1. いとは、なにから できて いるの?
1. 糸の材料は、畑にも虫にも木にも石油にもある
1. 材料はばらばらでも、糸の条件は同じ
きて いる ふくの タグを みると、「めん」「ポリエステル」「ナイロン」などと かいて あります。これが、いとの 材料の なまえです。
ざいりょうは、おおきく わけると こう なります。はたけで そだつ 綿や 麻。どうぶつの 毛。蚕という むしの まゆから とる 絹。そして、木や 石油を もとに、人が つくる いとです[8]。
ぜんぜん ちがう ものに みえますが、いとに なる じょうけんは おなじです。「ほそくて ながい 繊維」に なる こと。せんいとは、いとの もとに なる、ほそい すじの ことです。
だから、木も せきゆも、ほそく ながい かたちに できれば いとに なります。ただし、そのままでは いとに なりません。とかして いとの かたちに するなど、ひと手間が いります。
あさは、くさの くきなどの かわの ぶぶんから とる せんいです[6]。むかしの 日本では、木綿が ひろまる まで、あさの ぬのが よく きられて いました[6]。
服のタグに書いてある名前
手持ちの服のタグを見ると、「綿」「ポリエステル」「ナイロン」などと書かれています。これが糸の材料の名前です。人工的に作られる繊維をまとめて化学繊維といい、再生繊維・半合成繊維・合成繊維・無機繊維に分けられます[8]。
材料は、育つ場所や由来で分けると見通しがよくなります。畑で育つ綿と、植物の茎などの皮の部分から取る麻。動物の毛である羊毛。蚕の繭から取る絹。そして、木材パルプを原料にするレーヨンや、石油を出発原料とするものが多いナイロン・ポリエステルです[6][7][10]。
日本では、縄文時代の終わりごろの遺跡から大麻の種子が、弥生時代には苧麻の織物の破片が見つかっています。木綿が広まるまでは、麻布が広く着られていました[6]。
共通するのは「細くて長い」
見た目も手ざわりも違う材料が、なぜどれも糸になるのか。どの材料も、「細くて長い繊維」になっているか、そうなるようにつなげられているからです。
短い繊維は撚ってつなぎます。これを紡績といいます。繭から取る絹の長い繊維を糸にするのは製糸、化学繊維の長い繊維を作るのは紡糸と呼ばれ、区別されます[1]。この3つの呼び分けが、次の章からの道しるべです。
糸の材料は、由来で整理すると見通しがよい。畑の綿、茎などの皮の部分から取る麻(亜麻・苧麻・大麻など)、動物の毛(羊毛)、蚕の繭から取る絹が天然繊維である[6][7]。これに対して、人工的に作られる繊維の総称が化学繊維で、再生繊維・半合成繊維・合成繊維・無機繊維に分けられる[8]。
これほど出自が違うのに、なぜどれも「糸」と呼べるのか。理由は、糸という形が材料ではなく「細くて長い繊維が連なっていること」で決まるからである。ただし材料によって、その条件の満たし方が違う。綿・羊毛・麻のように比較的短い繊維から糸を作るのが紡績、繭から取る長い絹の繊維から生糸を作るのが製糸、化学繊維の長繊維(フィラメント)を作るのが紡糸で、辞典はこの3つを区別している[1]。化学繊維を短く切った繊維(ステープル)は、紡績して糸にすることもある。
日本では、縄文晩期の遺跡から大麻の種子が出土し、弥生時代には苧麻の織物片が見つかっている。木綿が普及するまでは、寒い地域を含めて麻布が広く着られていた[6]。糸に使われる材料は、時代とともに変わってきた。
2. みじかい わたが、どうして ながい いとに なるの?
