1. つちの したに、1メートルの いもが かくれて いるの?
1. ながいもを地下1mから折らずに掘る
1. 収穫の現場:地下1mのいもを折らずに掘る
とっとりの すなの はたけでは、10がつの おわりごろから、ながいもを ほります[2]。
つちの したの 1メートルくらいの ところで そだった いもを、おらないように、きずを つけないように ぬくのは、たいへんな しごとです。いまは トレンチャーと いう きかいで ほって います[2]。
いもの ながさは 50〜100センチ。ながい ものは 1メートルくらいです[1]。つちの うえの つるは 3〜5メートルです[1]。みえない つちの なかにも、ながい ものが そだって います。
この いもは、はるに なにを うえた ところから はじまるのでしょう。
鳥取の砂丘地のながいも産地では、収穫が10月下旬ごろから始まります[2]。地下1mほどに育ったいもを、途中で折らず、傷つけないように引き抜くのは大変な作業で、今はトレンチャーという機械で掘り取るそうです[2]。
いもの長さは50〜100cm、長いもので約1mとされます[1]。つるは3〜5mに伸びます[1]。地上のつるは3〜5m、土の中のいもも長いもので約1mに育ちます。見えない土の中に、人の背丈ほどの深さまで届くものが隠れています。
この長いいもは、春にいったい何を植えたところから始まるのでしょうか。
鳥取県の砂丘地のながいも産地では、収穫は10月下旬ごろから始まる。地下1mほどに育ったいもを、途中で折らず傷つけないように引き抜くのは重労働で、現在はトレンチャーという機械で掘り取っている[2]。機械が必要になるのは、いもが1m近い深さまで届くからである。
いもの長さは50〜100cm、長いもので約1mとされる[1]。一方、地上のつるは3〜5mである[1]。つるは長いもので5m、いもも約1mに育つ。折れやすいものとして扱われ、掘る機械まで使われるのは、これだけ長いものが細く土中に伸びているからだと考えられる。
では、この1mのいもは、春に植えたものの何がどうなったものなのか。まず、植えるものから見ていく。
2. はるに うえるのは、なに?
2. 植えるのは、100〜150gに切った種いも
2. 春の植え付け:切りいもと、先に用意される深い溝
はるに うえるのは、たねでは なく、たねいもを 100〜150グラムくらいに きった ものです。「きりいも」と いいます[4]。
めが おおきい たねいもほど、そだちが はやく、とれる りょうも ふえると いわれて います[4]。
うえるのは、きおんが 15ど いじょうに なる 4がつ なかごろからです[3]。ちいきに よって、4がつ なかごろから 5がつまでと ちがいます。
うえる ところには、80センチ いじょうの ふかさまで たがやした みぞを つくります[3]。いもが のびる ばしょを、さきに つくって おきます。
めが でた あと、つちの なかでは なにが おきるのでしょう。
春に植えるのは、いもの種ではなく、種いもを切ったものです。100〜150gほどに切りそろえて植えるので、切りいもといいます[4]。芽が大きい種いもほど、生育が早く、収穫量が増えると説明されています[4]。
植え付けは、気温が15℃以上になる4月中旬以降です[3]。時期は地域や作り方によって、4月中旬から5月ごろまでの幅があります。
面白いのは、植える前の準備です。植え付け用の溝は、80cm以上の深さまで耕しておく必要があるとされます[3]。いもが伸びる場所を、先に人が用意しておくわけです。なぜそこまで深く耕すのかは、あとの章で出てきます。
では、芽が出たあと、土の中と地上では何が起きるのでしょうか。
植え付けるのは、種いもを100〜150gほどに切った切りいもである[4]。切りいもの芽が大きいほど、生育が前進し収量が高まるとされる[4]。これは、初期の生育を決める元手が、切りいもの大きさと芽の状態にあるという意味である。
植え付け時期は、地温ではなく気温の目安で、15℃以上になる4月中旬以降とされる[3]。この時期は地域・作型で異なり、4月中旬から5月にかけて幅がある。
注目したいのは、植え付けの前に溝を80cm以上の深さまで耕す点である[3]。いもが1m近くまで伸びるなら、その深さまで土がほぐれていなければならない。この深耕の意味は、第4章で硬い層の影響を見るとはっきりする。ここで先に押さえておきたいのは、地上の生育だけでなく、地下の「道」も春のうちに人が用意するという点である。
では、芽が出たあと、種いもの養分はどう使われ、どこで新しいいもにバトンが渡るのか。
3. めが でた あとは、つると はっぱが さきに そだつの?
