このサイトは、ほんの入り口です

ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

ろうがんきょうの レンズは、ちかくの じを どうやって 見えやすく して くれるの?

老眼鏡の凸レンズは、近くの文字をどうやって見えやすくしているのか

老眼鏡の凸レンズは近くの文字をどう見やすくするのか:水晶体の調節力と、見る距離の逆数

分野:からだ

40センチ はなして 本を 読むとき、ピントを あわせるのに 「2.5」という 数字ぶんの ちからが いります。ふしぎな ことに、50さいごろの 目の ちからの 目あすも、「2.5」です。ふたつは べつべつの 目あすですが、数字が ならぶと、ゆとりが 小さく なって きた ことが わかります。

では、ろうがんきょうを かけると、目の 中で なにが らくに なるのでしょう。この ページを 読むと、凸レンズとつレンズが 光を どう 曲げて、なぜ 「見る きょり」で つよさが きまるのかが わかります。

本を目から40センチ離して読むには、ピント合わせの「量」が2.5ディオプター(D)ほど必要です。ふしぎなことに、50歳ごろの目のピント合わせの力の最小値の目安も、ある式では2.5Dになります。二つは別々の目安で、個人の力そのものではありませんが、同じ数字が並ぶと、目の余裕が小さくなってきたことが見えてきます。

そのとき、老眼鏡のレンズは目の中の何を助けているのでしょうか。この記事を読むと、凸レンズが近くの文字から来る光を曲げるしくみと、レンズの強さが「見る距離」から計算できる理由、実際の老眼鏡が計算より弱めになるわけが分かります。

40センチ離した本を読むには、目はおよそ2.5ディオプター(D)ぶんのピント合わせを求められる。若い目は7〜10D前後の調節力をもつといわれ、余裕がある。ところが、ある式による50歳の最小値の目安は2.5Dで、同じ数字になる。ただし、これは距離から出した需要と年齢式の目安という別々の数字であり、個人の調節力ではない。

老眼鏡の凸レンズは、この不足を目の外から埋める道具である。この記事を読むと、レンズの度数を見る距離の逆数で考える理由と、実際の度数が理論値より弱めになる事情、使う距離で適した強さが変わることが分かる。

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1. ちかくの じが ぼやけるのは、どうして?

1. 近くの字だけぼやけてくるのは、目の中で何が変わったのか

1. 40歳前後から近くだけが見えにくくなるのは、目の中で何が変わるからか

だれかが 本を うでを のばして 読んで いるのを、見た ことは ありませんか。ちかくの じが ぼやけて、はなした ほうが 見やすく なるからです。

目の 中には、水晶体すいしょうたいという、すきとおった 小さな レンズが あります。わかい ころは、まわりの 筋肉きんにくが 水晶体すいしょうたいを ぎゅっと あつく して、ちかくに ピントを あわせます。

年を とると、水晶体すいしょうたいは かたく なって、かたちを かえにくく なります。ピントを ちかくへ うごかす ちからが 下がるので、ちかくが ぼやけます。これを ろうがんと いいます。40だいごろから 目だつ 人が ふえますが、はじまる 年れいには 人に よって ちがいが あります。

ろうがんきょうは、この かたく なった 水晶体すいしょうたいの かわりに、ピントあわせを 手つだう めがねです。つかうのは、まんなかが ふくらんだ 凸レンズとつレンズです。

近くを見るとき、若い目では毛様体筋という筋肉が水晶体をふくらませて厚くし、ピントを近くに合わせます[2]。この「ピントを動かす力」が調節力です。

年を重ねると水晶体は硬くなり、柔らかさを失って形を変えにくくなります。そのため近くを見るのに必要な調節ができなくなるのが、老視(老眼)です[1]。40代ごろから目立つ人が増えますが、始まる年齢には個人差があります[2]。

ここで大切なのは、老視は「目の大きさや形のずれ」ではなく「ピントを動かす力の低下」だということです。生まれつき焦点がずれる遠視とは別のものとして説明されます[3]。

