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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

ウミウシは 牛じゃ ないのに、どうして 「ウシ」と いう 名前なの?

ウミウシは牛ではないのに、なぜ「ウシ」と呼ばれるのか ── 頭の2本の「角」の正体

ウミウシの「ウシ」は何を指すのか ── 触角の見立てと、その器官の役目、英語の呼び名との比較

分野:生きもの

ウミウシの 名前には、「牛」と いう 字が 入って います。でも、牛の なかまでは ありません。名前の もとに なった 頭の 2本の 「角」は、においを 感じる ための ところだと されて います[6]。

どうして 牛なのか、あの 「角」は なにを して いるのか、英語えいごでは なんと よぶのかが わかります。

海にすむウミウシの名前には、「牛」の字が入っています。ところが牛とは関係なく、名前のもとになった頭の2本の「角」は、水の中のにおいを感じるための器官だとされます[6]。

なぜ牛にたとえたのか、あの触角は何をしているのか、英語ではどう呼ばれているのかが分かります。

ウミウシの名は、頭から出る1対の触角を牛の角に見立てたものとされる[1]。しかしその触角は、角のように何かを突くための器官ではなく、水に溶けた化学物質をとらえる、においの受容器だと説明されている[6]。

では、見立ての元になったのはどんな姿で、英語圏の人々は同じ生きものを何にたとえたのか。名前の由来、触角の役目、殻の有無という分類上の例外、「ウミウシ」が指す範囲の曖昧さが分かる。

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1. どうして 「牛」と いうの?

1. 牛の角に見立てられたのは、頭の2本の触角

1. 「牛の角」説 ── 複数の資料が一致する名前の由来

水族館すいぞくかんで ウミウシを 見つけたら、頭を よく 見て みましょう。2本の 小さな でっぱりが、上に むかって 立って います。

この 2本が、牛の 角に 見えると いわれて います。「ウミウシ」の 名前は、これを 牛の 角に 見立てた ものだと されて います[1][2][3]。見立てるとは、「あれに にて いるね」と たとえる ことです。

いつ、だれが 名づけたのかは、しらべた しりょうには のって いません。

ところで、漢字で 「海牛」と 書くと、ふつうは 「かいぎゅう」と 読みます。ジュゴンや マナティーと いう、海に すむ どうぶつの ことです[4]。ウミウシの 「ウシ」とは、べつの はなしです。

では、牛の 角に 見立てられた その 「角」は、ほんとうは なにを して いるのでしょう。

水族館のウミウシの水槽をのぞくと、色あざやかな小さな生きものが、頭から2本の突起を立てて進んでいます。じっと見ていると、牛の頭を小さくしたように見えてくるかもしれません。

「ウミウシ」の名の由来として、事典、国土交通省の観光向け解説、水族館の解説などが共通して書いているのは、頭にある1対(2本)の触角を牛の角に見立てた、という説明です[1][2][3]。国土交通省の英語版の解説も、umiushi(sea cows)という名は、触角が牛の角に似ているからだと書いています[2]。

つまり題名の問いへの答えは、「牛だから」ではなく、「牛の角に見える部分があるから」です。いつ、だれが最初にそう呼んだのかは、手元の資料には出てきません。

牛の字が入る別の生きものと混ざりやすい点もあります。漢字で「海牛」と書けば、ふつうは「かいぎゅう」と読み、ジュゴンやマナティーなど海にすむ哺乳類のグループを指します[4]。ウミウシの「牛」は、哺乳類の牛とは関係がありません。

では、牛の角に見立てられたその「角」は、ウミウシにとって何の役に立っているのでしょうか。

ウミウシの名の由来は、頭部に立つ1対の触角を牛の角に見立てたものだ、という説明が、世界大百科事典(コトバンク掲載)[1]、国土交通省の多言語解説文[2]、下関市立しものせき水族館(海響館)の解説[3]で一致している。国土交通省の英語版は、umiushi を sea cows と訳したうえで、feelers resemble cattle horns(触角が牛の角に似ている)と理由を添えている[2]。

