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パイロットの はたらく 時間の きまりは、あさと よるで ちがうの?

パイロットの乗務時間の上限は、始まる時間帯や飛行回数でどう変わるのか

操縦時間・飛行勤務時間・休養の3つの上限:時間帯と飛行回数で変わるパイロットの乗務基準を日米欧で比べる

分野:技術

おなじ 2人で のる ひこうきでも、あさに しごとを はじめる 日と、よるから はじめる 日では、ひこうきを うごかして よい 時間の 上限じょうげんが ちがいます。日本の きまりでは、あさからだと 10じかん、よるからだと 9じかんです。パイロットの しごとの 時間は、どうやって きまって いるのでしょう。

この メモでは、パイロットの 3つの 時計と、ねむる ための 休み、ほかの 国との くらべから、きまりの ちがいが どこで 生まれるのかが わかります。

同じ機長と副操縦士の2人が乗る飛行機でも、勤務が朝から始まる日と夜から始まる日とでは、日本の基準で操縦してよい時間の上限が1時間ちがいます。朝に始まって飛行が2回までなら10時間、夜に始まって2回までなら9時間です。パイロットの時間の上限は、どんな考え方で決められているのでしょうか。

この記事では、操縦する時間、勤務の長さ、休養という3つの上限と、米国・EUとの比べ方から、上限が時間帯や飛行回数で変わるしくみが分かります。

日本の現行基準では、2人乗務の操縦時間の上限は、勤務開始が5時〜16時59分で飛行2回以下なら10時間、17時〜4時59分で2回以下なら9時間と、開始の時刻だけで1時間ちがう。かつては国内線8時間・国際線12時間の一律だった上限が、なぜ時間帯と飛行回数で細かく分けられたのか。

この記事では、操縦時間・飛行勤務時間・休養という3種類の上限を、米国FAAとEUの数字と比べ、疲労管理の枠組みの中で上限がどう組み立てられているかが分かる。

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1. あさに はじまる 日と、よるに はじまる 日で、なにが ちがうの?

1. 朝に始まる日と夜に始まる日で、上限が1時間ちがう

1. 勤務開始の時刻と飛行回数が、2人乗務の操縦時間の上限を決める

あさ 7じに しごとを はじめる パイロットと、よる 9じに はじめる パイロットが います。どちらも 機長きちょうと 副操縦士ふくそうじゅうしの 2人で のります。

日本では、1日に とぶ 回数が 2回までの 日、ひこうきを うごかして よい 時間の 上限じょうげんは、あさ 5じから ゆうがた 5じの まえに はじまると 10じかん。よる 5じから あさ 5じの まえに はじまると 9じかんです。とぶ 回数が 3回いじょうに なると、どちらも さらに 1じかん みじかく なります。

よなかに おきて いるのは、体に とって つかれやすい ことです。夜ふかしを した 次の 日は、あさから ぼんやり しませんか。日本は、パイロットの つかれを ためない ように する しくみの 一つとして、この きまりを つくりました。

ただし、これは 日本の きまりです。ほかの 国では、数字が ちがいます。

朝の7時に勤務を始めるパイロットと、夜の9時に始めるパイロットがいるとします。どちらも機長と副操縦士の2人で乗ります。国土交通省の発表によると、日本では、勤務の開始が5時から16時59分までで、1日の飛行が2回以下なら、操縦する時間の上限は10時間です。開始が17時から翌朝4時59分までなら、同じ2回以下でも9時間です[1]。

飛行の回数が3回以上になると、さらに1時間短くなります。朝に始まる日は9時間、夜に始まる日は8時間です。つまり夜に始まり回数も多い日は、朝に始まり回数が少ない日より2時間短くなります[1]。

夜に始まる勤務や飛行回数の多い日ほど、操縦できる時間を短くしている、ということです。国土交通省は、この見直しを国際民間航空機関(ICAO)の基準を受けた疲労管理の仕組みの一部として位置づけています[1][2]。個々の数字を決めた根拠までは、発表の文章に示されていません。

この数字は、朝と夜の差をひと目で示すための目安です。細かい表は事業者ごとの運航規程と、国の通達に書かれています。

日本の現行基準では、2人乗務の乗務時間(操縦に当たる時間)の上限は、勤務の開始時刻と、その日の飛行回数の組み合わせで決まる。国土交通省の発表によれば、開始が5:00〜16:59なら、飛行2回以下で10時間、3回以上で9時間である。開始が17:00〜4:59なら、2回以下で9時間、3回以上で8時間になる[1]。夜に始まり回数が多い日は、朝に始まり回数が少ない日より2時間短い。

