1. 種を まいても、すぐには めが でない
1. 種をまいても、芽がなかなか出てこない
1. 発芽が遅いのは、種に何かがあるからか
パセリの 種を まくと、めが でるまでに 2〜4しゅうかん ほど かかる と いわれます。しらべた しりょうに よって、10にちから 6しゅうかんまで、はばが あります。
めが でやすい あたたかさは、15〜20ど くらいです。25どを こえると、めが でにくく なります。
イギリスには、おもしろい いいつたえが あります。パセリの 種は、めを だす まえに あくまの ところへ なんども いって くるから おそい、というのです。いく かいすうは、ちほうで 3かい、7かい、9かいと ちがいました。ゆっくり めを だす ようすを、むかしの ひとが わらいながら たとえた ものでしょう。
めが でにくい わけは、すべては わかって いません。種に めを おさえる ものが ある、と いわれ、まく まえに みずで あらったり、ひとばん みずに つけたり する そだて方が すすめられています。
パセリの種は、まいてから芽を出すまでが長いことで知られます。日本の栽培解説では10〜20日、英語の資料では2〜4週間、涼しいと6週間ほどとされ、資料によって幅があります。「2〜4週間ほど」と覚えておくとよいでしょう[3][6]。
発芽に向く温度は15〜20℃で、25℃を超えると発芽率も生育も悪くなる、と説明されています[3]。暑い時期にまいても芽が出にくいのは、このためです。
この遅さは昔から人の目に留まっていました。イギリスには、パセリの種は芽を出す前に悪魔のところへ何度も行ってくるから遅い、という言い伝えがあり、回数はデボンで3回、サセックスで7回、北ヨークシャーなどで9回と地方によってちがいました[5]。待ちくたびれた人たちのユーモアが感じられる言い伝えです。
では、何が発芽をじゃまするのでしょうか。日本の栽培解説は、種に「発芽抑制物質」があるので、まく前によく水洗いして洗い流すとよいと述べ、英語の資料は一晩水につけて種皮をやわらかくする方法を挙げます[2][6]。ただ、その物質の名前や働きは、ここで使った資料では説明されていません。
パセリの発芽の遅さは、栽培の解説でも、民間の言い伝えでも、昔から指摘されてきた。日本の栽培解説は発芽まで10〜20日、英語の園芸記事では14〜28日、冷涼な環境では6週間にもなるとされ、資料により幅がある。ここでは「2〜4週間ほど」という幅で扱う[3][6]。
発芽適温は15〜20℃、生育適温は15〜25℃で、25℃を超えると発芽率も生育も悪くなる[3]。そのため、高温の時期にまくと、ただでさえ遅い発芽がさらに不安定になる。
この遅さは、イギリスの民間伝承にも残る。パセリの種は芽を出す前に悪魔のところへ何度も行ってくるから遅い、という言い回しで、デボンでは3回、サセックスでは7回、北ヨークシャーやヘレフォードシャーでは9回と、地方で回数が異なった[5]。発芽の遅さを面白がった言い伝えとして伝わっている。
では、遅い理由は何か。日本の栽培解説は、種に発芽抑制物質が含まれるため、まく前によく水洗いして洗い流すとよいとする。英語の資料は、一晩水につけて種皮をやわらかくすることを勧める[2][6]。ただし、抑制物質の正体や働きは、ここで使った資料では説明されておらず、遅い理由は完全には分かっていない。確かなのは、栽培の現場では「待つ前提」で扱われているという点である。
2. 1ねんめの パセリは、はなを さかせない
2. 1年目は花を咲かせず、根に力をためる
2. 1年目の株は何をしているのか:葉をふやし、根に養分をためる
めが でた パセリは、1ねんめは はなを さかせません。じめんの ちかくに、はっぱを ひろげて ふやします。
そして、根に ようぶんを ためて、冬を こします。パセリは、ふつう 2ねんかけて そだつ 「二年草」として つくられます。
わたしたちが たべるのは、はなの くきが のびる まえの はっぱ。はなが さく まえの じゅんびを している ときの すがたです。
あたたかい ところでは、1ねんで そだつ こともある と いわれます。「2ねん」は、すずしい ところの きまりです。