2. 数センチの綿が、長い糸になる道すじ
2. 数センチの繊維を長くする ── そろえて、伸ばして、撚る
わたの せんいは、たねに ついて いる 毛です。ながさは、ながくても 4センチほど、1〜2センチの ものも あります[2][12]。
これを いとに するには、まず ごみを とって、せんいの むきを そろえます。つぎに ひきのばして ほそく してから、ねじります[1]。
ねじると、せんいどうしが ぎゅっと おしあい、こすれあいます。すると ほどけにくく なり、いとが つよく なります[1]。
みじかい ひもを なんぼんも かさねて ねじると、1本の ながい ひもに なります。わたの せんいも にて います。ただし ほんとうは、せんいが すこしずつ ずれて かさなって いて、はしから はしまで 1本の せんいが とおって いる わけでは ありません。
ひつじの 毛は、ちぢれて いる ほど、せんいどうしが からみやすいと いわれます[3]。ねじって いとに するのに、むいて いる せんいなのです。
数センチの毛を、つなげる
綿の繊維は、綿の種子についた毛です。主成分はセルロースで、長さは長いもので4センチほど、平均は2センチ近いという資料もあります[2][12]。数字は品種や資料によって差があります。
この数センチの毛を、何メートルもある糸にするには、まず繊維をほぐして不純物を取り、平行にそろえて、撚りのない束にします。それを引き伸ばして細くし、撚りをかけます[1]。
撚りが強さを生む
撚りをかけると、繊維どうしが押し合って摩擦が高まり、ほどけにくくなります。その結果、糸の強さが増します[1]。短い繊維が1本の糸としてつながっているのは、繊維どうしの「こすれ合い」のおかげです。
たとえば、短い毛を何本も重ねて撚ると、1本の紐になります。ただし実際の糸では、1本の繊維が端から端まで通っているわけではなく、繊維が少しずつずれて重なり合っています。
この仕組みと相性のよい性質もあります。羊毛は細い毛ほど縮れが多く、縮れが紡績のときに繊維どうしを絡ませやすくします[3]。綿の繊維も、平たい形のところどころにねじれがあるとする資料があります[12]。
綿の繊維長は、短いもので25mm、長いもので40mmとされる[2]。一方、英国の保存資料は平均約18mm(10〜40mm)、幅約20μmとしている[12]。品種や測り方で数字は動くが、いずれも数センチ以下であり、そのままでは何十センチにも届かない。
では、どうやってつなぐのか。紡績では、ほぐして不純物を除き、繊維を平行にそろえて撚りのない束(スライバー、和名は篠)にする。それを引き伸ばして細くしてから、撚りをかける(加撚)[1]。撚りをかけると繊維間の圧力と摩擦が高まり、糸の強度が増す[1]。つまり、紡績糸の強さは、繊維の長さだけでなく、繊維どうしが滑りにくくなっていることからも生まれる。
この仕組みには、繊維の形も関わる。羊毛は、細い毛ほど縮れ(クリンプ)が多く、紡績のときに繊維を絡ませやすいとされる[3]。綿繊維は平たく、ところどころに天然のねじれがあり、紡績に向くとされる。ただしこのねじれの記述は辞典サイト由来で、数値も目安にとどまる[12]。
なお、撚りをかけた糸でも、1本の繊維が端から端まで通っているわけではない。繊維が少しずつずれて重なり、その摩擦で全体がつながっている。この点が、次章の繭の糸との大きな違いである。
3. まゆの いとは、さいしょから 1本?
3. 繭は、最初から一続きの糸でできている
3. 繭糸の長さと製糸 ── 撚らずに糸になる繊維
まゆは、かいこが まわりに はいた いとで できて います。ほぐすと、1つの まゆが、ひとつづきの 1本の いとです[4]。
ながさは、しりょうに よって ちがいますが、1000メートル まえごろから 1500メートルほどと されます[4]。わたの せんいが 4センチなら、1万ばいを こえる ながさです。
ただ、まゆの いとは ほそすぎます。そこで 3〜5本を まとめて まきとり、生糸 1本に します[4]。
こうして まゆから いとを とる ことを、「せいし」と いいます。みじかい せんいを ねじる 「ぼうせき」とは、よびわけられて います[1]。
この 絹の さんぎょうは、およそ 5000年まえの ちゅうごくに きろくが あります。ちゅうごくは、つくりかたを ながく ひみつに して いました[5]。
ほぐすと、一続きの糸
蚕が作る繭は、ほぐすと一続きの絹の糸です。観光庁の多言語解説文によると、1個の繭は、長さ1300〜1500mの絹を固く巻いたものです[4]。資料によって数字に幅があるため、ここでは「1000m前後から1500mほど」と考えておきます。
綿の繊維が4センチなら、1000m前後でも1万倍以上です(1000m ÷ 0.04m = 25,000倍)。繭の糸は、撚らなくても最初から長い糸です。
数本をまとめて、生糸にする
ただし、繭糸1本は細いので、3〜5本をまとめて糸巻きに巻き取り、生糸1本にします[4]。このように繭から糸を取ることを製糸といい、短い繊維を撚る紡績とは区別されます[1]。
繭糸は、フィブロインというタンパク質2本を、のりの働きをするセリシンが包んだ形をしています[5]。
中国が秘密にした糸
絹の産業は、中国で紀元前3000年代なかばの記録があり、中国は長く製法を秘密にしていたとされます。日本へは大陸から伝わりました[5]。数センチの綿とは違い、長さそのものが価値を持つ糸だった、ということでしょう。
綿が撚ることで長さを作るのに対し、絹は撚らなくても長い。観光庁の多言語解説文は、1個の繭が長さ1300〜1500mの一続きの絹を固く巻いたものだと説明する[4]。ただし繭糸の長さは資料で幅があり、600〜900mとするもの、約1000mとするものもある。ここでは「1000m前後から1500mほど」にとどめる。
この長さを綿と比べると、繭糸(1000m)は綿の繊維長(最大4cm)の約25,000倍(1000m ÷ 0.04m)にあたる。上限どうしの比較でも1万倍をこえる。だから製糸では、紡績のようにほぐして撚る工程が要らない。
ただし、繭糸1本は細すぎるため、3〜5本をまとめて巻き取り、生糸1本を作る[4]。繭糸の断面は、三角形に近い2本のフィブロイン(タンパク質)を、のりの働きをするセリシンが包む形で、石鹸水などでセリシンを除く工程を精練という[5]。
絹の産業は中国で紀元前3000年代なかばの記録があり、中国は長く製法を秘密にした。日本へは大陸から伝わったが、伝来時期の細部は資料で割れるため、ここでは年代を断定しない[5]。
4. 木が いとに なるって、どういう こと?