3. 芽が出てから、つると葉が先に茂る
3. 芽が出たあと、種いもの養分から葉の養分へ
めが でると、くきの ねもとから ねが でて、つるが のびます[6]。
はじめの うちは、つるも ねも、たねいもに たくわえて あった えいように たよって のびます[5]。そのため、そだてる ひとは、さいしょに やる ひりょうを すくなめに します[3]。
つるは、すこし のびたら しちゅうを たてて、あみを はって、からませて やります[4]。つるが のびて はっぱが しげる ころ、たねいもは すがたを けして いくと いわれて います[6]。
くきと ねの 8わりは、8がつの はじめまでに できると いう しりょうも あります[3]。なつの はやい じきに、はっぱを しっかり しげらせた ほうが、いもが おもく なります[3]。
つちの うえを さきに にぎやかに して、そのあとで いもを ふとらせます。では、いもは いつ ふとり はじめるのでしょう。
芽が出ると、茎の根元から根が出て、つるが伸び始めます[6]。この最初のころ、つるや根を伸ばす力は、切りいもにたくわえられた養分から出ています[5]。そのため、栽培では最初の肥料を総量の2割ほどに抑えます[3]。
つるは3〜5mに伸びます。少し伸びたら支柱を立ててネットを張り、つるを絡ませてやります[4]。葉が茂るころ、土の中では茎の根元に新しいいもができて大きくなり始め、種いもは消耗してなくなるといわれます[6]。
栽培の資料には、8月上旬までに追肥を終える管理の中で、茎葉と根の8割が8月上旬までにつくられるという記述があります。夏の早いうちに茎葉をしっかり茂らせたほうが、いもの重さが増えるとも書かれています[3]。いもを太らせる前に、まず地上の準備を済ませる育ち方です。
では、新しいいもは、いつごろから太り始めるのでしょうか。
芽が出ると茎の根元から根が出て、つるが伸び、葉が茂る[6]。この間、つるや吸収根の伸長は、種いもの貯蔵養分に依存する。この時期は従属栄養期と呼ばれる[5]。種いもの養分に頼るため、萌芽がそろう頃の初期生育も種いもに依存し、基肥は総量の2割程度に抑えるのが目安とされる[3]。つまり、肥料を控えるのは、肥料が不要だからではなく、この時期の主な元手が肥料ではなく種いもだからである。
つるは3〜5mになり、支柱とネットに絡ませて伸ばす[4]。つるが伸び、葉が茂るころ、茎の根元に新しいいもができて大きくなり始め、種いもは消耗してなくなる、と説明するページがある[6]。
茎葉と根の8割は8月上旬までに造成されるとされ、ある程度茂りすぎの状態を8月上旬までに達成したほうが、いもの重さの増加につながるという[3]。この数字は、肥料を与える時期の目安として書かれた栽培資料のもので、自然の状態の記述ではない。それでも、地上の葉が先に整うほど、あとの肥大に回せる養分が増える、という順序は読み取れる。
では、その稼いだ養分は、いつから新しいいもに回るのか。
4. いもは、いつ、どこまで のびるの?
4. 夏にいもが太り、硬い層で止まる
4. いもは、硬い土の層で伸びが止まる
あたらしい いもが のびて ふとり はじめるのは、7がつの なかごろです。8がつの はじめごろから いそいで すすみ、9がつの おわりごろまで つづきます[5]。これは ほっかいどうなど さむい ところ むけの しりょうの かずで、ちいきに よって ずれます。
この じきの 7〜8がつは、つちを しめらせて おくと、はっぱの えいようが いもへ うつりやすい そうです[5]。
この いもは「たんこんたい」と よばれ、くきと ねの あいだの ような せいしつを もつと されます[1]。
のびて いく さきに、かたい そうが あると どうなるでしょう。かたい つちの そうに あたると、そこで のびが とまり、まがった いもに なります[3]。はるに ふかく たがやして おく ことが、たいせつに されて います。
では、いもが ふとれない ときは、えいようは どこへ いくのでしょう。
新しいいもの伸長と肥大は7月中旬に始まり、8月上旬から急速に進んで9月下旬ごろまで続く、という栽培資料があります[5]。計算すると、およそ2か月半です。この数字は北海道など寒い地域向けの資料のものなので、地域によってずれます。肥大のさかんな7〜8月に土を湿らせておくと、養分がいもへ移りやすいとも書かれています[5]。
この地下のいもは「担根体」という器官にあたり、茎と根の中間のような性質をもつとされます[1]。単純に「根が太ったもの」とも「茎が太ったもの」とも言い切れないということです。