では、弱った力を、どこで補えばよいのでしょうか。老眼鏡は、凸レンズで光を目に入る前に曲げて、近くの物を見るときの負担を軽くします[3]。

近くの物を見るとき、若い目では毛様体筋が水晶体を厚くして屈折力を上げ、焦点を近くへ動かす[2]。この「ピントを動かす力」が調節力であり、水晶体が硬く柔軟性を失って形を変えにくくなるため、この力が落ちる[2]。辞典は老視を「水晶体の弾性が弱まり、近くを見るのに必要な調節ができない状態」と説明する[1]。40代ごろから目立つ人が増えるが、始まる年齢には個人差がある[2]。

注意したいのは、老視が遠視とは別の現象であることだ。遠視は目の作りによる焦点のずれ、老視は調節力の低下として区別される[3]。

では、失われた調節力を目の外から埋めるには、何をすればよいのか。老眼鏡は凸レンズで光を目に入る前に曲げ、近見の負担を軽くする道具であり[3]、次章ではそのとき光に何が起きているのかを考える。

2. 凸レンズとつレンズは、ちかくの じを どう 見せるの?

2. 凸レンズは、近くの文字から来る光をどう変えるのか

2. 凸レンズは、近くの物から来る光を目に入る前にどう変えるのか

目に とっては、とおくの ものから 来る 光と、ちかくの ものから 来る 光は、ちがう すがたで 入って きます。とおくの ものからは、ほとんど まっすぐ 平らに そろった 光が 来ます。ちかくの ものからは、ひろがりながら 来る 光です。

ひろがる 光は、水晶体すいしょうたいが ぎゅっと あつく なって、つよく 曲げないと、ピントが あいません。かたい 水晶体すいしょうたいは、これが にがてです。

そこで 凸レンズとつレンズの 出番です。レンズが 光を 目に 入る まえに、すこし 曲げて くれます。すると、ちかくの じが、まるで すこし とおくに あるように 目に 入ります。

つまり、ろうがんきょうは、ものを 大きく する 道具では ありません。光の 来かたを かえて、水晶体すいしょうたいの しごとを 手つだう 道具です。

目に入ってくる光の姿は、物との距離で変わります。遠くの物からは、ほぼ平行にそろった光が来ます。近くの物からは、広がりながら来る光が入ります。広がる光にピントを合わせるには、水晶体が厚くなって強く曲げなければなりません。硬い水晶体には、これが苦手です。

そこで老眼鏡の出番です。凸レンズは、近くの文字から広がってくる光を、目に入る前に先に少し曲げます。すると、その文字が「もっと遠くにある物」のような光として目に届きます[3]。水晶体が自分で曲げる仕事のうち、足りない分を、レンズが外から足していると考えるとよいでしょう。

理想の場合を考えてみます。レンズの強さがちょうど合えば、本の文字から来た光は、遠くの物からのように平行になって目に入ります。度数と距離がうまく合えば、水晶体は調節をほとんど使わず、遠くを見るのに近い楽な形のままで近くの文字を見られます[5]。

ただし、ここで一つ疑問が出ます。レンズの強さは、何をもとに決めるのでしょうか。

目に入る光の姿は物体距離で変わる。遠方の点からは平行光に近い光束が来て、近方の点からは発散光が来る。発散光を網膜に結ぶには水晶体の屈折力を上げる必要があり、これが調節の本体だ[2]。硬くなった水晶体は、この屈折力の追加ができなくなる。

凸レンズはこの足りない屈折力を、目の前で補う。近くの物から広がって来る光を、目に入る前にあらかじめ曲げ、より遠くにある物からの光のように変換する[3]。極端に言えば、レンズの強さが読む距離にぴったり合う理想の場合、文字から来る光は目の手前で平行光に変わる。度数と距離がうまく合えば、目は遠くを見るときに近い、調節をほとんど使わない状態で近くの文字を見られる[5]。

つまり老眼鏡は、近くの物を拡大するのではなく、近くの物を「遠くの物の光」に見せかけて、調節力の不足を補う道具である。では、その強さはどう決まるのか。ここで効いてくるのが、ディオプターという単位だ。

3. 「+2.5」は、どこから 出て くる 数字?

