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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

くつの 上と 底そこは、なにで できて いるの?

靴の上と底は、それぞれ何でできているの?

靴は何でできていることが多いのか ── 甲皮と底材に分けて読む

分野:技術

スポーツシューズの 底そこに つかう ざいりょうの 一つは、1970年代に、まず ビーチサンダルの 底そこに つかわれました。

くつの 上と 底そこは、どうして べつの ざいりょうなのでしょう。この 記事では、上は 皮や 人工の 皮や ぬのが 多く、底そこは ゴムや プラスチックの なかまが 多いこと、そして 底そこが かるく なった わけが 分かります。

ランニングシューズの底に使われる素材の源流のひとつは、ビーチサンダルの底に使われた発泡素材だとされます。空気をふくませてスポンジのようにする技術が、1970年代の中ごろに開発されたのが始まりです。

靴の上の部分と底は、なぜ別々の材料で作られるのでしょうか。この記事では、上は皮や人工の皮や布、底はゴムや樹脂が目にとまりやすいこと、そして底が軽くなっていった道すじが分かります。

スポーツシューズのミッドソール素材の源流とされるEVA(エチレン酢酸ビニル共重合体)は、空気を含ませて発泡させる技術が1970年代中ごろに開発され、最初はビーチサンダルの底に使われた[3]。

靴は甲と底で別の材料を使うのが基本で、日本の品質表示でも、この二つを分けて書く[1]。この記事では、甲皮と底材それぞれの代表的な材料と、底が軽くなっていった理由が分かる。

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1. くつを ひっくりかえすと、上と 底そこで ちがうの?

1. 靴の上と底は、別々の材料として表示される

1. 品質表示のルールは、靴の甲皮と底材を分けて示す

くつを ひっくりかえして みましょう。上の ぶぶんと 底そこでは、さわった かんじが ちがう ことが 多いはずです。

日本の きまりでは、ゴムや プラスチックの 底そこを つけた くつなどで、くつの 上の ぶぶんを「こうひ」、底そこを「底そこざい」と 分けて、ざいりょうを 書く ことに なっています[1]。ゴムを つかった 底そこは「ゴム底そこ」、プラスチックの なかまを つかった 底そこは「合成ごうせい底そこ」と 書きます[1]。

つまり、ひょうじでは、上と 底そこを 分けて ざいりょうを 書く ことに なっています。ただし、これは きまりの せつめいで、すべての くつが この 分け方に ぴったり 入る わけでは ありません。

では、上の ぶぶんは、なにで できて いるのでしょう。

靴を裏返すと、上の部分と底では、手ざわりも見た目もちがうことが多いものです。日本の品質表示のルールでは、靴の材料を「甲皮」と「底材」に分けて書くことになっています[1]。甲皮は足の甲をおおう上の部分、底材は地面に当たる底です。

底材は、使っている材料で呼び名が決まっています。ゴム(天然ゴム、合成ゴム、その混ぜたもの)なら「ゴム底」、合成樹脂、または合成樹脂とゴムの混ぜたものなら「合成底」と書きます[1]。

この記事の見取り図を先に言っておくと、甲皮には天然皮革、人工皮革、合成皮革、化学繊維の布などが、底材にはゴムや合成樹脂、空気をふくませて軽くした発泡素材などが使われます。ただし、表示ルールの説明が対象にしているのは決まった種類の靴で、世の中の靴すべてを分類したものではありません。

では、甲皮に使われる「皮のようなもの」は、どんなものなのでしょうか。

日本の雑貨工業品品質表示規程(消費者庁の解説)は、靴の材料を甲皮と底材に分けて表示させる。底材は、ゴム(天然・合成・その混合)なら「ゴム底」、合成樹脂または合成樹脂とゴムの混合物なら「合成底」と書く[1]。上と下で求められる性質が違うために、別の材料を組み合わせる設計になっているわけだ。

これを軸に整理すると、甲皮には天然皮革・人工皮革・合成皮革・化学繊維の布、底材にはゴム・合成樹脂・発泡素材が使われる、という見取り図になる。ただし、表示の解説が直接扱う対象は、甲に合成皮革などを使い底を接着した靴など決まった種類で、靴全体の材料別の割合を示す公的な統計は、この記事で使った資料にはない。そのため「多い」は目安の言い方にとどめる。

では、甲皮の中でも話がややこしい「合成皮革」と「人工皮革」から見ていく。

2. 上の ぶぶんは、かわだけ じゃ ないの?

