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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

SLの「シュッシュッ」って、どこから 出て いる 音なの?

蒸気機関車の「シュッシュッ」は、どこから出る音なのか ── 石炭と水が車輪を回すまで

蒸気機関車の「シュッシュッ」は、どこから出る音なのか ── 排気が火を強めるブラストと、シリンダーから動輪への力の道すじ

分野:技術

SL(えすえる)が はしる とき、「シュッ、シュッ」と 音が します。この 音は、はたらきおえた じょうきが、えんとつから ふき出す 音です[1]。

しかも ふき出した じょうきは、そのまま すてられる わけでは ありません。火を つよく する はたらきも して いる ようです[2]。じょうきが 車を うごかして、火まで つよく するのは、どう いう ことでしょう。それが わかります。

蒸気機関車の「シュッ、シュッ」という音は、仕事を終えた蒸気が煙突から吹き出す音です[1]。ところが、その蒸気はただ捨てられているのではなく、煙突の下の火を強めるためにも使われています[2]。

水を沸かした蒸気がどうやって車輪を回し、使い終わったあとで、なぜ火の世話までするのでしょうか。ボイラーからシリンダー、動輪までの道すじと、1804年の最初の機関車から1829年のロケット号までの工夫が分かります。

蒸気機関車の「シュッ、シュッ」は、シリンダーで仕事を終えた蒸気(排気)が煙突へ吹き出す音である[1]。この記事で扱う単式の機関車では、排気は復水されて再利用されることなく外へ出され、煙突の下の通風を強め、火室の火を強くする働きまで担う[2]。

捨てる蒸気がなぜ火を強めるのか、その仕組みと限界を、ボイラー・シリンダー・動輪へと続く力の道すじとあわせて、日本語・英語の資料を比べながら読むと分かる。

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1. 「シュッシュッ」は、どこから 出て いるの?

1. 「シュッシュッ」は、仕事を終えた蒸気が出る音

1. 煙突の音の正体 ── 仕事を終えた蒸気は、外へ放たれる

えきに SLが はいって きます。「シュッ、シュッ、シュッ」。この 音は、えんとつから 聞こえて きます。

音の もとは、はたらきおえた じょうきです。SLの 中では、じょうきが ピストンという ぶひんを おして、車の わを まわします。しごとを おえた じょうきは、えんとつから そとへ ふき出されます[1]。その ときの 音が、「シュッ、シュッ」です。

お湯を わかした やかんの 口から、じょうきが 出る ところを おもい出して みて ください。SLは、あれを うんと 大きく して、ぜんぶ 外へ 出して いる ような ものです。ただし ほんとうは、とても たかい ちからで 出る じょうきなので、やかんとは くらべものに なりません。

では、その じょうきは、どこで 作られるのでしょう。

駅のホームに蒸気機関車が入ってきます。「シュッ、シュッ、シュッ」と、煙突から力強い音がします。

この音の正体は、仕事を終えた蒸気です。シリンダーの中でピストンを動かした蒸気は、煙突を通って外へ出されます[1]。英国の保存鉄道の解説も、動輪1回転ごとに決まった数の排気音(chuff)が聞こえると述べています[3]。

この記事で扱う単式の機関車は、使い終わった蒸気を冷やして水に戻して再利用する(復水する)ことをしません[1]。ボイラーで作った蒸気を、一度仕事をさせたら、そのまま外へ放ちます。

では、その蒸気はどこでどう作られ、どうやって車輪を回すのでしょうか。音のやってくる向きとは逆に、蒸気の生まれる場所から順に追ってみます。

蒸気機関車の「シュッ、シュッ」は、シリンダーで仕事を終えた蒸気が、排気管を通って煙突から外へ出される音である。日本大百科全書は、蒸気がピストンの前後に交互に入って往復させ、のちに吐出し管から煙突を通って外へ排出されると記す[1]。英国の保存鉄道の解説も、動輪1回転ごとの排気音(chuff)を数えている[3]。日本語の資料が音の由来を直接述べているわけではないが、この2点から、あの音は排気の音と読み取れる。

