとってノープリウスの密度が大事なこと[6]を並べると、「最初の食べ物が足りるかどうか」がサバの子にとっても大切な条件になっていると考えられます。ただし、サバについて密度と生き残りの関係を直接調べた資料は、ここでは用いていません。
生まれて最初の数日を乗り切った子は、小さなプランクトンを食べながら大きくなり、やがて魚を食べる大きさになります。その先で、サバはどこへ食べに行くのでしょうか。
仔魚期の食べ物がカイアシ類の卵とノープリウスだとして[2]、それは生き残りにどう響くのか。広島大学の解説は、海産魚の稚仔魚の生残が、餌となるカイアシ類ノープリウス幼生の密度に左右され、重要だとしている[6]。
この資料の位置づけには注意がいる。記述はマサバ個別のものではなく、海産魚全般の説明である。したがって、マサバの仔魚について「ノープリウスの密度が下がれば生き残りが下がる」と直接言うことはできない。言えるのは、マサバの仔魚の餌が、海産魚全般で重要とされる餌と同じ種類(カイアシ類のノープリウス)である、というところまでである。
また、仔魚・稚魚の食べ物の記述は、資源評価書が文献(加藤・渡邊 2002)を引いたものであり、原著の数値(個体数や重量)までは本稿の材料にない。つまり、段階の「順番」は分かるが、段階ごとの「量」は分からない。
こうして育った幼魚から先の食べ物は、海域や季節で違いが出てくる。その違いの具体例を、三陸海域で見る。
3. おおきく なった さばは、うみで なにを たべるの?
3. 三陸の海では、オキアミとカタクチイワシが主役になる
3. 幼魚以降の餌は海域と季節で変わる ── 三陸海域の例
おおきく なった さばの ごはんは、すんで いる うみや きせつで ちがいます。
ちゅうしんに なるのは、オキアミや カイアシるいなどの えびや かにの なかま、カタクチイワシや ハダカイワシなどの さかな、それに さるぱです[3]。
さんりくの うみでは、ツノナシオキアミと カタクチイワシが おもな ごはんだと されて います[3]。
だから、「さばは ちいさな さかなを たべる さかな」と だけ おぼえると、すこし たりません。そだつ ところや、うみ、きせつで、たべる ものは かわります。
では、さばは どうして きたの うみまで いくのでしょう。
水産研究・教育機構の資源評価によると、幼魚以降の餌は海域や季節で違いがあり、オキアミ類やカイアシ類などの甲殻類、カタクチイワシやハダカイワシ類などの魚、サルパ類が中心です。三陸海域では、ツノナシオキアミとカタクチイワシが主要な餌生物とされています[3]。
ここから分かるのは、「サバは小魚を食べる魚」と一括りにはできないことです。三陸では、オキアミという小さなエビに似た甲殻類と、魚のカタクチイワシが並ぶ主役になっています。
福岡市の生物多様性ウェブセンターも、マサバを肉食性で、動物プランクトン、小魚、オキアミ類を食べる魚と紹介しています[4]。方向は同じで、細かい違いは「どの海で、どの季節に」のところに現れます。
サバの食べ物が海域で変わるなら、サバ自身が海を移っているのでしょうか。
幼魚以降の餌を、資源評価はこうまとめている。海域や季節で違いがあり、甲殻類(オキアミ類・カイアシ類)、魚類(カタクチイワシ・ハダカイワシ類)、サルパ類が中心で、三陸海域ではツノナシオキアミとカタクチイワシが主要な餌生物である[3]。
ここで押さえたいのは、「サバ=小魚を食べる魚」という一括りが、成長段階と海域の両方で崩れる点である。仔稚魚期は小型の動物プランクトン、幼魚以降はオキアミ類を含む甲殻類と魚類が並ぶ。東京都の解説が成魚の餌をイワシ類・アジ・イカ類・オキアミ類と並べる[1]のも、同じ理由で読める。
三陸に限って言えば、オキアミ類と魚(カタクチイワシ)の2本立て、というところまでが、この資料の言う範囲である。
餌が海域と季節で違うということは、サバが海域を移動していることを意味するのか。次に、回遊の道すじを見る。
4. さばは、なぜ なつに きたの うみへ いくの?