したがって、題名の問いへの要点は「牛そのものではなく、触角の形が牛の角を連想させたから」である。一方で、いつ、だれが最初にこの名で呼んだのかは、参照した資料には現れない。名前の成立を年号や人名で語ることはできず、「見立て」という説明の範囲にとどまる。

牛という字は、別の混同も生む。漢字で「海牛」と書かれた場合、ふつうは「かいぎゅう」と読み、ジュゴンやマナティーなどの海牛目(海にすむ哺乳類)を指す[4]。ウミウシの「牛」は哺乳類の牛と関係がなく、あくまで形の見立てに由来する。

では、牛の角に見立てられたこの突起は、実際にはどんなはたらきをしているのか。

2. 「角」は なにを して いるの?

2. 「角」の正体は、水の中のにおいを感じる鼻のような器官

2. 触角(ライノフォア)は、水に溶けた化学物質をとらえる器官である

じつは、この 触角しょっかくは、においを 感じる ための ところです。水の 中に とけた、においの もとに なる ものを 感じとって、食べ物を さがす のに つかうと されます[6]。

この 触角しょっかくは、「ライノフォア」と よばれます。むかしの ギリシャの 言葉で、「鼻」と 「はこぶ もの」を くっつけた 名前です[6]。

形は いろいろです。ひだが あったり、えだ わかれして いたり、うすい 板が かさなって いたり する ものが います[7]。こうした つくりは、水に ふれる 面を ひろげて、においを 感じとりやすく すると 考えられて います[7]。

葉を おとした 木の えだを 思いうかべて ください。電柱の ような 1本の ぼうより、えだの 多い 木の ほうが、空気に ふれる ところが 多いですね。それと にた ことが、触角しょっかくでも 起きて いるのです。

ひっこめる ことが できる 種類しゅるいも います。ただし、ぜんぶの ウミウシが ひっこめられる わけでは ありません[7]。

つまり、牛の 角に 見えても、はたらきは 鼻に ちかい ものです。

では、牛でも 魚でも ないなら、ウミウシは なんの なかまなのでしょう。

見た目は角でも、はたらきは鼻に近い。これが、この生きものの面白いところです。ウミウシの触角は、ライノフォアと呼ばれます。古典ギリシャ語の「鼻」と「運ぶもの」を組み合わせた言葉です[6]。

においを感じる仕組みは、水の中でも似ています。においのもとになる化学物質と同じ種類のものが、海水にも溶けています。ウミウシはそれを触角で感じ取り、食べ物さがしなどに使うとされます[6]。

触角の形は、種類によってさまざまです。ひだがあるもの、枝分かれしたもの、薄い板が重なったものがいて、こうしたつくりは水に触れる表面積を増やし、化学物質を感じ取りやすくすると説明されています[7]。葉を落とした冬の木が、電柱より空気に触れる面が多いのと、同じ考え方です。

触角を収納用の鞘のようなところへ引っこめられる種類もいますが、全種ではありません[7]。

こう見ると、「牛の角」は見た目の印象から生まれた呼び名で、はたらきとは別の話だと分かります。では、牛でも魚でもないこの生きものは、そもそも何の仲間なのでしょうか。

この突起は英語で rhinophore(ライノフォア)と呼ばれる。古典ギリシャ語の rhino(鼻)と phore(運ぶもの)を組み合わせた語である[6]。見立ての名は「角」だが、学術上の呼び名は「鼻」を含んでおり、命名の視点がまったく違う。

その機能は化学感覚である。陸上でにおいの原因になるのと同じ種類の化学物質が海水にも溶けており、ウミウシは触角でそれを感じ取って、食べ物さがしなどに使うと説明されている[6]。つまり、においは水中でも成り立つ情報である。

形がさまざまな理由も、同じ機能から説明される。触角にひだ、枝、薄板といった複雑なつくりがあると、水に触れる表面積が増え、水中の化学物質をとらえやすくなると考えられている[7]。細い枝を何本も出した木が、1本の柱より空気に触れる面を多くもつ、という関係と同じである。ただし、収納用の鞘に引っこめられる種類がいる一方、全種がそうではない点には注意が要る[7]。

触角の形は、機能に有利に働くという説明の範囲で読むのが安全である。

これで「角」の正体は分かった。では、牛でも魚でもない生きものを、分類ではどう位置づけるのか。

3. ウミウシは、なんの なかまなの?

