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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

ウメ・アンズ・スモモは、モモと どのくらい 近い なかまなの?

ウメ・アンズ・スモモとモモの近さは、何で決まるのか

スモモとの交配で生まれた赤いウメ「露茜」から、モモとの近さを考える

分野:生きもの

モモの えだを、ウメの 木に つなぐ じっけんでは、「あいしょうが わるい」と はんだんされました[4]。ところが、ウメと スモモを かけ合わせると、中まで 赤い ウメの 新しい ひんしゅ「つゆあかね」が うまれました[2]。

どれも「近い なかま」と いわれるのに、どうして こんな ことが おきるのでしょう。この ページを 読むと、ウメ・アンズ・スモモと モモの 近さが、見る ところに よって ちがって 見えるわけが わかります。

モモの品種「あかつき」をウメとつなぐ接ぎ木の実験では、相性が悪いと判定されました[4]。ところがそのウメは、スモモと交配すると、果肉まで赤い品種「露茜」を生み出しています[2]。どちらも「近い仲間」の話のはずなのに、なぜ結果が食いちがって見えるのでしょうか。

この記事を読むと、ウメ・アンズ・スモモとモモが、果実の形、交配、接ぎ木、DNAという別々の物差しでどう見えるかと、「どのくらい近いか」の答えが物差しや分類のしかたで変わることが分かります。

モモの品種「あかつき」とウメを接ぎ木でつなぐ実験では、接ぎ木親和性が低い、つまり相性が悪いと判定された[4]。一方、そのウメは、ニホンスモモとの交雑から、果肉まで赤い品種「露茜」を生んでいる[2]。どちらも「近縁」という語で説明される関係なのに、結果は逆向きに見える。

では、近縁とは何を測った言葉なのか。この記事を読むと、果実の構造、交雑、接ぎ木、ゲノムと分子系統という物差しごとにモモとの距離がどう見え、「同じ亜属かどうか」が分類体系で変わることが分かる。

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1. うめぼしの たねと、モモの たねは、にて いない?

1. 梅干しの種と桃の種は、どこが似ているのか

1. 梅干しの種と桃の種に共通する構造は、分類上どう扱われるのか

うめぼしを 食べると、中から かたい ものが 出て きます。モモを 半分に 切っても、まん中に かたい かたまりが あります。

どちらも、かたい から の 中に たねが あり、その からの まわりを やわらかい 実が つつんで います。この 形の 実を「かくか」と いいます[1]。

のうりんすいさんしょうは、モモ、スモモ、ウメ、アンズ、サクランボなどを、バラ科の サクラぞくの 木として ひとまとめに あつかって います[1]。ウメは 中国の 中ごろが ふるさとで、ならじだいより 前に 日本へ 来たと せつめいされます[9]。

つまり、みんな 同じ 大きな なかまです。でも、その 中にも、もっと 近い グループが あるようです。それは どれでしょう。

梅干しを食べると、中から硬い種のようなものが出てきます。桃を割っても、真ん中に硬い塊があります。どちらも、硬い殻に包まれた種を、果肉がぐるりと包む形です。

この形の果実を「核果」と呼びます[1]。農林水産省は、モモ、スモモ、ウメ、アンズ、サクランボなどを、バラ科サクラ属の果樹としてまとめて「核果類」の作物群に入れています[1]。

ちなみにウメは、中国中部が原産地で、奈良時代より前に日本へ渡ってきたと説明されています[9]。身近な梅干しの木は、もとは海の向こうから来た仲間です。

つまり、ここに挙げた果物は、みな同じサクラ属の親戚です。そのなかで、モモに近いのは誰なのでしょうか。

梅干しの種と桃の種を並べると、硬い殻(内果皮)に包まれた種を、果肉が囲む構造が共通している。この構造をもつ果実が核果で、農林水産省は、モモ・ネクタリン・スモモ・アンズ・ウメ・オウトウなど、バラ科サクラ属の果樹を「核果類」という一つの作物群にまとめている[1]。ウメは中国中部の原産とされ、奈良時代より前に日本へ渡来して、九州などで野生化したと記述されている[9]。

ただし、核果類という括りは、果実の形と栽培上の扱いによるものである。農薬の登録制度で作物をまとめる作物群であり、遺伝的な近さを精密に順位づけしたものではない。

では、同じ核果類のなかで、ウメ・アンズ・スモモはモモとどれほど離れているのか。ここからは、距離を測る方法ごとに見ていく。

2. ウメ・アンズ・スモモは、モモより おたがいに 近いの?

