このサイトは、ほんの入り口です

ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

ステンレスボトルの おゆは、どうして なかなか さめないの?

ステンレスボトルのお湯は、なぜ何時間も冷めにくいのか

ステンレスボトルの保温力は、真空だけで決まるのか:金属箔と、95℃・6時間の測り方

分野:技術

ステンレスボトルの かべの あいだは、ほとんど 空気が ありません。でも、そこを 光のように わたって にげる ねつが あります。

では、どうやって ねつを ふせいで いるのでしょう。この ページを 読むと、ボトルの かべの 中の しかけと、もとは なんの ための どうぐ だったのかが わかります。

ステンレスボトルは、外側と内側の2枚のかべの間が、ほとんど空気のない真空になっています。ところが、真空にしても熱は逃げます。熱は、光のように何もない所を渡っていくことがあるからです。

では、メーカーはその逃げ道をどうふさいでいるのでしょうか。この記事を読むと、真空の役目、金属の箔の役目、そして魔法瓶がもとは液化ガスを守る実験器具だったことが分かります。

真空は熱を伝える気体分子がほとんどないため、断熱に向いている。しかし真空にしても、熱は電磁波として渡っていく。これが放射(輻射)である。ならば、ステンレスボトルの保温力は真空だけで決まるのではなく、別の工夫が足されているはずだ。

この記事を読むと、真空と金属箔の「二段がまえ」の理由、真空を作って守る製造の工夫、デュワーの実験器具から家庭用への道すじ、そして「95℃・6時間」という保温力の測り方が分かる。

読み方を切り替えられます。画面の上にある「よみかた」のボタンで、小学校低学年むけ・小学校高学年むけ・中学生むけの3つの書き方に切り替わります。むずかしいと思ったら、いつでもやさしい方に戻ってください。選んだ読み方はブラウザが覚えているので、次に別の記事を開いたときも同じ読み方で始まります。

1. かべの あいだが からっぽだと、どうして さめにくいの?

1. かべの間が空っぽだと、なぜお湯が冷めにくいのか

1. 二重のかべの間を真空にすると、どの熱の伝わり方が止まるのか

あさ、ボトルに あつい おちゃを 入れて、おひるに ふたを あけると、まだ あたたかい。そんな ことが あります。

ボトルの かべは、2まい かさなって います。その あいだの 空気は、ほとんど ぬいて あります。この ように 空気が ほとんど ない ところを、真空と いいます。

ねつは、ものの つぶが ぶつかり合って つたわったり、あたたまった 空気が うごいて 運ばれたり します。空気が ほとんど なければ、この 2つの 通り道が ほとんど 使えません。だから 中の ねつは 外に 出にくく なります。

ただし 本当は、真空でも ほんの すこしは つぶが のこって いるそうです。「ぜんぜん つたわらない」では なく、「とても つたわりにくい」です。

朝にお湯や温かいお茶を入れたボトルが、昼になってもまだ温かい。その秘密の一つが、二重になったかべの間にあります。

熱の伝わり方には、大きく3つあります。ものがふれ合って伝わる「伝導」、温まった気体や液体が動いて運ぶ「対流」、そして電磁波として渡る「放射」です。サーモスの説明によると、魔法瓶は外びんと内びんの間を高真空にして、このうち気体を通して伝わる伝導と対流を抑えています[1]。

真空には、熱を運ぶ空気の分子がほとんどありません。そのため熱が伝わりにくくなります。ただし、タイガー魔法瓶の説明でも微量の分子は残るとされていて、「完全に断つ」わけではありません[2]。

これで話が終わるなら、ボトルは真空だけで十分なはずです。ところが、真空にしても熱が通り抜ける道が、もう一つ残っています。

熱の伝わり方は、伝導・対流・放射の3つに分けられる。伝導は物質を通じて熱が伝わること、対流は気体や液体が動いて熱を運ぶことだ。サーモスは、魔法瓶の外びんと内びんの間を高真空にすることで、気体を介する伝導と対流を抑えていると説明している。固体の部材を通る伝導までは、真空でも消えない[1]。

真空には熱を運ぶ気体分子がほとんどない。だから伝わりにくい。ただし、タイガー魔法瓶の説明によれば、微量の分子は残る[2]。断熱は「ゼロ」ではなく、「ごく小さく」である。

さらに、熱が伝わる経路は物質を介する2つだけではない。真空でも通じる経路があるのか。その答えが、次の章にある。

2. からっぽの はずなのに、ねつは にげて いくの?

