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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

はだぎは、めんの ほかに、なにで できて いるの?

肌着は、綿のほかに何でできていて、素材によって何がちがうの?

肌着は何でできているのか:タグの繊維名から、水を吸う量とあたたかさの関係を読む

分野:技術

めんは、みずを たくさん すう せんい です。それなのに、ぬれた ときに でる ねつは、しんしゅうだいがくの サイトに のっている けんきゅうで くらべた せんいの なかで、いちばん ちいさかった そうです[7]。

はだぎは、めんの ほかに、なにで できて いるのでしょう。この ページを よむと、はだぎに つかわれる せんいの なまえと、みずを すう りょうの ちがい、そして「たくさん すう」と「あたたかい」は べつの はなしだと いう ことが わかります。

綿は水分をたくさん吸う繊維なのに、濡れたときに出る熱は、信州大学のサイトに載っている研究で比べた繊維(綿・レーヨン・テンセル)の中で最も低かった、と報告されています[7]。吸う量が多いことと、あたたかいことは、別の話のようです。

では、肌着は綿のほかに何でできていて、素材によって何がちがうのでしょうか。この記事を読むと、辞典が肌着の用途に挙げる6つの繊維、水を吸う量を比べる物差し、吸湿発熱肌着の素材、2025年に書き換わった数字が分かります。

綿は吸湿性の高い繊維だが、濡れたときに出る熱(濡れ熱)は、信州大学のサイトに載っている研究で比べた綿・レーヨン・テンセルのうち最も低かった[7]。水を吸う量とあたたかさは、同じ物差しでは測れない。

肌着は綿のほかに何でできていて、素材ごとに何がちがうのか。この記事を読むと、辞典が肌着の用途に挙げる6つの繊維の顔ぶれ、公定水分率という物差しの意味と限界、発熱肌着のレーヨン、2025年にアクリレートの数値が改められた経緯が分かる。

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1. はだぎの タグには、なにが かいて あるの?

1. 肌着のタグには、使った繊維の名前が原則として書いてある

1. 組成表示:下着は、原則として使った繊維の名前と割合を書く

はだぎの うちがわに ついて いる タグを みて みましょう。「めん 80%、ポリエステル 20%」のように、せんいの なまえと わりあいが ならんで いる ことが あります(これは たとえの かずです)。

したぎは、つかった せんいの なまえを かく きまりが あります。わりあいも、いっしょに かきます[1]。「めん」は「めん」か「コットン」、ポリエステルの なかまは「ポリエステル」の ように、かく ことばも きまって います。

では、はだぎには、どんな せんいが つかわれるのでしょう。じてんの「せんいの とくちょうと ようと」には、はだぎの ようとに、めん、ようもう、レーヨン、ポリエステル、アクリル、ナイロンが あげられて います[4]。むつの せんいが、はだぎの なかまです。

この むつは、それぞれ なにが とくいなのでしょう。

肌着の内側や脇についているタグには、「綿80%、ポリエステル20%」のような表示があります(数字は例です)。家庭用品品質表示法の繊維製品品質表示規程では、下着は「繊維の組成」を表示する品目で、原則として、使われている繊維の名前に、それぞれの混用率(%)を添えて書くことになっています[1]。綿は「綿」か「コットン」、ポリエステルの仲間は「ポリエステル」のように、書く言葉も決まっています。

では、その繊維名にはどんな顔ぶれがあるのでしょうか。辞典の「各種繊維の特徴と用途」では、肌着や下着の用途に挙がる繊維として、綿・羊毛(毛)・レーヨン・ポリエステル・アクリル・ナイロンが並びます[4]。つまり、辞典が肌着・下着の用途に挙げる繊維には、綿のほかにも、全部で6種類ある、というのが最初の答えです。

なお、肌着だけを取り出して素材別の割合を示した統計は、今回の資料にはありません。この記事では「多い」と言い切らず、「辞典が肌着の用途に挙げる素材」として読みます。

この6つは、それぞれ何が得意なのでしょうか。

家庭用品品質表示法に基づく繊維製品品質表示規程は、下着を「繊維の組成」の表示対象とし、原則として、使われている繊維の名称に、それぞれの混用率を百分率で添えて示させる[1]。名称も、綿は「綿」または「コットン」、ポリエステル系の合成繊維は「ポリエステル」のように、指定用語から選ぶ。だから、肌着のタグを読めば、素材を自分で確かめられる。

