1. サイは、なにを たべて いるの?
1. サイは何を食べる? 答えは「植物」。でも食べ方は同じではない
1. サイは何を食べるか:全種が草食、ただし食べ方は二つに分かれる
サイの なかまは、ぜんぶ くさや はっぱなどの しょくぶつを たべます。にくは たべません。大きな からだも、しょくぶつだけで できて います[1]。
ただ、しょくぶつの なかでも、たべ方が ちがいます。シロサイは、じめんの くさを たべます。クロサイは、木や ひくい木の はっぱや えだを たべます[3][4]。
この ちがいが、くちびるの かたちに あらわれて います。
2. シロサイは くさかり、クロサイは えだきりばさみ
2. 草を刈るシロサイ、枝先をつまむクロサイ:口の形と食べ物には対応が見られる
2. 幅広い唇と、かぎ状の唇:食性に対応した上唇の形
シロサイの くちびるは、はばが ひろくて 四角い かたちを して います。顔を じめんに ちかづけて、くさを かるように たべます[3]。
クロサイの うえの くちびるは、とがって いて、ものを つかめます。木の はっぱを ひっぱって、口に いれます[1][4]。
たとえば、シロサイは くさかりきの よう、クロサイは えだきりばさみの ようです。ただ、サイは どうぐでは ありません。しゅるいに よって、たべものに あった くちびるを もって いる、という ことです。
くちびるの かたちを 見ると、どんな たべ方を する サイか、見当が つきます。
シロサイの口は幅が広く、四角い形をしています。英語の別名に「スクエアリップ(四角い唇)」とあるほどです。顔を地面に近づけて、草を刈り取るように食べます[3]。
これに対してクロサイの上唇はかぎのような形で、先がとがり、ものをつかめます。枝や葉を引き寄せて口に入れるのに向いており、食性と関係していると説明されています[4]。サンディエゴ動物園も、シロサイの広い口は草を食べるのに向き、クロサイの細くつかめる上唇は葉を引き寄せるのに向くとしています[1]。
国際サイ財団は、これを道具にたとえています。グレーザーの広い口は「掃くもの」、ブラウザーの細い唇は木に向かって伸ばす「剪定ばさみ」です[2]。
名前に「白」「黒」とついていても、食べ方の違いが表れているのは口の形のほうです。
シロサイの上唇は幅広く四角い。英語の別名「スクエアリップ(square-lipped)」はこの形に由来し、草を主食にすることに対応しているとされる。顔を地面に近づけ、草を刈るように食べる[3]。
これに対し、クロサイは木・低木の葉や枝を食べるブラウザーで、上唇は先のとがったかぎ状をしている。Save the Rhinoの解説は、この「かぎ状の唇」と「平たい唇」の違いが食性と関係していると述べる[4]。サンディエゴ動物園も、シロサイの広い口は草を食べるのに適し、クロサイの細くつかめる上唇は葉を引き寄せるのに適するとしている[1]。
国際サイ財団は、グレーザーの広い口を「掃くもの」、ブラウザーの細い唇を「剪定ばさみ」にたとえる[2]。だから、草を刈る型と枝先をつむ型は、口の形でも見分けやすい。ただし「口の形が先にあって食性が決まった」のか、「食性に合わせて口が変わった」のかは、ここで挙げた資料の範囲では説明されておらず、断定しない。
名前の「白」「黒」は体の色を思わせるが、資料が示しているのは、唇の形が食性と対応しているということである。
3. ほかの サイは、どんな くちびるで なにを たべるの?
