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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

おみせは ものを うると、どうして もうけが でるの?

お店は100円の品物を売って、どうやってもうけを出しているのか

お店の「もうけ」はどこで決まるのか ── 粗利と営業利益のあいだにある費用と売れ残り

分野:歴史・文化

みかんが 1こ 100円で うれました。レジに はいった 100円は、ぜんぶ おみせの もうけ でしょうか。じつは そうでは ありません。おみせは、みかんを 先に 60円で しいれて いるからです。

では、のこりの 40円は どこへ いくのでしょう。おみせの もうけが どう できるのか、うれのこりが なぜ こまるのかが わかります。

100円で売れたみかんの代金は、そのまま店のもうけになるわけではありません。店は、そのみかんを前もって60円で仕入れているからです(仮の数字です)。

残った40円は、家賃や店で働く人の給料に使われ、それでも余ったぶんがもうけになります。売れ残りや値下げが、その計算をどう変えるのかが分かります。

100円で売れた品物の代金は、そのまま店のもうけにはならない。仕入れ値を引いた差が粗利であり、そこから家賃や人件費などをまかなったあとに残るものが、営業利益である[1][2]。

では、売れ残った商品や値下げは、この計算のどこに入るのか。仮の数字で一日の売上を組み立てると、売れた分だけが原価になるという会計のしくみと、売れ残りがもうけを削る理由が分かる。

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1. 100円で うれた みかんの、のこりは いくら?

1. レジに入った100円は、店のものなのか

1. 売上と粗利は別のもの ── レジの100円から差し引かれるもの

ある 日、八百屋さんで みかんが 1こ 100円で うれました。おみせの 人は、このみかんを 先に 60円で かって います。(かずは 考えやすい ように きめた れいです。)

100円から 60円を ひくと、40円です。この 40円を「あらり」と いいます[1]。

40円は、まだ もうけでは ありません。おみせを あけて おくには、やちんや はたらく 人の おきゅうりょうが いります。それを はらった あとに のこった おかねが、ほんとうの もうけです。

では、おみせは どれくらい うれると、40円ずつ ためて いけるのでしょう。

八百屋さんで、みかんが1個100円で売れました。店はこのみかんを、前もって60円で仕入れていたとします。数字は考えやすいように決めた例で、実際の店の値段ではありません。

売上の100円から仕入れの60円を引いた40円を、粗利(売上総利益)といいます。会計の解説では、売上高から売上原価を引いた金額が売上総利益で、売上総利益を売上高で割ったものが粗利率とされています[1]。この例なら、粗利率は40÷100で40%です。

ただし、この40円は店の手取りではありません。店を開けておくには家賃も、レジに立つ人の給料もかかります。粗利は「費用をまかなう前の取りぶん」と考えるのが近いでしょう。

それなら、その費用は何に、どのくらいかかるのでしょうか。

100円で売れたみかんの代金は、全額が店の手元に残るわけではない。売上高から売上原価(仕入れ値にあたる部分)を引いた金額が売上総利益、いわゆる粗利であり、粗利を売上高で割った値が粗利率である[1]。以下の数字は、考えやすいように置いた仮の例であり、実在の店の値ではない。

仕入れ値60円、売値100円なら、粗利は40円、粗利率は40%になる。解説サイトの例では、売上50万円から売上原価30万円を引いて粗利20万円(粗利率40%)としており[1]、規模が変わっても考え方は同じである。

注意したいのは、粗利が最終的なもうけではないことだ。粗利は、店を動かす費用をまかなう前の、いわば原資である。ところが日々の会話では、「売れた=もうかった」と受け取られやすい。では、粗利からは何が引かれるのか。

2. 40円から、なにを はらうの?