では、タグに現れうる繊維には何があるのか。辞典の「各種繊維の特徴と用途」は、肌着・下着の用途に、綿、毛(羊毛)、レーヨン、ポリエステル、アクリル、ナイロンを挙げる[4]。辞典が肌着・下着の用途に挙げる繊維には、少なくとも6種類ある、というのが記事の最初の答えである。

ただし、この辞典の記述は、ある繊維の用途の例として肌着が出てくるという書き方であり、肌着全体の素材別の構成比ではない。肌着だけの統計は、今回の資料に見当たらないので、「多い」と言い切らずに、「辞典が肌着の用途に挙げる素材」として扱う。この6つが、それぞれ何を受け持っているのかを、次の章で見る。

2. むつの せんいは、それぞれ なにが とくいなの?

2. 6つの繊維は、木や石油など、材料も得意なこともちがう

2. 6つの繊維:天然と化学繊維、それぞれの受け持ち

めんは、つよくて、みずを すいます。ようもうは、みずを すう ちからが おおきい せんいです[4]。

レーヨンは、きから つくる せんいです。にほんで いちばん はやく つくられた かがく せんいと いわれ、みずを よく すいます[3]。

ポリエステルは、こすれに つよくて、しわに なりにくい せんいです[4]。せかいで いちばん たくさん つくられて いる かがく せんいと いわれます[3]。アクリルは、かるくて、あたたかさを たもちやすい せんいです。ナイロンは、じてんが したぎの ようとに あげて います[4]。

レーヨンは、きの せんいを とりだして つくった もの。ポリエステルと ナイロンと アクリルは、せきゆ などから つくった もの。つくりかたが ちがうので、とくいな ことも ちがいます[3]。

「みずを よく すう」は、すうじで くらべる ことが できるのでしょうか。

綿は、強くて吸湿性がある繊維です。羊毛(毛)は伸びて弾力があり、吸湿性が大きいとされます。羊毛の表面にあるうろこ状の部分は水滴をはじきながら湿気は通すので、空気中でも16%ほどの水分を吸う、と辞典は説明します[4][5]。

化学繊維は、材料と作り方で分かれます。木材パルプなどのセルロースを取り出して繊維にしたものが再生繊維で、レーヨンがその代表です。石油などから高分子を合成してつくるものが合成繊維で、ポリエステル・ナイロン・アクリルがここに入ります[3]。レーヨンは日本で一番早く作られた化学繊維とされ、吸湿・吸水性に優れます。ポリエステルは、世界で最も多く生産されている化学繊維だとされます[3]。

辞典によると、ポリエステルは摩擦に強くしわになりにくく、アクリルは軽くて保温性がよい繊維です。ナイロンは、用途に下着が挙がっています[4]。

「吸湿性が大きい」「優れる」と言われても、どれくらい差があるのでしょうか。数字で比べられる物差しがあります。

綿は、強度があり吸湿性もあるため、寝具や肌着、靴下などに使われる。羊毛は伸度が大きく弾力に富み、吸湿性が大きい。羊毛表面のスケール(うろこ状の部分)は撥水性をもちながら湿気は通すので、常温の空気中で16%ほどの水分を吸うと辞典は述べる[4][5]。

化学繊維は、日本化学繊維協会の分類では、木材などのセルロースを原料にする再生繊維(レーヨン)、天然高分子を化学処理する半合成繊維(アセテート)、石油などから高分子を合成する合成繊維(ポリエステル・ナイロン・アクリル)などに分かれる[3]。レーヨンは日本で一番早く作られた化学繊維で、吸湿・吸水性に優れる。ポリエステルは世界で最も多く生産されている化学繊維である[3]。

辞典は、ポリエステルを摩擦に強くしわになりにくい繊維、アクリルを軽く保温性がよい繊維として、いずれも用途にメリヤス肌着を挙げる[4]。レーヨンとナイロンの用途には「下着」が挙がる。同じ肌着でも、吸湿性を取るのか、摩擦への強さを取るのか、軽さと保温性を取るのかで、選ばれる繊維が変わりうる。ただし、これは用途の一覧から読み取れる「役目の分担の可能性」であり、個々の肌着がどう設計されているかは、製品ごとに異なる。

「吸湿性が大きい」を、数値で比べたい。それには、表示規程の別表にある物差しが使える。

3. みずを すう りょうは、せんいで どれくらい ちがうの?