4. 木をいったん溶かして、糸の形に戻す
4. 再生繊維の発想 ── セルロースを溶かし、紡糸して戻す
木は、そのままでは いとに なりません。そこで、木から とった パルプの おもな せいぶん、セルロースを とかします。そして、いとの かたちに して、もとの セルロースに もどします[7]。これが レーヨンです。
わたの みじかい せんい(コットンリンター)も、おなじ セルロースで できて いて、レーヨンの もとに なります[2][7]。
1891年に、イギリスの クロスと ベバンが ビスコースレーヨンを 発明しました。日本でも 1915年に、よねざわで レーヨンの 会社が できました[8]。
ここでも、いとの じょうけんは かわりません。ながい せんいの かたちに すれば、木も いとに なるのです。
溶かして、糸の形で元に戻す
木は、そのままでは糸になりません。再生繊維は、木材パルプやコットンリンターなどの天然の高分子(セルロースなど)を精製して溶かし、そのあと紡糸して繊維にしたものです[7]。
レーヨンは、木材パルプなどを化学的に溶かし、繊維の形で元のセルロースに戻して作ります[7]。木が糸になるというより、木の成分がいったん溶け、糸の形で元のセルロースに戻る、という流れです。
人造絹糸の名前
1891年にイギリスのクロスとベバンがビスコースレーヨンを発明し、日本では1915年に米沢人造絹糸製造所ができました[8]。「人造絹糸」という名前から、当時のレーヨンが絹と並べて見られていたことがうかがえます。
意外なのは、綿の短い繊維(コットンリンター)もレーヨンなどの原料になることです[2]。綿の繊維も木の成分も、主成分はセルロースです[2][7]。糸になる前の姿は違っても、同じ成分の仲間といえます。
再生繊維は、天然の高分子物質(木材パルプやコットンリンターのセルロースなど)を精製して溶媒に溶かし、紡糸して得た繊維である[7]。レーヨンでは、木材パルプなどを化学的に溶かし、繊維の形で元のセルロースに戻す[7]。つまり成分は木や綿と同じセルロースで、変わるのは「形」である。
なぜこの手間をかけるのか。短い繊維を撚るのではなく、溶かして一度「連続した長い繊維」に作り直せば、繭と同じく撚らずに糸の形になるからである。実際、綿の繊維の短いもの(コットンリンター)も、レーヨンなどの原料になる[2]。紡績に向かない短さが、別の道で糸になる。
歴史の面では、1891年にイギリスのクロスとベバンがビスコースレーヨンを発明し、日本では1915年に久村清太らが米沢人造絹糸製造所を設立した。のちの帝人の母体にあたる[8]。「人造絹糸」という名前からは、レーヨンが絹と並べて見られていたことがうかがえる。
5. せきゆから できた いとは、なにが すごいの?