2. 粗利から家賃や給料を引くと、やっと店のもうけが見える

2. 販売費及び一般管理費 ── 粗利から営業利益までの距離

おみせが はらう おかねには、いろいろ あります。たとえば、おみせを かりて いる ための やちん。はたらく 人の おきゅうりょう。おきゃくさんに しらせる ための ちらしの おかねも あります[2]。

みかんが 100こ うれて、あらりが 4000円 あったと します。1日に はらう おかねが 2000円なら、のこるのは 2000円です。これが、その 日の もうけの めやすです。

もし みかんが 50こしか うれなかったら、あらりは 2000円。はらう おかねと おなじ なので、もうけは ゼロに なります。

うれる かずが すくないと、おみせは こまるのです。では、しいれた みかんが うれのこったら、どうなるのでしょう。

粗利から引かれるのは、広告宣伝費、家賃、人件費などです。会計では、これらをまとめて「販売費及び一般管理費(販管費)」と呼び、粗利から販管費を引いた金額を営業利益と呼びます[2]。

仮の数字で確かめてみましょう。みかんが1日に100個売れると、粗利は40円×100個で4000円です。家賃や人件費などで1日に2000円かかるなら、残りは2000円。これがその日の営業利益にあたります。

もし50個しか売れなかったら、粗利は2000円で、かかる費用と同じです。この日の営業利益はゼロになります。この例では費用を一定と置きました。粗利が費用を超えた分が、その日のもうけになります。

ここまでは、仕入れたみかんが全部売れる前提でした。では、売れ残ったみかんは、この計算のどこに入るのでしょうか。

粗利から引かれるのは、広告宣伝費、家賃、人件費などの販売費及び一般管理費(販管費)である。粗利からこの販管費を引いたものが営業利益と説明される[2]。粗利が「商品そのものの差額」なら、営業利益は「店という仕組みを動かしたあとの残り」にあたる。

仮の例で、1日に100個売れるとして組み立てる。粗利は40円×100個=4000円。販管費が1日2000円なら、営業利益は2000円である。売れる数が50個に減ると、粗利は2000円で販管費と並び、営業利益はゼロになる。損益が分かれる境目は、粗利が販管費に追いつく数にある。

この例では、販管費は売れる数にかかわらず一定と置いた。実際の店の費用は、売れる数で増えるものと増えないものが混ざる。ここでは考え方を単純にするための置き方であり、実在の店の構造を示すものではない。

ここまでの計算は、仕入れた商品がすべて売れる前提だった。では、売れずに棚に残った分は、会計のどこに現れるのか。

3. しいれた みかんが、うれのこったら?

3. 仕入れた全部が、費用になるわけではない

3. 売上原価と期末在庫 ── 売れ残りは費用ではなく資産として残る

こんどは、みかんを 100こ しいれて、80こ しか うれなかった 日を 考えます。しいれた おかねは 6000円です。

うれた 80こ ぶんの しいれねは 4800円。これが、その 日の「げんか」に なります。のこった 20こ ぶんの 1200円は、まだ おみせに ある しなものとして のこります[3]。

だから、おみせの けいさんでは、80こ ぶんの 売り上げ 8000円から 4800円を ひいた 3200円が あらりです。やちんなどの 2000円を ひくと、のこりは 1200円です。

ぜんぶ うれて いたら、2000円でした。うれのこった 20こ ぶん、40円ずつの 800円が、はいらなかった ことに なります。

今度は、みかんを100個仕入れて80個しか売れなかった日で考えます。仕入れ代金は6000円です。

会計の解説では、売上原価は「最初の在庫+その期に仕入れた分−最後に残った在庫」で求めるとされています[3]。仕入れたすべてが費用になるのではなく、売れた分だけが売上原価になり、売れずに残った分は在庫として手元に残ります[3]。ただし、傷んで売れそうにないなど、商品の価値が下がったときは、在庫の金額を下げて費用にすることがあります[4]。

この日は、売れた80個の仕入れ値4800円が売上原価、残った20個の1200円は在庫です。売上は100円×80個で8000円なので、粗利は8000−4800=3200円。そこから費用2000円を引くと、営業利益は1200円です。