3. 老眼鏡の「+2.5」という数字は、どこから出てくるのか

3. 「見る距離の逆数」が、レンズの強さと目の力を同じ単位で結ぶのはなぜか

めがねの つよさは、「ディオプター」と いう たんいで あらわします。「D」と かきます。

やりかたは かんたんです。レンズの ピントが あう きょりを、メートルで あらわして、1を その 数で わります。1メートルなら 1D。50センチ、つまり 0.5メートルなら 1÷0.5で 2D。40センチ、つまり 0.4メートルなら 1÷0.4で 2.5Dです。

ちかくを 見る ほど、数字は 大きく なります。30センチなら やく 3.3D、25センチなら 4Dです。

ろうがんきょうの 度の 数字は、この 考え方と つながって います。40センチで 読むなら、およそ 2.5Dぶんの ピントあわせが ひつようだ、と 見つもれます。目の ちからが それに たりないと、読みにくく なります。

レンズや目の「曲げる強さ」は、ディオプトリー(記号D)という単位で表します。焦点距離をメートルで表した数の逆数で、焦点距離が1メートルのレンズが1D、50センチなら2D、40センチなら2.5Dです[5]。凸レンズはプラスで表します。

計算してみましょう。1÷0.4=2.5なので、本を40センチ離して読むのに必要な「ピント合わせの量」は2.5Dです。30センチなら1÷0.3で約3.3D、25センチなら4Dになります。近づけるほど、必要な量はぐんぐん増えます。

見る距離から、その距離にピントを合わせるのに必要な量も、Dで見積もれます。目が出せるピント合わせの力(調節力)も同じDで表します。例として、若いうちは7〜10Dほどあり、年齢とともに下がるとする解説があります[4]。一つの式では、最小値の目安が「15−0.25×年齢」で、40歳で5D、50歳で2.5Dです[4]。

ここで、冒頭の話に戻ります。50歳の最小値の目安2.5Dは、40センチで読むのに必要な量2.5Dと同じ数字です。ただし、前者は年齢式の目安、後者は距離からの計算で、別々のものです。個人の調節力がそのまま2.5Dという意味ではありません。目安の上では余裕が小さくなる、と受け取ってください。

調節力とレンズの屈折力を、見る距離と結びつけるために、ディオプトリー(D)が使われる。Dは焦点距離をメートルで表した数の逆数で、焦点距離1mが1D、50cmが2D、40cmが2.5Dにあたる。凸レンズは正の値になる[5]。

目の調節力もDで表せ、見る距離からは、その距離にピントを合わせるのに必要な量(需要)をDで見積もれる。たとえば本を40cmに置くと、需要は1÷0.4=2.5D、30cmなら約3.3D、25cmなら4Dだ。近づけるほど需要は急に増える。

一方、調節力は例として、若いうちは約7〜10Dあり、年齢とともに下がるとする解説がある[4]。一つの式(Hofstetter)では最小値の目安が「15−0.25×年齢」であり、40歳で5D、50歳で2.5Dとなる[4]。資料によって数字は異なるため、ここでは例として扱う。

この目安に従えば、50歳の最小値2.5Dは、40cmの需要2.5Dと同じ数字になる。ただし前者は年齢式の目安、後者は距離からの計算で、別々のものであり、個人の調節力ではない。目安の上では余裕が小さくなる、と見るのが妥当で、個人差は大きい。

4. なぜ ろうがんきょうは、計算より よわめなの?

4. 実際の老眼鏡の度は、なぜ計算より弱めになるのか

4. 実際の老眼鏡の度が「見る距離の逆数」より弱めになるのは、なぜか

40センチで 読むのに 2.5Dが いるなら、ろうがんきょうは 2.5Dで いいのでしょうか。じつは、そうでは ありません。

目には、まだ 少し ピントを あわせる ちからが のこって います。ですから、ろうがんきょうは 「たりない ぶんだけ」を 足します。

たとえば、ひつような ちからが 2.5Dで、目が 1D だせると 考えると、たりないのは 1.5Dです。この 1.5Dが、めがねの 強さの 見当に なります。ほんとうの 度は、はかって きまります。

本に のっている 目あすでは、40さいから 45さいごろは +0.75から +1.25D、46さいから 55さいごろは +1.5から +2.25D、55さいを こえると +2.5D いじょう、などと 書かれて います。人に よって ちがうので、あくまで 目あすです。

