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おきべんの きまりは、だれが きめて いるの?

置き勉は、国が決めたルールなのか ── 学校ごとに扱いが違う理由

置き勉の扱いはなぜ学校ごとに違うのか ── 2018年の文部科学省事務連絡と自治体の実態

分野:歴史・文化

ランドセルを おもいと かんじた ことは ありませんか。2018ねんに、くには「がっこうで じっさいに おこなわれて いる くふうれい」を あつめた おしらせを だしました。でも それは「おきべんを しなさい」と いう おしらせでは ありませんでした。

では、おきべんを していい がっこうと、だめな がっこうが あるのは、どうしてでしょう。この きじを よむと、だれが なにを きめて いるのかが わかります。

置き勉について、国が出した通知は「置き勉をしなさい」という内容ではありませんでした。2018年に文部科学省が出したのは、各学校が実際にやっている工夫例を並べた事務連絡で、何を持ち帰り、何を置くかを決めるのは学校でした。

それなら、隣の学校や、同じ学校の隣のクラスで扱いが違うのはなぜでしょうか。この記事を読むと、通知に何が書いてあったのか、そして自治体の調査で学校ごとの違いがどう見えているのかが分かります。江別市の調査では、置き勉を自分で決められる中学生が多い一方で、タブレットを持ち帰る生徒や、4kg以上のかばんで通学する生徒もいました。

置き勉に関する文部科学省の2018年9月の事務連絡は、置き勉を義務づけるものでも、勧めるものでもなく、各学校の工夫例を紹介して検討を「お願い」する文書だった[1]。判断は学校に残されたのである。

それでは、判断が学校に任されると、現場には何が起きるのか。この記事を読むと、通知の趣旨、市の教育委員会の議論、江別市の保護者・中学生調査から、置き勉のルールが学校・学級・教材ごとに分かれる仕組みと、調査から言える範囲の限界が分かる。

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1. くにの おしらせには、なんと かいて あったの?

1. 2018年の通知は、置き勉を決めた文書だったのか

1. 2018年9月の事務連絡は何を求めたのか

2018ねんの 9がつ。ぶんぶかがくしょうと いう くにの やくしょが、おしらせを だしました。ランドセルや かばんが おもく なりすぎると、からだの せいちょうに さわるかもしれない、と しんぱいする こえが あったからです[1]。

でも、おしらせの なかみは 「こう しなさい」では ありません。「がっこうで やって いる くふうの れいです。さんこうに して ください」と いう ものでした[1]。

なにを いえに もちかえり、なにを がっこうに おくのか。それを きめるのは、がっこうです。では、くふうの れいには、どんな ことが のって いたのでしょう。

2018年(平成30年)9月6日、文部科学省は「児童生徒の携行品に係る配慮について」という事務連絡を、都道府県や指定都市の教育委員会などに出しました。教科書や教材、学用品、体育用品が重くなりすぎて、子どもの健やかな発達に影響しかねないという心配や、保護者から配慮を求める声があったためです[1]。

注目したいのは、この文書の書き方です。通知は、何を持ち帰らせ、何を学校に置くかを、学校が保護者とも連携し、子どもの発達段階や学習上の必要性、通学の負担などの実態を考えて判断している、という前提に立っています。そのうえで、別紙の工夫例を参考に、もう一度検討して、必要なら配慮してほしいと「お願い」する形です[1]。

つまり「置き勉をしなさい」でも「してはいけません」でもなく、決める場所は学校のままです。この点は、あとの章で出てくる「学校ごとの違い」が生まれる背景の一つと考えられます。では、別紙にはどんな工夫が並んでいたのでしょうか。

文部科学省は2018年(平成30年)9月6日付で、都道府県・指定都市の教育委員会などに事務連絡「児童生徒の携行品に係る配慮について」を出した。教科書、教材、学用品、体育用品が過重になれば身体の健やかな発達に影響しかねないという懸念と、保護者からの配慮を求める声が背景にあり、各学校の実際の工夫例を別紙にまとめたと説明している[1]。

この文書の性格は、文面の構造に表れている。通知は、何を持ち帰らせ何を学校に置くかを、保護者とも連携し、発達段階・学習上の必要性・通学上の負担といった実態を考慮して各学校が判断している、という認識を前提にしている。そのうえで、別紙を参考に改めて検討し、必要に応じて配慮するよう求めた[1]。判断主体を学校に置いたまま、検討を促す文書であり、置き勉の義務づけでも禁止でもない。同じ通知は、教科書等が家庭学習にも重要であることも明記している[1]。

したがって、置き勉の扱いに差が生じること自体は、この通知が想定している状態といえる。では、別紙の工夫例は、具体的に何を「置いてよい」としているのか。

2. がっこうの くふうには、どんな ものが あるの?