では、なぜ時間帯と回数が上限を動かすのか。国土交通省の発表は、これまで一律に定めていた上限を「乗務する時間帯や1日の飛行回数に応じた値」に見直したと述べ、国際民間航空機関(ICAO)の基準を受けた疲労管理の考え方の一部に位置づけている[1][2]。夜に始まる勤務や飛行回数の多さに応じて、操縦できる時間を短くしている、ということだ。個々の数字を決めた根拠までは、発表文に示されていない。

この数字の出どころにも注意がいる。ここで示した表は発表文の要約から読んだ値で、別添の表そのものではない。また対象は、最大離陸重量5.7トン以上の飛行機を使う日本の航空運送事業者である[1]。数字を暗記するより、夜と回数が上限を縮める向きを押さえるほうが、他国との比較に役立つ。

2. ひこうきを うごかす 時間の ほかに、どんな 時計が あるの?

2. 乗務時間のほかに、勤務の長さと休養にも上限がある

2. 操縦時間のほかに、飛行勤務時間と休養に別の上限があるのはなぜか

パイロットは、ひこうきに のる まえにも しごとを して います。しごとの まえの うちあわせ(ブリーフィング)です。

日本では、2019ねんに きまりが かわり、うちあわせの 時間から のり おわるまでを「ひこう勤務きんむ時間」と して、べつに 上限じょうげんが つきました。2人で のる ときは 9じかんから 13じかんの あいだで、はじまる 時間と とぶ 回数で かわります。

パイロットには、3つの 時計が あると 考えると わかりやすいです。ひとつめは、ひこうきを うごかす 時間。ふたつめは、うちあわせから おわりまでの 長さ。みっつめは、つぎの しごとまでの 休みです。

学校で たとえると、じゅぎょうの 時間と、家を 出てから もどるまでの 時間と、ねる 時間の ようなものです。ただし、本当は 学校の きまりとは まったく ちがう ものです。

パイロットの仕事は、操縦席に座っている時間だけではありません。乗務の前には打ち合わせ(ブリーフィング)などもあります。日本の基準は2019年に、乗務時間とは別に「飛行勤務時間」の上限を新しく設けました。勤務を始めてから乗務を終えるまでの長さで、乗務前のブリーフィングなども含みます[1]。

2人乗務の飛行勤務時間の上限は、勤務を始める時間帯が5区分、飛行回数が9区分に分かれ、9時間から13時間の範囲です。3人乗務なら14時間から17時間で、機内に休める設備があるかどうかでも変わります[1]。

これで、パイロットには3つの時計があることになります。1つめは操縦している時間、2つめは勤務を始めてから終えるまでの長さ、3つめは次の勤務までの休養です。どの時計にも上限があり、1つだけ守っても足りません。

3人乗務では、操縦する時間の上限が15時間になります。機内に適切な仮眠の設備を置くことが条件です[1]。交代で休めるから長くできる、という考え方です。

日本の新基準の大きな特徴は、乗務時間(操縦に当たる時間)とは別に、飛行勤務時間の上限を新設したことにある。飛行勤務時間とは、仕事を始めてから飛行を終えるまでの長さで、飛行前の打ち合わせ(ブリーフィング)なども含む[1]。ブリーフィングや移動で拘束される時間も、疲れに関わると見なしたことになる。

数字は、2人乗務で9〜13時間(勤務を始める時間帯5区分と飛行回数9区分で決まる)、3人乗務で14〜17時間(仮眠設備の種類3区分と飛行回数2区分で決まる)である[1]。3人乗務の乗務時間の上限は15時間で、機内に適切な仮眠設備があることが条件になる。交代で休めるので長く操縦させられる、という組み立てだ。

つまり日本の基準には3つの時計がある。操縦する時間、勤務の開始から終了までの長さ、次の勤務までの休養である。操縦の合計が短くても、待機や打ち合わせで勤務が長引けば疲れる。そのため操縦時間だけを見る基準では足りず、勤務全体に上限をかけた、と整理できる。ただしこれは資料の項目の関係からの整理で、国が理由をこう明言した文章ではない。

3. 休みは 10じかんなのに、ねむる 時間は 8じかん?