2. 「合成皮革」と「人工皮革」は何がちがうのか

2. 合成皮革と人工皮革 ── 基材の違いが表示の違いになる

くつの ラベルには、「合成ごうせい皮革ひかく」や「人工皮革ひかく」と 書いて ある ことが あります。どちらも、本物の 動物の 皮とは ちがいます。

「合成ごうせい皮革ひかく」は、ぬのの 上に プラスチックの うすい そうを つくり、本物の 皮のような もようを おしつけて つくります[2]。ぬのの かわりに、とくべつな ふしょくふ(おりめの ない ぬの)を 土台に した ものは、「人工皮革ひかく」と 書いても よい ことに なっています[2]。

ほかに、ポリエステルなどの 化学せんいで つくった ぬのも、ランニングシューズの 上の ぶぶんに つかわれます。あるメーカーは、2022年に 出した あたらしい ランニングシューズの 90%いじょうで、上の ぶぶんの ざいりょうに 20%いじょうの リサイクル ポリエステルを つかったと 書いています[5]。

ただし、これは 90%の くつが リサイクル ざいりょうで できて いる、と いう 意味では ありません。

上は わかりました。つぎは、地めんに ふれる 底そこです。

靴のラベルに「合成皮革」や「人工皮革」と書かれているのを見たことがあるかもしれません。どちらも、天然皮革のような見た目を目ざして作られた材料です。

消費者庁の表示規程によると、合成皮革は、織布や不織布(織らずに繊維をからませた布)を土台にして、その上に合成樹脂の表面層を作り、天然皮革のような模様を型押ししたものです。土台に特殊な不織布を使うものは、「合成皮革」のかわりに「人工皮革」と表示してもよいとされています[2]。つまり呼び名のちがいは、土台に何を使うかに関わっています。

化学繊維の布も、甲皮の材料です。アシックスの公式ブログによると、2022年に出した新しいランニングシューズの90%以上で、メインのアッパー素材に20%以上のリサイクルポリエステルを使っています[5]。これは「90%以上の靴が、20%以上の再生素材を含む」という意味で、靴の90%が再生素材でできているわけではありません。一社の公表した数字なので、ほかの会社の靴にそのまま当てはめることもできません。

甲皮はこのように、皮・人工の皮・布と選べます。では、地面に当たる底は、どんな材料が選ばれてきたのでしょうか。

表示規程上、合成皮革は織布または不織布を基材に、合成樹脂の表面層を設け、天然皮革に似た模様を型押ししたものだ。基材に特殊不織布を用いる場合は、「合成皮革」に代えて「人工皮革」の語を用いてよい[2]。表示の違いは、見た目ではなく基材の違いに対応している点に注意したい。

化学繊維では、ポリエステルのメッシュ状の布が競技用靴の甲によく使われる。アシックスは公式ブログで、2022年の新しいランニングシューズの90%以上で、メインアッパー素材に少なくとも20%のリサイクルポリエステルを含めたと述べる[5]。これは「90%以上の靴が、20%以上の再生素材を含む」の意味で、靴の90%が再生素材でできているのではない。同じ資料の、2020年のポリエステル生地総消費量の19.5%という数字も、靴全体の割合ではなく生地の総量に対する割合である。いずれも一社の公表値で、業界全体の傾向とはいえない。

こうして甲皮の側は、天然皮革の質感を目ざした材料と、軽さや再資源化を目ざした布の二方向に広がっている。では底の側では、何が変わってきたのか。

3. ゴムの 底そこは、どうして つかえるように なったの?

3. べたつくゴムを、靴の底に使えるようにした工夫

3. 加硫と、ゴム底のキャンバス靴 ── 底に求められた「すべりにくさ」

もとの ゴムは、あつい 日には べたべたして、つかいにくい ものでした[4]。

これを 使いやすく したのが、ゴムに いおうを くわえて ねつを あたえる「かりゅう」という やり方です。アメリカの チャールズ・グッドイヤーが 1839年に つくり方を 見つけ、1844年に 特許とっきょを とったと されています[4]。

ゴムの 底そこの くつは、その あとに ひろがりました。コンバースは、ゴム底そこの ぬの(キャンバス)の テニスシューズを 出しました[6]。1917年には、ひし形の もようの ついた、すべりにくい 底そこの バスケットボール用の くつも 出しています[6]。