2. 別紙の工夫例 ── 机の中、数日に分ける、1日に1つ

2. 別紙の工夫例が示す、置く・分ける・計画する

ひとつめは、「しゅくだいで つかう きょうざいを きめて おく」くふうです。いえで つかわない ものは、つくえの なかに おいて かえって よい、と するのです[1]。

ふたつめは、「おなじ ひに たくさん つかう どうぐは、なんにちかに わけて もって くる」くふうです[1]。

がっきの おわりに もちかえる、すいさいえのぐ・しゅうじどうぐ・けんばんハーモニカ・さいほうどうぐ などは、「1にちに ひとつ」に なるように、けいかくを たてて もちかえる がっこうも あります[1]。

ぜんぶ もって かえる でもなく、ぜんぶ おいて かえる でもない。まん中の やり方が いろいろ あるのですね。

別紙には、学校が実際にやっている工夫がいくつも並びます。たとえば、宿題で使う教材をはっきり決めておいて、家庭学習で使う予定のないものは、机の中などに置いて帰ってよいことにする学校があります。同じ日にたくさん使う用具は、数日に分けて持ってこさせる学校もあります[1]。

特別教室で使う用具は、その教室の決まった場所に置く。書写では、汚れた筆は持ち帰り、ほかは置いておく。学期末に持ち帰る大きな道具、たとえば水彩道具、習字道具、鍵盤ハーモニカ、裁縫道具は、1日に1つになるように計画して持ち帰らせる。そんな例も挙がっています[1]。

「全部持ち帰る」でも「全部置く」でもなく、その間を教材ごとに細かく決めているところが、この別紙の面白いところです。ただ、決めたことを子どもが知らないと、うまく動きません。それはどう伝えているのでしょうか。

別紙の工夫例は、持ち帰りか放置かの二択ではなく、教材・用具の種類ごとに扱いを分けている点に特徴がある。宿題で使う教材を明示し、家庭学習で使う予定のないものは机の中などに置いて帰ることを認める。同じ日に多く使う用具は数日に分けて持参させる。特別教室の用具は、その教室の所定の場所に置く。書写では汚れた筆だけ持ち帰らせる[1]。

学期末の大きな道具、すなわち水彩道具・習字道具・鍵盤ハーモニカ・裁縫道具については、1日に1つになるよう計画的に持ち帰らせる例も挙がる[1]。ここでは、重さそのものより、1日に集中する量が問題にされている。

ここで、ルールを細かく決めるほど、子どもと保護者が内容を知っているかが問題になる。通知はこの点を「その他留意している点」として別に挙げているので、次に見る。

3. ルールは、どうやって みんなに つたえるの?

3. 決めたルールを「見える形」にする工夫

3. 周知と施錠 ── ルールを運用するための付帯措置

おいて かえって よい ものを きめても、こどもが しらなければ こまります。そこで、ねんどの はじめに「おいて かえって よい ものの リスト」を くばる がっこうが あります[1]。

がっこうだよりなどで、おうちの ひとにも しらせる くふうも のって いました[1]。

もうひとつ。ほうかごに ぬすまれたり なくなったり しないよう、きょうしつに かぎを かける くふうも ありました[1]。おいて かえる ものが ふえれば、まもる ことも だいじに なるのですね。

別紙には「その他留意している点」として、置いて帰ってもよいものを、年度の初めにリストにして子どもに配る例が挙がっています。学年通信などで保護者にも知らせる学校もあります[1]。

もう一つは、盗難を防ぐために、放課後は教室に鍵をかける、という工夫です[1]。置いて帰るものが増えれば、それを守る手間も増えます。置き勉は「置いていい」と言うだけでは終わらず、置く場所や鍵や連絡のしかたまでセットで考える話だと分かります。

では、こうした工夫は、実際に市の教育委員会ではどんな言葉で議論されたのでしょうか。

別紙は、置いて帰ってよいものを年度当初にリストで配布して周知する例や、学年通信などで保護者に連絡する例、盗難防止の観点から放課後は施錠する例を挙げる[1]。置く範囲を広げるほど、周知と保管の管理という運用上の負担が増えることを、通知自身が前提にしているといえる。

判断を学校に任せる以上、周知の方法や保管の手当ても学校ごとに異なりうる。実際の教育委員会は、通知を受けてどう議論したのか。次の章で、市の会議録を見る。

4. なにが いちばん、もちかえるのが たいへん?