3. 休養の10時間のうち、8時間は眠るための時間

3. 休養の基準は、睡眠の確保と、時差・深夜早朝の追加休養で組み立てられている

つぎの しごとまでの 休みは、日本の きまりで 10じかん いじょうです。そのうち 8じかんは、ねむる ための 時間として のこす ことに なって います。

10じかんぜんぶが ねる 時間では ありません。しょくじを したり、ホテルまで いどうしたり、シャワーを あびたり するからです。

よなかや あさ はやくの しごとの あとは、2じかんから 4じかん さらに 休みます。外国から もどる ときは、時間の ずれ(じさ)の ぶんも、休みが ふえます。

1しゅうかんに 1日は 休みに なる、という きまりも ありました。いまは、つづけて 36じかん いじょうの 休みを とる ことに なって います。この 休みには、夜が 2回 ふくまれます。

日本の基準では、乗務と乗務のあいだに、10時間の休養を求めています。そのうち8時間は、睡眠をとるための時間として確保します[1]。10時間のすべてが寝る時間ではないのは、食事や移動、入浴にも時間がかかるからです。

深夜や早朝にまたがる勤務のあとは、2〜4時間の追加休養が求められます。時差のある地域へ飛んだあとは、到着した地で時差の時間数の半分にあたる追加休養、さらに本拠地へ戻ってからも2〜5夜の休養が必要です[1]。海外に行って時差ぼけを経験した人なら、体内時計が現地に合うまで時間がかかることを実感できるでしょう。

定期的な休みも見直されました。以前は7日に1日でしたが、新基準では168時間ごとに2夜を含む連続36時間以上です[1]。休日に「夜が2回入る」という条件が、睡眠を数える視点を表しています。

ただし、休養や睡眠の細かい数字は、国土交通省の発表の要約から読んだものです。実際の運用は航空会社ごとの運航規程にも書かれます。

休養については、日本の新基準は「何時間休むか」を、睡眠が取れる前提で明確にした。乗務の間に10時間の休養を求め、そのうち8時間は睡眠を確保する。深夜・早朝にかかる業務のあとは2〜4時間の追加休養を与える[1]。休養の中身を、睡眠時間にまで分けて決めている点が特徴だ。

国際線では時差が加わる。時差のある運航のあとは、到着地で時差の時間数の半分にあたる追加休養を取り、本拠地へ戻ってからも2〜5夜の休養を取る[1]。体内時計が現地の昼夜に合うまでには時間がかかるため、到着後すぐに別の勤務へ入ると睡眠が足りなくなる。この点は上の追加休養の目的に合うが、国の文章が理由をそう書いているわけではない。

定期休養も改められた。従来は7日に1日だったが、新基準は168時間ごとに、2夜を含む連続36時間以上とする[1]。「日」ではなく「夜」を数える点に注目したい。昼間に半日休んでも、夜の睡眠は取れないからである。

なお、これらの休養の数字は国土交通省の発表の要約から読んだ値であり、別添の表は読めていない。細かい条件は、読者が発表文と通達で確かめてほしい。

4. アメリカも、はじまる 時間で 上限じょうげんを ちがえて いるの?

4. 米国も、報告する時刻で操縦時間の上限を変えている

4. 米国FAAのPart 117は、報告時刻・累積時間・休養の3つで組み立てられている

アメリカにも、パイロットの 時間の きまりが あります。2014ねんの 1月に はじまった「Part 117(パート 117)」という きまりです。

パイロットが しごとの はじまりを つたえる じかんが、よなかの 0じから 4じ59ふんなら 8じかん。5じから 19じ59ふんなら 9じかん。20じから 23じ59ふんなら 8じかん。ひこうきを うごかして よい 時間の 上限じょうげんが、こう かわります。

日本の 数字とは ちがいますが、あさは 長く、よるは みじかく する という むきは にて います。

のべの 時間にも 上限じょうげんが あります。28日で 100じかん、1ねん(365日)で 1000じかんです。休みは、しごとの まえに 10じかん つづけて、うち 8じかんは ねむれる ように します。

米国では、連邦航空局(FAA)の規則「Part 117」が、旅客機を運航する会社の操縦士に適用されています。2012年に公表され、2014年1月から施行された規則です[6]。FAAは、疲れがパイロットのミスの危険を高めることを根拠にしています。

操縦する時間の上限は、勤務の報告時刻で決まります。機長と副操縦士だけの通常運航で、体がその地の時刻に慣れている場合は、0時から4時59分に報告すると8時間、5時から19時59分なら9時間、20時から23時59分なら8時間です[3]。日本と数字は違いますが、朝が長く夜が短い向きは同じです。