ただし、むかしの スポーツ用の 底そこは、おもくて 一つの 色の ゴムスポンジが ふつうでした[3]。

おもい 底そこを かるく するには、どうしたのでしょう。

天然ゴムは、そのままだと熱でべたつきやすく、扱いづらい材料でした。これを使いやすくしたのが、ゴムに硫黄を加えて熱を加える「加硫」という方法です。アメリカのチャールズ・グッドイヤーが1839年に工程を開発し、1844年に特許を得たとされます[4]。ストーブに落として偶然見つかったという話も伝わっていますが、逸話の域を出ないため、ここでは事実として扱いません。

加硫したゴムは、靴の底に向いた材料になりました。コンバースは、ゴム底を備えたキャンバス地のテニスシューズを発表しています[6]。1917年には、特許をとったダイヤモンド柄のトレッド(接地面の模様)で滑りにくくしたバスケットボールシューズを出しました。のちにオールスターと呼ばれる靴につながります[6]。キャンバス地の話はテニスシューズのことで、1917年のモデルの甲の材料は、使った資料からは分かりません。

ただ、アシックスの資料によれば、1950年代前半までのスポーツ用シューズの底は、重くて単色のゴムスポンジが一般的でした[3]。滑りにくさはゴムが得意でも、走る人には重さが気になってきます。軽い底は、どこから来たのでしょうか。

天然ゴムはべたつきやすく、不安定な材料だった。硫黄を加えて加熱する加硫で扱いやすくなり、グッドイヤーが1839年に工程を開発し、特許は1844年に得た[4]。「ストーブに落として偶然発見」という話は逸話の段階で、事実としては断定しない。同じ時期に英国のハンコックの特許があるという記述もあるが、ここでは単一の資料にとどまるため深入りしない。

ゴム底が靴の主役になる過程を、コンバースの例で見る。同社はゴム底のキャンバス地テニスシューズを発表し、1917年には特許のダイヤモンド・トレッドで滑りにくい底を持つバスケットボールシューズ(のちのオールスター)を出した[6]。前者のキャンバス地はテニスシューズの説明であり、1917年のモデルがキャンバス製かは資料にない。この二つを混ぜないでおく。

だが、アシックスによれば、1950年代前半までスポーツシューズの底は重く単色のゴムスポンジが一般的だった[3]。すべりにくさは得られても、競技用には重さが課題になる。この課題が次の素材へつながる。

4. かるい 底そこは、ビーチサンダルから ひろがった?

4. 軽い底は、ビーチサンダル用の発泡技術から広がった

4. EVAの発泡技術と、1974年のマラソンシューズ

むかしの スポーツシューズの 底そこは、おもい ゴムスポンジが ふつうでした。もっと かるくて、あしに やさしい 底そこが ほしいと いう 声が 大きく なりました[3]。

そこで つかわれたのが「EVA(イーブイエー)」という ざいりょうです。EVAに 空気を ふくませて スポンジのように する 技術ぎじゅつは、1970年代の 中ごろに できて、まず ビーチサンダルの 底そこに つかわれました[3]。

アシックスは、1974年に、マラソンシューズと りくじょうの スパイクの 底そこに、EVAを つかいました。これは 一つの 会社の 記ろくで、世界で はじめて、と いう 意味では ありません[3]。

EVAを つかった サンダルを 売る メーカーは、「ごく かるくて、しょうげきを やわらげ、水あらいも できる」と せつめいして います[7]。ただ、それは メーカーの せつめいです。

かわぐつの 底そこでは、ゴムなどの 合成ごうせいの 底そこは、足あたりが かたく おもく、むれやすいと いわれる 一方、長もち しやすいと いわれます[8]。どの 底そこにも、とくいと にがてが あるようです。

スポーツシューズの底は、重いゴムスポンジが一般的でした。そこから、軽くてクッションのよい底材が求められるようになります[3]。

そこで使われたのが、EVA(エチレン酢酸ビニル共重合体)です。もとは接着剤やフィルムのコーティングの原料として知られていた素材で、1970年代の中ごろに、空気をふくませてスポンジ状にする技術が開発されました。最初に使われたのは、ビーチサンダルの底です[3]。アシックスは1974年に、マラソンシューズ(OHBORI)と陸上スパイク(タイガーパウDS-5700)にEVAを採用しました。これは同社の記録で、世界初という意味ではありません[3]。

EVAの性質について、サンダルのメーカーは、極めて軽く、衝撃をやわらげ、やわらかい素材で、水洗いもできると説明しています[7]。ただし製品ページの紹介文なので、すべての条件で当てはまる性能とまでは言えません。