4. サバは夏、餌をとりに三陸から北海道沖へ向かう
4. 産卵・越冬後に北上する索餌回遊 ── 三陸〜北海道沖
さばは、じっと おなじ ところに いる さかなでは ありません。はるから なつに かけて きたへ むかい、あきから ふゆに かけて みなみへ もどる、まわる さかなです[4]。
しらべた しりょうでは、たまごを うんだ あとや、ふゆを こした あとの さばは、なつを ちゅうしんに、さんりくから ほっかいどうの おきで ごはんを たべると されます[5]。「ごはんを たべに いく」ことを、「さくじ」と よびます。
あきに なると、さんりくの うみを みなみへ むかいます。おとなは みなみで たまごを うみ、まだ おおきく ない さばは ぼうそうや じょうばんの おきで ふゆを こす ことが おおいと されます[5]。
ごはんを たくさん たべて、みなみへ かえる。その あいだに、さばの からだは どう かわるのでしょう。
水産海洋研究に載った谷津らの論文(2019年)では、太平洋に住むマサバの1年の動きがこう整理されています。産卵や越冬のあとに北へ向かい、夏を中心に主に三陸から北海道沖で餌をとります。この、餌を求めて動くことを索餌(さくじ)といいます。秋には成魚も未成魚も三陸の沿岸や沖合を南へ下り、成魚は南で産卵し、未成魚は主に房総・常磐の海域で冬を越します[5]。
福岡市の解説でも、マサバは春から夏に北上し、秋から冬に南下する回遊魚と紹介されています[4]。北上した先には、先ほど見た三陸のオキアミやカタクチイワシがいる海もあります。
ただし、論文が書いているのは「夏を中心に主に三陸・北海道沖で索餌する」という事実です。「だから北へ行く」という因果まで、同じ文で言い切っているわけではありません。ここは、資料の言葉に合わせて、「食べに行く場所になっている」と受け止めておくのがよさそうです。
北の海で食べた結果は、サバの体に表れるのでしょうか。
索餌回遊の道すじは、谷津ほか(2019)が整理している。産卵・越冬のあと、夏季を中心に主に三陸〜北海道沖で索餌し、秋季には成魚・未成魚とも三陸の沿岸・沖合を南下する。その後、成魚は産卵し、未成魚は主に房総・常磐海域、一部は三陸海域で越冬する[5]。
この整理から、サバの1年は、南の産卵・越冬、北の摂餌、南への帰還の3つに分かれる。福岡市の解説も春〜夏の北上と秋〜冬の南下を挙げており、方向は一致する[4]。
前の章で見た餌(三陸のツノナシオキアミとカタクチイワシ[3])と、この北上の時期・場所が重なることは確かである。ただし、「北上した理由は餌である」と書いた資料は、今回の材料にない。重なっているという事実と、因果を言い切ることは別である。
未成魚が房総・常磐で越冬するという記述も、1つの論文の整理であり、年ごとに変わりうる。回遊の範囲を、固定した地図として読まないほうがよい。
では、この旅のあと、サバの体にはどんな変化が出るのか。脂の量の季節変化を見る。
5. あきの さばは、あぶらが のって いるの?
5. 秋から冬のサバは、脂がのる時期にあたる
5. 粗脂肪含量と肥満度の季節変化 ── 9〜1月に高い
さかなやさんでは、「あきの さばは あぶらが のる」と いわれる ことが あります。
なんねんか しらべた けんきゅうが あります。2012ねんから 2017ねんに、どうとうから かしまなだで とれた さばの あぶらの りょうと、ふとり ぐあいを はかりました。すると、9がつから 1がつに たかく、2がつに すこし さがって いました[5]。
3がつから 8がつは、しらべた さばの かずが すくなく、あぶらの りょうは 2がつより ひくい ところに ありました。ふとり ぐあいは、2がつに ちかい ところでした。
この けんきゅうが しめして いるのは、あぶらの きせつごとの かわりかたまでです。ごはんとの かんけいまでは、しめして いません。
では、うみで ごはんを とる さばと ちがって、いけすで そだつ さばは なにを たべて いるのでしょう。
北の海で食べて南へ戻る、その季節に、サバの体はどう変わるのでしょうか。谷津らの研究では、2012〜2017年に道東から鹿島灘にかけて漁獲されたマサバを調べ、粗脂肪含量(体にふくまれる脂の割合)と肥満度(体の太り具合を表す数)が9月から1月に高く、2月にやや下がったと報告しています[5]。
3〜8月は調べた個体が少なく、粗脂肪含量は2月より低い水準で、肥満度は2月に近い水準でした。つまり、データのある範囲では、秋から冬の初めが、脂と太り具合の数字が高い時期だった、ということです。
よく「サバは秋が旨い」といわれますが、この報告が示しているのは、季節による脂と太り具合の違いです。餌との関係までは示していません。
天然のサバの食べ物と体の関係は、海の中なので調べるのが大変です。養殖では、餌が決まっているので、その関係を試すことができます。
北上による索餌の期間を経て、体はどう変わるか。谷津ほか(2019)は、2012〜2017年に道東〜鹿島灘で漁獲されたマサバの粗脂肪含量(Fc)と肥満度(Cf)を調べ、9〜1月に高く、2月にやや低下したと報告している[5]。3〜8月は試料が少なく、Fcは2月より低い水準で、Cfは2月に近い水準だった。
ここから分かる範囲は限られる。第一に、「9〜1月に高い」は漁獲された個体の平均的な傾向であり、1尾ごとの脂のりを保証するものではない。第二に、3〜8月は試料が少なく、季節変化の細部は分からない。第三に、この研究は脂の季節変化を示しているが、餌との関係までは示していない。
前の章の「夏を中心に三陸〜北海道沖で索餌する」という事実と、「9〜1月に脂が高い」という事実は、時間の順序としては自然に続く。しかし、それは別々の論文・資料の記述を並べただけであり、一方が他方を引き起こしたと決める根拠にはならない。
天然魚では因果を決めにくい。そこで、餌を人が決められる養殖の試験は、食べ物の影響を調べる手がかりになる。
6. ようしょくの さばは、なにを たべて いるの?