では、いもの長さは何で決まるのでしょうか。資料には、土の中に圧密された層や耕盤という硬い層があると、いもはそこで伸びが止まり、奇形になると書かれています[3]。春に80cm以上も深く耕す理由は、ここにあると考えられます。いもの長さは、種いもや葉の力だけでなく、土の深さと柔らかさにも左右されます。
では、いもが思うように太れないとき、葉がつくった養分はどこへ向かうのでしょうか。
新いもの伸長と肥大は7月中旬に始まり、8月上旬から急速に進んで9月下旬ごろまで続く[5]。7月中旬から9月下旬までは、およそ2か月半である。ただしこの数字は北海道など寒冷地向けの資料のもので、地域によってずれる。また、肥大期の7〜8月に土を湿らせておくと、養分がいもへ移りやすいとされる[5]。この時期の水分が、葉の稼ぎがいもに届くかどうかに関わる、という読みになる。
この地下のいもは、茎と根の中間的な性質をもつ担根体に相当する器官とされる[1]。したがって、「根が太ったもの」「茎が太ったもの」のどちらか一方と単純に言い切らないほうがよい。
長さを決める条件として、資料が挙げているのは土の側の条件である。圧密層や耕盤(こうばん)があると、いもはそこで伸びが止まり奇形になる[3]。この記述を第2章の深耕とつなげると、80cm以上耕す意味は、いもが硬い層に当たらず伸びられる道をつくることだと読める。
では、肥大が妨げられたとき、葉でつくられた養分はどこへ向かうのか。
5. いもが ふとれない とき、えいようは どこへ いくの?
5. いもが太れないとき、養分は「むかご」へ回る
5. むかごという別の行き先:肥大が妨げられたときの養分
はっぱの つけねには、ちいさな たまの ような「むかご」が できます。あきに できて、ふやす ために つかえます[1][3]。
ながいもは、おすの きと めすの きが わかれて います。なつには、はっぱの つけねに はなが さきます[1]。
いもが ふとるのを じゃまされると、はっぱで つくった えいようは、むかごの ほうへ まわると されます[3]。
つちの なかで いもが ふとる ことと、はっぱの つけねの むかごは、おなじ はっぱが つくった えいようを うけとる ばしょです。
ナガイモは、雌株と雄株が別々の植物です。夏に葉のつけ根に花序を出し、秋には、葉のつけ根に小さな球状のむかごをつけます[1]。むかごは、葉のつけ根の芽が変形してできたもので、繁殖に使えます[3]。
栽培の資料には、いもの肥大が妨げられると、光合成でつくられた養分が、このむかごのほうへ回ると書かれています[3]。葉がつくった養分は、地下のいもにもむかごにも向かうことがある、ということです。
つまり、土の中のいもと葉のつけ根のむかごは、どちらも同じ葉がつくった養分の行き先になりえます。畑では、いもの肥大が妨げられていないかを見る手がかりにもなりそうですが、むかごがついたかどうかだけで、いもの出来を決めつけることはできません。
では、ここまで育ったいもは、いつ、どうやって掘り上げるのでしょうか。
6. いつ ほれば いいと、どうやって わかるの?
6. 葉が黄金色になったら、掘り上げの合図
6. 収穫の適期:地上部の変化と、先端の色
しゅうかくが ちかく なると、はっぱが きんいろに かわります[4]。
ほる 7〜10にち まえに、つるを きります[4]。11がつに、せんようの プラウで つちごと ほりあげ、いもを てで ぬく やりかたも あります[4]。
ほる ころの めやすは、くきと はが きいろく かれて、いもの かわが かたく なり、さきの ほうが まるく なって、まんなかと おなじ いろに なる ときです[5]。
4がつ なかごろに うえて、10がつの おわりごろから ほりはじめます。はるの きりいもから あきの ながい いもまで、およそ 6かげつの たびです。
収穫が近づくと、葉が黄金色に変わります[4]。収穫の7〜10日前にはつる切りをし、11月に専用のプラウで土ごと掘り上げて、いもを手で抜き取る方法があります[4]。
収穫の目安は、茎や葉が黄色くなって枯れ、地下の皮が硬くなり、先端が丸みを帯びて胴と同じ色になる時期とされます[5]。地上の葉の様子と、地下のいもの先端の様子を合わせて見るわけです。
植え付けが4月中旬、収穫の始まりが10月下旬ごろですから、切りいもを植えてから最初のいもを掘るまで、およそ6か月です。この間に、種いもの養分で芽とつるを出し、葉で養分を稼ぎ、硬い層に当たらない深さまで、いもを伸ばします。
収穫が近づくと葉が黄金色に変わり、収穫の7〜10日前につる切りをする。11月に専用のプラウで土ごと掘り上げ、いもを手で抜き取る方法がある[4]。