40センチで読むのに2.5D必要なら、老眼鏡も+2.5Dでよいのでしょうか。実際はそうなりません。目にはまだ調節力が残っているからです。

無調節の目で、物と眼鏡の距離が40センチなら、+2.5Dの凸レンズで物の光は遠くからのように平行に入ります。しかし実際の老眼鏡は、ここから「残っている調節力のぶん」を引いた弱めの度になります[6]。

単純化した考え方の例です。必要な量が2.5Dで、目がまだ1Dを出せると仮定すると、不足は1.5Dです。この差が、補う量の見当になります。ただし実際の度数は、測定で決まります。

英語圏の解説に載る年齢別の目安は、40〜45歳ごろ+0.75〜+1.25D、46〜55歳ごろ+1.5〜+2.25D、55歳を超えると+2.5D以上です[4]。上の単純な引き算とは、ぴったりは合いません。調節力の数字も、度数の表も、出どころが別で、どちらも目安だからです。

ここから分かるのは、老眼が進むにつれて「足してあげる量」が少しずつ大きくなる、ということです。そしてもう一つ、必要な量は「どのくらい離して見るか」でも変わります。

40cmの需要が2.5Dだからといって、老眼鏡を+2.5Dにするわけではない。目に残る調節力が働くからだ。無調節の正視眼なら、レンズの度は物点と眼鏡との距離の逆数で表せるので、40cmなら+2.5Dのレンズで物の光は無限遠からのように平行に入る。しかし実際の老眼鏡は、ここから残る調節力のぶんを引いた、弱めの度になる[6]。

単純化した引き算で見てみよう。需要が2.5Dで、残る調節力を仮に1Dとすると、差は1.5Dで、これが補う量の目安になる。実際の度数は測定で決まる。一方、英語圏の解説には、年齢別の加入度数の目安として、40〜45歳ごろで+0.75〜+1.25D、46〜55歳ごろで+1.5〜+2.25D、55歳を超えると+2.5D以上とするものがある[4]。

この二つは単純には一致しない。調節力の数字と度数の表は別々の資料に基づく目安であり、さらに個人差も大きい。表の数字は、そのまま誰にでも当てはまる値ではない。

見えてくるのは、老眼鏡が「近くを見るのに必要な屈折力の全部」ではなく、「目が出せなくなった分」を足す道具だという構造である。その足す量は、年齢とともに増えるだけでなく、見る距離によっても変わる。

5. パソコンと つめきりでは、ちょうどいい つよさが ちがうの?

5. パソコンと爪切りでは、ちょうどいい強さがなぜ変わるのか

5. 同じ人でも、読書・パソコン・細かい作業で適した度が変わるのはなぜか

本を 読む きょりと、パソコンの がめんを 見る きょりは、ちがいます。つめを きる ときは、もっと 近くを 見ます。

パソコンは 本より はなれて いるので、よわめの 度で よいと いわれます。つめきりのような 近い 作業は、つよめが いります。

たとえば、同じ 人が 本を 40センチで 読むには 2.5Dぶんの ピントあわせが いります。60センチの パソコンなら やく 1.7Dですみます。計算すると、1÷0.6で やく 1.7だからです。

お店で うって いる ろうがんきょうは、+0.75Dから +3.00Dほどの はんいに あると いわれます。ただし、どれでも 同じ 人に あうわけでは ありません。ほんとうの 度は、目の お医者さんや めがねやさんで はかって もらうのが あんしんです。

先に出た目安の表は、通常サイズの印刷物を目から約35〜40センチ離して読むことを前提にしています[7]。つまり「老眼鏡の強さ」は、年齢だけでなく「何センチ先を見るか」とセットなのです。

だから同じ人でも、見る物によって楽な強さが変わります。パソコンのように距離が遠いと弱めでよく、爪切りのように近い作業は強めが必要だと説明されます[7]。

計算で確かめましょう。60センチ離したパソコン画面は、1÷0.6で約1.7D。本の40センチの2.5Dより、少なくて済みます。逆に20センチで爪を切るなら、1÷0.2=5Dと、需要は倍に増えます。