5. 石油から生まれた糸は、絹のどこに似ていたのか
5. 合成繊維の登場 ── 絹に似た光沢と、絹をこえる丈夫さ
せきゆを もとに した いとも あります。1935年、アメリカの カロザースが ナイロンを 発明しました。世界で はじめての ほんかくてきな ごうせいせんいと いわれます[9]。
ナイロンは、生糸に にた つやが あり、生糸より ずっと じょうぶでした。女の人の くつしたにも つかわれました[9]。
ごうせいせんいは、せきゆが もとに なる ものが おおいと されます[10]。いま いちばん たくさん つくられて いる ごうせいせんいは、ポリエステルと いわれます[11]。
ポリエステルは 1941年に、イギリスの ウィンフィールドと ディクソンが 発明しました。日本では 1951年に、テトロンの なまえで うられはじめました[11][10]。
むしの まゆから せきゆまで、いとの ざいりょうは ひろがりました。それでも、「ほそくて ながい せんい」と いう じょうけんは かわりません。
絹に似て、絹より丈夫な糸
1935年、アメリカのデュポン社のカロザースがナイロンを発明しました。世界最初の本格的な合成繊維とされ、生糸によく似た光沢があり、生糸よりずっと丈夫で、女性用の靴下に使われました[9]。発売の年は、資料によって1939年前後と揺れがあります。
ナイロンは当初、石炭・空気・水から合成されたとされ、のち原料は石油系へ移りました[10]。合成繊維は合成高分子から紡糸した繊維で、石油を出発原料とするものが多いといわれます[10]。
いちばん多く作られる糸
ポリエステルは、テレフタル酸とエチレングリコールという2つの物質を重縮合させたものが主原料です。1941年にイギリスのウィンフィールドとディクソンが発明し、合成繊維の中で製造量が最も多いとされます[11]。
日本では、1950年に倉敷レイヨンがビニロンの工業生産を始め、1951年に東洋レーヨンと帝人がポリエステル繊維をテトロンの名前で販売しました[10]。
化学繊維のフィラメントを作ることを、紡糸といいます[1]。綿は撚り、繭は引き、木や石油から作る化学繊維は紡糸でフィラメントを作ります(短く切って紡績することもあります)。道は3つに分かれましたが、「細くて長い繊維」という出口は同じです。
ナイロンは、1935年にアメリカのデュポン社のW・H・カロザースが発明した、世界最初の本格的な合成繊維とされる。生糸によく似た光沢をもち、生糸よりずっと丈夫で、女性用の靴下に使われた[9]。発明年は1935年でほぼそろうが、発売年は1938〜40年と資料により揺れるため、ここでは発明年のみを扱う。
原料の見方にも注意が要る。ナイロンは当初、石炭・空気・水から合成されたといわれ、のち原料は石油系へ移った[10]。「石炭と水と空気から」は当時の宣伝文句でもあり、実際の製造は多段階である。合成繊維の定義は、合成高分子から紡糸した繊維で、石油を出発原料とするものが多い、というものだ[10]。
ポリエステルの主な原料は、テレフタル酸とエチレングリコールを化学反応でつなげて長い鎖にしたポリエチレンテレフタレート(PET)で、1941年にイギリスのウィンフィールドとディクソンが開発した。合成繊維の中で製造量が最も多い[11]。日本では、1950年に倉敷レイヨンがビニロンの工業生産を始め、1951年に東洋レーヨンと帝人がポリエステル繊維を国産化して「テトロン」として販売した[10]。なお商品化の年は、資料により1950年や1953年とも書かれ、割れている。
こうして、糸は「材料」ではなく「繊維の長さをどう作るか」で整理できる。短ければ撚る(紡績)、繭は引く(製糸)、化学繊維は紡糸でフィラメントを作る(短く切ったものは紡績もする)[1]。材料が畑から石油にまで広がっても、糸の条件は動いていない。
6. おうちの ふくで ためして みよう
6. 服のタグと脱脂綿で、糸になる条件を確かめる
6. 手もとで確かめる ── 組成表示と、脱脂綿を撚る小さな実験
やって みよう 1。ふくの タグを 3まい さがして、ざいりょうを よみます。「めん」は はたけ、「ポリエステル」や 「ナイロン」は せきゆが もとと、なかまわけが できます。
やって みよう 2。くすりやさんで 売って いる、ふわふわの コットンを すこし とります。ゆびで ほそく ひきのばして、ゆっくり ねじって みます。ねじる まえと あとで、ひっぱった ときの かんじを くらべます。
さいごに、ふしぎが 1つ のこります。レーヨンと めんの いとは、どちらも セルロースです。それなのに、さわりごこちが ちがうのは どうしてでしょう。
服のタグで、材料を仲間分けする
家にある服のタグを3枚探し、材料を読みます。「綿」は畑の植物、「ポリエステル」「ナイロン」は石油が出発原料のものが多い、というふうに、この記事の仲間分けに当てはめられます。レーヨンを探してみるのもよいでしょう。