注意したいのは、この蒸気が復水されて再利用されず、外へ出される点である[1]。この記事で扱う単式の機関車では、ボイラーで作った蒸気を、シリンダーで一度仕事をさせたら外へ出す設計になっている(複式の機関車は、使った蒸気を別のシリンダーでもう一度使う)。

では、その蒸気はどこで、どのくらいの勢いで作られるのか。そして、音の主である排気には、音以外にどんな役目があるのか。以下、蒸気の生まれる場所から順に読む。

2. じょうきは、石炭の 火で 水を わかして 作る

2. 水を沸かす炎のつくり方 ── 火室と、細い管のたば

2. 火室と煙管 ── 高温のガスで水を熱し、圧力のある蒸気を作る

SLには、水を 入れて じょうきを 作る 大きな ボイラーが あります。ボイラーの うしろには、石炭を もやす ところが あります[2]。

もえた 石炭の あつい ガスは、ボイラーの 中を とおる たくさんの ほそい くだを とおって、まえへ ながれます。この とき くだの まわりの 水が あたためられて、じょうきに なります[2]。

くだを たくさん 通すのは、水に あつさを つたえる ところを ふやす ためと かんがえられます。ふとい くだ 1本より、ほそい くだが たくさん ある ほうが、水に ふれる ところが おおく なるからです。

火の 上の 石炭は、1000どを はるかに こえる ほど あつく なるそうです[3]。これは 火の ところの おんどで、中の 水や じょうきの おんどでは ありません。

こうして できた じょうきは、とても つよい ちからで おしだそうと します。その ちからを、どこで つかうのでしょう。

蒸気機関車の後ろ寄りには、石炭を燃やす場所(火室)があります。ここで作られた高温のガスは、ボイラーの中を走る数多くの細い管(煙管)を通って前へ引かれます[2]。管のまわりを水が囲んでいて、通るガスの熱が水に伝わり、蒸気が発生します。

英国の解説では、火格子の上の石炭は1000℃をはるかに超えて燃え、熱いガスは何十本もの煙管を通ってボイラーの長さいっぱいに前へ向かうと書かれています[3]。なお、この1000℃超は火床の目安で、ボイラーの水や蒸気の温度ではありません。

細い管を何本も通す理由

管を何本も通すと、ガスが水に触れる面積が増えます。資料はその理由まで書いてはいませんが、細かく分けるほうが水に熱が伝わりやすい、という見方で読めます。

どのくらいの圧力か

日本語の解説では、飽和蒸気の場合で圧力は約1〜1.6MPa(10〜16kgf/cm²を筆者が換算)、温度約200℃とされます[4]。機関車ごとに幅があります。この大きな圧力が、次の舞台のシリンダーで使われます。

火室では燃料が燃えて高温のガスができ、そのガスは多数の細い管(煙管)を通ってボイラー内の水を熱する[2]。英国の解説も同じ道すじを述べ、火格子上の石炭は1000℃をはるかに超え、ガスはボイラーの全長に近い煙管を通って前へ引かれる、とする[3]。この1000℃超は火床の温度の目安であって、水や蒸気の温度ではない。

煙管が多数の細い管でできている理由は、資料に明言されていない。ただ、同じ体積のガスを太い1本の管に通すより、細い管に分けるほうが水と接する表面積が大きくなる、という幾何学の話から、熱の伝わりやすさを稼ぐ構造と読める。煙室から煙突へ抜けるまでの間に、ガスの熱を水に渡す役割を持つ。

こうして発生する蒸気は、飽和蒸気で圧力10〜16kgf/cm²、温度約200℃とされ、1910年代以降の大型機関車では、さらに熱した過熱蒸気(過熱器を通した蒸気)を使うようになった[4]。10〜16kgf/cm²は、約1〜1.6MPaにあたる(換算は筆者)。機関車ごとに設計圧は違い、D51など個別の機関車の公式数値は、この記事では示していない。

蒸気の持つこの圧力は、次の段階で、どうやって往復運動になり、さらに回転運動になるのか。

3. じょうきの ちからは、どう やって 車の わを まわすの?