2. ウメ・アンズ・スモモは、モモより互いに近いのか

2. ウメ・アンズ・スモモが「スモモ亜属」に入るとは、何を意味するのか

こたえの 中心は、こうです。のうぎょうの けんきゅう所の しりょうでは、ウメ、スモモ、アンズは、「スモモあぞく」という、もっと 近い グループに 入ると かいて あります[2]。モモは、その グループとは ちがう あつかいです。

この 近さは、かけ合わせでも 見えます。スモモあぞくの なかまどうしを かけ合わせる 研究では、ウメや アンズの 花ふんを スモモに つけると、わりあい よく 実が できたと ほうこくされています[5]。

そして 1993年、赤い 実の スモモに ウメの 花ふんを かけ合わせて うまれた 木から、「つゆあかね」が えらばれました[2]。実の 中まで 赤く、かたちや つかい方が ウメに 近いので、ウメの ひんしゅとして とうろくされました[3]。

ニホンスモモと アンズを かけ合わせた ものも あります。「プラムコット」と よばれ、アメリカや ヨーロッパで つくられて います[10]。

では、モモと ウメは、つなぐこと ができるのでしょうか。

農研機構の技報では、ウメはニホンスモモやアンズとともに、サクラ属の「スモモ亜属」に属すると説明されています[2]。モモは、この仲間とは別のグループとして扱われます。ウメ・アンズ・スモモは、モモよりお互いに近い、というのが基本の見方です。

その近さは、交配に表れます。スモモ亜属どうしの交雑を調べた研究では、ミロバランスモモやニホンスモモにウメやアンズの花粉をつけたとき、比較的よく実がついたと報告されています[5]。

実際にできた例が、ウメの品種「露茜」です。1993年に、果肉の赤いニホンスモモにウメ「養青梅」を交配し、育った苗から選ばれました[2]。親に赤い果肉のスモモを使いましたが、果実の特徴や使い方がウメに近いので、品種登録上は「ウメ」です[3]。

ニホンスモモとアンズの雑種は「プラムコット」と呼ばれ、欧米で多く栽培されています[2]。研究では、アンズの性質をスモモに取り入れる交配も行われています[10]。

ウメとスモモは、混ざって新しい果実になるほど近い。では、モモとウメはどうなのでしょうか。

結論から言えば、農研機構の技報は、ウメがニホンスモモやアンズとともにサクラ属スモモ亜属に属すると述べる[2]。モモはこの亜属に入れられず、ウメ・アンズ・スモモの三者のほうが、互いに近いとみなされる。この「亜属」は、属の下の分類段階であり、同じ亜属は同じ属のなかでもとくに近い、という意味になる。

この近さは交配で確かめられている。スモモ亜属どうしの種間交雑の研究では、ミロバランスモモとニホンスモモに、ウメやアンズの花粉を受粉させると、比較的高い結実率が得られた[5]。

実例が、ウメの品種「露茜」である。1993年に、果肉の赤いニホンスモモに、ウメ「養青梅」を交雑し、得られた実生から選抜した[2]。親に赤肉のスモモを使った雑種だが、果実の特徴と利用のされ方がウメに近いため、品種登録は「ウメ」である[3]。ニホンスモモとアンズの雑種はプラムコットと呼ばれ、欧米で多く栽培される[2]。研究では、自家和合性があり、プラムポックスウイルスに抵抗性をもつアンズを、ニホンスモモに交配した例がある[10]。なお、プラムコットの親はニホンスモモとアンズで、ウメは含まれない。

ここまでは、スモモ亜属の内側の話である。では、亜属の外にいるモモとウメは、つなぎ合わせることができるのか。

3. モモと ウメは、つなぐと どうなるの?

3. 接ぎ木で、モモとウメの相性はどう出たのか

3. 接ぎ木親和性の結果は、近縁度を直接示すのか

くだものの 木では、ほかの 木の えだを つなぐ「つぎ木」を よく します。木の 根の 部分を 台木(だいぎ)と いい、その 上に つなぐ えだを「ほぎ」と いいます。

けんきゅうでは、モモの ひんしゅ「あかつき」を、いろいろな 木と つないで みました。ウメは、あいしょうが よくない(つぎ木の あいしょうが ひくい)と はんだんされました[4]。アンズと ミロバランスモモ(スモモの なかま)も、同じ はんだんでした[4]。