2. 空っぽなのに、熱はどこから逃げるのか

2. 真空でも残る放射を、金属箔はどう減らすのか

たき火の そばに いると、はなれて いても 顔が ぽかぽか します。間に 空気が あっても なくても、ねつは 光のように とんで くるからです。この つたわり方を、ほうしゃと いいます。

太陽の ねつが うちゅうを とおって 地球に とどくのも、同じ なかまです。ですから、真空の かべでも、中の ねつが 光のように 外へ わたって いく ことが あります。

そこで ボトルの 作り手は、内がわの かべの 外がわに、うすい 金ぞくの はくを まいて います。はくは、ねつを はね返しやすい ようです。かがみが 光を はね返す のと にて います。

かべの 間を 真空に して、さらに はくで はね返す。この 2だんが まえで、お湯の ねつを ボトルの 中に とじこめて います。

たき火のそばに立つと、離れていても顔がぽかぽかします。間の空気が温まらなくても、熱が光のように飛んでくるからです。これが放射です。

ULVACの解説は、放射では電磁波の形で熱が伝わるため、気体分子は関わらないと説明しています[3]。つまり、真空にしても放射だけは通り抜けます。太陽の熱が宇宙を渡って地球に届くのも、同じ仲間です。真空のかべの中でも、お湯の熱は、光のように外のかべへ渡ろうとします。

この道をふさぐために、サーモスは内びんの外側に、放射率の小さい金属箔を巻いていると説明しています[1]。放射率が小さいとは、熱を出しにくく、受けた熱は跳ね返しやすいということです。タイガー魔法瓶も、内面を鏡面加工し、真空層に金属箔を挟んで熱を反射させると説明しています[2]。箔の材料や位置は会社によって違うので、「銅」と決めつけられません。

真空で伝導と対流を止め、箔で放射を跳ね返す。これが二段がまえです。では、この「ほとんど空気のない部屋」は、工場でどうやって作られているのでしょうか。

真空は伝導と対流を抑えるが、放射は止められない。ULVACの解説は、放射が電磁波の形で熱を運ぶため、気体分子の関与はないと述べている[3]。そのため、真空層の中で残る主な経路は、放射とわずかな伝導になる。

ここで、放射を減らす工夫が必要になる。サーモスは、内びんの外側に放射率の小さな金属箔を巻き、熱放射による放熱を防ぐと説明する[1]。放射率が小さいほど、その面は熱を出しにくく、受けた熱は反射しやすい。タイガー魔法瓶も、真空でも輻射熱は伝わるため、内面を鏡面加工して真空層に金属箔を挟み、熱を反射させるとしている[2]。独立した2社が同じ原理を挙げているので、「真空+放射を抑える層」という構造は、特定の1社の独自設計ではなく共通の考え方だと読める。ただし、箔の材質は社によって銅・アルミなどが異なるようで、「箔=銅」とは決められない。

こうして、ステンレスボトルの断熱は二段になる。伝導と対流は真空で、放射は箔で抑える。では、この真空はどのように作られ、どうやって守られているのか。

3. からっぽの へやは、どうやって つくって まもるの?

3. 真空の部屋は、どう作り、どう確かめるのか

3. 真空は、どう作られ、不良はどう見つけるのか

2まいの かべの あいだから 空気を ぬく ために、メーカーは 「しんくう ろ」と いう 大きな そうちに ボトルを 入れます。そこで 空気を ぬいて から、かべの そこの 小さな あなを ふさぎます。

サーモスの せつめいでは、空気を とても よく ぬいた 1000万分の1 きあつ いかの じょうたいで ふさぐ そうです。大気の 1000万分の 1 いかと いう ことです。それでも「ぜんぶ ぬけた」では なく、ごく わずかは のこる 数字です。

あなが ふさがって いても、ごく 小さな すきまが あると、少しずつ 空気が 入って しまいます。そこで 作った ばかりの ボトルを 2〜3週間 おいて、真空が こわれて いないか 見る しごとが あると いいます。全部の ボトルを しらべるそうです。

真空のかべは、かんたんには作れません。サーモスの説明では、二重構造の容器を真空炉に入れ、1/1000万気圧以下の高真空状態で、底面の封止穴を熱処理でふさぎます[1]。