4. 高砂市の議論で、辞書と副読本が話題になった

4. 辞書・副読本をめぐる議論 ── 高砂市教育委員会の会議録

ひょうごけんの たかさごしの きょういくいいんかいでは、2018ねん9がつの しぎかいの ほうこくを ふまえて、はなしあいが ありました[2]。

その なかで、「じしょも ふくどくほんも、おきべんの いちばんの ターゲットですね」と いう はつげんが ありました[2]。じしょは あつくて おもいからです。

じしょは きょうしつに すうさつ おけば たりるのでは、と いう あんも でました[2]。ひとりに 1さつ もたなくても、みんなで つかえば いいのですね。

いっぽうで、しは「いえで べんきょうする じかんが たりない けっかが でて いる」と のべ、いえでの べんきょうを やくだてる くふうも いると いいました[2]。

兵庫県高砂市の教育委員会の会議録には、2018年9月の市議会の報告事項をめぐる議論が残っています。委員の一人は、置き勉を市内の全小中学校で認める方向だと受け止めたうえで、「今の辞書も、さっきの副読本も、置き勉の一番のターゲットですね」と話しています[2]。

辞書は教室に数冊置けば足りるのでは、という案も出ています。ひとり1冊を毎日持ち歩かなくても、教室にあるものを必要なときに使えばよい、という発想です[2]。

ただし、市の側は、家庭学習が足りないという結果が出ているので、家庭学習を効果的にする工夫が要る、とも述べています[2]。重い教材を置いて帰りたい理由と、家で勉強してほしい理由が、同じ会議の中でぶつかっているわけです。なお、これは会議の中の発言で、市の最終的な決定を示すものではありません。

こういう議論の結果は、市や学校によって違います。具体的にはどう違うのでしょうか。

兵庫県高砂市教育委員会の会議録(2018年9月市議会の報告事項に関する議論)では、委員が、置き勉を市内の全小中学校で認める方向だと受け止めたうえで、辞書も副読本も「置き勉の一番のターゲット」だと述べている。辞書は教室に数冊置けば足りるのではないか、という案も出ている[2]。

注目すべきは、同じ会議に反対方向の論点も並ぶことである。市側は、家庭学習が足りないという結果が出ており、家庭学習を効果的にする工夫が要ると述べている[2]。通知が「教科書等は家庭学習にも重要」と書いたこととも整合する[1]。重さの軽減と家庭学習の確保は、両立させる方法を探す対象であって、どちらかを選べば済む問題ではない。ただし会議録は委員の発言の記録であり、市の最終決定ではない。

では、同じ北海道内の学校や市では、この議論はどんな形で実際の仕組みになっているのか。

5. たなを つくった まちも ある

5. 帯広市は教室に棚を、明苑中学校は「置き勉宣言」を

5. 北海道の例 ── 棚の設置と生徒会の「置き勉宣言」

ほっかいどうの おびひろしでは、2019ねんまでに、しない 39この ぜんぶの がっこうの きょうしつに、ひとりひとりが にもつを じゆうに おける たなを つけたと、ほうどうされています[3]。

おなじ ほっかいどうの たきかわしの めいえんちゅうがっこうでは、せいとかいの そうかいで「おきべんせんげん」を きめたそうです[3]。

せいとかいちょうは「テストの じきを のぞいて、1きょうかだけ えらんで もちかえる」ように して いると、はなして います[3]。ぜんぶ おいて かえるのでは なく、じぶんで えらぶのが ポイントです。

北海道新聞の記事によると、北海道帯広市は2019年までに、市内の全39校の教室に、一人ひとりが教材や荷物を自由に置ける棚を設け、置き勉を認めています[3]。市がまとめて環境を整えた例です。

同じ北海道の滝川市にある明苑中学校では、2019年に生徒総会で「置き勉宣言」を採択し、生徒会が毎年学習会を開いています。生徒会長は「テスト期間を除き、1教科だけ選んで持ち帰る」ようにしていると話し、導入4年目の時点で、教頭は持ち帰りとのメリハリがついてきたと評価しています[3]。