3. 蒸気が押す、ピストンの往復を、車輪の回転に変える

3. シリンダー・主連棒・クランクピン ── 往復運動が回転運動になるまで

じょうきは、シリンダーという つつの 中に はいります。つつの 中には、ピストンが あって、じょうきが おすと、ピストンが すーっと うごきます[1]。

ここで、おもしろい ことが おきます。じょうきは、ピストンの まえと うしろに、かわるがわる はいります。そうすると、ピストンは まえに いったり、うしろに もどったり します[1]。この いったり きたりを、「おうふく」と いいます。

ピストンの うごきは、ぼうを とおって、車の わの はしに つたわります。すると、いったり きたり して いた うごきが、くるくる まわる うごきに かわります[1]。

じてんしゃの ペダルを こぐとき、足は 上下に うごくのに、ペダルは くるくる まわりますね。SLでも おなじ ことが おきて います。

ところで、じょうきを ピストンの まえや うしろに いれる タイミングは、だれが きめるのでしょう。

ボイラーで作られた蒸気は、シリンダーに送られます。シリンダーの中のピストンは、蒸気に押されて動きますが、押される側は前と後ろで交互に入れかわります。蒸気を入れる側を弁装置が切りかえるからです[1][5]。機関車のシリンダーは、このように両端から蒸気を入れる複動式で、蒸気を入れるタイミングを決めるのが弁装置の役目だと英国の解説も説明しています[3]。

ピストンの往復運動は、クロスヘッドと主連棒(メインロッド)を通って動輪のクランクピンに伝わり、回転運動になります[1]。たとえば自転車のペダルが、足の上下を回転に変えるクランクとつながっているのと同じ考え方です。

弁装置と加減弁

弁装置(ワルシャート式など)は、ロッドとリンクで弁の動きをピストンの動きと合わせ、機関車の進行方向と出力を調整する装置です[5]。蒸気をシリンダーに送る量を調節するのは、加減弁です[5]。つまり、前に進むか後ろに進むか、どのくらい力を出すかは、この2つで決まります。

ここまでで、石炭の火が車輪の回転になる道すじがつながりました。では、あの「シュッ」の回数には、何か決まりがあるのでしょうか。

シリンダーに入った蒸気は、弁装置によってピストンの前後に交互に入り、ピストンを往復させる。この往復運動は、滑り棒を動くクロスヘッドと、それに結ばれた主連棒を通じて動輪のクランクピンに働き、回転運動になる[1]。英国の解説も、ピストンの力が連接棒を通って動輪のクランクピンへ伝わること、機関車のシリンダーは両端から蒸気を入れる複動式で、入れるタイミングを決めるのが弁装置であることを述べ、日本語の説明と一致している[3]。

弁装置(ワルシャート式など)は、ロッドとリンクによって弁の動作をピストンの動作と同期させ、機関車の進行方向と出力を制御する装置である。シリンダーへ送る蒸気の量を調節するのは、加減弁である[5]。したがって、進む向きと出す力は、この2つの操作で変えられる。

なぜピストンの往復をそのまま使わず、回転にする必要があるのか。車輪は回って線路の上を進むものだから、というのが基本的な答えである。クランクピンは動輪に取りつけられているため、棒が前後に押し引きすると、動輪が回る。

この道すじで、動輪が1回転する間に、いくつの排気が起きるのか。それを数えると、冒頭の音との関係が見えてくる。

4. 「シュッ」は、車の わが 1かい まわる あいだに 何回?