市販の老眼鏡は+0.75〜+3.00Dほどの範囲で売られている、と解説されます[7]。範囲は広いのに、表はあくまで目安です。

見たい距離が違えば、必要な強さも違う。老眼鏡は「どこを見るための眼鏡か」が決まって初めて、強さに意味が出る道具だと分かります。

目安の表は、通常の印刷物を目から約35〜40cmで読む前提で作られている。そのため、同じ人でも見る距離が変われば適した度は動く。パソコンのように遠いと弱めでよく、爪切りなど近い作業は強めが必要になる[7]。

需要の計算で確かめられる。60cmのパソコン画面は1÷0.6で約1.7D、40cmの本は2.5D、20cmの手元作業は5Dと、需要は距離の逆数で急に増える。ここでレンズの度を一つに決めると、どれかの距離では強すぎたり弱すぎたりしやすい。読書用とパソコン用の眼鏡を使い分ける人がいるのは、この理由で説明できる。

市販の老眼鏡は+0.75〜+3.00D程度の範囲で、表も目安にすぎないと解説される[7]。個人差も大きい。度数を決めるには、年齢の表だけでなく、実際に何をどの距離で見たいのかを測る必要がある。

6. ろうがんきょうの もとに なった めがねは、いつ ごろ 生まれたの?

6. 凸レンズのめがねは、いつ、誰のために生まれたのか

6. 最初の眼鏡が凸レンズだったのは、誰のどんな困りごとからか

めがねは、700ねん いじょう まえの イタリアで 生まれたと、かんがえられて います。いちばん はじめの めがねは、凸レンズとつレンズでした。近くを 見るための めがねです。

読むのに くろうする 修道士しゅうどうしの ために 作られた、という せつも あります。本を 読むのが 大切な しごとの 人が、年を とって こまったのでしょう。

つくった 人の なまえや、正しい 年は、はっきり していません。それでも、ちかくが 見えにくく なった 目を 凸レンズとつレンズで たすける という 考えかたは、むかしから つづいて います。

凸レンズのめがねは、近視用の凹レンズよりも前に生まれました。最初の眼鏡は凸レンズで、1280年代ごろのイタリアで生まれたと推定されています[8]。

1306年には、ピサの修道士ジョルダーノが「眼鏡の技術が見つかってから、まだ20年たたない」と説教したと伝えられます[8]。初期の眼鏡は、2枚のレンズを中央で留めたもので、耳にかけるつるはありませんでした[8]。

誰のために作られたかについては、13世紀のイタリアのガラス職人が、文字を読むのに苦労する年配の修道士のために、最初の拡大レンズを作った、という説もあります[9]。ただし、発明した人や場所、正確な年は確定していません。

700年以上前の人たちも、年を重ねて近くが読みにくくなる困りごとを、凸レンズで助けていたことになります。今の老眼鏡の考え方も、その延長にあります。

最初の眼鏡は凸レンズで、遠視や老視の人のためのものだった。1280年代ごろのイタリアで生まれたと推定され、1306年にはピサの修道士ジョルダーノが、「眼鏡をつくる技術が見つかってから、まだ20年たたない」と説教したと伝えられる[8]。初期の眼鏡は2枚のレンズを中央でリベット留めしたもので、耳にかける柄はなかった。凹レンズ(近視用)はもっと後の時代である[8]。

誰のための道具だったのかについては、13世紀イタリアのガラス職人が、イブン・アル=ハイサムの光学書を手がかりに最初の拡大レンズを作り、写本を読むのに苦労する年配の修道士のためだった、という説もある[9]。この説明には、発明者・場所・年が確定していないと付け加えておく。サルヴィーノ・ダルマーティ説が後世に疑問視されたことも知られる[8]。

発明者は確定しなくても、凸レンズが「近くが読みにくくなった目」を助けるという筋道は、700年以上前の眼鏡から今の老眼鏡まで続いている。

7. じぶんの よむ きょりで、ディオプターを 計算してみよう

7. 自分の読む距離で、ディオプターを計算してみよう

7. 自分の読む距離を測り、需要のディオプターを計算する

めがねが なくても できます。まず、本を いつも 読む ときの きょりを、ものさしで はかります。目から 本までの きょりです。

つぎに、その きょりを メートルに して、1を その 数で わります。25センチなら 1÷0.25で 4Dです。

スマホや パソコンの がめんまでの きょりも、はかって 同じ 計算を して みましょう。見る ものが ちがうと、数字が どう かわるか、くらべると おもしろいです。