3. 殻をなくした巻貝の仲間 ── ただし、殻をもつ種類もいる

3. 後鰓類・裸鰓類 ── 殻を失った巻貝と、例外の存在

ウミウシは、殻からを なくした まきがいの なかまです[1][2]。ナマコに にて 見えますが、らせんの 殻からを もつ カタツムリのような まきがいの ほうに ちかい なかまです[2]。

だから 「貝殻かいがらの ない 貝」と 言われる ことが あります。ところが、ウミウシの なかまなのに、貝殻かいがらを もつ 種類しゅるいも います[3]。

しかも その タイプには、ウミウシの シンボルの 触角しょっかくが ありません[3]。

名前の 「ウシ」の もとに なった 角が ない ウミウシも いる のです。名前と すがたが ぴったり 合わない ことも、ウミウシの おもしろい ところです。

では、ほかの 国の 人は、この 生きものを なんと よんで いるのでしょう。

ウミウシは、らせん状の殻をもつ巻貝の仲間のうち、殻が小さくなったり失われたりした、海の生きものの総称です。分類では、おもに「後鰓類」の中の「裸鰓類」を指します[1][2]。一見するとナマコに似ていますが、近いのはナマコではなく、カタツムリに似た巻貝のほうです[2]。

そのため「貝殻のない貝の仲間」と説明されることがよくあります。ところが水族館の解説は、この説明が通用しない種類を紹介しています。ウミウシの仲間でも貝殻をもつものがいて、そのタイプは二次鰓がないうえ、ウミウシのシンボルである触角もないというのです[3]。ウィキペディアも、基本的には殻をもたないが、痕跡的な殻をもつものもいる、と整理しています[4]。

つまり、名前の「ウシ」のもとになった触角をもたないウミウシも、ウミウシの仲間にいることになります。名前の由来と、すべての仲間の姿は、きれいには重ならないようです。

名前の見立ては、日本語だけの話ではありません。外国の言葉では、この生きものを何にたとえたのでしょうか。

分類上、ウミウシは軟体動物門腹足綱の後鰓類のうち、おもに裸鰓類を指す総称で、殻が縮小・消失した巻貝類である[1][2]。外見はナマコに似て見えるが、系統的にはらせん状の殻をもつカタツムリに似た巻貝類のほうに近い[2]。そのため「貝殻のない貝の仲間」という説明は、入口としては有効である。

ただし、この説明は例外を含む。海響館の解説は、貝殻をもつウミウシの仲間を挙げ、「貝殻がない貝の仲間」という常套句が通用しない、と述べている。そのタイプは、背中側の二次鰓がないだけでなく、ウミウシのシンボルとされる触角ももたない[3]。ウィキペディアも、基本的には殻をもたないが痕跡的な殻をもつ種類がいる、と記す[4]。

ここに、名前の由来との間のずれがある。名の元になった触角を欠くグループが、ウミウシの仲間に入っているのである。名前は「牛の角のある貝」を連想させるが、仲間の範囲はそれより広い。

名前の見立てが日本語だけのものか、他の言語ではどうか。次に英語の呼び名を見る。

4. 英語えいごでは、なんと よぶの?