全部売れた日の2000円と比べると、800円少なくなりました。売れ残った20個が、40円ずつの粗利を生まなかったぶんです。

では、残った20個を、店はどうするのでしょうか。

売上原価は、期首の商品在庫に当期の仕入れ高を足し、期末の在庫を引いて求める。この算式は会計の解説に見られるもので[3]、仕入れたすべてが費用になるのではなく、売れた分だけが原価になるという考え方を表している。売れずに残った分は、通常は費用にならず在庫(資産)として残る[3]。ただし、傷みなどで売れる見込みの価額が仕入れ値を下回れば、在庫の金額を下げ、その差額を費用にすることがある[4]。解説の例は、100万円を仕入れ、20万円分が残れば、売上原価は80万円というものである。

前章の仮の例に当てはめる。100個を6000円で仕入れ、80個が売れたとする。売上8000円、売上原価4800円(60円×80個)、粗利3200円、販管費2000円を引いて営業利益1200円である。残った20個の1200円は費用にならず、在庫として次へ持ち越される。

全部売れた場合の営業利益2000円との差800円は、残った20個が生まなかった粗利(40円×20個)に等しい。つまり売れ残りは、仕入れたぶんの「取り戻せていない現金」を店に抱えさせると同時に、もうけの機会そのものを失わせる。

ただし在庫が「資産」として残る扱いは、その商品が後日売れることを前提にしている。食品のように日がたてば売れなくなる商品の場合、この前提は崩れる。次の章でその分かれ道を見る。

4. 夕方の ねさげは、おみせに とくなの?

4. 夕方の値下げは、損を減らす手になりうる

4. 値下げの損益 ── 値下げした商品が売れれば、仕入れ値との差が粗利になる

のこった 20この みかんを、夕方に 1こ 70円に ねさげして、ぜんぶ うれたと します。

70円から しいれねの 60円を ひくと、1こ 10円。20こで 200円の あらりです。ねさげ しなければ、この 200円は なかった ことに なります。

もちろん、いつも うまく いく わけでは ありません。ねさげしても うれないことも あります。うれずに いたんで しまえば、しいれた 1200円ぶんは もどって きません。

ねさげは、「100円で うれたら いちばん いい けれど、のこして こまる くらいなら」と、おみせが 考える ひとつの 方ほうです。

残った20個を、夕方に1個70円へ値下げして全部売れたとします。70円から仕入れ値の60円を引くと、1個10円、20個で200円の粗利が増えます。値下げしなければ、この200円は生まれません。

この日の売上は8000円+1400円で9400円、売上原価は全部売れたので6000円、粗利は3400円、費用2000円を引いて営業利益は1400円です。値下げなしの1200円より200円増えています。

ただし条件があります。値下げの価格が仕入れ値(60円)を下回ると、売れるほど赤字が増えます。また、値下げしても売れるとは限りません。傷んで売れなくなれば、仕入れた分は取り戻せません。

値下げは、粗利が小さくなるのを承知で、売れ残りの損を減らそうとする判断です。人が買いたくなる値段と、店が耐えられる値段の間を探しているわけです。

残った20個を1個70円に値下げし、全部売れたと仮定する。売上は1400円、売上原価は1200円で、粗利は200円。当日の営業利益は、値下げなしの1200円から1400円へと200円増える。値下げ後も、売値70円は仕入れ値60円を上回っているため、1個あたり10円の粗利が残る(1個あたり40円の粗利が10円に縮む)。

この判断には、はっきりした境目がある。売値が仕入れ値を下回れば、売るたびに粗利がマイナスになる。一方、売れ残って傷み、売れなくなる商品があれば、その仕入れ代金(この例では1200円)は回収できない。その在庫が後日売れるかどうかは、会計の算式の外にある商品ごとの事情である。