1/1000万気圧は、大気圧の約1000万分の1で、およそ0.01Pa級です。ここまで空気を抜いても、分子はゼロにはなりません。だからこそ、できあがった後にも気を配る必要があります。

サーモスは、製造後2〜3週間保管して真空不良を見つけるエージング工程を行い、保温性能を全数検査していると説明しています[1]。真空が少しでも破れていれば、時間がたつうちに保温力が落ちるので、数週間置いてから確かめるのです。

こうして作られる真空ボトルは、いまでこそ身近な日用品です。けれど、そのはじまりは、台所ではなく実験室でした。

真空の質が保温力を左右するなら、真空をどう作るかが製品の核心になる。サーモスは、二重構造の容器を真空炉に入れ、1/1000万気圧以下の高真空状態で底面の封止穴を熱処理してふさぐと説明している[1]。1/1000万気圧は約0.01Pa級で、ここまで下げても気体分子は残るため、2章で述べたとおり断熱は完全にはならない。

封止がうまくいっても、微小な漏れがあれば、時間をかけて真空が劣化する。そのためサーモスは、製造後2〜3週間保管して真空不良を見つけるエージング工程を置き、保温性能を全数検査すると説明している[1]。製造直後には見つからない不良を、数週間置いてから見つける工程である。

なお、栓(ふた)は本体のように真空にはできない。栓まわりは本体とは別の断熱になると考えられるが、そこから逃げる熱の割合は、ここでは数字にしない。

この「高真空の二重容器」という発想は、家庭用の発明ではなかった。次の章で、その出発点を見る。

4. まほうびんは、もとは なんの ための どうぐ?

4. 液化ガスを守る実験器具が、なぜ家庭に来たのか

4. デュワーの実験器具は、どう日用品になり、ステンレス製へ変わったのか

この しかけは、もとは 水とうの ためでは ありませんでした。1892ねん、イギリスの 科学者 デュワーが、ひやして えきたいに した ガスを、とても つめたい まま たもつ ために、真空の 二重の ガラスの 入れものを 作りました。同じ としの クリスマスに、王立けんきゅうじょで はじめて 見せられたと つたえられて います。

デュワーは、この 入れものの とっきょを とりませんでした。1904ねん、ドイツの ガラスしょくにん 2人が 作った サーモス社が とっきょを とり、あたたかさや つめたさを たもつ 日用品として 売り出しました。

日本では、1911ねんごろに ドイツから 持ち運べる ものが 入り、こくさん品が できたのは 1912ねんとされて います。ただし、ガラスの 入れものは 落とすと われやすい ことが 弱点でした。1978ねんに 日本さんそ(のちの サーモス)が、全部 ステンレスで できた まほうびんを 売り出しました。ガラスから ステンレスに かわったのです。

真空二重の容器の原型は、1892年にジェームズ・デュワーが作ったガラスの容器です。目的は、液化ガスを極低温のまま保つこと。同じ年のクリスマスに、王立研究所で初めて展示されたと記録されています[4]。デュワーは英国の科学者で、スコットランドの出身です。

デュワーは、この容器の特許を取りませんでした。1904年に、ドイツの2人のガラス職人が興したサーモス社が特許を取り、保温・保冷の日用品として売り出しました[4]。実験器具が台所に届くまでには、売り方を考えた人たちがいたことになります。

日本には、携帯用が1911年(明治44年)ごろにドイツから初めて輸入され、国産品は1912年に完成したとする記述があります[5]。事典によって、デュワーの発明年は1892年と1893年に分かれます。ここでは、展示記録のある1892年を使いました。

ガラスは落とすと割れやすいという弱点がありました。1978年、日本酸素(のちのサーモス)が国産初のオールステンレス魔法瓶を発売したと、象印の社史年表を紹介する記事は伝えています[6]。「世界初」とは書かれていません。いまの丈夫なボトルは、この切り替えから続いています。

こうして、魔法瓶は実験室から家庭へ、ガラスからステンレスへと姿を変えました。では、ボトルの「冷めにくさ」は、どう測って比べるのでしょうか。

この二段がまえの構造の出発点は、家庭用品ではなく実験器具だった。ジェームズ・デュワーは1892年に真空二重のガラス容器を作った。液化ガスを極低温のまま保つためで、王立研究所(Royal Institution)で同年のクリスマスに初めて展示された[4]。デュワーは英国(スコットランド出身)の科学者で、一部のサイトにあるドイツ人という記述は誤りである。