パセリはセリ科の植物で、原産は地中海沿岸とされます。日本では、ふつう二年草として栽培されます[1]。
1年目は、地面近くで葉をつくります。根もとから葉が放射状に出た形を「ロゼット」といい、パセリは葉を茂らせながら、太い根(主根)に養分をたくわえて冬を越すとされます。英語版の百科事典は、温帯では二年草だと説明し、主根が冬の貯蔵に使われると述べています[4]。
つまり、私たちが食べているのは、花茎が伸びる前の葉です。花を咲かせるための準備をしている最中の姿を、収穫していることになります。
ただし「二年草」は、気候によって変わる呼び方です。暖かい地域では一年草として育つとされ、辞典によっては多年草や越年草という書き方もあります。ここでは「温帯ではふつう二年草」と書いておきます[1][4]。
発芽したパセリは、1年目には花をつけない。パセリはセリ科で、地中海沿岸原産とされ、日本ではふつう二年草として栽培される[1]。1年目は、地面近くにロゼット状に葉を広げ、主根に養分をたくわえて冬を越す。英語の資料は、温帯では二年草であると説明している[4]。
この育ち方から、食べるものの位置づけが見えてくる。私たちが料理で使うのは、花茎が伸びる前の葉である。言いかえれば、パセリの「食べる葉」は、花を咲かせるための準備期間の産物である。
ただし、二年草という分類には条件がある。暖かい地域では一年草として育つとされ、辞典でも二年草、多年草、越年草と表記が分かれる。そのため、本稿では「温帯ではふつう二年草として栽培される」という書き方にとどめる。なお、2年目に花を咲かせるうえで冬の低温が必要かどうかは、ここで使った資料では示されていないため、仕組みとしては断定しない[1][4]。
3. 2ねんめの なつ、ちいさな はなが さく
3. 2年目の夏、傘のような小さな花が咲く
3. 2年目の夏に何が起こるのか:花茎、散形花序、そして枯死
2ねんめの 夏、パセリは 茎を のばして はなを さかせます。はなは、きみどりいろの ちいさな ものです。
ちいさな はなが たくさん あつまって、たいらな かさのように なります。ひとつの はなは 2ミリほど。かさの ぜんたいは 3〜10センチほどです。
はなが さいて、種が できた あと、パセリは かれます。2ねん かけて、はなを さかせ、種を のこして、おわるのです。
2年目の夏、パセリは花茎を伸ばし、淡い黄緑色の小さな花を咲かせます。デジタル大辞泉にも、2年目に淡黄緑色の小花が咲くと書かれています[1][2]。
花の集まり方は、傘を広げたような形(散形花序)です。直径3〜10cmほどの平らな房に、直径2mmほどの黄〜黄緑色の花が多数つきます[4]。パセリの仲間のセリ科には、こうした傘形の花をつける植物が多くあります。
二年草として育つ場合、花が咲いて種ができたあと、株は枯れてしまいます[2]。2年かけて葉を茂らせ、根にためたものを使って花を咲かせ、種を残して役目を終える、という流れです。
葉を食べたいときは、花茎が伸びてきたら早めに摘み取るように、と栽培解説は述べています。葉の生育を促すための作業と説明されています[2][3]。
2年目の夏、株は花茎を立て、淡い黄緑色の小さな花を咲かせる。二年草として育つ場合、花が咲き種子ができたあとに株は枯れる[2]。デジタル大辞泉も、2年目に淡黄緑色の小花が咲くと記す[1]。
花の構造は散形花序(小さな花が傘のように広がる集まり)で、直径3〜10cmほどの平らな傘状の房に、直径2mmほどの黄〜黄緑色の花が多数つく[4]。1つ1つは2mmほどなので、パセリの花は、房全体で見たときにはじめて目立つ。
では、葉を使う栽培では、これをどう扱うのか。栽培解説は、花茎が伸びてきたら、種を採らない限り早めに摘み取るよう指示する。花芽が付くと葉の生育に影響するため、摘み取って葉の生育を促す、という趣旨の説明もある[2][3]。つまり家庭での栽培は、パセリが2年かけて花を咲かせ種をつくる流れを、途中で止める作業でもある。花茎を放っておけば、花が咲き、種子ができ、枯れるという元の流れに戻る。
4. はっぱは、どこから つむと よいの?
