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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

さばの おやは、たまごを うんだ あと、どこまで えさを さがしに いくの?

マサバの親は、伊豆諸島の産卵場から、どこまでえさを探しに行くのか

マサバ太平洋系群の回遊:伊豆諸島の産卵場から千島列島東方沖の索餌場まで

分野:生きもの

たいへいようがわの まさばの おやは、ふゆから はるに かけて、伊豆諸島いずしょとうの ちかくで 産卵さんらんします。あきには 千島列島ちしまれっとうの ひがしの おきまで いきます。そのあと はつなつに きたへ むかい、あきまで、えさを さがしに いく、と いわれて います。

どうして、そんなに とおくまで いくのでしょう。さばは みんな、おなじ ところで くらして いるのでしょうか。この ページを よむと、さばが くらす うみの ようすが わかります。

太平洋側のマサバの親は、冬から春に伊豆諸島の周りで産卵したあと、初夏に北へ向かい、秋には千島列島の東の沖から東北の沿岸までえさを探しに行くとされます。同じマサバでも、冬の居場所は年齢によって分かれます。

では、産卵の場所はなぜ伊豆諸島の周りなのでしょうか。ゴマサバや、遠くへ出かけないサバは、どこでどう暮らしているのでしょうか。この記事を読むと、水温、年齢、えさ、別の種類との違いから見た、サバが暮らす海の広がりが分かります。

太平洋側のマサバ(太平洋系群)の親は、冬から春に伊豆諸島周辺で産卵し、初夏に北上して、秋には千島列島東方沖から東北沿岸で索餌回遊(えさを探す回遊)を行うとされる[1]。同じマサバでも、冬の居場所は年齢で分かれる[2]。

では、産卵場はなぜ伊豆諸島周辺なのか。ゴマサバや、回遊に出ない個体はどこにいるのか。このメモを読むと、産卵場の水温、年齢別の居場所、食べるものと食べられるもの、近縁種との分布の違いが分かる。

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1. さばの おやは、あきに どこまで いくの?

1. 産卵を終えたマサバは、北へ向かう

1. 伊豆諸島で産卵し、千島列島東方沖まで北上する群れ

ちずを ひろげて、伊豆諸島いずしょとうに ゆびを おいて みましょう。たいへいようがわの まさばの おやは、ふゆから はるに かけて、この ちかくの うみで たまごを うみます[1]。たまごを うむ ことを、産卵さんらんと いいます。

たまごを うんだ あと、はつなつに なると、きたへ むかいます。あきまで、千島列島ちしまれっとうの ひがしの おきから、東北の うみの ちかくで、えさを さがして すごします[1]。

ふゆに なると、また みなみへ もどって、たまごを うみます。きたと みなみを いったり きたり する この うごきを、回遊かいゆうと いいます。

では、たまごを うむ ばしょは、どうして 伊豆諸島いずしょとうの ちかくなのでしょう。

地図で伊豆諸島に指を置き、そこから北東へ、千島列島の東の沖まで指をすべらせてみてください。太平洋側のマサバの親は、季節に合わせて、この長い道を行き来するとされます。

産卵のあと、北へ

静岡県の資料では、産卵期は1〜6月で、最盛期は3〜4月、主要な産卵場は伊豆諸島の周辺です[1]。水産庁の資料も産卵場を主に伊豆諸島周辺(3〜6月)としていて、ほかに足摺岬や室戸岬の周辺など太平洋南部の沿岸と、東北の海も挙げています[3]。

1歳魚の多くと2歳以上のマサバは、初夏に北へ向かいます。秋まで千島列島の東の沖から東北の沿岸でえさを探して泳ぎ(索餌回遊)、冬から春に南へ戻って産卵します[1]。茨城県の資料は、春から夏に伊豆諸島〜常磐沖を北上し、秋に道東〜三陸の沿岸を南下すると書いています[2]。

では、産卵の場所は、なぜ伊豆諸島の周りに集まるのでしょうか。

太平洋系群の動きは、産卵場とえさ場を結ぶ往復としてまとめられている。産卵期は1〜6月、最盛期は3〜4月で、主要な産卵場は伊豆諸島周辺である[1]。水産庁の評価資料では、産卵は主に伊豆諸島周辺(3〜6月)だが、足摺岬・室戸岬周辺や紀南など太平洋南部の沿岸域、東北海域でも行われる[3]。