素材には、向き不向きがあります。靴の専門家の見解によると、革靴では、ゴムなどの合成底はレザーソールにくらべて足当たりが硬く重く感じられ、通気性や屈曲性が劣って蒸れやすいとされる一方、耐久性は高いとされます[8]。個人の見解を含むので、どちらかが一方的に優れるとは決められません。

ところで、底の材料の説明には「耐油性」のような言葉も出てきます。これは、何を保証する言葉なのでしょうか。

スポーツ靴の底には、重いゴムスポンジより軽くクッションのよい材料が求められた。アシックスは1974年にマラソンシューズと陸上スパイクにEVAを採用した[3]。これは同社の記録であり、世界初とは読めない。

EVAはもともと接着剤やフィルムのコーティング原料として知られていた。1970年代中ごろに空気を含ませてスポンジ状にする技術が開発され、まずビーチサンダルの底に使われた[3]。つまり、競技用の軽い底は、別の用途で磨かれた発泡技術を取り込む形で広がったことになる。

性質はメーカーの製品説明によると、極めて軽量で緩衝性・柔軟性に富み、水洗いできる[7]。ただし宣伝文であり、万能とは読まない。革靴の専門家の見解では、合成底はレザーソールに比べ足当たりが硬く重く、屈曲性と通気性が劣り蒸れやすい一方、耐久性は高い[8]。筆者個人の見解を含むため、革底が優れると断定する根拠にはならない。素材の優劣は用途で変わる、という読み方が妥当だ。

では、こうした底の性質のうち「油に強い」などは、どのように確かめられているのか。

5. 「あぶらに つよい」と 書ける 底そこは?

5. 靴底に「耐油性」と表示できるのは、決められた試験に合格したとき

5. 耐油性の表示条件 ── 22時間浸す試験と接着力

くつの 底そこに「たいゆせい」と 書いて いいのは、きまりの テストに ごうかく した ものだけです[1]。

テストでは、40℃くらいの 油に 22時間 つけます。そのあと、底そこの ふくらみ方が きまりより 小さい ことが 必要ひつようです。さらに、上と 底そこが はがれにくい ことも しらべます[1]。

ここで 大事なのは、これが きまりの テストの 数字で、ふつうの くつ 全体の 力では ない という ことです。

ラベルの 言葉には、こういう 決まりが 後ろに あるのです。

底材の呼び名の次に「耐油性」と括弧書きで表示できるのは、決められた試験に合格したものだけです[1]。

試験の内容は、No.3油という油に40±1℃で22時間浸して、体積の変化率が35%以下であること、そして甲と底の接着力が1cmあたり2kg以上であること、です[1]。油を吸ってふくらんだり、甲と底がはがれたりしにくいことを確かめる試験だと読めます。

これは規程の試験条件であって、靴の一般的な性能ではありません。ただ、ラベルの短い言葉の後ろに、ルールと試験があることは分かります。

では、その言葉を、自分の靴でも探してみましょう。

底材の種類を示す用語の次に括弧書きで「耐油性」と表示できるのは、次の試験に合格したものに限られる。No.3油に40±1℃で22時間浸して体積変化率が35%以下で、かつ甲と底の接着力が1cmあたり2kg以上(90度剥離)であることだ[1]。

注目したいのは、材料の性質だけでなく、甲と底の接着力が条件に含まれる点である。靴は異なる材料を貼り合わせる製品なので、接着力も確認するのだろう。ただしこの理由づけは、規程の文面が述べるものではなく、読み取りの一つである。

数値は規程の試験条件で、靴の一般的な性能ではない。表示の語の背後に試験条件があることを、実物のラベルで確かめたい。

6. じぶんの くつの うらを 見て みよう

6. 家の靴を裏返して、上と底を読み分ける

6. 手元の靴で確かめる ── 表示と資料の読みどころ

おうちの くつを 一足 えらんで、ひっくりかえして みましょう。ラベルや 中がわの タグに「合成ごうせい底そこ」「ゴム底そこ」「人工皮革ひかく」などの 文字が ある くつも あります。ない くつも あります。

見つけたら、上の ぶぶんと 底そこを さわって くらべて みます。かたさや おもさは ちがいますか。手で 底そこを 軽く まげて みると、やわらかい 底そこと かたい 底そこが わかります。

