1. ほしは、どうして ぐるぐる まわって 見えるの?
1. 星が回って見えるのは、地球が回っているから
1. 日周運動と天の北極 ── 地軸を北へ延ばした先
よるの 空を ずっと 見て いると、星は 少しずつ 場所を かえます。でも、ほんとうに 動いて いるのは 星では なくて、わたしたちの 地球です。地球が ぐるりと 自転して いるので、星が 回って 見えるのです[1]。
地球には、回る ときの しんに なる 線が あります。ちじくと いいます。この 線を 北の 空まで のばした 先に、北極星が います[1]。
かさを くるくる 回して みてください。もちての 近くは ほとんど 動かず、ふちは 大きく 回ります。北極星は、かさの もちての 先に ある 星の ような ものです。ただし 本当は、ぴったり まんなかには いません。
回っているのは、こちら側
星が一晩のうちに空を回っていくのは、地球が自転しているためです。この動きを日周運動といいます。回転の軸になっているのが地軸で、これを北へどこまでも延ばしたところが「天の北極」です[1]。
回転いすに座って、ゆっくり回ってみると分かりやすいかもしれません。まわりの景色は流れていきますが、自分の頭の真上の一点は、ほとんど場所が変わらないように見えます。地球の軸の先にある北極星は、それに近い立場にいます。
北極星は、天の北極のすぐ近くにあります。だから、ほかの星が回る中で、ほとんど動かないように見えるのです[1]。ただし「すぐ近く」であって「ちょうど」ではありません。次の章で、そのずれを見ます。
星が日周運動で回って見えるのは、地球が自転しているためである。回転の軸が地軸で、これを北へ延長した方向が天の北極にあたる。日周運動の中心付近にある北極星は、地軸の延長線の近くに位置するので、ほとんど動かないように見える[1]。
「近くに位置する」という点が大事で、北極星が天の北極そのものに重なっているとは述べられていない。ずれの大きさは次の章で見る。
2. 北極星も、まるく 動いて いるの?
2. 北極星は、満月3個ぶんの円を描いている
2. 天の北極からのずれ ── 約0.7度、直径約1.5度の円
じつは、北極星は 地じくの 先から、ほんの 少し ずれて います。その ため、まんなかの 小さな 円の まわりを、ゆっくり まわって います[2]。
その 円の 直径は、満月で 3こ ぶんくらいです[2]。空の 上では とても 小さいので、ふつうに 見ていると、まったく 動かない ように 見えます。
この ずれは、これから 少しずつ 小さく なると いわれて います。2100年を すぎた ころが、いちばん 近づく ときだそうです[3]。
3. 北極星は、いちばん 明るい 星?
3. いちばん明るい星ではなく、明るさも少し変わる
3. 見かけの等級と変光 ── 約2等星、周期約4日
「動かない星」と きくと、いちばん 明るい 星を さがしたく なります。でも 北極星は、2等星です。空で いちばん 明るい シリウスや、金星の ほうが、ずっと めだちます[7]。
それに、北極星は、明るさが 4日くらいで、ほんの 少し かわると いわれて います[2]。変光星という なまえの 星です。
4. 北極星は、ずっと おなじ 星なの?
4. 数千年たつと、北極星は別の星に替わる
4. 歳差と北極星の交代 ── トゥバンからポラリス、そしてベガへ
じつは、地じくの 向きも、ほんの 少しずつ かわって います。まわる こまの じくが、ゆっくり くびを ふるのと 少し にています[4]。もとの 向きに もどるまでに、およそ 26000年 かかります[4]。
じくの 向きが かわると、その 先に ある 星も かわります。5000年ほど 前の エジプトの 人たちが 見た 北の 目じるしは、りゅうざの トゥバンという 星でした[5]。
これから 12000年 くらい たつと、ことざの ベガが、北の 目じるしに なりそうです[5]。いま わたしたちが 見ている 北極星は、ずっと ずっと つづく 星では ないのです。
地軸は、ゆっくり首を振っている
地軸の向きは、実は固定されていません。約26000年かけて、公転面に垂直な方向を中心に、半径約23.4度の円を描くように向きを変えます。これが歳差です。回っているコマの軸が首を振る動きに似ています[4]。
北の目印はリレーされていく
地軸の向きが変わると、天の北極が星空の中を移動します。そのため、北極星の役割は星から星へ受け渡されます。約5000年前はりゅう座のトゥバンで、エジプトのピラミッドには、この星に向けて作られたといわれるトンネルがあります[5]。西暦500年ごろからはこぐま座のポラリスです。約12000年後にはこと座のベガが、約2000年後にはケフェウス座の星が北極星になりそうです[5]。
いま見えている光景は、26000年という長い周期の中の、ほんの一場面です。
5. 北極星の たかさは、なにを おしえてくれる?
