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ここに書いてあることは、誰かが実際に手を動かして調べ、考え、作り上げてきたものを拾い集めています。専門の本や論文、作品、そしてそれを生み出した人たち。気になったことがあれば、ぜひそのおおもとに直接ふれてみてください。このメモには書ききれない熱を、感じてもらえると思います。

ちいさな ごまつぶは、どこから きて、どう そだつの?

ゴマは世界のどこで作られているのか ── 小さな一粒と、日本の畑のいま

ゴマは世界のどこで作られているのか ── 小さな一粒と、自給率0.1%に満たない日本の畑

分野:生きもの

おうちに ある いりごまの ふくろの うらを 見て みて ください。「げんさんこく」の ところに、にほん では ない くにの 名前が 書いて ある ことが おおいです。

それなのに、かごしまけんの きかいじまと いう しまでは、なつに なると、みちの あちこちに ごまの たばが ならびます。ごまは、どこで つくられて いるのでしょう。あの ちいさな つぶは、どうやって そだつのでしょう。

いりごまの袋を裏返すと、「原産国」のらんに、日本ではない国の名前が書いてあることがよくあります。日本で使われるゴマは、その多くを外国からの輸入にたよっています。

それなのに、鹿児島県の喜界島では、夏になると道のあちこちにゴマの束が並びます。輸入のほうが安いはずなのに、なぜ日本でも作り続ける人がいるのでしょう。あの小さな一粒はどんな植物からできて、世界のどこで、どうやって育てられているのかを、順に見ていきます。

日本で使われているゴマのうち、99.9%が輸入にたよっている[1]。1000粒のゴマを机に並べたら、日本で育ったものは1粒あるかないか、という計算になる。

それなのに、鹿児島県の喜界島では、いまも夏になると道路のあちこちにゴマの束が並ぶ。「セサミストリート」と呼ばれる光景だ[1]。輸入のほうが安いはずなのに、なぜ作り続ける人がいるのか。このメモでは、あの小さな一粒がどんな植物からできているのか、世界のどこでどう作られ、どうやって収穫されるのかをたどったうえで、日本の生産量がどう変わってきたのかを見ていく。

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1. ごまは、どんな しょくぶつから できるの?

1. 小さな一粒は、どんな植物からできているのか

1. 小さな一粒はどんな植物から生まれるのか

ごまは、たかさ 1メートルぐらいに そだつ くさです。なつ、はの つけねに しろい 花が さいて、あきに なると、みが なります。1つの みの 中には、たくさんの たねが つまって います。

たねの なかみの はんぶん いじょうは、あぶらです。種たねの 中に、めを 出す ための ちからを、あぶらの かたちで ためて いる からです。じゃがいもが でんぷんで ためて いるのと、にて いますが、ごまは あぶらで ためて いる なかまです。

ごまには、もう1つ、かくれた せいぶんが あります。ごまリグナンと いう せいぶんで、あぶらが いたむのを ふせぐ はたらきが ある そうです。

ゴマは、ゴマ科ゴマ属の一年草です。草丈はおよそ1メートルになり、夏、8月ごろに葉のつけ根に白い花をつけ、秋になると実を結びます。実の中には、多数の種子が入っています[1]。発芽に向いた温度は20〜30度で、水と温度さえそろえば、わりあい発芽しやすいとされます[1]。

種子の中身の半分以上は油です。白ゴマの含油率は約50%以上とされています[1]。植物の種は、芽を出すための養分をたくわえていますが、その形は植物によってちがいます。デンプンでたくわえる種もあれば、ゴマのように脂質でたくわえる種もあります。

ゴマには、もう一つ特徴があります。ごま油の会社かどやによると、ゴマにはおよそ1%の脂溶性成分「ゴマリグナン」が含まれ、油の酸化を抑え、ビタミンEの働きを助けるといいます。ごま油に含まれる脂肪酸は、酸化に強いオレイン酸と、やや弱いリノール酸が、ほぼ同じ量ずつ含まれているそうです[2]。