産卵を終えたあとの動きは、静岡県の資料によると、1歳魚の多くと2歳以上が初夏に北上し、秋まで千島列島東方沖から東北沿岸で索餌回遊を行い、冬から春に南下して産卵する[1]。茨城県の資料は、春から夏に伊豆諸島〜常磐沖を北上し、秋に道東〜三陸沿岸域を南下すると書き、北上と南下で通る海域を分けて描いている[2]。

ただし資料は「1歳魚の多くと」と書いており、全個体が同じ動きをするとは述べていない。では、産卵場が伊豆諸島周辺に集まるのはなぜか。

2. いずしょとうの たまごを うむ ばしょの うみは、なん度くらい?

2. 伊豆諸島の産卵場の水温は、何度くらいなのか

2. 伊豆諸島の産卵漁場の表面水温:成熟期は約16℃、産卵期は18〜20℃、22℃超の暖水は北上の解釈つき

いずしょとうの ちかくで たまごを うむ さばを とる うみの おんどを、むかしの きろくから しらべた けんきゅうが あります[4]。1990ねんの さかなを とる じきの きろくを つかった ものです。

うみの おもての みずの おんどは、たまごを うむ まえの ころ(2がつの なかごろまで)で 16度 くらい。たまごを うむ ころ(6がつの なかごろまで)は、18度から 20度でした。

この うみでは、22度より あたたかい みずが はいって くると、さばは たまごを うむのを おえて、えさの ある きたの ほうへ むかったと かんがえられて います[4]。

ただし これは、伊豆諸島いずしょとうの ちかくの うみだけの おんどです。さばが くらす ところ ぜんぶの ちょうど いい おんどでは ありません。

では、さばは みんな、おなじ ふゆを すごすのでしょうか。

産卵の場所は、水温とどう関わるのでしょうか。1990年漁期の漁獲データと標識データを解析した研究に、一つの手がかりがあります[4]。

成熟期の約16度と、産卵期の18〜20度

この研究が調べたのは、伊豆諸島の周辺で産卵群をとる漁場です。水深200m未満の浅い場所で、黒潮の暖かい水に覆われています。漁場の表面水温は、卵が育つ成熟期(2月中旬ごろまで)に約16度、産卵期(6月中旬ごろまで)に18〜20度でした[4]。

水温が22度を超える暖かい水が入ると、マサバは産卵をやめ、えさ場のある北へ向かうと解釈されています[4]。「解釈」とあるとおり、水温が引き金だと確かめた実験の結果ではなく、記録から読み取った推論です。

この数字は、伊豆諸島の産卵漁場の表面水温です。マサバが一年を通して過ごしやすい水温を示すものではありません。16度、18〜20度、22度と並べると、産卵の始まりから終わりまでが、数度の幅に収まって見えます。

では、すべてのマサバが、同じ冬を過ごすのでしょうか。

産卵場の水温については、1990年漁期の漁獲・標識データを解析した研究がある[4]。対象は伊豆諸島周辺の産卵群の漁場で、水深200m未満の浅い海域に黒潮の暖水が広がる。表面水温は、成熟期(2月中旬まで)に約16℃、産卵期(6月中旬まで)に18〜20℃であった。

この研究は、22℃を超える暖水が入ると産卵をやめて、索餌場の北へ向かうと解釈している[4]。「解釈」とあるとおり、水温が直接の引き金だと実験で示したのではなく、漁獲と標識の記録から読み取った推論である。

注意点が二つある。一つは、この水温が産卵漁場の表面水温であり、サバの生活全体の適水温ではないこと。もう一つは、産卵場が伊豆諸島周辺だけではないことで、水産庁の資料は足摺岬・室戸岬周辺など太平洋南部沿岸や東北海域も産卵場に挙げる[3]。16℃から22℃までは6度の幅で、その中の18〜20℃が産卵期の漁場の値、という位置づけになる。