6. 養殖のサバには、餌に油を足して試す試験がある
6. 養殖試験の配合飼料 ── 油脂4%添加の比較
いけすで そだてる ようしょくの さばは、うみの プランクトンや さかなでは なく、人が つくった ごはん(はいごうしりょう)を たべる ことが あります[7]。
とっとりけんでは、この はいごうしりょうに あぶらを 4%だけ くわえて、さばが どう そだつかを くらべました。あぶらの しゅるいが ちがっても、いきのこった さばは、どの グループも およそ 94%でした[7]。
なかでも、だいずの あぶらを くわえた グループは、ふえた おもさが いちばん おおく、ふえた おもさ あたりの おかねも ひくかったと されて います[7]。
また、かごしまけんの ながしまちょうなどでは、あぶらが のった、さしみで たべる さばを ようしょくする ことが ふえました。はなしの もとは 2010ねんの ニュースで、いまの ようすは ここでは わかりません[8]。
うみで たべる さばと、いけすの さば。どちらも「たべたもので そだつ」ことに かわりは ありません。
天然のサバが何を食べて育つかを調べるのは、海が広いので簡単ではありません。一方、養殖では、餌を人が選べます。鳥取県の養殖試験では、マサバに市販の配合飼料を与え、油脂を4%加えた餌を比べました。生残率はどの区もおよそ94%で、油脂の種類による大きな差はありませんでした。平均体重にも有意な差はありませんでしたが、大豆油を加えた区は体重の増加量が最も多く、増えた体重あたりの飼料代や油脂代も低くなりました[7]。
養殖の目的は、成長と費用の両立です。この試験は、サバが何を食べて育つかを「プランクトン→魚」の軸ではなく、「配合飼料に何を足すか」という別の軸で見たものです。
刺身で食べるサバの養殖も、広がっています。2010年の報道によると、鹿児島県長島町などでは、まき網の漁業者から稚魚を安定して確保できることもあり、脂のりがよく鮮度のよい刺身用サバの養殖が盛んになりました[8]。ただし、これは2010年の報道で、いまの規模は分かりません。
ここまでで、サバの食べ物が、育つ段階と、海と、季節と、人の手でどう変わるかが見えてきました。
天然魚の餌と体の関係は、直接操作できない。そこで、養殖試験が手がかりになる。鳥取県の試験では、マサバに市販の配合飼料へ油脂を4%加えて比較した。生残率は各区94±0.5%と大差がなく、平均体重の有意差はなかったが、大豆油区は増重量が最も多く、単位増重量あたりの飼料代・油脂代も低かった[7]。
この試験が答えているのは「どの油が養殖の成績に有利か」という問いであり、天然の仔魚期の餌(カイアシ類の卵と幼生)とは別の話である。ここで言えるのは、養殖では餌を人が決められるので、比較の試験が組める、という点までである。
刺身用サバの養殖では、まき網漁業者から稚魚を安定して確保できることが背景の1つとされる。鹿児島県長島町などで、脂のりがよく鮮度のよい刺身用サバの養殖が盛んになったとの報道がある[8]。2010年の報道であり、現在の規模は不明である。
サバの食べ物は、成長段階(卵・幼生→プランクトン→魚)や海域・季節(三陸のオキアミとカタクチイワシ)で変わり、養殖では人が配合飼料を選ぶ。残る問いは、どこまでを自分で確かめられるかである。
7. うりばの さばから、きたの うみを おもって みよう
7. 売り場のサバから、北の海の食事を思いうかべる
7. 数字と産地ラベルで確かめる ── 資料の読み方の手がかり
ものさしを だして、20cmと 28cmの ところに しるしを つけて みましょう。これが、うまれて 1ねんの さばの おおきさです[1]。うまれたての あかちゃんが たべるのは、その さばの ちいさな ちいさな ごはんでした。
おみせで さばを みかけたら、パックの ラベルを みて みましょう。とれた ばしょや ひづけが かいて あれば、メモします。ちずで さがして、「この さばは、どこで なにを たべて いたのかな」と かんがえて みましょう。
ほうちょうを つかう ときは、かならず おおきな 人と いっしょに しましょう。
定規を出して、20センチと28センチの位置に鉛筆で印をつけてみましょう。これが、生まれて1年のマサバの大きさの範囲です[1]。この長さまで育つ間、食べ物は卵や幼生から、小さなプランクトン、そして魚へと変わっていきます。