棚を用意するのは市、持ち帰る教科を選ぶのは生徒、と、決める人がちがう点に注目すると、同じ置き勉でも中身が変わることが見えてきます。ただし、これらは新聞記事で紹介された例です。全国の学校の実態の代表というわけではありません。

では、同じ市の中でも、学校や学級で扱いはそろうのでしょうか。

北海道新聞によれば、北海道帯広市は2019年までに市内全39校の教室に、一人ひとりが教材や荷物を自由に置ける棚を設置し、置き勉を認めている。滝川市の明苑中学校は2019年に生徒総会で「置き勉宣言」を採択し、生徒会が毎年学習会を開く。生徒会長は「テスト期間を除き、1教科だけ選んで持ち帰る」と実践し、導入4年目時点で教頭は「持ち帰りとのメリハリがうまく付いてきた」と評価した[3]。

前者は自治体が環境を一括して整えた例、後者は生徒自身が運用ルールを決めた例であり、置き勉の実現主体が一様でないことがわかる。いずれも新聞が紹介した個別の事例であり、全国的な傾向を示す数字ではない。教頭の評価も、一校の運用に対するものにとどまる。

では、市内全体を調べると、ルールの分かれ方はどう見えるのか。江別市の調査がその手がかりになる。

6. おなじ まちでも、がっこうに よって ちがう?

6. 同じ江別市の中でも、「担任が決める」クラスがある

6. 江別市の調査 ── 教科・用具・担任の裁量という三つの分かれ方

ほっかいどうの えべつしでは、しょうがくせいの ほごしゃに、アンケートが とられました。643にんが こたえて います[4]。

おきべんが「がっこうで みとめられて いる」と おもう ひとが、いちばん おおかった ようです。ただし、これは おうちの ひとの「おもい」の ちょうさで、がっこうが じっさいに どう して いるかを しめす すうじでは ありません[4]。

こたえで いちばん おおかったのは「とくていの きょうかで みとめられて いる」です。そのつぎが「とくていの がくしゅうようぐで みとめられて いる」で、40.9パーセントでした。「おいて いく ようぐは たんにんが きめる」も 21.9パーセントありました[4]。

おなじ しの なかでも、きょうかや どうぐ、せんせいに よって ちがう ようすが わかります。

北海道江別市では、2025年に小学生の保護者643人に調査が行われました(北翔大学の報告書)。学校で置き勉が「認められている」と受け止めている保護者が、大多数でした。ただし、これは保護者がどう感じているかの調査で、学校が実際にどれだけ認めているかを数えたものではありません[4]。

どう認められているかをたずねると、いちばん多かったのは「特定の教科で認められている」でした。次が「特定の学習用具で認められている」の40.9%、「置いていく学習用具は担任が決める」の21.9%です[4]。教科で分かれ、用具で分かれ、担任でも分かれています。報告書は、ルールが一律ではなく、学級担任などの裁量にまかされていると保護者が受け止めているようだ、と読み取っています[4]。

国の通知が「各学校が判断する」と書いていたことが、現場では「教科」「用具」「担任」という細かい単位まで下りている様子が見えます。

同じ江別市の中学生にも調査があります。そちらでは、どんな違いが見えたのでしょうか。

北翔大学の報告書(令和6年度江別市大学連携調査研究事業、2025年4月)は、小学生の保護者643名を対象とした調査で、置き勉が学校で「認められている」と認識する保護者が大多数であったと報告する。ただしこれは保護者の認識であり、学校の実施率ではない[4]。

認められ方の内訳は、「特定の教科で認められている」が最多で、次いで「特定の学習用具で認められている」40.9%、「置いていく学習用具は担任が決める」21.9%であった[4]。報告書は、ルールは一律ではなく学級担任等の裁量に委ねられるという認識がうかがえるとする。通知が示した「学校ごとの判断」は、教科・用具・学級という単位にまで細分化されて運用されている可能性がある。ただし、この調査は一市の保護者調査であり、全国の傾向とは言えない。この記事では「最多」という順位と上記の二つの割合だけを使った。

同じ市の中学生調査は、小学校とは別の姿を示す。

7. たぶれっとが ふえると、にもつは どう なる?