4. 英語では「海のナメクジ」、分類名では「むきだしの鰓」

4. 見立てる対象は言語で異なる ── sea slug と nudibranch

英語えいごでは、ウミウシを 「シー・スラッグ」と よぶ ことが あります。「海の ナメクジ」と いう 意味です[4][8]。

日本語では 牛の 角に、英語えいごでは ナメクジに たとえて います。同じ 生きものを 見ても、「にて いる」と 感じる ものが ちがうのです。

もう ひとつ、「ヌーディブランク」と いう 英語えいごが あります。ラテン語の 「はだか」と、ギリシャ語の 「えら」が もとの 言葉で、「むきだしの えら」と いう 意味です[8]。

ウミウシの からだの うしろの ほうには、水の 中の 酸素さんそを とりこむ えらが あります。花のように ひらく 種類しゅるいも います[3]。

牛の 角、海の ナメクジ、むきだしの えら、そして 鼻を はこぶ もの。同じ 生きものに、目を つけた ところが ちがう 名前が いくつも あるのです。

では、そんなに たくさんの 名前を もつ ウミウシは、どこまでの なかまを さすのでしょう。

英語では、ウミウシは「シー・スラッグ(sea slug)」、つまり「海のナメクジ」と呼ばれることがあります[4][8]。日本語は頭の触角を牛の角にたとえ、英語圏はナメクジにたとえます。同じ生きものを見て、似ていると感じるものが言語でちがう例です。

もう1つ、分類のグループの名前があります。裸鰓類を意味する英語の nudibranch(ヌーディブランク)は、ラテン語の「裸の」と古代ギリシャ語の「鰓」から来た言葉で、「むきだしの鰓」を意味します[8]。ウミウシの体の後ろ側には、水中の酸素をとりこむ二次鰓があり、花のように開く種類もいます[3]。日本語の「裸鰓類」にも、同じ「裸」と「鰓」の字が使われています。

こうして並べると、同じ生きものに、牛の角、海のナメクジ、むきだしの鰓、鼻を運ぶもの(ライノフォア)と、目をつけた場所のちがう名前が並びます。名前は、見る人が何に注目したかを映しているようです。

では、これだけの名前をもつ「ウミウシ」は、どこまでの仲間を指す名前なのでしょうか。

英語では、裸鰓類のウミウシは sea slug(「海のナメクジ」)と呼ばれることがある[4][8]。sea slug は裸鰓類以外の仲間も含む、より広い呼び名である。日本語が頭の触角を牛の角にたとえたのに対し、英語圏は陸の軟体動物であるナメクジにたとえている。見立てる対象が言語ごとに異なる、という比較である。

分類群の名前は別の視点をもつ。英語の nudibranch は、ラテン語の nudus(裸の)と古代ギリシャ語の bránkhia(鰓)に由来し、「むきだしの鰓」を意味する[8]。体の後ろ側には、水中の酸素をとりこむ二次鰓があり、花のように開く種類もいる[3]。

整理すると、同じ生きものに対して、日本語の通称は頭の触角(牛の角)、英語の通称は海の「ナメクジ」という似た動物、分類名は鰓(むきだしの鰓)、触角の学術名は機能(鼻を運ぶもの)に注目している。名前ごとに、手がかりにしたものが異なる。

では、これほど複数の視点で呼ばれる「ウミウシ」という語は、どこからどこまでを指すのか。

5. 「ウミウシ」は、どこまでの なかまの 名前なの?

5. 「ウミウシ」は、どこまでを指す名前なのか

5. 慣用名としての「ウミウシ」の範囲と、1,400種・384種という数字の読み方

じつは、「ウミウシ」は 学問で きめた 正式な 名前では ありません。むかしから つかわれて きた よび名で、どこまでを ウミウシと よぶかは、人や 立場で ちがう とされて います[5]。

牛の 角に 見立てられたのは、ウミウシの うち 「ドーリスるい」と よばれる グループの 触角しょっかくと されます[4]。

日本の ちかくの 海には、やく 1400種類しゅるいの ウミウシが すむと されます[2]。高知県の ひとつの わんだけで 384種類しゅるいが 知られて います[2]。