ここで おもしろい ことが あります。ウメ・アンズ・スモモは おたがいに 近い グループなのに、モモとの つぎ木は、みんな うまく いかなかった のです。

ただし、なぜ そう なるのかは、しりょうの 中では せつめいされて いません。

じゃあ、つぎ木の あいしょうが わるければ、遠い なかま ということ なのでしょうか。

接ぎ木は、ある木の枝(穂木)を、別の木の根の部分(台木)につなぐ技術です。モモの品種「あかつき」を穂木にして、いろいろな種類の木との相性を調べた研究があります。

その結果、ウメは接ぎ木親和性が低い、つまり相性が悪いと判定されました[4]。アンズと、スモモの仲間のミロバランスモモも、同じ判定でした[4]。

ウメ・アンズ・スモモは互いに近いグループなのに、モモとはどれも合いませんでした。ただ、接ぎ木の結果だけでモモとの近さは決められません。これだけ見ると「モモは少し離れた仲間だ」という説明に合いますが、次の章で見るように、物差しを変えると見え方も変わります。

ただし、この研究は、相性が悪い仕組みを調べたものではありません。ウメとモモがなぜ合わないのか、資料から特定することはできません。

それに、接ぎ木の相性を、そのまま近さの尺度にしてよいのでしょうか。

モモ‘あかつき’と各種台木との接ぎ木親和性を、中間台木法で早期に検定した研究では、ウメ、アンズ、ミロバランスモモ、ママリアナ系のスモモが、いずれも「あかつき」に対して不親和と判定された[4]。スモモ亜属の三者が、そろってモモと合わなかったことになる。この結果は、モモをスモモ亜属の外に置く分類と矛盾しない。

ただし、この結果を近縁度の測定値として読むのは避けたい。この研究が不親和の判定に使った指標のうち、最も信頼できるとされたのは、葉が巻くなどの症状である[4]。つまり接ぎ木の相性は、樹の生育に現れた症状で決める表現型であり、遺伝的な距離を測った値ではない。一般に近縁種ほど相性がよいという傾向はあるが、厳密には一致しない。

また、ウメとモモがなぜ合わないのか、その仕組みも示されていない。相性は参考にはなるが、距離そのものは別の方法で測る必要がある。それが染色体とDNAである。

4. モモと ウメの 中身は、どのくらい にて いるの?

4. 染色体とDNAを見ると、モモとウメはどう見えるのか

4. ゲノムの比較で、モモとウメはどこまで近いと言えるか

生きものの からだの 中には、そだち方を きめる「いでんし」が あり、「せんしょくたい」と いう ものに 入って います。

ウメの せんしょくたいの 数は 16本(2n=16)で、じつは モモと 同じ 数だと、ウメの ゲノム(いでんしの ぜんぶ)を しらべた ろんぶんに かいて あります[6]。

つぎ木では 合わなくても、せんしょくたいの 数は 同じ。モモと ウメには、ちゃんと 近い ところが あります。

モモの たねの 中に 入って いる なかみ(じん)は、アーモンドの たねに よく にて います[8]。アーモンドも、モモや ウメに 近い なかまです。

では、近さの じゅんばんは、DNAを しらべれば ぴたりと きまるのでしょうか。

近さを測る別の物差しが、染色体とDNAです。ウメの全遺伝情報(ゲノム)を解読した論文には、ウメの染色体数が2n=16と書かれています[6]。モモと同じ数です。これは、バラ科の進化を考える上で重要なデータとされています。

種子の形にも手がかりがあります。モモの核の中の種子(仁)は、アーモンドの種子とよく似ていると説明されています[8]。アーモンドも、モモやウメに近い仲間です。

こうして見ると、接ぎ木で合わなくても、モモとウメには共通点がたくさんあります。染色体数が同じだからといって、近さが決まるわけではありませんが、モモとウメが、まったく別々の植物ではないことは見えてきます。

それでは、DNAの比較をしていけば、近さの順番はきれいに一つに決まるのでしょうか。

接ぎ木が生育に現れる症状を見る物差しなら、ゲノムは遺伝情報を見る物差しである。ウメのゲノム解読の論文は、ウメの染色体数が2n=16であると記す[6]。これはモモと同じで、バラ科の進化を調べる際の基礎データになっている。

形態の手がかりもある。モモの核に入る種子(仁)は、アーモンドの種子とよく似ており、モモ・ウメ・アーモンドが近い仲間であることを示す例として挙げられる[8]。

ただし、染色体数が同じであることや、種子が似ていることは、近さの一側面にすぎない。数や形が同じでも、遺伝子の並びや配列には違いがあるからだ。実際、ウメとモモはスモモ亜属の内と外に分かれていながら、染色体数は同じである。ここから、「同じ亜属かどうか」と「染色体数が同じか」は別の問題だと分かる。

では、DNAの配列そのものを比較する分子系統学は、近さの順番を一つに決められるのか。

5. 「近さ」の じゅんばんは、ひとつに きまるの?