デュワーはこの器具の特許を取らなかった。1904年にドイツの2人のガラス職人が興したサーモス社が特許を取って改称し、保温・保冷の日用品として売り出した[4]。発明者が権利を主張せず、別の会社が商品にしたことで、実験室の器具が台所に届いたのである。

日本については、事典類に、携帯用が1911年(明治44年)ごろにドイツから初めて輸入され、国産品は1912年に完成したとする記述がある。発明年そのものも、日本大百科全書は1892年、世界大百科事典は1893年とし、1年ずれる[5]。年号は資料により前後するので「ごろ」「とされる」と読むのが安全だ。本記事は展示記録のある1892年を採った。

ガラスの中びんは割れやすいという弱点があった。象印の社史年表を紹介する記事によれば、1978年に日本酸素(のちのサーモス)が国産初のオールステンレス魔法瓶を発売した[6]。「世界初」とは書かれていない。

では、実験室の器具が日用品になった以上、「どれだけ保温できるか」は比べられなければならない。その物差しは何か。

5. さめにくさは、どうやって くらべるの?

5. 保温力は、どんな決まりで測って比べるのか

5. 「95℃・6時間」という物差しと、その読み方の限界

「このボトルは さめにくい」と いっても、くらべ方が ばらばらだと、ほんとうに 強いのか わかりません。そこで 国の ひょうじの 決まりでは、同じ やり方で はかります。

へやの 温度を 20℃くらいに して、ふっとうした お湯を 入れます。95℃に なった ところで ふたを して、6時間 おきます。6時間 たった ときの お湯の 温度が、ボトルの「たも温力」として ひょうじされます。

温度が 高く のこるほど、さめにくい ボトルです。ある 県の テストでは、ボトルの 大きさに よって、きじゅんが わけられて いました。大きさで きじゅんが かわる ので、1つの 数字で 全部は くらべられません。

「よく保温できます」と言うだけでは、本当に強いのか比べようがありません。そこで、消費者庁の家庭用品品質表示の指針では、試験のやり方が決められています。携帯用魔法瓶の場合、室温20±2℃で、沸騰水を入れて95±1℃になった時点で中せんなどをして密閉し、6時間放置します。その後の湯温が、保温効力として表示されます[7]。

現在のJISは2024年に改正されています。ここに示した条件は、表示指針にある旧版ベースの試験の書き方です。そのため、現行規格の細部までこの記事で言い切ることはできません。

富山県が公表した北陸3県の商品テスト(2018〜19年)では、保温効力の基準を、容量の区分ごとに分けていました[8]。同じ6時間でも、容量が小さいほど冷めやすいので、基準は一つの数字になりません。

ここまでで、ボトルの保温力が「真空」と「箔」の二段で支えられ、決まった条件で測られていると分かりました。最後に、手もとのボトルで熱の逃げ道を確かめてみましょう。

保温力の比較には、共通の測定条件が要る。消費者庁の家庭用品品質表示の指針では、携帯用魔法瓶の保温効力は、室温20±2℃で中せんをし、沸騰水を入れて95±1℃になった時点で密閉して6時間放置し、その後の湯温を表示する[7]。出発温度と時間と室温をそろえるのは、保温力という量が、条件を決めないと意味を持たないからだ。

ただしこれは旧版ベースの表示指針である。JISは2024年に改正されており、現行規格本文の条件までは、この記事では言い切らない。

基準値も一つではない。富山県が公表した北陸3県の商品テスト(2018〜19年)では、JIS旧規定の目安として、容量の区分ごとに基準を分けていた[8]。同じ95℃から始めても、容量が小さいほど表面積の比率が大きく、冷めやすい。そこで基準が容量ごとに分かれる、と考えられる。

以上から、保温力は「真空度」と「箔などの放射対策」だけでなく、容量や試験条件とも結びつく量だと分かる。数字を見るときは、容量と条件を先に確かめるべきだ。

6. おうちの ボトルで、ねつの にげ道を さがして みよう

6. 手もとのボトルで、熱の逃げ道を探す

6. 手もとのボトルで、二段がまえを確かめる方法

おうちの ボトルを 使って、たしかめられる ことが あります。やけどに 気をつけて、おうちの 人と いっしょに やって ください。

おうちの 人に、手で 持てる くらいの あたたかさの お茶を ボトルと マグカップに 同じ りょうずつ 入れて もらいます。あついときは、さわらずに さめるまで まちましょう。ふたを して、30分 まちます。手のひらで、ボトルの 外がわと、マグカップの 外がわを さわって くらべます。ボトルは、中が あたたかくても 外が ぬるくなりにくい ことが 多いはずです。