4. 車輪1回転に「シュッ」が4回 ── シリンダーのずらし方

4. 動輪1回転につき4回の排気 ── 2つのシリンダーを四分の一回転ずらす意味

じつは、SLの 左がわと 右がわには、1つずつ シリンダーが あります。2つの シリンダーは、すこし ずらして つけて あります。まわる 車の わの 4ぶんの 1だけ ずれて いるのです[3]。

この ずれが あると、車の わが 1かい まわる あいだに、「シュッ」が 4回 ひびきます[3]。1つの シリンダーで 2回(まえと うしろ)、それが 2つで 4回、と かんがえると わかります。

ずらして ある もう 1つの りゆうは、どんな ところで とまって いても、また うごき出せる ことです[3]。もし 2つの ピストンが ぴったり おなじ ところに いたら、ちからが とどかない ところで とまって しまうかも しれません。

ただし この 4回は、シリンダーが 2つの SLの 場合です。3つ、4つ ある SLでは、音の かずが かわります。

では、さっき 出て きた「火を つよく する」とは、どう いう ことなのでしょう。

ホームでSLの動き出しを聞くと、「シュッ、シュッ、シュッ、シュッ」と、規則的に4つずつの音がまとまって聞こえることがあります。これには理由があります。

英国の解説では、機関車のシリンダーは左右に1つずつ、四分の一回転ずらして置かれ、そのため動輪1回転で4回の排気音になります[3]。1つのシリンダーは、ピストンが前へ進むときと後ろへ戻るときの2回、蒸気を排気します。それが2つあるので、1回転で4回です。

止まった位置からでも動き出せる

このずらしには、もう1つの役目があります。ずらしがあるので、動輪がどの位置で止まっていても、どちらかのピストンは力を出せる位置にあり、機関車は動き出せます[3]。もし2つのシリンダーが同じ位置にあれば、両方とも力の入りにくい位置で止まってしまう場合が考えられます。

ただし、4拍になるのは、2つのシリンダーを持つ機関車の話です。3つ、4つ持つ機関車では、拍の数が変わります。

音の主である排気を、さらにもう1つ働かせる工夫があります。それが、火を強める仕組みです。

2つのシリンダーを左右に、四分の一回転(90度)ずらして置くと、動輪1回転につき4回の排気音(chuff)になる[3]。1つのシリンダーはピストンの往復1回につき蒸気を2回(前側と後ろ側から)使い、2つのシリンダーでは1回転に4回の排気になる、と計算で確かめられる。複動式である点が、この数を決めている。

ずらしのもう1つの理由は、機関車がいつでも動き出せるようにするためである[3]。クランクピンの位置によっては、ピストンが力を伝えにくい死点に近づく。左右のピストンが同じ位相なら、両方が死点で止まる場合があり、動き出せなくなる。90度ずらせば、片方が死点なら、もう片方は最も力を出しやすい位置に近くなる。この死点の説明は資料の記述ではなく、筆者の補足である。

この「4拍」は、単式2気筒の機関車の場合である。3気筒・4気筒は拍の数が異なる[3]。

音を出す排気が、実は火の側にも作用している。次に、その仕組みと、設計上のジレンマを読む。

5. すてる じょうきが、火を つよく する

5. 捨てる蒸気が、火に空気を送る ── ブラストという工夫

5. ブラスト(通風)── 排気が煙室の気圧を下げ、火室へ空気を引く

はたらきおえた じょうきは、えんとつの すぐ 下から、えんとつに むかって いきおいよく ふき出されます[2]。すると えんとつの 下の ほうの 空気が ひっぱられて、ひくく なります。

その かわりに、火の ある ところから 空気が ながれ こみます。空気が たくさん はいる ほど、石炭の 火は つよく もえます[2]。

ここが すごい ところです。シリンダーが じょうきを たくさん つかう ほど、ふき出す じょうきも つよく なって、火も つよく なります。力を たくさん 出す とき ほど、自分で 火を もやして くれる のです[6]。ただし これは「だいたい」の ことで、ぜんぶ じどうに なる わけでは ありません。とまって いる ときには、べつの そうちで 空気を おくります[6]。