5. 「近さ」の順番は、一つに決まるのか

5. 分子系統でも、種の近さの順序は確定しないのか

近さの じゅんばんは、まだ きまって いない ところが あります。

サクラぞくを、たくさんの DNAの ばしょで しらべた けんきゅうが あります。そこでは、ウメと マンシュウアンズが、ユスラウメの なかまと 一つの まとまりを つくりました[7]。

また、細ぼうの「かく」の DNAで つくった 木と、「ようりょくたい」の DNAで つくった 木が、くい ちがう ところも ありました[7]。

さらに、サクラぞくを いくつの「あぞく」に わけるかは、わける 人に よって ちがいます。レーダーという 人は、5つに わけました[7]。

だから「同じ あぞくか どうか」は、どの わけ方を つかうかで かわります。

こたえは、「ウメ・アンズ・スモモは モモより 近い なかま。でも、近さは 見る ところで かわる」です。

この 話を、台所で たしかめて みましょう。

近さの順番には、まだ決まっていない部分があります。サクラ属の系統をRAD-seqという方法とプラスチドゲノムの解析で調べた研究では、アンズ節のうちマンシュウアンズとウメが、ミクロケラスス節(ユスラウメの仲間)と一つのまとまりをつくりました[7]。

同じ研究では、細胞の核のゲノムから作った系統樹と、葉緑体ゲノムから作った系統樹が食いちがう部分もありました。とくに、一輪ずつ花が咲くグループで目立っています[7]。調べるDNAによって、近さの順序が変わることがあるのです。

さらに、サクラ属を何個の亜属に分けるかも、研究者によって違います。レーダー(Rehder)は5つの亜属に分けました[7]。分類者によって亜属の区切りが変わるので、「同じ亜属かどうか」は、どの体系を使うかによって答えが動きます。

だからこの記事の答えは、こうなります。農研機構の区分では、ウメ・アンズ・スモモはスモモ亜属に入り、モモとは別のグループです。ただし「どのくらい近いか」は、交配、接ぎ木、DNAのどれで測るか、どの分類を使うかで見え方が変わります。

この「見え方の差」は、台所でも少し確かめられます。

分子系統でも、答えは一つに定まらない。サクラ属をRAD-seqとプラスチドゲノムで解析した研究では、アンズ節のマンシュウアンズとウメが、ミクロケラスス節(ユスラウメ類)と一つのクレードを形成した[7]。アンズの仲間とウメが、ユスラウメ類と並んで一つのまとまりをつくった、ということである。

さらに、核ゲノムの系統樹と葉緑体ゲノムの系統樹とのあいだにも不一致があり、とくに一輪ずつ花をつけるグループでは、複数の食いちがいが見られた[7]。どのDNAを使うかによって、種の近さの順序が変わりうるということである。

分類体系の側にも幅がある。Rehderはサクラ属を5亜属に分けたが、分類者ごとに亜属の区切りが違うため、「同じ亜属かどうか」は採用する体系で変わる[7]。本記事が「スモモ亜属」を用いているのは、農研機構の技報がその区分を採っているからである[2]。

以上から、答えはこう整理できる。ウメ・アンズ・スモモは、農研機構の区分ではモモより互いに近く、交配の結果もそれに合う。ただし接ぎ木の相性は近縁度の直接の指標ではなく、DNAの比較も解析領域と分類体系によって順序が揺れる。「近い」は、物差しを決めて初めて意味をもつ言葉である。

この「物差しで見え方が変わる」ことは、手元の果実でも少し確かめられる。

6. だいどころで、たねを 見くらべよう

6. 台所で、二つの種の形を見くらべる

6. 手元の果実で、構造の共通点と違いを観察する

おうちの 人と いっしょに やって みましょう。

うめぼしを 食べた あとの たねと、モモを 食べた あとの たねを、あらって かわかします。それを 見くらべて、大きさ、でこぼこ、形を ノートに かきます。

われた ところが あれば、中を のぞいて みましょう。かたい からの 中に、たねが 入って います。ハンマーで わるのは、ケガの もとです。かたい からは、おうちの 人に まかせるか、わらないで 見るだけに します。