つぎに、ボトルの ふたの まわりも さわって みましょう。本体と ちがいが あるでしょうか。気づいた ことを、ノートに 書いて おきます。

ボトルの 外がわが さめて いる ことは、ねつが 外に でていない しるしです。かべの 中の 真空と、はくの 2だんが まえを 思い出して みて ください。

家にあるボトルで、熱の逃げ道を探せます。やけどをしないように、必ず家の人といっしょに行ってください。

家の人に、手で持てるくらいの温かさのお茶をボトルとマグカップに同じ量ずつ入れてもらい、ふたをして30分置きます。熱いときは、さわらずに冷めるまで待ちましょう。手のひらで、それぞれの外側にふれて比べます。多くのボトルでは、マグカップの外側は温まり、ボトルの外側は中ほど熱くならないはずです。

次にボトルのふたの周りもさわり、本体との違いを探します。ふたの部分は本体のように真空のかべにできないと考えられますが、どこがどれだけ温まるかは製品によります。気づいたことを書きとめれば、自分だけの観察記録になります。

もう一歩進めるなら、家のボトルの底や説明書を見てください。「保温効力」の数字があれば、容量と何時間後の温度かを読み取れます。この記事の5章のとおり、容量を見てから比べると、数字の意味がつかめます。

家にあるボトルでも、二段がまえの効果の一部を観察できる。ただし熱いお茶を扱うので、必ず家の人と行うこと。

手で持てるくらいの温かさのお茶を、同量ずつボトルとマグカップに入れ、ふたをして30分置く。それぞれの外側を手のひらでさわって比べる。多くのボトルでは、マグカップの外側は温まり、ボトルの外側は中ほど熱くならないだろう。この差は、伝導・対流を真空が抑え、放射を箔が抑えていることと結びつく。ただしこの実験では、どの経路がどれだけ効いているかまでは切り分けられない。

ふたの周りも同じようにさわり、本体との差を観察する。栓が真空でないことが、差として表れるかもしれない。製品の取扱説明書や仕様表に保温効力の表示があれば、容量と試験条件(5章)を読み、数字の意味を確かめよう。

原典に当たるなら、サーモスとタイガー魔法瓶の技術解説、消費者庁の家庭用品品質表示、Royal Institution の Dewar's vacuum flask の紹介ページがある。英語の資料は、デュワーの発明の経緯を直接たどりたい人向けである。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

本文中の[1]〜[8]は、以下の資料の番号です。熱の伝わり方・製法・測り方は各社と公的機関の解説を、歴史は Royal Institution と事典・記事を比べて使いました。

  1. サーモス「魔法びんの秘密」 https://www.thermos.jp/craftmanships/ (真空・金属箔・製造・エージング)
  2. タイガー魔法瓶「真空断熱技術について」 https://www.tiger-corporation.com/ja/jpn/for-business/about_dannetsu/ (真空・箔による反射)
  3. ULVAC 真空ウィキ Vol.11 https://www.ulvac.co.jp/wiki/vol-11/ (放射)
  4. Royal Institution, Dewar's vacuum flask https://rigb.org/node/3131 (デュワーの容器・特許・サーモス社)
  5. コトバンク「魔法瓶」(日本大百科全書・世界大百科事典) https://kotobank.jp/word/魔法瓶 (年のちがい・日本への輸入)
  6. 大河原克行の白物家電業界展望(家電Watch) https://kaden.watch.impress.co.jp/docs/column/ohkawara/1130204.html (1978年のオールステンレス化)
  7. 消費者庁 家庭用品品質表示 雑貨(魔法瓶) https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/household_goods/guide/zakka/zakka_01.html (保温効力の試験条件)
  8. 富山県 商品テスト(携帯用魔法瓶) https://www.pref.toyama.jp/documents/10739/h30syohin_test.pdf (容量ごとの基準の例)

なおした ところ

更新履歴

更新履歴(改版の記録)

  •  初版を公開。

このサイトでは、公開した記事の本文は原則として書き直しません。誤りが見つかったときや、内容が古くなったときだけ手を入れ、その理由をこの欄に残します。