384を 1400で わると、やく 0.27。4分の 1より ちょっと 多い、と いう ことです。

ただし、これは 旅行の ガイドなどで つかわれて いる 数字で、いつの しらべかは わかりません。「ウミウシ」が どこまでの なかまを 指すかで、数える 数は かわります。ですから、ほかの 国の 数字と、そのまま くらべる ことは できません。

これだけ たくさんの なかまが いるなら、見つけるのが たのしく なりそうです。

「ウミウシ」は分類学の正式な用語ではなく、歴史的・慣用的なグループ名だと、ウミウシの専門サイトの用語集は説明しています[5]。どこまでをウミウシと呼ぶかは、人や立場によってちがうといいます[5]。牛の角に見立てられたとされるのは、そのうち裸鰓類のドーリス類がもつ1対の触角です[4]。

種の数は、どれくらいなのでしょうか。国土交通省の英語版の解説は、日本近海に約1,400種のウミウシがすみ、そのうち384種が高知県の竜串湾で知られる、と書いています[2]。384を1,400で割ると約0.27で、日本近海の種の4分の1あまりが、1つの湾で知られている計算です。

ただし、これは観光向けの紹介資料の数字で、調査された年は分かりません。「ウミウシ」がどこまでを指すかによって、数える種の数は変わります。数える範囲がちがえば、ほかの国や地域の数字とそのまま比べることはできません。

牛の角に見えた触角の形も、種類ごとにちがいます。それを、自分の目で見くらべることはできるでしょうか。

「ウミウシ」は分類学上の正式な用語ではなく、歴史的・慣用的なグループ名である。ウミウシ専門サイトの用語集はそう説明しており、指す範囲は人や立場によって異なる[5]。牛の角に見立てられたとされるのは、裸鰓類のうちドーリス類がもつ1対の触角である[4]。したがって、「ウミウシ」という名前の由来は、仲間すべてに当てはまる説明ではなく、典型的な一群を念頭に置いたものと読むのが適切である。

種数の数字は、範囲の定義と一緒に読む必要がある。国土交通省の英語版解説は、日本近海に約1,400種のウミウシがすみ、うち384種が高知県の竜串湾で知られると記す[2]。同じ資料の2つの数字なので割り算ができ、384÷1,400≒0.27、日本近海の種の約4分の1強が1つの湾で知られている計算になる。ただし、観光・啓発向けの資料であり、調査年や数え方の基準は示されていない。

「ウミウシ」の指す範囲が人や立場で異なる以上、種数も、どこまでを数えたかによって変わる。したがって、別の資料の数字とそのまま割り算や比較をしても意味をもたない。数字を比べるときは、何を数えた数字かをまず確かめる必要がある。

この節で言えることは、名前の指す範囲は曖昧で、種の数もそれに依存する、という点までである。では、この曖昧さを前に、読者は自分でどんな確かめ方ができるのか。

6. ウミウシの 「角」を さがして みよう

6. 水槽の前で、「角」と鰓を見くらべてみよう

6. 資料と実物を照らす ── 触角・鰓・殻の3点を観察する

水族館すいぞくかんで ウミウシを 見る 日が あれば、まず 頭の 2本の 触角しょっかくを さがして みましょう。まっすぐな ぼうの ものも、ひだが ある ものも、えだ わかれした ものも います[7]。

つぎに、からだの うしろの ほうに ある えらを 見ます。花のように ひらいて いるかも しれません[3]。ウミウシの 写真が 出て いる 図鑑ずかんでも、同じ ことが できます。

もし 「角」の ない ウミウシに 会えたら、貝殻かいがらが ないかも 見て みましょう[3]。

うみべで さがす ときは、かならず 大人と いっしょに。生きものには 手を ふれないで、そっと 見ましょう。

そして、自分なら この 生きものを なんと 名づけるか、考えて みませんか。牛の 角、海の ナメクジ、むきだしの えら、鼻を はこぶ もの。どれも、人が 目を つけた ところが ちがいます。