累積にも上限があります。操縦時間は連続する672時間(28日)で100時間、365日で1,000時間。飛行勤務時間は168時間(7日)で60時間、672時間で190時間です[4]。休養は、勤務の前に連続10時間以上で、そのうち8時間は中断されない睡眠の機会があること、さらに168時間のうち連続30時間は勤務なしとしています[5]。

上限の考え方が「1日の長さ」「1週間・1か月の積み重ね」「寝る時間」の3方向にあることは、日本と同じです。

米国では、連邦航空局(FAA)が連邦規則集第14編のPart 117で、旅客運航(part 121)の乗員の乗務時間・勤務時間・休養を定めている。2012年1月に公表(77 FR 330)、2014年1月14日に施行され、FAAは疲労がパイロットのミスの危険を高めることを根拠とした[6]。これは検索で得た要約にもとづく記述で、規則の前文までは読んでいない。

操縦時間(flight time)の上限はTable Aに示される。機長と副操縦士だけの通常運航で、時差に慣れた乗員の場合、報告時刻が0000〜0459なら8時間、0500〜1959なら9時間、2000〜2359なら8時間である[3]。昼間が長く、深夜と夜が短い。日本の基準とは数字も区分も違うが、時間帯で上限を変える発想は共通している。

累積の上限は117.23にある。操縦時間は連続672時間(28日)で100時間、365日で1,000時間。飛行勤務時間は連続168時間で60時間、672時間で190時間である[4]。休養は117.25で、勤務前に連続10時間以上(うち8時間は中断されない睡眠の機会)、かつ168時間のうち連続30時間は勤務から離れると決められている[5]。日本の「連続10時間のうち8時間は睡眠」と数字が重なるのは注目点だ。

一方、Table Bの飛行勤務時間の上限は、開始時刻と区間数の組み合わせで決まり、表が大きいためここでは数字を載せない。読むなら、原文の表を直接見ること。

5. ヨーロッパでは、とぶ 回数が ふえると どう かわるの?

5. EUの基準では、飛行が1回増えるたびに30分短くなる

5. EASAの飛行勤務時間は区間数に応じて縮み、機長の判断で延ばせる幅も決まっている

ヨーロッパの EUにも、おなじ ような きまりが あります。しごとの 時間の 上限じょうげんが、とぶ 回数で かわります。

あさ 6じから 13じ29ふんに はじまる 日、1回か 2回 とぶだけなら、しごとの 長さは 13じかんまで。とぶ 回数が 1回 ふえるたびに、30ぷんずつ みじかく なって、10回なら 9じかんです。

とぶ 回数が ふえるほど、りくと そらを 行き来して、気を つかう 場面が ふえるからだ、と 考えられます。ただし、くわしい わけは、見た 本には かいて ありません。

もし、びょうきの 人が 出たり、てんきが わるく なったり して、おもいがけない ことが おきたら、機長きちょうが はんだんして、2じかん まで のばせます。

EUでは、欧州航空安全機関(EASA)の規則が、パイロットの勤務時間の上限を決めています。基準の時刻に慣れた乗員が、朝6時から13時29分に勤務を始めた場合、飛行勤務時間の上限は、飛行が1〜2回のあいだ13時間です。飛行が1回増えるごとに30分短くなり、10回では9時間になります[8]。

飛行が増えると、離陸や着陸も増えます。規則は、飛行回数に応じて勤務時間の上限を短くしています。なぜその幅なのか、理由までは資料に書かれていません。

この規則には、予期しない事態に備える仕組みもあります。機長が最終的に判断し、勤務時間を最大2時間延ばすことができます[8]。上限は、守らなければならない線であると同時に、現場の判断を認める線でもあります。

累積の上限は、勤務時間が7日で60時間、14日で110時間、28日で190時間。操縦時間は28日で100時間、暦年で900時間、連続する12か月で1,000時間です[7]。米国も28日で100時間なので、操縦時間の28日の上限は米国とEUで同じ数字です。

EUでは、欧州航空安全機関(EASA)の規則(ORO.FTL)が、勤務時間と操縦時間の上限を定める。基本の最大飛行勤務時間は、基準時刻に慣れた乗員が6:00〜13:29に勤務を始めた場合、1〜2区間で13時間である。区間が1つ増えるごとに30分縮み、10区間で9時間になる[8]。1日の勤務長を、区間数という「作業のかたまり」の数で調節している。