3. 水を吸う量の物差し「公定水分率」では、綿とポリエステルで約21倍

3. 公定水分率:吸湿性の目安として読める値と、その限界

せんいが みずを すう りょうを くらべる ための、やくそくの かずが あります。かわいた せんいを 100として、みずが どれだけ つくかを あらわした かずです[2]。

めんは 8.5、ようもうは 15、レーヨンは 11、ナイロンは 4.5、アクリルは 2、ポリエステルは 0.4です。

めんと ポリエステルを くらべて みましょう。8.5を 0.4で わると、およそ 21です。やくそくの かずの うえでは、めんは ポリエステルの 21ばいぐらい、みずを すう ことに なります。ようもうは、めんの 1.8ばいぐらいです。

ただし、これは ひょうじを けいさんする ための やくそくの かずです。あせを すう はやさや、はだざわりを あらわす かずでは ありません。めやすの ひとつとして よみます。

みずを たくさん すう せんいは、あたたかいのでしょうか。

繊維製品品質表示規程の別表第三には、繊維ごとの「公定水分率」が決められています。混用率を計算するときに使う、約束の値です。綿8.5%、羊毛15.0%、レーヨン11.0%、ナイロン4.5%、アクリル2.0%、ポリウレタン系1.0%、ポリエステル系0.4%などとなっています(2017年の告示)[2]。

この表を割り算で読み比べてみます。綿8.5をポリエステル0.4で割ると約21で、約束の値の上では、綿はポリエステルの約21倍の水分をふくむことになります。羊毛15.0は綿の約1.8倍、レーヨン11.0は綿の約1.3倍です。辞典のいう羊毛の16%と、告示の15.0%は、別の資料の別の値で、同じものではありません[4][2]。

ただし、この値は表示のための約束で、汗の吸いやすさそのものではありません。吸湿性の目安として使える、という程度に受け取るのが安全です。

水をたくさん吸う繊維は、体をあたたかくするのでしょうか。

繊維製品品質表示規程(消費者庁告示、2017年)の別表第三は、組成繊維の質量を、その繊維の水分率を別表の値としたときの質量で扱うと定める。この別表の値が公定水分率で、綿8.5%、羊毛15.0%、レーヨン11.0%、ナイロン4.5%、アクリル2.0%、ポリウレタン系1.0%、ポリエステル系0.4%などとなっている[2]。

公定水分率は、混用率を計算するための約束の値である。ただし、繊維が水分をどれだけ含みやすいかの大小は反映しているので、吸湿性の目安として読むことはできる。8.5÷0.4≒21、15.0÷8.5≒1.8、11.0÷8.5≒1.3となり、約束の値の上では、綿はポリエステルの約21倍、羊毛は綿の約1.8倍、レーヨンは綿の約1.3倍の水分を含む計算である。なお、辞典の羊毛16%(常温の空気中での記述)と告示の15.0%は、別の資料の別の値である[4][2]。

この値の限界は2点ある。1点目は、表示計算用の値であり、汗の吸いやすさ、乾きやすさ、肌ざわりそのものではないこと。2点目は、約束の値は繊維ごとに1つだけで、場面ごとの実測値ではないことである。では、水分をたくさん含む繊維は、そのぶんあたたかいのか。次の章で、発熱肌着の素材を手がかりに考える。

4. めんは みずを すうのに、あまり あつく ならないって ほんとう?

4. 発熱肌着に使われるレーヨン、比べた3種では小さかった綿の濡れ熱

4. 吸湿発熱と濡れ熱:比べた3種では綿の濡れ熱が最も小さい

せんいが しっけを すうと、すこし ねつが でます。これを「きゅうしつ はつねつ」と いいます。たくさん すえる せんいほど、あたたかく かんじやすいと いわれます[6]。

ちかごろの あたたかい はだぎには、レーヨンを つかう ものが おおいと いわれます。ポリエステルや ナイロン、アクリルなど ふつうの かがく せんいは、きゅうしつ はつねつが ひくいと されます[6]。

では、みずを たくさん すう めんは、いちばん ねつが でるのでしょうか。

しんしゅうだいがくの サイトに のっている けんきゅうでは、めん、レーヨン、テンセルを くらべました。めんは みずを すう わりあいが わりと たかいのに、ぬれた ときに でる ねつは、くらべた せんいの なかで いちばん ひくかった そうです[7]。