産卵場の条件が分かったところで、次の問いが残る。産卵に向かうのは、すべての年齢のマサバなのか。

3. ふゆは、おおきい さばと ちいさい さばで ばしょが ちがう

3. 同じ冬でも、年齢で居場所が分かれる

3. 冬の居場所の年齢差:越冬場の未成魚と産卵場の成魚

ふゆの うみで、さばは みんな おなじ ところに いるのでしょうか。いいえ、としの ちがいで、いる ところが わかれます[2]。

2さいまでの ちいさい さばは、常磐じょうばんから 房総ぼうそうの うみで ふゆを こします。3さい いじょうの おおきい さばは、たまごを うむ ために、伊豆諸島いずしょとうの ちかくまで みなみへ いきます[2]。

おおきさは、1さいで 20センチ台の おわりごろ、おもさは 300グラム くらい。4さいに なると、30センチ台の おわりごろ、700グラム くらいに なります[1]。ながさは、くちの さきから、おびれの きれこみまで はかった ものです。

さばは、8さい くらいまで いきる そうです[1]。

そんなに 大きく なる ために、さばは なにを たべて いるのでしょう。

冬の海には、2歳以下の未成魚と、3歳以上の成魚が、別々の場所にいます[2]。

子どもの越冬場と、親の産卵場

茨城県の資料によると、冬に2歳以下の未成魚は、越冬場である常磐〜房総の海で過ごします。3歳以上の成魚は、産卵場の伊豆諸島周辺へ南下し、3〜6月に産卵します[2]。同じように北へ向かう群れでも、冬の行き先は年齢で分かれる、ということです。

どのくらい育つか

静岡県の資料では、寿命は8歳ほどです。1歳で尾叉長(口の先から尾びれの切れこみまでの長さ)が20cm台後半、体重300g前後、4歳で30cm台後半、700g前後に育ちます[1]。

冬に産卵場へ向かうのは3歳以上の成魚で、すでに数年かけて育った魚です。その間、サバは何を食べているのでしょうか。

冬の居場所は、年齢によって分かれる。2歳以下の未成魚は越冬場の常磐〜房総海域で過ごし、3歳以上の成魚は産卵場の伊豆諸島周辺海域へ南下して3〜6月に産卵する[2]。静岡県の資料が「1歳魚の多くと2歳以上は初夏に北上する」と書くことを合わせると、北上する群れの中にも、冬の行き先が違う年齢層が含まれていることになる[1][2]。

成長は、尾叉長(口先から尾びれの切れこみまでの長さ)と体重で示される。寿命は8歳程度で、1歳で尾叉長20cm台後半・約300g、4歳で30cm台後半・約700gになる[1]。4歳の体重は1歳の2倍強(700÷300≒2.3)である。同じ資料は、2013年級群(2013年に生まれた世代)以降は成長が遅れ、成熟も遅れているとする[1]。

成長に必要なのはえさである。北上する群れは、何を食べに行くのか。

4. さばは、なにを たべに きたへ いくの?

4. サバは何を食べに、北へ行くのか

4. 索餌回遊のえさと、経路が変わる可能性

きたの うみへ いく わけは、えさです。さばの あかちゃんに あたる 稚魚ちぎょは、とても ちいさい どうぶつプランクトンを たべます。大きく なると、カタクチイワシなどの さかなや、オキアミなどの えびや かにの なかまを たべます[3]。

さばを たべる ほうも います。サメの なかまなど 大きな さかなや、ミンククジラです[3]。

うまれて まもない さばの こを しらべる けんきゅうも、すすめられて います。さかなの みみに ある 耳石じせきという ちいさな いしからは、うまれた 日と そだち かたが、おなかの なかみからは、たべて いる ものが しらべられる ようです[9]。

さばは、ひろい うみで たべて、たべられて、そだって いきます。では、さばの なかまは、ほかに いないのでしょうか。

北へ向かう目的は、えさ探しです。何を食べているのでしょうか。

食べるものと、食べられるもの

水産庁の資料では、稚魚は動物プランクトンを食べ、幼魚以降はカタクチイワシなどの魚、オキアミ類などの甲殻類、サルパ類を食べるとされます。サバを食べる側には、サメ類などの大型魚類やミンククジラがいます[3]。