この 計算は、あくまで 数字の あそびです。目の 見えかたが 気に なったら、お家の 人と 目の お医者さんに 相談してください。

自分の目の力を測る必要はありません。まず、いつも本を読む距離を、ものさしで測ってみましょう。目から本までの距離です。

次に、メートルに直した数で1を割ります。たとえば35センチなら1÷0.35で約2.9D、25センチなら4Dです。スマホや新聞、机の上のノートなど、見る物ごとに距離を測って並べると、物によって「需要」がどれだけ変わるかが数字で見えてきます。

この数字は、レンズの度そのものではありません。実際の度は、残っている調節力を差し引いて決まり、個人差も大きいものです。目の見え方が気になるときは、眼科や眼鏡店で測ってもらうのが確実です。

調べるなら、年齢による調節力の変化を、実際に測った人たちの数字と比べる問いがあります。「15−0.25×年齢」のような式が、どのくらい合うのか。手がかりは、眼科の解説や、水晶体の硬さを調べた研究の要旨が手がかりになります。

需要は、自分で簡単に見積もれる。読書、スマホ、ノートなど、普段見る物を決まった姿勢で見る距離をものさしで測り、メートルに直した数の逆数を求める。35cmなら約2.9D、25cmなら4Dで、見る物ごとに距離が違えば需要も変わる。

ただし、これはレンズの度ではなく、調節力が全く無かった場合に必要となる屈折力の見積もりである。実際の度は残存調節力を差し引いて決まり、個人差が大きい。これは読む距離から需要を見積もる計算である。実際の度数を知るには、検査が必要だ。

さらに調べるなら、調節力の年齢変化の研究が入り口になる。たとえば、Glasser と Campbell が1998年に Vision Research 誌(38巻209ページ)に載せた論文は、調節の研究として挙げられている。また、Hofstetter の式が実測データとどの程度合うのかも、調べがいのある問いだ。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

本文の説明に使った資料です。数値は資料によって差があるため、年齢ごとの調節力や度数の表は、例・目安として載せています。

  1. コトバンク「老視」(ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典/世界大百科事典) https://kotobank.jp/word/%E8%80%81%E8%A6%96-152398 (老視の定義・発症年齢)
  2. NEI(米国国立眼病研究所) Presbyopia https://www.nei.nih.gov/learn-about-eye-health/eye-conditions-and-diseases/presbyopia (水晶体の硬化と調節)
  3. AAO(米国眼科学会) What Is Presbyopia https://www.aao.org/eye-health/diseases/what-is-presbyopia (老眼鏡が光を曲げること、遠視との違い)
  4. Wikipedia(en) Presbyopia https://en.wikipedia.org/wiki/Presbyopia (調節力の年齢変化、年齢別の加入度数の目安)
  5. Wikipedia(ja) ディオプトリー https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%AA%E3%83%97%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%BC (単位Dの定義)
  6. 今井晴一「老眼鏡を眼から離すことによる度の變化」臨床眼科4巻10号(1950) https://webview.isho.jp/journal/detail/abs/10.11477/mf.1410200698 (近用眼鏡の度と物との距離の関係。要旨ページの引用)
  7. All About Vision(日本語版) 老眼鏡の強度 https://www.allaboutvision.com/ja-jp/megane/rougankyou-no-kyoudo/ (読む距離と度の目安、市販品の範囲)
  8. Medievalists.net “Medieval Eyeglasses” (2016) https://www.medievalists.net/2016/03/medieval-eyeglasses-wearable-technology-of-the-thirteenth-century/ (最初の凸レンズ眼鏡の時代と形)
  9. Science News 編集者メモ https://www.sciencenews.org/article/seeing-world-new-ways-ed-note-september (年配の修道士のためとされる説)

なおした ところ

更新履歴

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