めんが ねつを だせない、と いう ことでは ありません。くらべた なかで いちばん ちいさかった、と いう けっかです。「たくさん すう」と「あつく なる」は、べつの はなしでした。

繊維が肌から出る水蒸気を吸うと、熱が出ます。これが吸湿発熱で、吸える量が多い繊維ほど暖かく感じやすいと説明されます。近年の発熱肌着にはレーヨンを使うものが多いとされ、ポリエステル・ナイロン・アクリルなど一般的な化学繊維は吸湿発熱性が低いとされます[6]。製品によって組成はちがうので、発熱をうたう肌着がすべてレーヨン中心とは限りません。

ここで、吸う量が多い順に熱が出るとすれば、綿は有力候補のはずです。ところが、信州大学のサイトに載っている研究では、綿・レーヨン・テンセルを比べたところ、綿は水分率が比較的高いのに、濡れたときに出る熱(濡れ熱)は調べた繊維の中で最も低かった、と報告されています[7]。

これは「綿は発熱しない」という意味ではありません。比べた3つの繊維の中で、いちばん小さかった、という結果です。「たくさん吸う」と「たくさん熱が出る」は、同じ並びにならないことがある、ということです。

では、肌がぬれる場面、つまり汗をかいたときは、素材のちがいで何が変わるのでしょうか。

吸湿発熱とは、肌から出る水蒸気を繊維が吸うときに熱が出る現象で、吸える量が多い繊維ほど暖かく感じやすいと説明される。近年の発熱肌着にはレーヨンを使うものが多く、ポリエステル・ナイロン・アクリルといった一般的な化学繊維は吸湿発熱性が低い、というのが二次資料の説明である[6]。ただし組成は製品ごとに異なるので、発熱肌着が一律にレーヨンだとは言えない。

この説明を延長すると、水分率が高い繊維ほど熱が出る、と予想できる。綿の公定水分率は8.5%で、ナイロンの4.5%、アクリルの2.0%よりずっと高い。ところが信州大学のサイトに載っている研究(綿・レーヨン・テンセルの比較)は、綿は水分率が比較的高いにもかかわらず、濡れ熱が調べた繊維の中で最も低かったと報告している[7]。

この結果の読み方には注意がいる。綿が発熱しないという意味ではなく、比べた3種類のうちで最も小さい、というだけである。つまり水分率は吸える水分量の目安だが、濡れ熱の大きさを一つの数字では決められない。研究の題名は、繊維の構造が濡れ熱に与える影響を扱っていることを示す。吸湿性と暖かさの関係は、いつでも比例するわけではない。では、汗が出る場面では、綿とポリエステルで体にどんなちがいが出るのか。

5. あせを かいたら、めんと ポリエステルでは どう ちがうの?

5. 汗をかいたあとは、綿のほうが温度が上がったという実験

5. 発汗後の衣服内:綿100%とポリエステル100%の比較実験

こうべじょしだいがくの ひとたちの けんきゅうを、にほんけいざいしんぶんが しょうかいして います[8]。

めん 100%の Tシャツと、ポリエステル 100%の Tシャツを きて、あせを かく じっけんを しました。あせが でだすと、めんの ほうが ふくの ひょうめんの おんどが あがり、ひふの ちの ながれも ふえました。

からだの ふかい ところの おんどの あがりかたは、ポリエステルで 0.30から 0.41ど、めんで 0.49から 0.60どでした。

ただし、これは きまった じょうけんの じっけんです。いつも めんが わるいとか、ポリエステルが よいとか、いえる わけでは ありません。しゃつの ほかの ようすで けっかは かわるかも しれません。

神戸女子大学の平田耕造さんらの研究を、日本経済新聞の記事が紹介しています。綿100%とポリエステル100%のTシャツを着て、汗をかく実験をしたものです。発汗が始まると、吸湿性の高い綿のTシャツのほうが衣服の表面温度が上がり、皮膚の血流も増えました[8]。

記事によると、体の深部の温度(深部体温)の上がり幅は、ポリエステルで0.30〜0.41℃、綿で0.49〜0.60℃でした[8]。吸湿性が高いほうの綿で、温度の上がり方が大きかったという結果です。理由までは、記事では述べられていません。

ただし、これは一つの研究の、ある条件での結果です。記事には被験者の人数や室温などの条件が書かれておらず、「どちらが常に良い」とは言えません。吸う量が多いことが、場面によっては「暑さ」としても現れる、という例として読むのが安全です。