4. 外側の葉から摘むと、長く収穫できる理由
4. 収穫は外側の下葉から:摘み方と成長の関係
うえきばちで そだてる ときは、はっぱが 13〜15まい くらいに なってから つみます。
つむときは、外側の ふるい はっぱから。まんなかから あたらしい はっぱが でてくるので、ながく とれる、と せつめいされます。
そうやって つむと、花の まえの はっぱを、なんども たのしめます。
収穫は、本葉が13〜15枚になったころから始まります。摘むときは外側の下葉から取るのがコツです[2]。
株の中心からは新しい葉が次々に出てくるので、外側から取れば長く収穫できる、と説明されることが多くあります。
1年目の葉を少しずつ使う育て方は、パセリの「1年目は葉を茂らせる」という性質に合っています。
収穫の目安は本葉13〜15枚で、外側の下葉から摘み取る[2]。株の中心から新しい葉が出るため、外側から取れば長く収穫できる、というのが一般的な説明である。ただし、ここで使った資料が直接述べているのは摘み方までであり、中心から葉が出る仕組みの説明は一般論として補っている。
この摘み方は、パセリの育ち方と対応している。1年目の株は葉を増やし続ける時期にあり、外側の古い葉から使えば、中心部の若い葉は残る。花茎が伸びる前の葉を、少しずつ長く使うというやり方である。
なお、日本では葉が縮れた縮葉種(ちりめん葉)が主流とされ、葉が平らな平葉種もある。日本への渡来は江戸時代とされるが、導入時期の記述は資料で異なるので、年代は断定しない[1]。
5. パセリの はっぱを たべに くる いきもの
5. 同じ葉を食べに来る、キアゲハの幼虫
5. 人間と同じ葉を食べる昆虫:キアゲハの幼虫とセリ科の植物
パセリの はっぱを たべるのは、ひとだけでは ありません。キアゲハという ちょうの 幼虫も、パセリを たべます。
ニンジンや セリ、ミツバも おなじ なかまの くさで、幼虫の えさに なります。
わかい 幼虫は くろっぽく、しろい おびが あります。おおきく なると みどりいろに、くろい しまが でます。
はたけでは、パセリに つく幼虫が こまりものに なる こともあります。
6. パセリを じっくり みて みよう
6. 皿の上のパセリから、育ち方を想像してみる
6. 皿の上のパセリを、2年かけて育つ植物として見直す
パセリを もらったら、はっぱを ひろげて みましょう。ちぢれて いますか。ひらたい はっぱも ありますか。
もし たべのこした くきが あったら、くきの つけねを みて、「ここから どんな はなが さくのかな」と そうぞうして みて ください。
うえきばちで そだてる ときは、めが でるまで、すこし まって みましょう。2〜4しゅうかん ほど かかる ことが あり、もう すこし かかる ことも あります。
家で食べるときは、パセリの葉を広げ、縮れているか、平らか、茎のつけ根はどうなっているかを見てみましょう。2年かけて花を咲かせる草の、1年目の姿が分かります。
鉢で育てるなら、発芽までは2〜4週間ほどかかることがあり、もう少しかかることもあります。ゆっくり待ってみてください。種をまいた日を書いておくと、遅さを実感できます。
キアゲハの幼虫を見つけたら、セリ科の植物の葉を探す手がかりになります。見るだけにして、無理に触らないようにしましょう。
パセリの観察は、台所のものを使ってできる。葉が縮れた縮葉種か、平らな平葉種か。縮れ具合や葉の切れ込み方はどうか。鉢植えで育てている場合は、株の根もとから葉が放射状に出るロゼットの形も見られる。
栽培してみる場合は、種をまいてから何日で芽が出るか記録しておくと、自分の環境での発芽日数が分かる。温度は発芽率に関わる(15〜20℃が適温)とされるので、置き場所の温度も合わせてメモしておくと比べやすい[3]。
出典として用いた栽培解説や辞典のほか、各県の園芸指針(宮城・静岡・栃木など)にも、播種や収穫の時期がまとめられている。種をまく月や収穫までの日数は地域や品種で変わるため、本稿では示していない。実際に栽培する場合は、住んでいる地域の指針を見てほしい。
しらべた もとの じょうほう
参考にした情報源
参考にした情報源と、その使い方
辞典・栽培解説・英語の百科事典・民間伝承の資料集を使いました。栽培の日数や温度は資料によって幅があります。
- コトバンク「パセリ」(デジタル大辞泉・日本大百科全書ほか) https://kotobank.jp/word/%E3%83%91%E3%82%BB%E3%83%AA (原産・二年草・開花・葉の形・渡来)
- コメリ ハウツー「パセリの育て方」 https://www.komeri.com/contents/howto/html/03460.html (2年目の開花・水洗い・収穫・花茎の摘み取り)
- Wikipedia(英語)「Parsley」 https://en.wikipedia.org/wiki/Parsley (温帯での二年草・ロゼット・主根の貯蔵・花の形)
- Plant-Lore「Parsley」 https://www.plant-lore.com/?p=7961 (イギリスの言い伝え)
- Gardener's Path「Parsley」 https://gardenerspath.com/plants/herbs/propagate-parsley-seed/ (発芽日数・種を水につける方法)
- コトバンク「キアゲハ」(日本大百科全書・世界大百科事典ほか) https://kotobank.jp/word/%E3%81%8D%E3%81%82%E3%81%92%E3%81%AF-3148729 (食草・幼虫の姿・発生時期)
なおした ところ
更新履歴
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