3. インドサイ、スマトラサイ、ジャワサイは何を食べているのか
3. 中間型のインドサイと、葉を食べる二種:食べ物の幅と好み
インドサイは、おもに くさを たべます。でも、えだや はっぱ、みずの なかの くさも たべます。ながい くさの くきには、うえの くちびるを まきつけて たべます[5]。
スマトラサイと ジャワサイは、はっぱや わかい めを たべる なかまです[6][7]。
ジャワサイは、たべる りょうの 4わりほどを、すきな 数しゅるいの しょくぶつから とると いわれます[7]。
インドサイは、シロサイとクロサイの中間にあたります。デンバー動物園の紹介では、主に草を食べますが、小枝、葉、低木、水草、果実、農作物も食べます。つかめる上唇を長い草の茎に巻きつけて食べるそうです[5]。
スマトラサイは熱帯林にすみ、さまざまな植物を食べる葉食(ブラウザー)です。1日に平均50〜60kgの植物を食べるとされ、体重の約1割近い量ですが、これは種や個体、環境によって変わる目安です[6]。
ジャワサイも主に葉や新芽を食べます。食べる量の約4割は、少数の好みの植物からとされています[7]。
こうして並べると、「サイ」という名前の中に、草を食べる動物と葉を食べる動物が混じっていることが分かります。
インドサイは典型的な二分法に収まらない。デンバー動物園は、草を主としつつ、小枝・葉・低木・水草・果実・農作物も食べると記す。つかめる上唇を長い草の茎に巻きつけて食べるという記述もあり[5]、「かぎ状の唇=葉食」と単純に結びつけられないことを示している。国際サイ財団が中間型と位置づけるのも、このためである[2]。
スマトラサイは熱帯林の多様な植物を食べる葉食で、1日に平均50〜60kg(体重の約10%近く)を食べるとされる。ただしSave the Rhinoの数字は目安で、種・個体・環境で変わる[6]。ジャワサイは葉や新芽が中心で、食べる量の約4割が少数の好みの植物種に由来するとされる[7]。
この二種については、それぞれ一つの保全団体の記述に依拠しており、量の数字を種間で比べる材料にはならない。それでも、食べ物が違えば、必要な栄養や水・塩の取り方にも工夫が要ることが分かる。
では、食べ方の違いは、口の外見だけにとどまるのか。腸の中ではどうなのか。
4. たべ方の ちがいは、おなかの 中にも あるの?
4. 食べ方の違いは、おなかの中の働きにもあるのか
4. 同じ乾草を食べさせた試験:シロサイとクロサイの消化の違い
どうぶつえんで、シロサイと クロサイに おなじ ほしくさを たべさせて くらべた けんきゅうが あります。シロサイは、せんいを おなかの 中に ながく とどめ、クロサイより たくさん しょうかして いたと ほうこくされました[8]。
たべる りょうは、にた くらいでした。くさを たべる サイと、はっぱを たべる サイでは、からだの はたらきにも ちがいが ある ようです。
ただ、これは どうぶつえんの すくない 数の サイで しらべた けっかです。やせいで くらす サイ ぜんぶに あてはまる わけでは ありません。
ちなみに、サイの つのは、たべものとは かんけいが ありません。人の つめや かみのけと おなじ ケラチンで できて います[1]。
2010年に報告された試験では、動物園で、クロサイ4頭とシロサイ5頭に同じ乾草を与えて、消化のしかたを比べました。その結果、食べた繊維が腸にとどまる時間と、繊維を消化する力に、シロサイとクロサイの違いが見られたと報告されています。1日に食べた量(乾物)は同程度でした[8]。
シロサイは、繊維を長く腸にとどめ、繊維の消化力が高いとされました。草を食べるグレーザーと、葉を食べるブラウザーとでは、口だけでなく消化の働きにも差がありそうだ、という結果です。
ただし、これは動物園で飼われた少数の個体での試験です。野生のサイ全体にそのまま当てはめることはできません。
なお、サイの角は食べ物とは別の話です。サンディエゴ動物園の説明では、角は人の爪や髪と同じケラチンでできています[1]。
口の形の違いが食性と対応するなら、消化にも差があるのではないか。この問いに対する材料が、Steuerらの2010年の試験である。動物園で飼育されたクロサイ4頭とシロサイ5頭に同じ乾草を与え、食べた繊維の通過時間と消化率を比べた。結果として、シロサイとクロサイでは、繊維が腸にとどまる時間と繊維の消化力に差が示された。1日の乾物摂取量は同程度だった[8]。
シロサイは繊維をより長く腸にとどめ、繊維の消化力が高いとされた。つまり、グレーザーとブラウザーの違いは、口の形に加えて、消化の働きの面にも及ぶ可能性がある。