ここで、第3章の物差しの数字に、最近ひとつ大きな変更がありました。

神戸女子大学の平田耕造らの研究を、日本経済新聞が紹介している。吸湿性の高い綿100%と、吸湿性の低いポリエステル100%のTシャツを比べたところ、発汗が始まると、綿のほうが衣服表面温度が上がり、皮膚血流が増えたという[8]。

インナーの深部体温の上昇幅は、ポリエステルが0.30〜0.41℃、綿が0.49〜0.60℃である。差は0.1〜0.3℃程度で、数字の上では小さい。吸湿性の高い繊維で温度の上がり幅が大きかった、という結果である。

この結果の一般化には限界がある。紹介記事には、被験者の人数、室温、運動の強さなどの条件が書かれていない。したがって「綿は暑い」「ポリエステルのほうが良い」と結論することはできない。ここでは、前章の「吸う量が多い繊維は熱を出す」という話が、実際の着心地の側でも一つの例として現れる、とだけ読んでおく。ところで、第3章の公定水分率の表は、この数年で書き換えられた箇所がある。

6. 2025ねんに、みずを すう かずが かわった せんいって?

6. 2025年、アクリレートの水分率が0.0%から30.0%に変わった

6. 2025年の改正:アクリレートの公定水分率と、タグの数字の変化

2025ねんの 1がつ1にち、しょうひしゃちょうは、きまりを あらためました。「アクリレート」と いう せんいの みずを すう かずを、30に した そうです[9]。

それまでは「その ほかの じんぞう せんい」と して、0でした。ほんとうは みずを よく すう せんいなのに、タグの わりあいが、じっさいより ちいさく でて いたと いわれます。

アクリレートは、みずを すう ちからや、きゅうしつ はつねつが すぐれて いると されます。なかわた などにも つかわれると いわれます。

「アクリレート」は、アクリルとは べつの なまえです。アクリルの かずは 2のままです。

ひょうじの きまりも、ときどき あたらしく なります。いまの タグの かずは、きまりが かわる まえと あとで、すこし ちがう ことが あるのです。

報道によると、2025年1月1日付の改正で、消費者庁はアクリレート繊維の公定水分率を30.0%とし、「アクリレート」を指定用語としました。改正前は「その他の人造繊維」として0.0%の扱いで、混用率が実際より小さく出ていた、と報道されています[9]。混用率は、公定水分率をもとに質量を計算して出す割合なので、水分率が0.0%のままだと、その繊維の割合が実際より小さく出てしまったわけです[2]。

アクリレートは吸湿性・吸湿発熱性に優れ、中わたなどに使われるとされます[9]。吸湿発熱肌着の素材として話題になるレーヨンとは別の繊維です。

注意したいのは、アクリレートは、第2章で見た「アクリル」(公定水分率2.0%)とは別の指定用語であることです。この改正の内容は報道に基づくものです。規程そのものは、消費者庁のページで読めます。

では、これらの話を、家のタグで確かめるにはどうすればよいでしょうか。

報道によると、2025年1月1日付の改正で、消費者庁はアクリレート繊維の公定水分率を30.0%とし、「アクリレート」を指定用語として定めた[9]。改正前は「その他の人造繊維」の扱いで、水分率は0.0%とされていた。報道によれば、この扱いでは混用率が実際より小さく出ていた。混用率は、繊維ごとの質量を公定水分率で補正して求めるため[2]、水分率0.0%の繊維は、実際に水分を吸う量より小さい割合で計上される。

アクリレートは吸湿性・吸湿発熱性に優れ、中わたなどに使われるとされる[9]。この改正では、アクリレートの公定水分率が新たに30.0%と定められた。

確認しておきたいのは、アクリレートの30.0%と、第2章で見たアクリルの2.0%は別の指定用語・別の値だという点である。また、この改正の情報は報道(FASHIONSNAP)に基づくため、数値を引用するときは消費者庁の告示本文で確かめるのがよい。表示の物差しは固定ではなく、書き換わることがある。

