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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

北極星ほっきょくせいは、どうして いつも おなじ ところに いるの?

北極星はなぜ動かないのか ── 「満月3個ぶんの円」と、交代していく北の目印

北極星と天の北極 ── 地軸の延長線、歳差による交代、高度と緯度の関係

分野:宇宙・天文

よるの 空で、星は 少しずつ 動いて いきます。ところが、北極星ほっきょくせいだけは、ずっと おなじ ところに いる ように 見えます。

これは どうしてでしょう。よく 見ると、じつは 北極星ほっきょくせいも、ほんの 少しだけ 動いて いるようです。

一晩じゅう空を見ていると、星は大きな弧を描いて動いていきます。北の空には、その中心にいるように見える星があります。北極星です。

ところが、その北極星も、ごくごく小さな円を描いています。動かない理由と、そのわずかな動きと、数千年たつと北極星が別の星に替わる話を、順番に見ていきます。

北極星は日周運動の中心付近にあり、一晩中ほとんど動かないように見える[1]。しかしこの星は、天の北極そのものにあるわけではない。天の北極から約0.7度離れ、直径約1.5度の小さな円を描いている[2]。

このメモでは、動かないように見える理由(地軸の延長線)、そのずれの大きさ、明るさ、歳差による北極星の交代、高度と緯度の関係を、天文の解説や辞典を突き合わせて整理する。

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1. ほしは、どうして ぐるぐる まわって 見えるの?

1. 星が回って見えるのは、地球が回っているから

1. 日周運動と天の北極 ── 地軸を北へ延ばした先

よるの 空を ずっと 見て いると、星は 少しずつ 場所を かえます。でも、ほんとうに 動いて いるのは 星では なくて、わたしたちの 地球です。地球が ぐるりと 自転して いるので、星が 回って 見えるのです[1]。

地球には、回る ときの しんに なる 線が あります。ちじくと いいます。この 線を 北の 空まで のばした 先に、北極星ほっきょくせいが います[1]。

かさを くるくる 回して みてください。もちての 近くは ほとんど 動かず、ふちは 大きく 回ります。北極星ほっきょくせいは、かさの もちての 先に ある 星の ような ものです。ただし 本当は、ぴったり まんなかには いません。

回っているのは、こちら側

星が一晩のうちに空を回っていくのは、地球が自転しているためです。この動きを日周運動といいます。回転の軸になっているのが地軸で、これを北へどこまでも延ばしたところが「天の北極」です[1]。

回転いすに座って、ゆっくり回ってみると分かりやすいかもしれません。まわりの景色は流れていきますが、自分の頭の真上の一点は、ほとんど場所が変わらないように見えます。地球の軸の先にある北極星は、それに近い立場にいます。

北極星は、天の北極のすぐ近くにあります。だから、ほかの星が回る中で、ほとんど動かないように見えるのです[1]。ただし「すぐ近く」であって「ちょうど」ではありません。次の章で、そのずれを見ます。

星が日周運動で回って見えるのは、地球が自転しているためである。回転の軸が地軸で、これを北へ延長した方向が天の北極にあたる。日周運動の中心付近にある北極星は、地軸の延長線の近くに位置するので、ほとんど動かないように見える[1]。

「近くに位置する」という点が大事で、北極星が天の北極そのものに重なっているとは述べられていない。ずれの大きさは次の章で見る。

2. 北極星ほっきょくせいも、まるく 動いて いるの?

2. 北極星は、満月3個ぶんの円を描いている

2. 天の北極からのずれ ── 約0.7度、直径約1.5度の円

じつは、北極星ほっきょくせいは 地じくの 先から、ほんの 少し ずれて います。その ため、まんなかの 小さな 円の まわりを、ゆっくり まわって います[2]。

その 円の 直径ちょっけいは、満月まんげつで 3こ ぶんくらいです[2]。空の 上では とても 小さいので、ふつうに 見ていると、まったく 動かない ように 見えます。

この ずれは、これから 少しずつ 小さく なると いわれて います。2100年を すぎた ころが、いちばん 近づく ときだそうです[3]。

ぴったりではない、けれど、ほとんど動かない

北極星(こぐま座のα星、ポラリス)は、天の北極から約0.7度離れています。そのため、日周運動で天の北極のまわりに、直径約1.5度の小さな円を描きます。満月の見かけの大きさが約0.5度なので、満月およそ3個ぶんの円です[2]。

資料によって、離れている角度が0.7度だったり0.75度だったりします。年によって値が少しずつ変わることと、丸め方の違いによるものです。

これから近づいていく

英語版のウィキペディアによると、2018年ごろは約0.66度で、2100年をすぎたころに約0.45度まで近づきます[3]。今より少しだけ、天の北極の真ん中に寄る形です。

北極星(こぐま座α星、ポラリス)は、21世紀初頭に天の北極から角距離で約0.7度離れており、日周運動で天の北極のまわりに直径約1.5度(満月約3個分)の円を描く[2]。半径0.75度とする資料もあるが、0.7度との差は丸めの違いと考えられる。

この離角は一定ではない。英語版ウィキペディアによれば、2018年に約0.66度、2100年すぎに最接近して約0.45度(約27分角)になる[3]。日本語資料の0.7度は、これらとは別の年の値にあたる。1つの資料の数値を絶対視せず、年を添えて読む必要がある。

3. 北極星ほっきょくせいは、いちばん 明るい 星?