また、ウメの たねの 中身には「アミグダリン」という せいぶんが 入って いて、なま で 食べると どくに なる ことが あると いわれます[9]。たねの 中身は 食べません。

もっと しりたい ときは、のうりんすいさんしょうの「さくもつぐんでの とうろく」の ページを おうちの 人と 見て みましょう[1]。

今日できる観察があります。梅干しを食べたあとの種と、桃を食べたあとの種を洗って乾かし、並べてみましょう。大きさ、表面のでこぼこ、形を、ノートに書き出します。

同じ「硬い殻」でも、違いが見つかるはずです。違いは物差しのひとつです。同じ核果類でも、見た目の物差しだけではモモとウメの距離は決められない、ということを、手の中で確かめることができます。

安全のために、種を割るときは大人に頼み、割らずに外側だけを観察するのでもかまいません。ウメの種の中身には、アミグダリンという毒になりうる成分があると説明されています[9]ので、中身は食べないでください。

もっと調べるなら、農林水産省の「作物群での登録とは」のページ[1]が、核果類のまとめ方を日本語で説明しています。

残る問いは、ウメとモモの接ぎ木の相性が悪い仕組みです。ここは資料に書かれていないので、これから調べる人が見つけられるかもしれません。

観察の手順は単純である。梅干しを食べたあとの種と、桃の種を洗って乾かし、大きさ、表面の彫り、形を記録する。同じ核果の構造でも、種の外形に違いがあることを、自分の目で確かめられる。一方、外形の違いが遺伝的な距離を表すとは限らない。見た目の物差しと、交配やDNAの物差しは、別のものだからだ。

安全上、種を割る作業は大人に任せ、無理に割らず外側だけの観察でもよい。ウメの核の中身にはアミグダリンが含まれ、毒性があるとされるので、食べない[9]。

原典に当たるなら、まず日本語の資料として、露茜の育成を述べた農研機構の技報[2]と、スモモ亜属内の交雑を扱った園芸学会の論文[5]が読みやすい。さらに詳しく知りたい場合は、英語の資料であるウメのゲノム[6]とサクラ属の分子系統[7]に進むとよい。

残る問いは二つある。ウメとモモの接ぎ木の相性が悪い仕組みは、挙げた資料に示されていない。もう一つは、核ゲノムと葉緑体ゲノムの系統樹が食いちがう理由である。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

本文の[n]は、下の出典の番号です。各資料は、調べた内容にもとづいて、自分の言葉で書きなおしています。

  1. 農林水産省「作物群での登録とは(一般の皆様へ)」 https://www.maff.go.jp/j/nouyaku/n_sasshin/group/group_public.html (核果類の範囲と果実の構造)
  2. 農研機構技報No.10「果皮と果肉が赤いウメ品種「露茜」」 https://www.naro.go.jp/publicity_report/publication/laboratory/naro/naro_technical_report/ebook/vol10/pageindices/index34.html (スモモ亜属、露茜の育成、プラムコット)
  3. 農研機構 果樹茶業研究部門「果肉まで赤いウメ「露茜」」 https://www.naro.go.jp/laboratory/nifts/tsuyuakane/index.html (ウメとして品種登録された理由)
  4. 「モモ‘あかつき’と各種台木との中間台木法による接ぎ木親和性の早期検定」 https://repository.naro.go.jp/records/1832 (接ぎ木親和性の判定とその指標)
  5. 「モモ亜属種,スモモ亜属種およびオウトウ亜属種の種間交雑」園芸学研究 17(2) https://www.jstage.jst.go.jp/article/hrj/17/2/17_147/_article/-char/ja (スモモ亜属内の交雑と結実)
  6. Zhang Q. ほか「The genome of Prunus mume」Nature Communications https://www.nature.com/articles/ncomms2290 (ウメの染色体数)
  7. 「Molecular phylogeny and inflorescence evolution of Prunus (Rosaceae) based on RAD-seq and genome skimming analyses」 https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10435964 (分子系統と亜属の区切りの違い)
  8. 福原「8-4. 動物被食散布」福岡教育大学 https://staff.fukuoka-edu.ac.jp/fukuhara/keitai/8-4.html (モモの仁とアーモンド)
  9. 北海道大学「Japanese apricot」 https://hosho.ees.hokudai.ac.jp/tsuyu/top/plt/rose/prunus/mum.html (ウメの原産地と、種の成分)
  10. The apricot as a source of self-compatibility and Plum pox virus resistance in the generation of interspecific hybrids (ISHS) https://ishs.org/ishs-article/1290_21/ (プラムコットの親)

なおした ところ

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