7. おうちの はだぎの タグで、せんいの なまえを さがそう

7. 家の肌着のタグで、繊維名と割合を読んでみる

7. 家の肌着のタグで確かめられること、原典の読み方

おうちの はだぎや したぎを 1まい、おとなに ことわって かして もらいましょう。うちがわの タグを さがします。

「めん」「ポリエステル」「レーヨン」などの なまえと、かずが かいて あれば、きょうの おはなしに でて きた せんいです。

めんだけの もの、めんと ポリエステルを まぜた もの、いろいろ あるかも しれません。あたたかい はだぎの タグには、レーヨンや アクリレートと いう ことばが あるか、さがして みましょう。

かぞくの タグも みせて もらうと、せんいの ちがいが みえて おもしろいです。

タグを読んでみる

家に肌着が数枚あれば、内側のタグを探してみましょう。「綿」「ポリエステル」「レーヨン」「ナイロン」「アクリル」などの繊維名と、その割合(%)が並んでいるはずです。第3章の公定水分率の表を手元に置くと、「この肌着は、水分を吸いやすい繊維が何割か」を、およその目安として思い浮かべられます。

発熱をうたう肌着があれば、タグにレーヨンやアクリレートの文字があるかも見てみてください。製品によって組成はちがうので、同じ売り場の肌着でも、並ぶ繊維名は変わります。

原典を読む

繊維製品品質表示規程は、消費者庁のサイトに掲載されています。表の数字は、別表第三で自分の目で確かめられます。日本化学繊維協会のサイトにも、繊維の種類の説明があります。

家にある肌着のタグで確かめられることは3つある。使われている繊維の名前(綿・ポリエステル・レーヨンなど)、その割合、そして発熱をうたう肌着で、レーヨンやアクリレートの文字があるかどうか。公定水分率の表(第3章)と並べれば、吸湿性が高い繊維の割合を、およその目安として見積もれる。ただし、公定水分率は表示計算用の約束の値であり、着心地そのものを測る数字ではない。

原典は、繊維製品品質表示規程(消費者庁告示。日本法令外国語訳データベースにも掲載)、日本化学繊維協会の「化学繊維の種類」、信州大学繊維学部の研究紹介である[2][3][7]。特に規程の別表第三は、本文の数値を自分の目で確かめるのによい。発汗の実験とアクリレートの改正は、二次資料(新聞・報道)に基づくため、数値を引用するときは原典を探すところから始めるとよい。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

本文は、ここにある資料の内容を、自分の言葉で言いかえたものです。製品ごとの組成は異なり、研究の結果は条件によって変わります。

  1. 消費者庁「繊維製品品質表示規程(家庭用品品質表示法)」 https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/household_goods/law/law_04.html (下着の組成表示・指定用語)
  2. 「繊維製品品質表示規程(消費者庁告示第4号・平成29年)」日本法令外国語訳データベースシステム https://www.japaneselawtranslation.go.jp/ja/notices/view/81 (公定水分率の別表)
  3. 日本化学繊維協会「化学繊維の種類」 https://www.jcfa.gr.jp/understanding-chemical-fibers/types-of-chemical-fibers/ (化学繊維の分類・レーヨンとポリエステル)
  4. コトバンク「各種繊維の特徴と用途」(世界大百科事典ほか) https://kotobank.jp/word/%E5%90%84%E7%A8%AE%E7%B9%8A%E7%B6%AD%E3%81%AE%E7%89%B9%E5%BE%B4%E3%81%A8%E7%94%A8%E9%80%94-2237100 (肌着の用途に挙がる繊維)
  5. コトバンク「羊毛」(世界大百科事典) https://kotobank.jp/word/羊毛 (羊毛のスケールと吸湿性)
  6. プレジデントオンライン(livedoor配信)発熱下着のかゆみ https://news.livedoor.com/article/detail/19735582/ (吸湿発熱と発熱肌着の素材)
  7. 信州大学 繊維学部 研究シーズ「Effect of Fiber Structure on Heat of Wetting」 https://www.shinshu-u.ac.jp/faculty/textiles/db/seeds/pages/75565/en.php (綿の濡れ熱)
  8. 日本経済新聞「綿とポリエステル 体温上昇を抑えるTシャツはどっち」 https://www.nikkei.com/nstyle-article/DGXMZO62796700Z10C20A8000000/ (綿とポリエステルの発汗実験の紹介)
  9. FASHIONSNAP「消費者庁、繊維製品品質表示規程を改正」 https://www.fashionsnap.com/article/2025-01-10/consumer-affairs-agency-amendment/ (アクリレートの改正)

なおした ところ

更新履歴

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