水族館や図鑑でウミウシを見る機会があれば、まず頭の2本の触角を探してみましょう。まっすぐな棒状のもの、ひだのあるもの、枝分かれしたものがあります[7]。形のちがいをスケッチしておくと、種類ごとのちがいが見えてきます。

次に、体の後ろ側にある鰓を見ます。花のように開く種類もいます[3]。そして、触角のない、貝殻をもつタイプに出会えたら、名前の「ウシ」の元になった部分がない、という不思議な例に会ったことになります[3]。

海辺で探すときは、必ず大人といっしょに行き、生きものには手をふれず、そっと見るようにしましょう。

牛の角、海のナメクジ、むきだしの鰓、鼻を運ぶもの。同じ生きものに4つの名前があるなら、自分ならどこに目をつけて名前をつけるでしょうか。

確かめる手がかりは3つある。第1に触角。形(棒状、ひだ、枝分かれ、薄板)を見て、表面積が増えるつくりかどうか、資料の説明と見くらべられる[7]。第2に鰓。体の後ろ側の二次鰓が花のように開いているか、水中の酸素をとりこむ器官としての位置を確かめられる[3]。第3に殻。貝殻をもつタイプに出会えれば、触角がない例外であることを実物で確かめられる[3]。

資料の読み比べも手がかりになる。名前の由来は事典と水族館と国土交通省の解説[1][2][3]、触角の機能はウミウシ専門の情報サイトと研究機関のブログ[6][7]、範囲の曖昧さは用語集[5]と、立場の違う資料が別々の問いに答えている。この組み合わせで、一つの名前を複数の面から見ることができる。

海辺で探す場合は、必ず大人と同行し、生きものには手を触れずに観察する。見つけた種の同定は図鑑に頼ることになるが、数字(種数)の定義が資料ごとに違う点は、本文のとおりである。

原典を読む価値があるのは、触角の機能を扱った2つの英語の資料[6][7]である。見立ての名前の「角」と、学術上の呼び名の「鼻」が、どう結びつくのかを、原文で具体的に読める。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

出典について:事典・省庁・水族館の解説と、ウミウシ専門の情報サイト、研究機関の解説を使った。ウィキペディアは二次資料なので、補助的に使った。何に使ったかは、それぞれの項目に書いている。

  1. 世界大百科事典「ウミウシ」(コトバンク掲載)。https://kotobank.jp/word/%E3%82%A6%E3%83%9F%E3%82%A6%E3%82%B7-3144437 (名前の由来、殻を失った巻貝であること)
  2. 国土交通省 多言語解説文データベース「The Mysterious World of Sea Slugs」。https://www.mlit.go.jp/tagengo-db/en/R1-02456.html (名前の由来、種の数。観光向けの解説で、調査年は不明)
  3. 海響館(下関市立しものせき水族館)「ウミウシを知ろう!!①」。海響館のウミウシ解説ページ (触角、二次鰓、貝殻をもつ種類について)
  4. ウィキペディア「ウミウシ」。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%83%9F%E3%82%A6%E3%82%B7 (「海牛」の読み、ドーリス類の触角、英語名。二次資料)
  5. 世界のウミウシ「ウミウシ用語集」。https://seaslug.world/blog/glossary (「ウミウシ」が正式な分類用語ではないこと)
  6. Sea Slug Forum「Rhinophore in nudibranchs」。https://www.seaslugforum.net/rhinonud.htm (触角がにおいを感じる器官であること、語源。英語の資料)
  7. California Academy of Sciences「Sea slug senses part I」。https://www.calacademy.org/blogs/project-lab/sea-slug-senses-part-i (触角の形と表面積の関係。英語の資料)
  8. Wikipedia「Nudibranch」。https://en.wikipedia.org/wiki/Nudibranch (nudibranch の語源、世界の裸鰓類の種数。英語の二次資料)

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