7. タブレット端末が加わると ── 毎日持ち帰る市、学校に保管する市

7. 学習用端末が加わった荷物 ── 自治体で分かれる対応

いまは、ひとり1だいの がくしゅうよう たぶれっとを つかう がっこうが あります。たぶれっとを まいにち もちかえると、にもつが およそ 1.5キログラム おもく なります[5]。

ひょうごけんの まちは、あつかいが わかれました。にしのみやしは、じゅうでんや きゅうな きゅうこうに そなえて、まいにち もちかえる ことに しました。あかしし は、あんぜんや ネットの かんきょうを りゆうに、ぜんいんぶんを がっこうで ほかんして います[5]。

こうべしは、もちかえる ひんどなどを がっこうに まかせて います[5]。ここでも「どうするか」は まちや がっこうに よって ちがうのですね。

置き勉の話に、もう一つ荷物が加わりました。学習用のタブレット端末です。神戸新聞の2021年12月の記事では、調べた児童のランドセルは、本体を含めて約5kgで、端末を毎日持つとさらに約1.5kgになる、と紹介されています。ただし約5kgは調べた一部の児童の例で、全国の平均ではありません[5]。

端末の扱いは、自治体で分かれていました。西宮市は、充電や急な休校への備えとして、毎日の持ち帰りを指示しています。明石市は、安全対策やネット環境を理由に、全員分を学校で保管しています。神戸市は、持ち帰る頻度などを学校に任せています[5]。

同じ県内の三つの市で、理由も答えも違います。さらに、神戸市の小学校では置き勉が認められ、2018年の通知のあとに多くの学校で認められるようになった、とも伝えられています[5]。ただし、全国で「置き勉を禁じる学校が多い」と言える数字は、この記事の資料にはありません。

中学生の調査では、端末はどう扱われているのでしょうか。

神戸新聞(2021年12月)によれば、調べた児童のランドセルは本体を含め約5kgで、学習用端末を毎日持ち帰ると約1.5kg加わる。ただし約5kgは一部の児童の例であり、全国平均ではない[5]。端末の扱いは自治体で分かれ、西宮市は充電や急な休校への備えとして毎日の持ち帰りを指示し、明石市は安全対策やネット環境を理由に全員分を学校で保管し、神戸市は持ち帰る頻度など対応を学校に任せている[5]。同記事によれば、神戸市立の小学校では置き勉が認められ、2018年の通知後に多くの学校で認められた。

注目すべきは、持ち帰りを求める理由(充電・休校への備え)と、学校に置く理由(安全・ネット環境)の両方が示されている点である。教材の置き勉で「重さ」と「家庭学習」が両立を探る課題だったのと同様に、端末でも、複数の合理的な理由が競合する。そのため、一律の基準が出しにくく、学校や自治体の判断に残る構造になっている。

江別市の中学生調査は、この点を数字で示している。

8. ちゅうがくせいは、どう なって いるの?

8. 江別市の中学生 ── 置き勉は認められ、端末は持ち帰る

8. 江別市の中学生調査 ── 置き勉の容認と荷物の重さが同時に存在する

おなじ えべつしの ちゅうがくせいにも、ちょうさが ありました。2025ねん10がつに おこなわれ、8こうの 2,946にんの うち 280にんが こたえました。こたえた わりあいは 9.5パーセントです[6]。

「きほんてきに みとめられて いて、おいて いく ものは せいと じぶんで きめる」と こたえた ひとが 78.9パーセントで、いちばん おおかったです[6]。

でも、たぶれっとは 80.6パーセントが まいにちか、ようびに よって もちかえり、4キログラム いじょうの かばんで かようひとも 53.4パーセントでした[6]。ただし、こたえた ひとが すくない ちょうさです。ぜんこくの ようすとは いえません。

江別市の中学生の調査は、2025年10月に行われました。対象の8校2,946人のうち回答したのは280人で、回答率は9.5%です[6]。小規模なウェブ調査なので、全国の実態をそのまま表すとは言えません。

置き勉については、「基本的に認められており、置いていく学習用具は生徒各自が決める」が78.9%で最多でした。「校内に十分なロッカー等のスペースが割り当たっている」は54.2%です[6]。小学校の調査で「担任が決める」が目立ったのと比べると、中学生では「自分で決める」が最多です。

一方で、タブレットは80.6%が毎日または曜日によって持ち帰り、手荷物を含めて4kg以上のかばんで通学する人が53.4%いました[6]。置き勉が認められていても、持ち帰るものは残ります。「置いてよい」と「軽くなる」は、同じ意味ではなさそうです。

自分の学校のルールは、どこに書いてあるのでしょうか。

江別市の中学生の通学かばん調査(令和7年10月実施)は、対象8校2,946名のうち280名が回答しており、回答率は9.5%である。置き勉については「基本的に認められており、置いていく学習用具は生徒各自が決める」が78.9%(198名)で最多、「校内に十分なロッカー等のスペースが割り当たっている」が54.2%だった[6]。