稚魚の調査も進んでいます。耳石(魚の耳の中にある小さな石)から誕生日や成長を、胃の中身から食べているものを調べ、資源の予測の精度を高める計画も示されています[9]。

道すじが変わる可能性

静岡県の資料は、黒潮続流が北に寄って沿岸の水温が高くなり、サバの南下が遅れたり経路が変わったりしたことが、来遊量が減った一因と考えられる、と書いています[1]。あくまで「考えられる」で、原因が一つに決まったわけではありません。

資源の状態を示す数字もあります。2024年漁期の親魚量は9.7万トンで、目標の管理基準値48.2万トンの約0.20倍、つまり5分の1ほどです[8]。海の中で何が起きているのかを、稚魚の調査なども使って調べています。

ところで、日本の海にいるサバは、マサバだけなのでしょうか。

索餌回遊の動機は、えさ場である。水産庁の評価資料では、稚魚は動物プランクトンを食べ、幼魚以降はカタクチイワシなどの魚類、オキアミ類などの甲殻類、サルパ類(海に浮かぶ、ゼリー状の動物)を食べるとされ、捕食者はサメ類などの大型魚類とミンククジラである[3]。

この回遊の道すじは、固定されたものではない可能性がある。静岡県の資料は、黒潮続流の北偏による沿岸の高水温化で、南下の遅れや経路の変化が起き、来遊量の減少の一因になったと考えられると述べる[1]。ただし、不漁の原因を一つに決めた記述ではなく、「考えられる」という推測の範囲にとどまる。

資源の状態を数字で見ると、2024年漁期の資源量は93万トン、親魚量は9.7万トンで、親魚量の目標管理基準値48.2万トンに対して9.7÷48.2≒0.20倍にあたる[8]。こうした状態を読むために、稚魚の耳石から誕生日や成長を、胃の内容物から食べているものを調べ、予測の精度を上げる計画も示されている[9]。

ここまでは、すべてマサバの話である。日本のサバ類は、マサバだけなのか。

5. ごまさばは、まさばと なにが ちがうの?

5. ゴマサバは、マサバとどこが違うのか

5. ゴマサバの分布:暖水性・沖合性と、高知県での割合

この ページでは、まさばと ごまさばを しょうかいします[5]。

ごまさばは、大きく なると、おなかの がわに ごまを ふった ような くろい てんが でます。これが なまえの わけです[6]。からだの たかさが ひくいので、「まるさば」とも よばれます[6]。

ごまさばは、まさばより あたたかい おきの ほうに すんで います[5][6]。高知では、さばの なかまの 8わりから 9わりが ごまさばです。多くは 6がつから 8がつに きたへ いき、東北から 常磐じょうばんの おきで そだって、つぎの 年の 3がつから 5がつに 高知へ もどります[6]。

伊豆諸島いずしょとうの ちかくは、まさばにも ごまさばにも、たまごを うむ ばしょの ひとつです[5]。

さばには、ほかにも ちがう くらし方を する なかまが います。

日本のサバ類は、マサバとゴマサバの2種です[5]。見た目と、暮らす海の両方に違いがあります。

名前の由来の斑点

ゴマサバは、大きくなると腹側にゴマを振ったような黒い斑点が出て、これが名前の由来です。体高が低いことから「まるさば」とも呼ばれます[6]。

暖かい沖合のサバ

静岡県の資料では、ゴマサバの成魚は主に黒潮周辺域に分布し、マサバと比べて暖水性、沖合性が強いとされます[5]。伊豆諸島周辺から北海道を回遊する群れのほかに、黒潮周辺の沿岸に一年中いる群れもあり、一部の高齢魚は東シナ海まで回遊すると推定されています。産卵期は12月〜翌6月で、主要な産卵場は伊豆諸島周辺と熊野灘〜薩南海域です[5]。

高知県では、サバ類の8〜9割がゴマサバです。多くは6〜8月に北上し、東北〜常磐沖で育って、翌年3〜5月に高知まで南下します[6]。伊豆諸島の周りは、マサバにもゴマサバにも産卵場の一つです[1][5]。