火が つよく なれば、もっと じょうきが できます。SLは、すてる じょうきまで うまく つかって いるのです。

排気は、煙突の真下の吐出管(ブラストパイプ)から、煙突に向けて勢いよく吹き出されます。すると煙室の気圧が下がり、火室から煙管を通して燃焼ガスが引かれ、火室へ空気が流れこんで火が強まります[2]。これをドラフト(通風)といいます。

英語版ウィキペディアのブラストパイプの項は、この蒸気ブラストを「大部分が自己調節的」と説明しています。シリンダーが蒸気を多く使うほどブラストが強まり、通風が増して、火の温度が上がるからです[6]。重い列車を引いて蒸気をたくさん使う坂道ほど、火も勢いよく燃える、という自動調整です。

強すぎるブラストの代償

ブラストはよいことばかりではありません。排気を勢いよく吹き出すには、ピストンの前の蒸気に抵抗(背圧)がかかります。そのため、背圧をできるだけ小さくして、煙室の負圧をできるだけ大きくすることが、設計のねらいとされます[6]。

また、「自己調節的」と言っても「大部分」であり、完全な自動ではありません。停車中など、ブラストがない状態では補助の装置(ブロワー)が使われます[6]。

この工夫は、いつ誰が思いついたのでしょうか。

排気(使い終えた蒸気)は、煙突真下の吐出管(ブラストパイプ)から煙突に向けて勢いよく噴き出され、煙室の気圧を下げる。その結果、火室から煙管を通して燃焼ガスが引かれ、火室へ空気が流れこんで火が強まる。これがドラフト(通風)である[2]。

この仕組みは、自己調節性を持つ。英語版ウィキペディアは、蒸気ブラストは「largely self-regulating」だとし、シリンダーが蒸気を多く使うほどブラストが強まり、通風が増して火の温度が上がると説明する[6]。蒸気を多く使う=力を多く出す場面ほど、火も強くなるので、必要な蒸気がよりよく作られる。

ところがブラストは、ピストンの背圧(抵抗)にもなる。排気を強く絞れば煙室の負圧は大きくなるが、その代わり背圧が増して、機関車の出力を食う。そのため設計の狙いは、背圧を最小にしつつ煙室の負圧を最大にすることだとされる[6]。また「largely」とあるように、完全に自動ではなく、停車中などは補助のブロワーが使われる[6]。

では、この排気を煙突へ向ける発想は、誰がいつ思いついたのか。次の章で、機関車の歩みから見る。

6. さいしょの SLと、日本へ きた SL

6. 最初の走りから、ロケット号、そして日本へ

6. 1804年のトレビシック、1829年のロケット号、1872年の日本

1804ねんに、イギリスの トレビシックという 人が 作った きかんしゃが、せいてつじょの 線ろを はしりました[7]。このとき すでに、使いおわった じょうきを えんとつへ おくって いました。それが 火に 空気を ひく はたらきを した ようです[7]。

1829ねんには、スチーブンソンの「ロケットごう」が きょうそうで かちました。ほそい くだを たくさん つかう ボイラーと、じょうきを えんとつへ ふき出す くふうを 1だいに あわせた ところが、大きな すすみ だった と いわれて います[8]。ロケットごうの はやさは、へいきんで じそく 19キロメートルくらい、いちばん はやい ときで 48キロメートルくらい でした[8]。

日本には、1872ねん(めいじ5ねん)に 新橋と よこはまの あいだで 鉄道が はじまりました。その まえの 年に、イギリスから 10りょうが はこばれて きました[1]。

ブラストを 「いちばん さいしょに かんがえた のは だれか」は、はっきり していません。トレビシックの ほかにも、いろいろな 人の 名前が あげられて います[6]。

1804年の最初の走り

1804年2月21日、英国のリチャード・トレビシックの機関車が、ウェールズのマーサー・ティドヴィルの製鉄所の軌道で走りました。復水器なしの高圧のシリンダーを使い、排気は煙突へ送られて、火に空気を引く効果がありました[7]。ただ、重い機関車は軌道の鋳鉄板を割ってしまい、その後は馬に戻ったと伝えられています。なお、日本語版ウィキペディアは1802年を挙げており、これは高圧機関を台車に載せた年で、1804年の走行とは別のできごとです[7]。