適期の目安は、茎葉が黄変枯凋し、地下部の表皮が硬化して、先端の尻部が丸みを持ち、先端の色が胴部と同じ色になる時期である[5]。つる切りの目安は地上の葉の様子、掘る時期の目安は地下のいもの様子で、見る場所が地上と地下の2つある点が重要である。
植え付けが4月中旬以降、収穫の開始が10月下旬ごろ[2]という数字から、切りいもを植えて最初のいもを掘るまで、およそ6か月である。時期は地域・作型で異なるが、この6か月の間に、種いもの養分への依存、茎葉の造成、新いもの肥大という3段階が順に進む。
7. おうちや おみせの ながいもを、じっくり みて みよう
7. 売り場のながいもの先端と長さを見る
7. 身近な観察と、資料の読み方
やおやさんや スーパーで ながいもを みつけたら、さきっぽを みて みましょう。まるい かたちか、いろは まんなかと おなじかを みます。
ものさしで ながさを はかって みましょう。うって いる ものは、きって あるかも しれません。
やまに はえる じねんじょは、うえて そだてる ながいもとは べつの しゅるいです[7]。
あきに はたけの そばを とおったら、みちから、つると はっぱの いろを みて みましょう。はたけの なかには、はいりません。
売り場で見る
八百屋やスーパーでながいもを見たら、先端の形と色を見てみましょう。先端が丸く、色が胴と同じなら、収穫の目安として資料が挙げる状態に近いものです[5]。ものさしで長さを測れば、50〜100cmという数字と比べられます。ただし、売り場には切ってあるものもあるので、全体の長さとは限りません。
広がる問い
栽培されるナガイモは中国原産の多年草で、日本には17世紀以前に伝わったとされます[7]。山野に自生する自然薯は別の種です[1]。同じ「山いも」と呼ばれても、育ち方はどこが違うのでしょうか。調べてみると、次の問いになりそうです。
秋に畑のそばを通ったら、道から、つるが支柱に巻きついているか、葉が黄色くなっているかを見ることもできます。畑の中には入らないようにします。
身近な観察では、売り場のながいもの先端の形と色、長さが確かめられる。収穫の目安である「先端が丸みを帯び、胴部と同じ色」[5]が、実物でどう見えるかを見られる。切って売られているものは全体の長さではないため、長さの比較には向かない。
栽培されるナガイモは中国原産の多年草で、日本には17世紀以前に渡来したとされる[7]。日本に自生する自然薯は別の種である[1]。記事で述べた育ち方(種いもの養分、茎葉の先行、硬い層での停止)を、そのまま自然薯に当てはめてよいかは、別に調べる必要がある。
資料としては、JAなどの栽培ガイド[3][4]が、時期・深さ・肥料の数字を具体的に載せている。ただし、各地の気候と作型に合わせた数字なので、読むときは、どの地域向けかを確かめる必要がある。
しらべた もとの じょうほう
参考にした情報源
参考にした情報源と、その使い方
本文は、ここにある資料の内容を、自分の言葉で言いかえたものです。時期・数字は栽培資料のもので、地域や作り方によってずれます。
- コトバンク「ナガイモ」(日本大百科全書・世界大百科事典) https://kotobank.jp/word/%E3%81%AA%E3%81%8C%E3%81%84%E3%82%82-3161831 (担根体・いもとつるの長さ・むかご・花・自然薯との違い)
- JA全農とっとり「ながいも」 https://www.zennoh.or.jp/tt/product/vegetable/nagaimo/ (地下1mのいもと掘り取り)
- JA石川かほく「ナガイモ」家庭菜園 https://www.is-ja.jp/kahoku/saien/nagaimo.html (植え付け・深耕・硬い層・茎葉の時期・むかご)
- JAオホーツク網走「オホーツク畑から(ながいも)」 https://ja-okhotskabashiri.or.jp/farm/process_nagaimo.html (切りいも・支柱・収穫の流れ)
- ナガイモの栽培(hidefmc.com) https://www.hidefmc.com/nagaimo/ (種いもの養分・肥大の時期・収穫の目安)
- 上十三広域農業振興会 野菜博物館「ながいもが育つまで」 http://www.kamitosan.or.jp/study/museum/nagaimo/grow.phtml (芽・根・つるの出方と種いもの消耗)
- 植物図鑑 botanic.jp「ナガイモ」 https://botanic.jp/plants-na/nagaim.htm (原産地と渡来)
なおした ところ
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