小さな一粒は、次の芽を出すための油と、それを守る成分を、両方たくわえた種だといえます。では、この植物は世界のどこで育てられているのでしょうか。

ゴマは、ゴマ科ゴマ属の一年草だ。草丈はおよそ1メートルになり、夏、8月ごろに葉腋に白色の花をつけ、秋に結実して、実の中に多数の種子を含む。発芽適温は20〜30度で、適当な水分と温度があれば容易に発芽するとされる[1]。

種子の中身の半分以上は油だ。白ゴマの含油率は約50%以上とされる[1]。植物の種子は、発芽のための養分をたくわえているが、その形は種によってちがう。デンプンでたくわえる種子もあれば、ゴマのように脂質としてたくわえる種子もある。

ゴマにはもう一つ特徴がある。ごま油の会社かどやの説明では、ゴマにはおよそ1%の脂溶性成分「ゴマリグナン」が含まれ、油の酸化を抑え、ビタミンEの働きを助けるという。ごま油に含まれる脂肪酸は、酸化に強いオレイン酸と、やや酸化に弱いリノール酸が、ほぼ同量含まれているとされる[2]。

小さな一粒は、次の世代のための油と、それを守る成分を詰めこんだ種だといえる。では、この植物は世界のどこで、どんな気候の中で育てられているのだろうか。

2. せかいの どこで つくられて いるの?

2. 世界のどこで、どんな気候で作られているのか

2. 世界のどこで、どんな気候で作られているのか

やせいの ごまの なかまは、アフリカの かわいた くさはらに おおく そだって います。ごまを はたけで そだてる ことは、いまから 5千年ぐらい 前、インドで はじまったと いう せつが あります。

いまは、ミャンマー・インド・中国で、せかいの ごまの おおくが つくられて います。この 3か国だけで、せかいの はんぶんから 6わりぐらいを しめる ときも あります。

ごまは、ひでりに つよい しょくぶつです。ぎゃくに、雨が おおすぎると、そだちが わるく なります。かわいた きせつが はっきりして いる 国が、ごまづくりに むいて いるようです。

野生のゴマの仲間は、アフリカのサバンナに多く育っています。栽培されたゴマの起源については、紀元前3500年ごろのインドという説があります[1]。

2010年の世界の総生産量は384万トンで、ミャンマー(72万トン)、インド(62万トン)、中国(59万トン)の上位3か国で、世界全体の約半分を占めていました[1]。ごま油の会社かどやによると、現在も世界の年間生産量はおよそ350万トンで、同じ3か国が世界の生産量の約6割を占めているといいます[3]。統計をとった年はちがいますが、2010年の数字でも、かどやが示す現在の数字でも、上位に入る国は同じです。

なぜこの国々なのでしょうか。ゴマは日照りに強く、育ちの後半の乾燥にはとても強い植物です。反対に、雨が多いと育ちが悪くなります[1]。乾いた季節がはっきりある気候は、ゴマにとって都合がよいのでしょう。

日本の気候は、これとはあまり相性がよくありません。では、雨の多い日本で、ゴマはどうやって育てられ、収穫されているのでしょうか。

野生のゴマの仲間はアフリカのサバンナに多く分布し、起源地はスーダン東部のサバンナ地帯だろうとする説がある。一方で、栽培ゴマとしては、紀元前3500年ごろのインドが発祥地とする説もある[1]。

2010年の世界の総生産量は384万トンで、ミャンマー(72万トン)、インド(62万トン)、中国(59万トン)の上位3か国で、世界全体の約半分を占めていた[1]。ごま油の会社かどやによれば、現在も世界の年間生産量はおよそ350万トンで、同じ3か国が世界の生産量の約6割を占めるという[3]。統計をとった年はちがうが、2010年の数字でも、かどやが示す現在の数字でも、上位に入る国は同じだ。

この分布には、気候が関係していそうだ。ゴマは日照りに強く、育ちの後半の乾燥にはたいへん強い。逆に、多雨は生育を悪くするとされる[1]。乾季と雨季がはっきりした気候が、ゴマの生育には都合がよいのだろう。

日本の気候は、この条件とは相性がよいとは言えない。では、雨の多い日本で、ゴマはどうやって栽培・収穫されているのだろうか。

3. あの ちいさな つぶを どうやって とるの?