1829年のロケット号

レインヒル機関車競走(1829年)で、ロバート・スチーブンソンのロケット号が勝ちました。科学博物館は、多管式ボイラーとブラスト管を1台に合わせた点を大きな進歩と述べます[8]。平均時速は12マイル(約19km)、最高は30マイル(約48km)です(1マイル≒1.609kmで換算)。現存のロケット号は、後に大きく改造されています。

日本では

日本の実用の蒸気機関車は、1872年(明治5年)の鉄道開業(新橋〜横浜間)に先だつ前年に、イギリスから輸入された10両が最初です[1]。開業区間は資料によって書き方が違い、世界大百科事典は品川〜横浜間とします。

ブラストを最初に考えたのが誰かは、トレビシック、ハックワース、スチーブンソンなどの説があり、独立の発見なのか模倣なのかも出典では決まっていません[6]。だれが発明したと言い切るのは、避けておきます。

この仕組みが形になる過程を、年代で追う。1804年2月21日、トレビシックの機関車は、復水器を持たない高圧のシリンダーを使い、排気を煙突へ送って火に空気を引く効果を得た。ウェールズのマーサー・ティドヴィルの製鉄所の軌道で走ったが、鋳鉄板を割り、その後は馬に戻ったとされる[7]。日本語版ウィキペディアが挙げる1802年は、高圧機関を台車に載せた年であり、1804年の走行と混同してはならない[7]。

1829年のレインヒル競走で勝ったロバート・スチーブンソンのロケット号は、科学博物館によれば、多管式ボイラーとブラスト管を1台に合わせた点が大きな進歩である[8]。平均時速12マイル(約19km)、最高時速30マイル(約48km)。1マイルを約1.609kmとして換算した値である。現存するロケット号は後に大きく改造されているため、見学しても1829年当時そのままではない点に注意する。

ブラストの創案者は、トレビシック、ハックワース、スチーブンソンらの説があり、独立発見か模倣かは出典でも分からない[6]。したがって、「誰が発明した」とは断定できない。資料の範囲で言えるのは、ロケット号が多管式ボイラーとブラスト管を1台に合わせた点が評価されている、ということである。

日本では、1872年(明治5年)の新橋〜横浜間の開業に先だち、前年にイギリスから輸入された10両が最初の実用機関車である[1]。なお、開業区間を世界大百科事典は品川〜横浜間とするなど、出典で書き方が食いちがう。

7. こんど SLを 見たら、足もとを 見て みよう

7. 次にSLを見るなら、足もとと煙突を見比べる

7. 実物と資料で確かめる ── 4拍と往復運動の観察

こんど SLを 見る ことが あったら、車の わの 横の ぼうに ちゅうもくして みて ください。ぼうが 前後に うごいて、車の わが まわって います。じょうきの ちからの みちすじを、目で たどる ことが できます。

おとなの 人と いっしょに、はしって いる SLを 見に 行って みましょう。ほぞん されて いる SLの ところへ 行けば、おとなの 人に まもって もらいながら、かんさつが できます。線ろには 入らず、ホームの 白い 線の 内がわから 見て くださいね。

音も 数えて みましょう。車の わが 1かい まわる あいだに、「シュッ」は 何回 聞こえるでしょう。2つの シリンダーの SLなら 4回、と いわれます[3]。3つ より おおい シリンダーの SLだと どうなるか、くらべても おもしろそうです。

家では、じてんしゃの ペダルを 見て みましょう。足の 上下の うごきが、くるくる まわる うごきに なって います。SLも ペダルも、いったり きたりを まわる うごきに かえる くふうは、おなじです。

実物の機関車に会えたら、次のことを見てみましょう。

足もとを見る

走っている機関車のそばを見るのは、安全のため、必ず大人といっしょに、ホームの白線の内側で行ってください。車輪の横の棒(主連棒)が前後に動き、車輪が回る様子から、ピストンの往復運動が回転になる道すじを目でたどれます。