したがって値下げは、「粗利を犠牲にして回収を優先する」選択として読める。重要なのは、値下げ後の売値が仕入れ値を上回っているか、また値下げで買い手が増えるかである。この例の数字は仮のもので、現実の店の値下げ幅や売れ行きを示すものではない。

では、こうした計算を、日常でどう確かめればよいか。

5. すきな おみせの「もうけ」を、よそうして みよう

5. 好きな店の品物で、自分の「もうけ計算」をしてみる

5. 自分の言葉で粗利を組み立てる ── 数字の置き方と読み方

すきな おかしを 1つ えらんで、ねだんを 見て みましょう。

「しいれは いくらくらいかな」と、じぶんで 考えます。ほんとうの ねだんは わかりません。だから そのかずは、じぶんの よそうで かまいません。

ねだんから よそうの しいれねを ひくと、あらりが わかります。つぎに、「やちん」「はたらく 人」「でんき」と、おみせが はらいそうな ものを かいて みましょう。

おみせの 人に、「ねさげは いつごろ するの?」と きいても いいかも しれません。いそがしい ときは さけて、おうちの 人と いっしょに いきましょう。

好きなお菓子を1つ選んで、値札を見ます。仕入れ値は分からないので、「たぶん6割くらい」と自分で置いて、粗利を計算してみましょう。仮の数字なので、正解を当てる必要はありません。

次に、その店がかかえていそうな費用(家賃、人件費、電気代)を書き出します。そして、1日に何個売れれば、粗利が費用に追いつくのかを、割り算で出してみます。

売れ残ると何が起きるかも、考えてみてください。値下げシールを見かけたら、「元の値段なら粗利はいくらだったか、値下げ後はいくらか」を、仮の仕入れ値から計算できます。

会計の解説ページ[1][3]は、売上総利益や売上原価の考え方を日本語で説明しています。計算のしかたを確かめたいときの手がかりになります。

身近な商品を1つ選び、仕入れ値を自分で仮定して、粗利と粗利率を出してみる。仕入れ値は外から分からないので、「売値の何割」と置いてよい。大事なのは、その仮定を明記し、結果を事実のように扱わないことである。

次に、家賃・人件費・広告費などの販管費を想定し、1日に何個売れれば粗利が販管費に追いつくかを計算する。その数より少なければ、営業利益はマイナスになる。売れ残りが出れば、その数はさらに変わる。

資料の読み方としては、①売上総利益と粗利率の定義[1]、②販管費と営業利益の関係[2]、③売上原価と在庫の算式[3]の3点が、本記事の骨組みである。ただし本記事の数字は仮のものであり、実際の小売業の粗利率や営業利益率は、業種や店の規模、時期によって大きく異なる。実数を知りたいときは、国や業界団体が公開する統計表で、調査年と対象を確かめてから読むのがよい。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

出典について:会計の用語解説を使いました。本文の数字は、考え方を示すための仮の例で、実際の店の値ではありません。何に使ったかは、それぞれの項目の最後に書いています。

  1. freee会計「売上総利益(粗利)」。https://www.freee.co.jp/kb/kb-accounting/gross-margin/ (売上総利益と粗利率の定義、計算例について)
  2. マネーフォワード クラウド会計 用語集。https://biz.moneyforward.com/words/2234/ (粗利から販管費を引いて営業利益を求めることについて)
  3. 税務用語辞典(税研)。https://www.zeiken.co.jp/yougo/ (売上原価の算式と、売れ残りが在庫として残ることについて)
  4. EY新日本「棚卸資産の評価に関する会計基準 第2回(評価基準、評価方法)」。https://www.ey.com/ja_jp/technical/corporate-accounting/commentary/inventories/commentary-inventories-2018-02-15-02 (期末の正味売却価額が取得原価を下回るとき、評価を下げて費用にすることについて)

なおした ところ

更新履歴

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