3. あの小さな粒を、どうやって収穫するのか

3. あの小さな粒を、どうやって収穫するのか

ごまの みは、じゅくすと さやが ひとりでに パカッと はじけて、中の たねが こぼれ おちて しまいます。だから、ぜんぶの さやが はじける 前に、かりとらなければ なりません。

かりとった くきは、雨に ぬれない ところに たてかけて、しばらく かわかします。それから、くきを さかさまに もって、シートの 上で たたくと、たねが ぱらぱらと おちて きます。

むかしの 人は、さやが はじける ようすを、とびらが パッと ひらく ことに たとえました。「ひらけ、ごま」と いう まほうの ことばは、この ようすから 生まれた、と いう せつも あります。

1本の くきからは、20グラムから 30グラムぐらいの ごまが とれます。ごま つぶ 1つぶは、0.003グラムしか ありません。けいさんすると、1本の くきから、6千つぶから 1万つぶ ちかい ごまが とれる ことに なります。ちいさな 1つぶが、こんなに たくさんの つぶに なるのです。

さやがはじける前に刈り取る

ゴマの実(さや)は、熟すと自然にはじけて、中の種子がこぼれ落ちます。ある国産ゴマ農家の説明では、いちばん下のさやが茶色くなって開いてきたら収穫の合図で、そのままにしておくとさやがはじけて、中のゴマが飛び散ってしまうといいます[4]。ごま油の会社かどやも、実がすべて成熟してはじけてしまう前に刈り取り、立てかけて乾燥させてから、たたいて種子を収穫すると説明しています[3]。

この農家では、雨にぬれないようビニールハウスの中に運んで立てかけ、およそ2週間かけて追熟させます。そのあと、くきを逆さまに持ってシートの上でたたき、ゴマを落とします。落としたあとは、ふるいや風を使って、くきや葉のかけらを取りのぞきます[4]。小麦や米のように、機械で一気に刈り取れる作物とは、事情がちがうようです。

「開けゴマ」の由来

さやがはじける瞬間は、よく知られたことばの由来にもなっています。ゴマが熟してさやがはじけるようすを、扉が開くことにたとえたという説があり、「開けゴマ」ということばは、ここから生まれたのではないかといわれています[5]。

1本の株から、何粒とれるのか

ゴマ製品を作る会社によると、1本の株からはおよそ20〜30グラムのゴマがとれます[6]。ゴマ1粒の重さは0.003グラムとされています[7]。これで割り算すると、1本の株から、6千粒から1万粒近いゴマがとれる計算になります。まいた種はほんの数粒でも、1本に育てば、その何千倍もの粒が実るわけです。

さやがはじける前に刈り取る

ゴマの実(蒴果)は、熟すと自然に裂開し、中の種子がこぼれ落ちる。国産ゴマを栽培するある農家の説明では、いちばん下のさやが茶色くなって開いてきたら収穫のサインで、そのままにしておくとさやがはじけて中のゴマが飛び散ってしまうという[4]。ごま油の会社かどやも、実がすべて成熟して裂開する前に刈り取り、立てかけて乾燥させたのち、たたいて種子を収穫すると説明する[3]。

この農家では、播種は5月中旬ごろ、収穫は8月中旬ごろで、栽培期間はおよそ4か月だ。1つのさやには80〜100粒の種子が並んで詰まっているという[4]。刈り取った株は、雨にぬれないようビニールハウスに運んで立てかけ、およそ2週間かけて追熟させる。そのあと、株を逆さまに持ってシートの上でたたき落とし、ふるいと風力で夾雑物を取りのぞく[4]。小麦や米のようにコンバインで一斉に刈り取れる作物とは、収穫の手間が大きくちがう。

「開けゴマ」の由来

さやが裂開する瞬間は、よく知られたことばの由来にもなっている。ゴマが熟してさやがはじけるさまを、扉が開くことにたとえたという説があり、中東でゴマが大切な保存食だった時代を背景に、「開けゴマ」という呪文が生まれたのではないかと言われている[5]。

1本の株から、何粒とれるのか

ゴマ製品を専門に作る会社の説明では、1本の株からおよそ20〜30グラムのゴマが採れる[6]。ゴマ1粒の重さは0.003グラムとされる[7]。単純に割り算すると、1本の株から6,000粒から1万粒近いゴマが採れる計算になる。まいた種はわずか数粒でも、育てば、その何千倍もの粒になって返ってくるわけだ。

4. しろ・くろ・きんいろ、なにが ちがうの?