脱脂綿の繊維を撚ってみる
薬局で売っている脱脂綿(綿の繊維)を少し取り、指で細く引き伸ばして、ゆっくり撚ってみます。撚る前と後で、引っ張ったときの切れやすさを比べます。撚りで繊維どうしの摩擦が高まるなら、撚ったほうが切れにくくなるはずです。手だけでできる、安全な実験です。
同じ成分なのに、なぜ違うのか
綿の主成分もレーヨンの原料も、セルロースです[2][7]。それなのに、見た目や手ざわりが違うのはどうしてでしょうか。繊維の長さや形、糸にするまでの工程のどこが効いているのか。繭の長さや紡績の工程とあわせて、国の資料や辞典で追ってみたくなる問いです。
確かめ方は2つある。1つめは、手持ちの服のタグの組成表示を読み、材料を天然繊維(綿・麻・羊毛・絹)と化学繊維(再生・合成など)に分けることだ。この記事の分類に当てはめると、材料の由来が見える。
2つめは、脱脂綿を少量取り、指で細く引き伸ばしてゆっくり撚る小さな実験だ。撚る前と後で、同じ力で引いたときの切れ方を比べる。撚りが繊維間の圧力と摩擦を高め、強度を増す[1]という説明どおりなら、撚ったほうが切れにくくなる。ただし手作業で力を測るのは難しいので、「どちらが切れにくく感じたか」の比較にとどめる。
残る問いは、綿とレーヨンが同じセルロースを主成分とする[2][7]のに、手ざわりや性質が違うのはなぜか、である。繊維の長さ・形・糸にする工程のどれがどれだけ効くのかは、この記事の資料の範囲では答えが出ない。日本化学繊維協会などの業界団体の資料や、繊維学会の解説に当たる価値がある問いだ。
しらべた もとの じょうほう
参考にした情報源
参考にした情報源と、その使い方
本文の事実の出どころは次のとおりです。繭糸の長さや綿の繊維長は、資料によって数字に幅があります。
- コトバンク「紡績」(辞典・事典の記述をまとめたサイト) https://kotobank.jp/word/%E7%B4%A1%E7%B8%BE (紡績・製糸・紡糸の区別、撚りと強さ)
- コトバンク「綿」(日本大百科全書ほか) https://kotobank.jp/word/%E7%B6%BF (綿の繊維の長さ、成分、コットンリンター)
- コトバンク「羊毛」(日本大百科全書ほか) https://kotobank.jp/word/%E7%BE%8A%E6%AF%9B (羊毛の縮れと紡績)
- 国土交通省 観光庁 多言語解説文データベース「富岡製糸場の絹」 https://www.mlit.go.jp/tagengo-db/en/R1-00064.html (繭1個の糸の長さ、生糸の作り方)
- コトバンク「絹」(日本大百科全書・化学辞典) https://kotobank.jp/word/%E7%B5%B9 (絹の成分と産業の起こり)
- コトバンク「麻織物」(日本大百科全書ほか) https://kotobank.jp/word/%E9%BA%BB%E7%B9%94%E7%89%A9 (麻の種類と、日本での使われ方)
- コトバンク「再生繊維」(マイペディア・世界大百科事典) https://kotobank.jp/word/%E5%86%8D%E7%94%9F%E7%B9%8A%E7%B6%AD (レーヨンの原料と作り方)
- コトバンク「化学繊維」(世界大百科事典) https://kotobank.jp/word/%E5%8C%96%E5%AD%A6%E7%B9%8A%E7%B6%AD (化学繊維の分類、レーヨンの年表)
- コトバンク「ナイロン」(日本大百科全書・世界大百科事典) https://kotobank.jp/word/%E3%83%8A%E3%82%A4%E3%83%AD%E3%83%B3 (ナイロンの発明と特徴)
- コトバンク「合成繊維」(デジタル大辞泉・日本国語大辞典) https://kotobank.jp/word/%E5%90%88%E6%88%90%E7%B9%8A%E7%B6%AD (合成繊維の原料、日本での国産化)
- コトバンク「ポリエステル繊維」 https://kotobank.jp/word/%E3%83%9D%E3%83%AA%E3%82%A8%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AB%E7%B9%8A%E7%B6%AD (ポリエステルの原料と発明)
- University of Melbourne, Cultural Conservation「Cotton」 https://cultural-conservation.unimelb.edu.au/cotton.html (綿繊維の長さ・幅の目安、英語の資料)
なおした ところ
更新履歴
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- 初版を公開。
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