5. 北極星の高さで、いる場所の緯度が分かる
5. 北極星の高度 ≒ 観測地の緯度 ── 天測航法の基本
北極星が 見える 高さは、その 場所の いどに、ほぼ 同じです[6]。いどとは、赤道から どれだけ 北か、を あらわす 数です。
東京では、地へいせんから 36度くらいの ところに 見えます[6]。北極では 真上、赤道では 地へいせんの すれすれに なります[6]。
6. よるの 北の 空を、見て みよう
6. 北の空で、星が回る中心を探してみる
6. 出口 ── 探し方と、資料の読みどころ
おうちの 人と いっしょに、よるの 外に 出て みましょう。おうちの 人が いる ときだけにします。ほくとしちせいか、カシオペヤざが 見つかれば、北極星を さがす てがかりに なります。
ほくとしちせいは、先の 2つの 星の あいだを、5ばいくらい のばした ところ。カシオペヤざは、Wの かたちの まんなかの 星から、5ばいくらい のばした ところ、と しょうかい されて います。ぴったりの 数では なく、めやすです[7]。
見つけたら、30ぷんくらい あとに、もう 一度 見て みましょう。北極星の まわりを、ほかの 星が 回って いるのが 分かるかも しれません。
大人といっしょに、夜、外で北の空を見てみましょう。北斗七星かカシオペヤ座が見つかれば、探す手がかりになります。北斗七星ならメラクとドゥーベの間隔を約5倍のばした先、カシオペヤ座ならW字の中央の星を約5倍のばした先、と紹介されています[7]。倍率はあくまで目安です。
見つけたら、30分から1時間ほどあけて、同じ場所からもう一度北の空を見ます。北斗七星やカシオペヤ座が、北極星を中心にして位置を変えていたら、この記事の1章の話を自分の目で確かめたことになります。
しらべた もとの じょうほう
参考にした情報源
参考にした情報源と、その使い方
出典について:天文の解説(アストロアーツ、国立天文台、天文学辞典)、科学館の記事、航海術の解説、ウィキペディアを使った。何に使ったかは、各項目の最後に書いている。
- アストロアーツ「天文の基礎知識 3.天球の回転」。https://www.astroarts.co.jp/alacarte/kiso/kiso03-j.shtml (日周運動、天の北極、歳差の周期について)
- 天文学辞典「北極星」。https://astro-dic.jp/polaris/ (天の北極からのずれ、円の大きさ、変光について)
- Wikipedia (English) "Polaris"。https://en.wikipedia.org/wiki/Polaris (2018年と2100年ごろの離角、明るさの順位、距離について)
- 国立天文台「歳差ってなに?」。https://www.nao.ac.jp/faq/a1007.html (地軸の歳差と約26000年の周期について)
- 多摩六都科学館「北の空の星の動き(2)北極星のリレー」。https://www.tamarokuto.or.jp/blog/rokuto-report/2020/05/06/northern-sky02/ (北極星の交代について)
- 海洋冒険文庫「天測航法6」。https://kaiyoboken.com/celestial-navigation/celestial-navigation-006/ (北極星の高度と緯度の関係について)
- ほしラボ「北極星の探し方」。https://stargazing-guide.com/stargazing/how-to-find-polaris-north-star (北極星の明るさと探し方について)
なおした ところ
更新履歴
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