同じマサバの中にも、暮らし方の違う仲間がいます。

日本のサバ類はマサバとゴマサバの2種で、ゴマサバはマサバより暖水性・沖合性が強い[5]。成魚は主に黒潮周辺域にいて、伊豆諸島周辺〜北海道を回遊する群れのほか、黒潮周辺の沿岸に周年いる群れもあり、一部の高齢魚は東シナ海まで回遊すると推定される。産卵期は12月〜翌6月(伊豆諸島周辺の最盛期は3〜6月)で、主要な産卵場は伊豆諸島周辺海域と熊野灘〜薩南海域、寿命は6歳程度である[5]。

高知県の資料も、ゴマサバをマサバより暖海性・沖合性が強いとする。大きくなると腹側にゴマ状の黒い斑点が出て、これが名の由来であり、体高が低いため「まるさば」とも呼ばれる。高知ではサバ類の8〜9割がゴマサバで、多くが6〜8月に北上し、東北〜常磐沖で育ち、翌年3〜5月に高知まで南下する[6]。

産卵期の月は、マサバ(1〜6月)とゴマサバ(12月〜翌6月)で重なり、伊豆諸島周辺は両種の産卵場に含まれる[1][5]。それでも成魚の分布は、ゴマサバのほうがより暖かい沖合に寄る、という違いが両県の資料で一致している。

同じマサバのなかにも、暮らし方の違う個体や群れがある。

6. ずっと おなじ ところに いる さばも いるの?

6. 大規模な回遊をしないマサバと、東シナ海〜日本海のマサバの群れ

6. 根付と、対馬暖流系群という別の群れ

さばの なかには、とおくへ でかけない ものも います。ひとつの ところに とどまる さばも、ときどき みつかります[1]。

それから、まさばには、たいへいようがわとは べつの なかまの むれも います。ひがしシナかいから 日本海に かけて すむ むれです[7]。

この むれは、ちゅうごくの かいがんや、ちょうせんはんとうの うみ、九州の ちかくで、1がつから 6がつに たまごを うみます[7]。

おなじ まさばでも、たまごを うむ うみが ちがうのです。つぎは、おみせで さばを みて みましょう。

回遊に出ないマサバもいます。静岡県の資料は、「根付」と呼ばれる、大規模な回遊をしないマサバがときどき見られると書いています[1]。どこに根付くのか、どのくらいの割合なのかは、この資料には書かれていません。

東シナ海〜日本海のマサバ

マサバには、太平洋系群のほかに、東シナ海〜日本海に分布する対馬暖流系群があります。産卵期は1〜6月で、産卵場は東シナ海南部の中国沿岸から東シナ海中部、朝鮮半島沿岸、九州・山陰沿岸です。成魚はオキアミ類やアミ類などの小さな甲殻類、カタクチイワシなどを食べ、寿命は6歳程度とされます[7]。

同じ「マサバ」でも、伊豆諸島から千島列島の沖までを動く群れと、東シナ海から日本海にいる群れとで、産卵する海が違います。ここまで読んできた内容は、売り場でも確かめられるでしょうか。

回遊しない個体もいる。静岡県の資料は、「根付」と呼ばれる、大規模な回遊を行わないマサバがときどき見られると述べる[1]。その場所や割合は資料に記されておらず、回遊型との比率までは分からない。

別の群れもある。対馬暖流系群は東シナ海〜日本海に分布し、産卵期は1〜6月、産卵場は東シナ海南部の中国沿岸〜中部、朝鮮半島沿岸、九州・山陰沿岸である。成魚はオキアミ類・アミ類・橈脚類ぎょうきゃくるいなどの甲殻類やカタクチイワシなどを食べ、寿命は6歳程度とされる[7]。

水産庁の評価資料では、マサバは系群ごとに別の資料にまとめられている。太平洋系群(寿命8歳程度)と対馬暖流系群(6歳程度)のように、同じ種でも海域によって数字が違う[1][7]。そのため、サバの数字を読むときは、どの種類・どの群れの資料かを先に確かめる必要がある。

では、この違いは、日常のなかでどう見分けられるか。

7. おみせで さばを みて みよう

7. 魚売り場で、サバの腹を見てみよう

7. 売り場の表示と、資料の読み分け

おみせの さかなうりばで、まるごとの さばが ならんで いたら、おなかの がわを みて みましょう。ごまさばの 大きな ものには、くろい てんが あることが あります。