売り場でサバのパックを見かけたら、産地や水揚げの日付のラベルを読んでみましょう。三陸沖から北海道沖が夏の食事の場だとすると、秋から冬の水揚げのサバは、北で食べ終えたあとの姿なのかもしれません。もちろん、パックの産地だけではどこで何を食べたかまでは分からないので、あくまで想像のきっかけです。
もっと知りたいときは、水産研究・教育機構の資源評価[3]や、東京都島しょ農林水産総合センターの解説[1]を開いて、成長や食べ物の記述を確かめられます。
家で魚をさばくときは、包丁は大人が使い、子どもは見ているだけにしましょう。
確かめる方法は2つある。1つ目は、数字を自分の手で出すことだ。体長20〜28cm(1年目)から28〜35cm(2年目)への差は7〜8cm、1年目の月平均は約1.7〜2.3cmである[1]。算出は、各年の範囲の下限どうし・上限どうしの差と12か月でならした値であり、実際の成長曲線ではない。
2つ目は、パックの産地と日付を、本文の整理(夏は三陸〜北海道沖で索餌、秋に南下[5])と照らすことだ。産地は水揚げ港で示されることが多く、漁場とは限らない。資料と店頭の情報は、ずれる可能性がある。
読み方の注意をまとめる。本記事の食べ物の記述のうち、資源評価書の記述([2][3])は要点だけを使っており、年齢ごとの割合や数量は載せていない。数字の細部は、資源評価書の原本や谷津ほか(2019)の本文で確かめてほしい。
資源評価書を読むときは、餌の記述だけでなく、年齢ごとの体長や回遊の図にも注目するとよい。この記事の「何を食べるか」が、海の中の動きのどこに入るのかが見えてくる。
しらべた もとの じょうほう
参考にした情報源
参考にした情報源と、その使い方
出典について:水産研究・教育機構の資源評価、東京都・福岡市の公的な解説、学会誌の論文、県の試験報告を主に使った。報道は養殖の事例の背景として補助的に使った。
- 東京都島しょ農林水産総合センター「マサバ」。https://www.ifarc.metro.tokyo.lg.jp/archive/27,1097,55,227.html (成長の目安と、成長に伴う食べ物の変化について)
- 水産研究・教育機構「令和6/7年度 マサバ太平洋系群の資源評価」。https://www.fra.go.jp/shigen/fisheries_resources/meeting/stock_assessment_meeting/2025/files/sa2025-sc17/fra-sa2025-sc17-01.pdf (仔魚期・稚魚期の食べ物について)
- 水産研究・教育機構「マサバ太平洋系群の資源評価(2024年度版)」。https://abchan.fra.go.jp/wpt/wp-content/uploads/2026/03/details_2025_05.pdf (幼魚以降の食べ物と三陸海域の例について)
- 生物多様性ふくおかウェブセンター「マサバ」。https://seibutsutayousei.city.fukuoka.lg.jp/learning/867/ (食べ物と回遊の一般的な説明)
- 谷津ほか「マサバ太平洋系群の粗脂肪含量と肥満度」水産海洋研究83巻1号(2019)。https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsfo/83/1/83_19/_article/-char/ja (回遊の道すじと、脂のりの季節変化について)
- 広島大学 竹原ステーション「カイアシ類と人との関わり」。https://fishlab.hiroshima-u.ac.jp/digital/kaiasi/kaiasi-toha/hito-kakawari.html (海の魚の仔魚とカイアシ類の幼生について。海産魚全般の説明)
- 鳥取県「マサバ養殖試験」。https://www.pref.tottori.lg.jp/secure/1316846/No1-3_masabayoushoku.pdf (配合飼料への油脂添加の比較について)
- J-CASTニュース「刺身用『高級サバ』養殖広がる」(2010年)。https://www.j-cast.com/2010/07/09070545.html (刺身用サバ養殖の背景について。2010年の報道)
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