ここには、予期せぬ事態に対応する条項がある。機長の裁量で、飛行勤務時間は最大2時間延長できる[8]。上限を守ること自体が目的ではなく、安全に着陸して乗員が休めるところまで運ぶことが目的だ、という発想がうかがえる。ただし、延長した場合の記録や追加休養の詳しい扱いは、ここでは扱わない。

累積では、EUの勤務時間は7日で60時間、14日で110時間、28日で190時間、操縦時間は28日で100時間、暦年で900時間、連続12か月で1,000時間である[7]。米国も28日(672時間)で100時間の操縦時間、7日(168時間)で60時間の勤務時間であり[4]、EUと一致する。ただし米国の年間は365日で1,000時間、EUは暦年で900時間と連続12か月で1,000時間と、区切り方が違う。

このEUの数字は規則の解説ページと検索結果の要約から読んだもので、規則の全文は読んでいない。区分や例外の細部は一次資料で確かめてほしい。

6. この 数字は、だれが きめて、だれが まもらせて いるの?

6. 国の枠組みを受け、航空会社が上限を定める:2019年に日本が変えたもの

6. ICAOの枠組みの中で、日本は2019年に一律の上限を時間帯と回数に応じた値へ移した

国ごとに ちがう 数字でも、せかいの きまりに あわせて います。せかいの ひこうきの きまりを あつかう ICAO(アイシーエーオー)という ところが、パイロットの しごとの 時間の きまりを、それぞれの 国で つくる ように きめて います。

日本では、2019ねん10がつ1日から、いまの きまりが はじまりました。それまでは、2人で のる ときは、くにない線で 8じかん、こくさい線で 12じかん という、いつも おなじ 上限じょうげんでした。

いまは、ひこうきの 会社が じぶんの 会社の きまりに 上限じょうげんを かいて、国が かくにんします。国が きめた 上限じょうげんを まもる ほかに、つかれを しらべながら 会社ごとに くふうする やり方も あります。

日本の 数字は、いつも おなじ 8じかんと 12じかんから、あさと よるや、とぶ 回数を 見る きまりへ かわりました。

2019年7月5日、国土交通省は操縦士の乗務時間の上限を見直すと発表しました。それまでは、2人乗務の国内線で8時間、国際線で12時間という一律の基準でした。見直し後は、乗務する時間帯と1日の飛行回数に応じた値になります。施行は2019年10月1日で、システムの大幅な改修が必要な事業者には2021年12月31日までの猶予がありました[1]。対象は、最大離陸重量が5.7トン以上の飛行機を使う日本の航空会社です。

この枠組みの出発点は、国際民間航空機関(ICAO)です。ICAOの附属書では、各国が乗務時間・勤務時間・休養の規則を定めます。航空会社は、国が決めた上限を守るか、疲労リスク管理システム(FRMS)を使うか、両方を組み合わせて対応します[9]。

日本は2019年3月に「操縦士の疲労管理の考え方」をまとめ、同年7月に通達を改正しました。航空会社が運航規程の中で乗務時間の上限などを定め、国が審査と監査で確認する仕組みです[2]。上限の数字そのものは法律の本文ではなく、通達にあります。

数字は国ごとにちがいますが、朝と夜、飛行の回数、睡眠という三つの視点は共通しています。違うのは、どこに線を引くかです。

日本の変更は、国際的な枠組みの中にある。ICAO附属書6は、運航者の所属国が乗務時間・勤務時間・休養の規則を定め、事業者は国の定めた上限(prescriptive)を守るか、疲労リスク管理システム(FRMS)を使うか、その組み合わせで満たすとする[9]。FRMSの導入年は資料によって食いちがうため、ここでは年を扱わない。

この枠組みを受けて、日本は2019年3月に「操縦士の疲労管理の考え方」をまとめ、7月に通達を改正した。同年7月5日、国土交通省は、2人乗務で国内線8時間・国際線12時間という一律の上限を、乗務する時間帯と1日の飛行回数に応じた値に見直すと発表した。施行は10月1日で、大幅なシステム改修が必要な事業者には2021年12月31日までの猶予があった。対象は最大離陸重量5.7トン以上の飛行機を使う本邦航空運送事業者である[1][2]。

法的な位置づけにも注意が要る。航空会社が運航規程で上限を定め、国は審査・監査で確認する仕組みで、数字は通達(審査要領細則)の側にある。法律本文に数字が書かれているわけではない[2]。