3. いちばん明るい星ではなく、明るさも少し変わる

3. 見かけの等級と変光 ── 約2等星、周期約4日

「動かない星」と きくと、いちばん 明るい 星を さがしたく なります。でも 北極星ほっきょくせいは、2等星です。空で いちばん 明るい シリウスや、金星の ほうが、ずっと めだちます[7]。

それに、北極星ほっきょくせいは、明るさが 4日くらいで、ほんの 少し かわると いわれて います[2]。変光星へんこうせいという なまえの 星です。

北極星は約2等星で、夜空でいちばん明るい星ではありません。全天で47番目に明るい星とされています。いちばん明るいシリウスはマイナス1.5等で、金星の輝きも別格です[7][3]。

北極星は、約4日の周期で明るさが少し変わる変光星でもあります。ただし変化は0.1等未満と小さく、肉眼ではふつう気づかないくらいです[2]。地球からの距離は、約450光年と見積もられています[3]。

「目印になる星だから、きっと一番明るいはず」と思いがちですが、北極星は明るさで選ばれたのではなく、位置で選ばれています。

北極星の見かけの等級は約1.98で、全天で47番目に明るい星とされる。シリウス(−1.5等)や金星に比べると目立たない[7][3]。

また、約4日の周期で明るさが0.1等未満だけ変わるセファイド型の変光星であり[2]、距離は約446光年(Gaia DR3に基づく)とされる[3]。距離は研究によって値が変わってきたため、約450光年程度の目安として読むのが安全である。

4. 北極星ほっきょくせいは、ずっと おなじ 星なの?

4. 数千年たつと、北極星は別の星に替わる

4. 歳差と北極星の交代 ── トゥバンからポラリス、そしてベガへ

じつは、地じくの 向きも、ほんの 少しずつ かわって います。まわる こまの じくが、ゆっくり くびを ふるのと 少し にています[4]。もとの 向きに もどるまでに、およそ 26000年 かかります[4]。

じくの 向きが かわると、その 先に ある 星も かわります。5000年ほど 前の エジプトの 人たちが 見た 北の 目じるしは、りゅうざの トゥバンという 星でした[5]。

これから 12000年 くらい たつと、ことざの ベガが、北の 目じるしに なりそうです[5]。いま わたしたちが 見ている 北極星ほっきょくせいは、ずっと ずっと つづく 星では ないのです。

地軸は、ゆっくり首を振っている

地軸の向きは、実は固定されていません。約26000年かけて、公転面に垂直な方向を中心に、半径約23.4度の円を描くように向きを変えます。これが歳差です。回っているコマの軸が首を振る動きに似ています[4]。

北の目印はリレーされていく

地軸の向きが変わると、天の北極が星空の中を移動します。そのため、北極星の役割は星から星へ受け渡されます。約5000年前はりゅう座のトゥバンで、エジプトのピラミッドには、この星に向けて作られたといわれるトンネルがあります[5]。西暦500年ごろからはこぐま座のポラリスです。約12000年後にはこと座のベガが、約2000年後にはケフェウス座の星が北極星になりそうです[5]。

いま見えている光景は、26000年という長い周期の中の、ほんの一場面です。

地軸は、公転面に垂直な方向を中心に、半径約23.4度の円を描くように移動し、約26000年(アストロアーツでは25,920年)の周期で一回りする。これが歳差(さいさ)である[4][1]。

歳差のため、天の北極は星空の中をゆっくり移動し、北極星の役を担う星が入れ替わる。紀元前3000年ごろはりゅう座α星(トゥバン)、西暦500年ごろからはこぐま座α星(ポラリス)、西暦4000年ごろはケフェウス座の星、西暦14000年ごろはこと座のベガが北極星になると紹介されている[5]。年代は資料によって数百年の差があるため、「トゥバンは約5000年前」のように目安として受け止めておくのが無難だ。

5. 北極星ほっきょくせいの たかさは、なにを おしえてくれる?