一方、タブレットは80.6%が毎日または曜日により持ち帰り、4kg以上のかばんで通学する者が53.4%を占める[6]。置き勉を認めるだけでは、通学の荷物が軽くなるとは限らないことがうかがえる。ただし、回答率が1割に満たない小規模な調査であり、結果は回答した生徒の傾向を示すにとどまる。

江別市の小学校の保護者調査では、置き勉は教科・用具・担任の裁量で分かれていた。中学生では「各自が決める」が最多であり、校種によって、判断を担う主体が変わる可能性がある。ただし、二つの調査は対象も年度も異なるため、直接の比較には限界がある。

じぶんの がっこうの ルールを みつけよう

自分の学校の「置いてよいもの」を探すには

自分の学校のルールを確かめるには ── 資料で見る手がかり

きょう できること

がっこうで もらった プリントや、がっこうだよりを さがして みましょう。「おいて かえって よい もの」の リストが のって いる ことが あります。

おうちで できること

1しゅうかん、ランドセルを もった ときの おもさを かんじて みましょう。どの ひに おもいか、メモを して みます。しゅうかんで ちがうと、がっこうの ルールが みえて くるかも しれません。

こうしきの じょうほう

ぶんぶかがくしょうの ホームページに、2018ねんの おしらせが のって います。

今日できること

学校からもらったプリントや学年通信を探して、「置いて帰ってよいもの」が書かれていないか見てみましょう。別紙の工夫例には、年度の初めにリストを配る学校が出てきました。

家でできること

1週間、ランドセルやかばんを持ったときの重さを曜日ごとにメモします。体重計に載せられる場合は、大人と一緒に、かばんを持ったときの重さから自分の体重を引くと、かばんのおよその重さが分かります。曜日で重さが違えば、どの教科や持ち物が重いかも見えてきます。

公式情報

文部科学省のホームページで、2018年9月6日付の事務連絡と別紙の工夫例が読めます。江別市のホームページでは、この記事で紹介した二つの調査報告書が公開されています。

学校の運用を確かめる

学校からの配布物(学年通信・年度当初の配布リスト)に、置いて帰ってよいものが明記されているかを確認する。通知の別紙は、そうした周知を工夫例として挙げていた。

重さを自分で測る

1週間、曜日ごとに通学かばんの重さをはかり、記録する。江別市の調査のように、教科・用具ごとに分けて記録すれば、どの持ち物が重さを左右するかが見える。4kg以上かどうかも記録し、調査の区切りと自分の記録を比べると、荷物の重さを調べる手がかりになる。

原典にあたる

文部科学省の事務連絡(2018年9月6日)、高砂市教育委員会の会議録、江別市の二つの報告書は、この記事で使った数字や発言の原文である。回答率や対象人数など、結果の読み方に必要な条件も報告書に書かれている。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

通知の内容は文部科学省の事務連絡、市の議論は会議録、実態は報道と二つの自治体報告書を用いた。報道(北海道新聞・神戸新聞)の細部は新聞記事の紹介による。

  1. 文部科学省 事務連絡「児童生徒の携行品に係る配慮について」(平成30年9月6日) https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/keikohin/__icsFiles/afieldfile/2018/09/06/1408967_001_1.pdf (通知の趣旨・判断主体・別紙の工夫例)
  2. 高砂市教育委員会 会議録(資料) https://www.city.takasago.lg.jp/material/files/group/26/20190315-202656.pdf (辞書・副読本をめぐる議論)
  3. 北海道新聞「置き勉」記事 https://www.hokkaido-np.co.jp/article/748823/ (帯広市・明苑中学校の例)
  4. 北翔大学 野口直美 報告書「小学生の通学時におけるかばんの重さと心身の健康状態との関連」(2025年4月) https://www.city.ebetsu.hokkaido.jp/uploaded/attachment/75575.pdf (小学生の保護者調査)
  5. 神戸新聞「ランドセル重量化」記事(2021年12月) https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202112/0014894797.shtml (端末の扱いの違い・荷物の重さ)
  6. 江別市 中学生の通学かばん調査報告書(2025年度) https://www.city.ebetsu.hokkaido.jp/uploaded/attachment/83206.pdf (中学生の置き勉・端末・かばんの重さ)

なおした ところ

更新履歴

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