4. 白・黒・金色、何がちがうのか

4. 白ごま・黒ごま・金ごま、何がちがうのか

ごまには、しろ・くろ・きんいろが あります。これは、たねの そとがわの かわの いろの ちがいです。なかみの えいようは、ほとんど おなじだそうです。

しろごまは、あぶらが おおいので、ごまあぶらにも つかわれます。くろごまは、せきはんや おはぎに つかわれる ことが おおいです。いろの ちがいで、りょうりの 見た目も かわります。

白ゴマ・黒ゴマ・金ゴマは、種子そのものの種類がちがうわけではなく、種子の外皮の色によって分けられています[1]。

白ゴマは脂質が多く、ごま和えやごま豆腐、練りゴマなど幅広い料理に使われるほか、ごま油の原料にもなっています。黒ゴマは、ごま和えのほか、赤飯やおはぎなど、色を生かした料理に使われます[1]。ごま油の会社かどやも、基本的な栄養はほとんど変わらず、香りと色に若干のちがいがあると説明しています[3]。

同じ植物なのに、外皮の色だけで料理の使い分けが生まれている、というのは面白い点です。では、こうしたゴマを、日本ではいつごろから食べてきたのでしょうか。

白ゴマ・黒ゴマ・金ゴマ(黄ゴマ)は、種子そのものの品種というより、種子の外皮の色によって分類されたものだ[1]。

白ゴマは脂質が多く、ごま和え・ごま豆腐・練りゴマなど幅広い料理に使われ、脂質の多さから、ごま油の原料にもなる。黒ゴマは、ごま和えのほか、赤飯やおはぎなど、色を生かす料理に使われる[1]。ごま油の会社かどやは、白・黒・金の基本的な栄養はほとんど変わらず、香りと色に若干のちがいがあると説明する[3]。

同じ植物の種子なのに、外皮の色だけで料理の使い分けが生まれているのは興味深い。では、こうしたゴマを、日本ではいつごろから食べてきたのだろうか。

5. にほんでは いつから ごまを たべて いるの?

5. 日本では、いつごろからごまを食べてきたのか

5. 日本では、いつごろからごまを食べてきたのか

縄文じょうもん時代の いせきから、ごまの たねが 見つかった ことが あります。そのあとの 奈良なら時代には、はたけで ごまを そだてて、あぶらを しぼり、りょうりに つかったり、あかりを ともす あぶらに つかったり して いました。ずいぶん むかしから、日本に あった たべものなのです。

ゴマは、日本ではとても古くから知られていた植物です。縄文時代の遺跡から、ゴマの種子が見つかった事例があります[1]。

時代が下って奈良時代には、畑でゴマが栽培され、しぼった油は料理に使われたり、明かりをともす油として使われたりしていました[1]。奈良の東大寺正倉院に伝わる『正税帳』という書類にも、当時の中央政府に納めていたもののひとつとして、「胡麻子(ごまのたね)」の記録が残っています[8]。ゴマは、税として国に納めるほど、当時から意味のある作物だったようです。

大昔から食べられてきたゴマが、なぜ今の日本では、ほとんど作られていないのでしょうか。

ゴマは、日本でも古くから存在が確認できる植物だ。縄文時代の遺跡から、ゴマの種子が出土した事例がある[1]。ただし、この段階で栽培されていたのか、野生か輸入かは、この記述だけでは分からない。

時代が下って奈良時代には、畑で栽培され、ゴマを圧搾してゴマ油を作り、食用油として調理に使ったり、灯用油として使ったりしていたとされる[1]。奈良の東大寺正倉院に伝わる『正税帳』には、734年の税の出納状況が記されており、中央政府に納めていたものの一つとして「胡麻子」が記録されている[8]。ゴマは、税として納めるものの一覧にあがるほど、奈良時代にはすでに知られた作物だったようだ。

これだけ長く食べられてきたゴマが、なぜ今の日本では、ほとんど作られていないのだろうか。

6. いまの にほんの ごまは、どれくらい?