ラベルに さかなの なまえが 書いて あれば、「まさば」か「ごまさば」かも、みて みましょう。さんちや、とった うみの なまえが 書いて あれば、この ページの ちずと くらべて みましょう。

みるだけで、かって もらわなくても かまいません。ほうちょうは つかわず、おみせの 人や おうちの 人の いる ところで みて ください。

丸ごとのサバがあったら

魚売り場に丸ごとのサバが並んでいたら、腹側を見てみましょう。大きなゴマサバなら、腹側に黒い斑点があることがあります[6]。ラベルに魚名が表示されていたら、「まさば」か「ごまさば」かも見比べてみましょう。

産地や漁獲した海の名前が書いてあれば、この記事の地図と重ねてみましょう。買わなくてもかまいません。刃物は使わず、家の人や店の人がいる場所で見てください。

原典にあたるなら

水産庁や各県の資料は、サバの年齢別の動きや産卵場を、図や表つきで説明しています。静岡県水産・海洋技術研究所のマサバとゴマサバの資料、水産庁の資源評価のダイジェストは、出典欄から探せます。

売り場で確かめられることは二つある。一つはゴマサバの斑点で、大きくなると腹側にゴマ状の黒い斑点が出るため、丸ごとの魚があれば見分ける手がかりになる[6]。もう一つは魚名と産地の表示で、「まさば」「ごまさば」の区別と、漁獲した海域の記載があれば、本文の回遊の地図と重ねられる。

資料を読むときの注意として、本稿の数字は年代の違う資料を並べている。水温は1990年漁期の解析[4]、親魚量は2024年漁期の評価[8]、居場所や食性は各機関の資料である。数字をそろえて比べるときは、年度と対象の群れを確かめる必要がある。

原典は、水産庁の資源評価ダイジェスト[3][7]、静岡県水産・海洋技術研究所の資料[1][5]、水温の根拠となる水産海洋研究の論文[4]である。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

本文は、ここにある資料の内容を、自分の言葉で言いかえたものです。年・数字・名称は、資料によって細部が異なることがあります。

  1. 静岡県水産・海洋技術研究所「マサバ」 https://fish-exp.pref.shizuoka.jp/02fishery/2-5/08_masaba.pdf (産卵期・回遊・成長・根付)
  2. 茨城県「マサバ(令和7年度資源評価の引用)」 https://www.pref.ibaraki.jp/nourinsuisan/suishi/teichaku/documents/r7masaba.pdf (季節回遊・年齢別の冬の居場所)
  3. 水産庁「平成30年度資源評価ダイジェスト マサバ太平洋系群」 https://www.jfa.maff.go.jp/j/study/kanri/attach/pdf/231027_3-41.pdf (産卵場・食性・捕食者)
  4. Okabe et al. 2009, 水産海洋研究 73(1)(英文要旨) https://www.jsfo.jp/contents/pdf/73-1-01.pdf (産卵漁場の水温)
  5. 静岡県水産・海洋技術研究所「ゴマサバ」 https://fish-exp.pref.shizuoka.jp/02fishery/2-5/09_gomasaba.pdf (ゴマサバの分布・産卵)
  6. 高知県「ゴマサバ」(青本) https://www.pref.kochi.lg.jp/doc/seikahoukokusyo-aohon28/file_contents/gomasaba.pdf (名前の由来・高知での割合)
  7. 水産庁「平成30年度資源評価ダイジェスト マサバ対馬暖流系群」 https://www.jfa.maff.go.jp/j/study/kanri/attach/pdf/231027_3-20.pdf (対馬暖流系群の産卵場・食性)
  8. 水産研究・教育機構 資源評価要約「マサバ太平洋系群」 https://abchan.fra.go.jp/wpt/wp-content/uploads/2025/12/simple_2025_05.pdf (親魚量・管理基準値)
  9. 茨城県「サバのレシピ集 ひとくちメモ」 https://www.pref.ibaraki.jp:443/nourinsuisan/suishi/kanri/recipe/saba/documents/saba9.pdf (稚魚の調査)

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