ただし、この結果は飼育下の少頭数での試験であり、野生個体や他の種に一般化することはできない。また、食べ物が違うことと消化力が違うことの因果関係を、この論文だけから結論するのも適切でない。
なお、角については、サンディエゴ動物園が、人の爪や髪と同じケラチンでできていると説明している[1]。角は食べ物の話とは別の素材の話である。
5. じぶんでも しらべて みたく なったら
5. 動物園や図鑑でサイの口を見るなら
5. サイの口を見くらべるために
きょう できる こと
ずかんや えほんの 写真で、サイの 口を 見て みましょう。くちびるの かたちは、四角いですか。とがって いますか。どんな 食べものに むいて いそうか、じぶんで 考えて みます。
どうぶつえんに いく ときに
どうぶつえんに サイが いたら、たべる ところを 見て みましょう。くさを たべて いますか。はっぱを たべて いますか。ただし、さくの 中には 入らず、はなれた ところから 見ます。
今日できること
図鑑や写真集で、シロサイとクロサイの顔を見くらべます。口が四角いか、先がとがっているかを、スケッチしてみてください。食べ物との関係を、自分の言葉で一文にします。
動物園に行くなら
サイがいたら、食べている場面を観察できます。地面の草を食べているか、高いところの葉を食べているかで、どちらのタイプかを予想できます。柵の中には入らず、決まった場所から見ます。
今日できること
図鑑の写真で、シロサイ、クロサイ、インドサイの上唇を見くらべ、形と食性の組み合わせを自分でまとめる。インドサイが中間型であることが、写真からも読み取れるかを確かめる。
表にまとめるなら
図鑑の写真を見ながら、「種の名前」「上唇の形」「食べ物」の3列の表をつくる。シロサイ、クロサイ、インドサイの3行が埋まると、形と食べ物の組み合わせが一目で見くらべられる。
しらべた もとの じょうほう
参考にした情報源
参考にした情報源と、その使い方
本文で使った資料です。
- San Diego Zoo Wildlife Alliance: Rhinoceros. https://animals.sandiegozoo.org/animals/rhinoceros (全種が草食/口の形/角の素材)
- International Rhino Foundation: Grazers versus Browsers. https://rhinos.org/blog/oppositeday-grazers-versus-browsers/ (種ごとの食べ方の整理)
- Save the Rhino: White rhino. https://www.savetherhino.org/rhino-info/rhino-species/white-rhino/ (シロサイの食べ方)
- Save the Rhino: Black rhino. https://www.savetherhino.org/rhino-info/rhino-species/black-rhino/ (クロサイの食べ方と唇)
- Denver Zoo: Greater one-horned rhinoceros. https://denverzoo.org/animals/greater-one-horned-rhino/ (インドサイの食べ物)
- Save the Rhino: Sumatran rhino. https://www.savetherhino.org/rhino-info/rhino-species/sumatran-rhino/ (スマトラサイの食べ物と量の目安)
- Save the Rhino: Javan rhino. https://www.savetherhino.org/rhino-info/rhino-species/javan-rhino/ (ジャワサイの食べ物)
- Steuer et al. 2010, Comparative Biochemistry and Physiology A 156:380–388(Rhino Resource Center掲載). https://rhinoresourcecenter.com/library/references/comparative-investigations-on-digestion-in-grazing-ceratotherium-simum-and-browsing-diceros-bicornis-rhinoceroses/ (消化の比較試験)
なおした ところ
更新履歴
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