6. 日本で使うごまのほとんどが外国産って本当か

6. 日本の自給率は本当に0.1%に満たないのか

こたえは、「ほんとう」です。日本で つかわれる ごまの 99.9%は、がいこくから きた ものです。日本の 中で とれる りょうは、あわせても 100トンに とどきません。

ある ごまの かいしゃの しらべでは、日本人が 1年間に つかう ごまは やく15万トンです。その 中で、日本で とれた ごまは、たった やく40トンしか ありませんでした。じつは、いまから 70年ほど 前は、日本だけで 6千トン いじょう とれて いた 時期も あった そうです。

答えは、「ほぼその通り」です。日本で使われるゴマは、その99.9%を輸入にたよっています。国内でも鹿児島県、茨城県、沖縄県などで作られていますが、国内の総生産量は合わせても100トンにとどきません[1]。

ごま油の会社九鬼産業の説明では、2021年に日本が消費したゴマは、年間およそ15万トンでした。それに対して、国産ゴマの収穫量はわずか約40トンで、割合にすると0.026%だといいます[9]。

もっと驚くのは、この数字が昔からこうだったわけではないという点です。同じ資料によると、70年ほど前には、国内の収穫量が6千トンを超えていた時期もあったそうです[9]。かつては6千トンあったものが、今は40トンほどにまで減っている計算になります。何が、この差を生んだのでしょうか。

答えは、「ほぼその通り」だ。日本で使われるゴマの99.9%は輸入にたよっている。国内でも鹿児島県、茨城県、沖縄県などで生産されているが、総生産量は100トンにも満たない[1]。

ごま油の会社九鬼産業の説明によれば、2021年に日本が消費したゴマは年間およそ15万トンだった。これに対し、国産ゴマの収穫量はわずか約40トンで、比率にすると0.026%になるという[9]。

この数字は、もともとこうだったわけではない。同じ資料は、70年ほど前には国内の収穫量が6千トンを超えていた時期もあったと伝えている[9]。かつて6千トンあった国内生産が、今は40トンほどにまで縮んだ計算になる。この差を生んだ理由は何だろうか。

7. やすい のに、にほんで つくる ひとが いるのは なぜ?

7. 輸入のほうが安いのに、日本で作り続ける人がいるわけ

7. 輸入のほうが安いのに、日本で作り続ける人がいるわけ

ごまは、雨が おおいと そだちが わるく なる しょくぶつでした。日本は 雨や 台風の おおい 国なので、そだてるのが むずかしいのです。おまけに、しゅうかくは きかいに たよれず、人の 手で ひとつひとつ やらなければ なりません。だから、ねだんも たかく なりがちです。

それでも、かごしまけんの きかいじまでは、いまも たくさんの ごまが つくられて います。きかいじまは、日本で いちばんの ごまの さんちです。なつに なると、しゅうかくした ごまの たばが、みちに ずらりと ならびます。この けしきは、「セサミストリート」と よばれて、しまの なつの めいぶつに なって います。

やすい がいこくの ごまが あっても、じぶんの 村や しまで つくった ごまを、じぶんの 手で とどける 人たちが、いまも ごまを つくり つづけて いるのでしょう。

ここまで見てきたように、ゴマは雨が多いと育ちが悪くなる植物です[1]。日本は梅雨や台風で雨が多く、しかも収穫はさやがはじける前を見きわめて刈り取り、たたいて種子を落とすという、手間のかかる作業です[3]。ごま油の会社九鬼産業は、栽培・収穫・乾燥・選別のほぼすべての工程で機械化が進んでいないことを、国産ゴマが少ない理由の一つに挙げています[9]。人の手がかかるほど、費用は高くなりやすいものです。同じ会社は、三重県で機械を使ったゴマ栽培を広げるプロジェクトにも取り組んでおり、2021年には栽培面積が18.9ヘクタールまで増えたといいます[9]。機械化の壁を越えようとする動きも、少しずつ出てきているようです。