音を数える

動輪が1回転する間に「シュッ」が何回聞こえるか、数えてみましょう。2つのシリンダーなら4回のはずです[3]。3気筒や4気筒の機関車なら、拍の数が違います。同じ機関車の音を、ゆっくり走るときと力強く走るときとで比べてみるのも面白そうです。

もっと調べるなら

日本語で読みたいときは、日本大百科全書の「蒸気機関車」[1]が、ボイラーから動輪までの道すじを短くまとめています。排気・煙突・火室の空気の流れを、紙に矢印で描いてみると、音と火の強さのつながりが見えてきます。

実物を見るときの観察点は2つある。1つは、主連棒とクランクピンの動きで、ピストンの往復が回転になる道すじを目で追える。もう1つは音で、動輪1回転につき排気が何回かを数える。2気筒の機関車なら4回のはずで[3]、3気筒や4気筒では回数が変わるため、機関車の型の見分けにも使えるかもしれない(これは筆者の推測であり、資料に書かれた方法ではない)。観察は大人と一緒に、ホームの白線の内側で行う。

資料に当たるなら、次の順が読みやすい。まず日本大百科全書の「蒸気機関車」[1]で、ボイラーからシリンダー、動輪への道すじをつかむ。次に英国の保存鉄道の解説[3]で、複動式・弁装置・四分の一回転のずらしを確かめる。ブラストの自己調節と背圧のジレンマは、英語版ウィキペディアの項目[6]が詳しい。

残る問いは、ブラストの創案者の系譜(出典でも説が分かれる)、そして日本の機関車の実際のボイラー圧力・動輪径などの数値である。後者は、鉄道博物館などの公式解説で確かめる価値がある。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

出典について:辞典・百科事典の記述、鉄道の解説、博物館の収蔵品情報を使った。何に使ったかは、各項目の最後に書いている。

  1. 日本大百科全書「蒸気機関車」(コトバンク)。https://kotobank.jp/word/%E8%92%B8%E6%B0%97%E6%A9%9F%E9%96%A2%E8%BB%8A-78986 (シリンダーから動輪への道すじ、排気、日本の機関車の始まりについて)
  2. 「蒸気機関車」(Weblio辞書掲載のウィキペディア記事)。https://www.weblio.jp/content/%E8%92%B8%E6%B0%97%E6%A9%9F%E9%96%A2%E8%BB%8A (火室・煙管の働きと、排気による通風について)
  3. How a Steam Locomotive Works(steamlocomotives.org)。https://www.steamlocomotives.org/how-railways-work/how-a-steam-locomotive-works (火床の温度、複動式、四分の一回転のずらしと4拍について。英語の解説)
  4. 「蒸気機関車」(ウィキペディア日本語版)。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%92%B8%E6%B0%97%E6%A9%9F%E9%96%A2%E8%BB%8A (蒸気の圧力・温度と過熱蒸気について)
  5. 「蒸気機関車の構成要素」(ウィキペディア日本語版)。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%92%B8%E6%B0%97%E6%A9%9F%E9%96%A2%E8%BB%8A%E3%81%AE%E6%A7%8B%E6%88%90%E8%A6%81%E7%B4%A0 (弁装置と加減弁の役目について)
  6. 「Blastpipe」(Wikipedia 英語版)。https://en.wikipedia.org/wiki/Blastpipe (ブラストの自己調節と背圧、創案者の諸説について。英語の解説)
  7. 「Richard Trevithick」(Wikipedia 英語版)。https://en.wikipedia.org/wiki/Richard_Trevithick (1804年の最初の走りについて。英語の解説)
  8. Rocket locomotive(Science Museum Group Collection)。https://collection.sciencemuseumgroup.org.uk/objects/co26704/rocket-locomotive (ロケット号の多管式ボイラーとブラスト管、速度について。博物館の収蔵品情報)

なおした ところ

更新履歴

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