あんぜんの ため、はさみや カッターで 底そこを きったり、くつを やぶったり しないでください。家の 人の くつは、かならず 聞いてから さわりましょう。

ラベルの 一つの 言葉の うしろには、材料ざいりょうの ちがいや 長い 歴史れきしが ある かもしれません。

家にある靴を一足選んで、裏返してみましょう。靴の内側や舌のタグに、「合成底」「ゴム底」「人工皮革」といった表示があるかもしれません。表示のない靴もあります。

見つけたら、上の部分と底を触って比べます。かたさや重さはどうでしょうか。底を手で軽く曲げて、曲がりやすさも確かめられます。安全のため、はさみやカッターで切ったり、靴を破いたりしないこと。家の人の靴は、聞いてから触りましょう。

表示が「合成底」なら、合成樹脂かその混合物、「ゴム底」ならゴムです[1]。材料のくわしい名前までは書かれていないことが多いので、家にある別の靴でも表示の言葉を読み比べ、底の手ざわりのちがいを見てみましょう。

もう少し知りたい人には、消費者庁の靴の品質表示のページ[1]と、アシックスの素材解説[3]が、日本語で読めます。

手元の靴で確かめるなら、まず靴を裏返し、内側のタグを探す。「合成底」「ゴム底」「人工皮革」「合成皮革」などの表示があれば、前に見た定義と照らせる[1][2]。表示がない靴もある。安全のため、靴を切ったり破いたりせず、他人の靴は断ってから触る。

資料としては、表示の定義と試験条件は消費者庁[1][2]、ゴムの加硫の歴史はLehigh大学図書館の展示[4]、EVAの導入と底の移り変わりはアシックスの解説[3]に当たれる。メーカーの記述は自社の製品説明なので、一例として読むのがよい。

残る問いは、国内外で売られる靴の材料別の割合がどうなっているかだ。この記事の資料からは割合を示せないが、自分の靴のタグを数えれば、小さな調査はできる。たとえば家族の靴を数足そろえ、底材が「ゴム底」か「合成底」か、甲が「人工皮革」か「合成皮革」かを表にすると、表示の区分がどれくらい実際の靴に当てはまるかが分かる。ただし数足の結果は、世の中の靴の傾向とはいえない。

もう一つ試せるのは、資料どうしの食いちがいを探すことだ。たとえば「合成底は蒸れやすい」という専門家の見解[8]と、EVAを水洗いできる軽い素材とするメーカー説明[7]は、見ている靴の種類(革靴とサンダル)が違う。同じ「底」でも、用途で話が変わることを意識して読むと、資料の読み方が一段深まる。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

出典について:消費者庁の表示規程の解説、メーカーの技術解説、大学図書館の展示、靴の専門家の解説を使った。何に使ったかは、各項目の最後に書いている。企業の記述は自社製品についての説明なので、一例として扱っている。

  1. 消費者庁 家庭用品品質表示法(雑貨工業品)靴の表示について。https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/household_goods/guide/zakka/zakka_10.html (甲皮と底材の表示、ゴム底・合成底、耐油性の試験について)
  2. 消費者庁 雑貨工業品品質表示規程 靴。https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/household_goods/law/law_07/item_020.html (合成皮革と人工皮革の表示について)
  3. アシックス「FLYTEFOAM」解説。https://www.asics.com/jp/ja-jp/blog/article/flytefoam (EVAの由来、ゴムスポンジの時代、1974年の採用について。メーカー資料)
  4. Lehigh大学図書館 展示「Charles Goodyear」。https://exhibits.lib.lehigh.edu/exhibits/show/innovation/transportation/goodyear (ゴムの加硫について。英語の資料)
  5. アシックス公式ブログ(製品と素材)。https://www.asics.com/jp/ja-jp/blog/article/products230802 (リサイクルポリエステルのアッパー素材について。メーカー資料)
  6. Nike「Chuck Taylor All Star の歩み」。https://about.nike.com/ja/magazine/journey-of-an-icon-the-history-of-the-chuck-taylor-all-star (コンバースのゴム底キャンバス靴と1917年のソールについて)
  7. ビルケンシュトック日本公式 EVA製品ページ。https://www.birkenstock.com/jp/arizona-eva/arizonaessentials-tothebeachmetallic-eva-0-eva-u_1577.html (EVAの性質について。メーカーの製品説明)
  8. All About 紳士靴 ラバーソール解説。https://allabout.co.jp/gm/gc/372675/ (革底と合成底の特徴について。専門家の個人的な見解を含む)

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