それでも、鹿児島県の喜界町は、国内最大のゴマの産地です[10]。5月中旬に種をまき、7月から9月ごろまで収穫が続き、年によって収穫量は15トンから60トンほどの幅で変わります[10]。2019年の地元紙の報道では、その年の栽培面積はおよそ150ヘクタール、収穫量の見通しは60〜70トン、収穫額は1億8千万円から2億円ほどにのぼる見こみだったと伝えられています[11]。栽培中に雨の日が続くと、その年の収穫量が1割ほど下がることもあるそうです[11]。

収穫の時期には、島の集落や道路のあちこちに、刈り取ったゴマの穂を並べて天日干しする「セサミストリート」と呼ばれる光景が広がります[1][11]。安い外国産のゴマがあっても、島の畑と収穫の風景、そして地元の産業として、ゴマを作り続けている人たちがいます。それが、日本の自給率がゼロにならずに残っている理由のようです。

ここまで見てきた通り、ゴマは多雨で育ちが悪くなる植物であり[1]、日本は梅雨と台風で雨が多い。そのうえ収穫は、さやが裂開する前を見きわめて刈り取り、乾燥させてからたたいて種子を落とすという、手間のかかる作業だ[3]。九鬼産業は、栽培・収穫・乾燥・選別のほぼ全工程で機械化が進んでいないことを、国産ゴマの自給率が低い理由の一つに挙げている[9]。労働力に依存する割合が高いほど、生産費用は上がりやすい。同社は三重県で、機械を使ったゴマ栽培を広げる「ゴマ栽培の機械化プロジェクト」にも取り組んでおり、2021年時点で栽培面積は18.9ヘクタール、生産者は52件に増えたという[9]。機械化の壁を越えようとする動きも出てきている。

それでも、鹿児島県喜界町は国内最大のゴマの産地であり続けている[10]。播種は5月中旬、収穫は7月から9月ごろまで続き、年による収穫量は15トンから60トンほどの幅で推移している[10]。地元紙の報道(2019年)では、その年の栽培面積はおよそ150ヘクタール、その年の収穫量見通しは60〜70トン、収穫額はおよそ1億8千万円から2億円になる見こみだと伝えられた[11]。同じ報道は、栽培期間中に雨天が続いたことで、その年の生産量が平年より1割ほど下がったことも伝えている[11]。収穫したゴマのほとんどは島外へ出荷されるという[11]。

収穫の時期には、集落や道路のあちこちに、刈り取ったゴマの穂を並べて天日干しする「セサミストリート」と呼ばれる光景が現れる[1][11]。安価な輸入ゴマがあるなかでも、地域の畑と、この時期ならではの風景、そして年間1億円を超える産業として、ゴマ作りを続けている人たちがいる。それが、日本の自給率が0にならずに残っている理由のようだ。

8. じぶんで しらべて みよう

8. 自分でも調べてみたくなったら

8. 自分でも調べてみたくなったら

おうちに ある いりごまの ふくろを 見て、「げんさんこく」に なんと 書いて あるか さがして みましょう。しろごまと くろごまが あったら、いろを くらべて みても いいですね。

スプーン 1ぱいの いりごまを おさらに あけて、ゆっくり つぶを かぞえて みましょう。おもったより たくさん あって、おどろくかも しれません。かぞえたら、その まま りょうりに つかいましょう。

ちいさな 1つぶが、なん千つぶにも なります。その ことを おもいだしながら、こんど おうちの ごはんに ごまが 出て きたら、よく 見て みて ください。

家にあるいりごまの袋の「原産国」の表示を見て、どこの国のゴマか調べてみましょう。白ゴマと黒ゴマがあれば、色と香りを見比べてもよいでしょう。

小さじ1杯のいりごまを、お皿の上でゆっくり数えてみましょう。何粒あるか、数える前に予想してから数えると、感覚とのちがいが分かります。数え終えたら、そのまま料理に使いましょう。

スーパーで、白ごま・黒ごま・金ごま・練りごま・ごま油の並ぶ棚を見て、原材料表示に「輸入」「国産」のどちらが書かれているかを見比べるのもおすすめです。1本のゴマの株から数千粒がとれるという計算を思い出しながら、今度食卓にゴマが出てきたら、よく見てみてください。