5. 北極星の高さで、いる場所の緯度が分かる

5. 北極星の高度 ≒ 観測地の緯度 ── 天測航法の基本

北極星ほっきょくせいが 見える 高さは、その 場所の いどに、ほぼ 同じです[6]。いどとは、赤道から どれだけ 北か、を あらわす 数です。

東京では、地へいせんから 36度くらいの ところに 見えます[6]。北極ほっきょくでは 真上、赤道せきどうでは 地へいせんの すれすれに なります[6]。

星の高さは、場所を教えてくれる

北極星が地平線から何度の高さに見えるか(高度)は、観測する場所の緯度とほぼ等しくなります。東京なら約36度、北極では真上、赤道では地平線に見えます[6]。

この性質は、昔から船の位置を知るために使われてきました[6]。ただし、北極星は地軸の延長線から少しずれているので、正確に測るときは補正が必要です[6]。前の章で見た約0.7度のずれが、ここで顔を出します。

天の北極の高度は観測地の緯度に等しく、北極星の高度はほぼそれに等しい。東京なら約36度、北極で天頂、赤道で地平線となる[6]。

ただし北極星は天の北極から約0.7度離れているため、正確な測定には補正が要る[6]。「ほぼ等しい」と書く根拠はここにある。

6. よるの 北の 空を、見て みよう

6. 北の空で、星が回る中心を探してみる

6. 出口 ── 探し方と、資料の読みどころ

おうちの 人と いっしょに、よるの 外に 出て みましょう。おうちの 人が いる ときだけにします。ほくとしちせいか、カシオペヤざが 見つかれば、北極星ほっきょくせいを さがす てがかりに なります。

ほくとしちせいは、先の 2つの 星の あいだを、5ばいくらい のばした ところ。カシオペヤざは、Wの かたちの まんなかの 星から、5ばいくらい のばした ところ、と しょうかい されて います。ぴったりの 数では なく、めやすです[7]。

見つけたら、30ぷんくらい あとに、もう 一度 見て みましょう。北極星ほっきょくせいの まわりを、ほかの 星が 回って いるのが 分かるかも しれません。

大人といっしょに、夜、外で北の空を見てみましょう。北斗七星かカシオペヤ座が見つかれば、探す手がかりになります。北斗七星ならメラクとドゥーベの間隔を約5倍のばした先、カシオペヤ座ならW字の中央の星を約5倍のばした先、と紹介されています[7]。倍率はあくまで目安です。

見つけたら、30分から1時間ほどあけて、同じ場所からもう一度北の空を見ます。北斗七星やカシオペヤ座が、北極星を中心にして位置を変えていたら、この記事の1章の話を自分の目で確かめたことになります。

もっと知りたくなったら、国立天文台の歳差の説明[4]や、アストロアーツの天球の回転の解説[1]を読んでみてください。

北極星の探し方の目安として、北斗七星のメラクとドゥーベを結び、その間隔の約5倍を延ばす方法と、カシオペヤ座のW字の両端の線の交点と中央の星を結んで約5倍延ばす方法が紹介されている[7]。倍率は趣味の解説サイト1件による目安で、公的機関の資料では確認していない。

資料を読むなら、日周運動の説明はアストロアーツ「天文の基礎知識」[1]、歳差は国立天文台の解説[4]、北極星の交代は多摩六都科学館の記事[5]が日本語で読める。0.7度のずれの数値は天文学辞典[2]から。将来の最接近値は英語版ウィキペディア[3]の記述であり、そのページの出典一覧から、さらに元の資料もたどれる。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

出典について:天文の解説(アストロアーツ、国立天文台、天文学辞典)、科学館の記事、航海術の解説、ウィキペディアを使った。何に使ったかは、各項目の最後に書いている。

  1. アストロアーツ「天文の基礎知識 3.天球の回転」。https://www.astroarts.co.jp/alacarte/kiso/kiso03-j.shtml (日周運動、天の北極、歳差の周期について)
  2. 天文学辞典「北極星」。https://astro-dic.jp/polaris/ (天の北極からのずれ、円の大きさ、変光について)
  3. Wikipedia (English) "Polaris"。https://en.wikipedia.org/wiki/Polaris (2018年と2100年ごろの離角、明るさの順位、距離について)
  4. 国立天文台「歳差ってなに?」。https://www.nao.ac.jp/faq/a1007.html (地軸の歳差と約26000年の周期について)
  5. 多摩六都科学館「北の空の星の動き(2)北極星のリレー」。https://www.tamarokuto.or.jp/blog/rokuto-report/2020/05/06/northern-sky02/ (北極星の交代について)
  6. 海洋冒険文庫「天測航法6」。https://kaiyoboken.com/celestial-navigation/celestial-navigation-006/ (北極星の高度と緯度の関係について)
  7. ほしラボ「北極星の探し方」。https://stargazing-guide.com/stargazing/how-to-find-polaris-north-star (北極星の明るさと探し方について)

なおした ところ

更新履歴

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