米国は2012年に規則を公表し2014年に施行、日本は2019年に改めた。三つの地域とも、一律の上限から、時間帯・区間数・睡眠を考慮した上限へと向かっている点は共通する。ただしその流れを一本の年表で説明するには、各国の改正の経緯を示す資料が足りない。

7. 自分の 1日を、3つの 時計で かぞえて みよう

7. 自分の一日を、パイロットの3つの時計で数えてみる

7. 自分の一日を3つの時計で数え、原典の表に当たる

きょう できる こと

きのうの よるから けさまでを、かみに かいて みましょう。ねた 時こくと、おきた 時こくを かきます。そして、つづけて 8じかん ねむれたか かぞえます。パイロットの 休みは、10じかんの うち 8じかんが ねむる 時間です。

けさの 気もちも、ひとことだけ かいて おきましょう。

しらべる とき

国土交通省こくどこうつうしょうの ウェブサイトに、パイロットの つかれに ついての おしらせが あります。おうちの 人と いっしょに みて みましょう。

今日できること

昨日の夜から今朝までを紙に書きます。寝た時刻、起きた時刻を書き、その間に連続で何時間眠れたかを数えます。パイロットの休養は、10時間のうち8時間が睡眠の機会です。自分の一日に当てはめて、8時間に届くか見てください。

今朝の気分も一言だけ添えて記録します。ただし、これは自分の様子を見るだけで、体調の診断にはなりません。

資料を読むなら

国土交通省の報道発表「操縦士の疲労管理」[1]は、日本語で読めます。見直しの内容が、簡単な文章でまとめてあります。家の人といっしょに読めます。

今日できること

昨夜から今朝までの就寝・起床時刻を書き、連続した睡眠が何時間あったかを数える。基準にある「休養10時間のうち8時間は睡眠」を自分の一日に当てはめる作業だ。昨日の自分の休みを「睡眠」「食事・移動」「起きていた時間」に分けて書き、8時間の睡眠が確保できたかを見るのもよい。朝の様子を一言添えると、休養が日中の状態に関わる様子を、自分の体で観察できる。

資料を読むなら

国土交通省の報道発表[1]が、日本の見直しの一次資料になる。数字の表は別添PDFにあるので、記事の数字は必ずそちらで照合してほしい。米国はFAAのPart 117(14 CFR 117.23、117.25、Table A)[3][4][5]、EUはEASAのORO.FTL[7][8]、国際的な枠組みはICAO附属書6[9]が出発点になる。これらは英語の資料なので、まず日本語の発表で全体像をつかみ、自分が気になった数字だけを原文で確かめるのが現実的だ。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

本文で使った資料です。表の数字は一部、要約から読んだものです。

  1. 国土交通省 報道発表資料(2019年7月5日、操縦士の疲労管理). https://www.mlit.go.jp/report/press/kouku10_hh_000165.html (日本の乗務時間・飛行勤務時間・休養の基準)
  2. 国土交通省 客室乗務員の疲労管理に関する検討会資料. https://www.mlit.go.jp/koku/content/001966036.pdf (日本の疲労管理制度の経緯)
  3. 14 CFR Part 117 Table A(Cornell Law School LII). https://www.law.cornell.edu/cfr/text/14/appendix-Table_A_to_part_117 (米国の操縦時間の上限)
  4. 14 CFR 117.23(Cornell Law School LII). https://www.law.cornell.edu/cfr/text/14/117.23 (米国の累積上限)
  5. 14 CFR 117.25(Cornell Law School LII). https://www.law.cornell.edu/cfr/text/14/117.25 (米国の休養の基準)
  6. Federal Register, Flightcrew Member Duty and Rest Requirements(2012年1月4日). https://www.federalregister.gov/documents/2012/01/04/2011-33078/flightcrew-member-duty-and-rest-requirements (米国の規則の公表と施行)
  7. EU Regulation 83/2014(EUR-Lex). https://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/HTML/?uri=CELEX:32014R0083 (EUの累積上限)
  8. ORO.FTL.205 Flight duty period(UK CAA Regulatory Library, EU 965/2012). https://regulatorylibrary.caa.co.uk/965-2012/Content/Regs/05130_ORO.FTL.205_Flight_duty_period_FDP.htm (EASAの飛行勤務時間)
  9. ICAO Annex 6 Part I(Fatigue Management 抜粋). https://www.icao.int/safety/fatiguemanagement/Fatigue%20Management%20Docs/FM_Annex%206%20Pt1.pdf (国際的な疲労管理の枠組み)

なおした ところ

更新履歴

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