家にあるいりごまの袋の「原産国」の表示から、どの国のゴマかを確かめてみよう。白ごま・黒ごま・金ごまがそろっていれば、色と香りのちがいを見比べるのもよい。

小さじ1杯のいりごまを数えてみると、1粒0.003グラムという計算の実感がわく。数えたら、そのまま料理に使う。

読み比べるなら、鹿児島県喜界町の公式ページ[10]と、ごま油の会社2社(かどや[3]、九鬼産業[9])の解説を並べてみるとよい。同じ「国産ゴマが少ない」という事実を、産地の側と、加工する会社の側、それぞれの立場から説明しているのが分かる。

しらべた ところ

参考にした情報源

参考にした情報源

出典について:百科事典(ウィキペディア)、ごま油を作る会社(かどや、九鬼産業)、ゴマ栽培農家の解説、鹿児島県喜界町の公式ページ、地元紙(奄美新聞)の記事、食品会社(理研ビタミン)のFAQ、雑誌記事を使いました。企業や農家のページは、それぞれの立場からの説明であることをふまえて読んでいます。

  1. Wikipedia「ゴマ」。 https://ja.wikipedia.org/wiki/ゴマ (植物としての特徴、発芽適温、含油率、2010年の世界生産量と上位3か国、気候(旱魃に強く多雨に弱い)、日本の自給率(99.9%輸入)、国内産地と生産量、白黒金の色による分類と用途、縄文・奈良時代の記録、喜界島のセサミストリートに使った)
  2. かどや製油グループ「スーパーフード『ごま』で健やかな毎日を」。 https://www.kadoya.com/enjoy/page06.html (ゴマリグナン(約1%)の働き、オレイン酸とリノール酸がほぼ同量含まれることに使った)
  3. かどや製油グループ「ゴマQ&A事典」。 https://www.kadoya.com/enjoy/page02.html (現在の世界生産量(年間約350万トン)と上位3か国のシェア(約6割)、収穫方法(さやがはじける前に刈り取り、乾燥、脱穀)、白黒金の栄養と香り・色の違いに使った)
  4. 国産ごまの香胡園「ごまができるまで」。 https://kagoen-goma.com/process/ (播種・収穫の時期(5月中旬〜8月中旬)、1つのさやの種子数(80〜100粒)、収穫のサイン、ビニールハウスでの追熟、脱穀の方法に使った)
  5. Wikipedia「開けゴマ」。 https://ja.wikipedia.org/wiki/開けゴマ (さやがはじけるようすが「開けゴマ」の由来という説に使った)
  6. 株式会社マコト「ごまの知識」。 https://goma-makoto.com/sesami/ (1本の株からとれるゴマの量(約20〜30g)に使った)
  7. 理研ビタミン株式会社「よくあるご質問」。 https://www.rikenvitamin.jp/inquiry/qa_products/022.html (ゴマ1粒の重さ(0.003g)に使った)
  8. Discover Japan「〈飛鳥~平安時代〉日本のスパイスの歴史」。 https://discoverjapan-web.com/article/152658 (正倉院文書『正税帳』(734年)に「胡麻子」が記録されていることに使った)
  9. 九鬼産業株式会社「【自給率0.1%未満?】国産ごまのホントのこと」。 https://www.kuki-info.co.jp/gomanokoto/gomanokoto-005.html (2021年の日本の消費量(約15万トン)と国産収穫量(約40トン、0.026%)、70年ほど前の国内収穫量(6千トン超)、機械化が進んでいないこと、三重県での機械化プロジェクトと栽培面積の拡大(2021年時点で18.9ヘクタール、生産者52件)に使った)
  10. 鹿児島県喜界町「ゴマ」。 https://www.town.kikai.lg.jp/tougyo/sangyo/nogyo/nosanbutsu/goma.html (喜界町が国内最大の産地であること、播種(5月中旬)と収穫(7〜9月)の時期、年ごとの収穫量(H25〜R4で15〜60トン程度の幅)に使った)
  11. 奄美新聞「各所に『セサミストリート』」(2019年9月4日)。 https://amamishimbun.co.jp/2019/09/04/20268/ (2019年の栽培面積(約150ヘクタール)、収穫量見通し(60〜70トン)、収穫額(約1.8億〜2億円)、雨天による減収(1割程度)、島外出荷の状況に使った)

なおした ところ

更新履歴

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