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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

タイツは なにで できて いるの? どうして のびるの?

タイツは何でできていて、どうして伸びるのか ── 二つの糸と「デニール」の話

タイツの組成とデニール ── ナイロンとポリウレタンの役割分担、糸の太さの単位、絹からの置きかえ

分野:技術

タイツの 「80デニール」は、糸 9000メートルの 重さが 80グラム、と いう いみです。9キロメートルも ある 糸が、わずか 80グラムしか ない のです。

そんな ほそい 糸で、どうして あしを ぴったり つつんで、のびて、しかも じょうぶな のでしょう。この 記事で、タイツを つくる 二つの 糸と、デニールの いみが わかります。

タイツに書かれている「80デニール」は、糸9000mの重さが80gという意味です。9kmもある糸が、わずか80gしかありません。

そんなに細い糸で、なぜ脚をぴったり包み、よく伸びて、しかも丈夫なのでしょうか。この記事で、タイツをつくる二つの糸の役割分担と、デニールの意味、そして昔は何でできていたかが分かります。

タイツの「80デニール」は、糸9000mの質量が80gであることを表す。1mあたりに直せば0.01gにも満たない糸で、脚を包み、伸び、日常の摩擦にも耐える生地が編まれている。

では、その糸は何でできていて、なぜ伸びるのか。主な素材であるナイロンとポリウレタンの性質、デニールの意味、ナイロン以前の素材までを、辞典類と消費者庁の資料から読み、その答えが分かるようにする。

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1. タグを みると、なんと かいて ある?

1. タイツのタグには、どんな糸の名前が並んでいるか

1. 組成表示を読む ── 混用率で示される複数の繊維

おうちの タイツの タグを 見て みましょう。「ナイロン」と 「ポリウレタン」と いう 名前が ならんで いる ことが 多いです[1]。

名前の よこには、「80%」「20%」の ような 数が あります。それは、その 糸が どれだけ 入って いるかの わりあいです[8]。つかって いる 糸は、ぜんぶ 書く きまりです。

ただし、タイツが ぜんぶ ナイロンと ポリウレタンで できて いるわけでは ありません。ポリエステルや めん、ウール、きぬの タイツも あります[1]。ですから、タグを 見て たしかめるのが いちばんです。

お手持ちのタイツのタグを見てみてください。「ナイロン」と「ポリウレタン」という二つの名前が並んだものが多くあります[1]。

名前の横には「80%」のような数字が添えられています。これは混用率といって、その繊維が全体の質量の何%を占めるかを示すものです。タグを見れば、どんな繊維がどれだけ使われているかが分かります[8]。

ただし、タイツがみな同じ配合というわけではありません。ポリエステルや綿、ウール、シルクのタイツもあります[1]。タグの数字は、商品ごとに確かめるものです。では、なぜナイロンにポリウレタンを組み合わせるのでしょうか。

タグの組成表示では、繊維の名称とその混用率(%)を確かめられる[8]。タイツの場合、ナイロンを主に、伸縮性を与えるポリウレタン(スパンデックスとも呼ばれる)を合わせたものが一般的とされるが、ポリエステル・綿・ウール・シルクを使った製品もある[1]。したがって「タイツ=ナイロン」と決めつけず、商品ごとにタグで構成を読む必要がある。

それでも、ナイロンとポリウレタンという組み合わせが多いのには理由がある。二つの繊維は、性質が補い合う関係にある。しかも、それぞれに弱点がある。ナイロンは熱で柔らかくなって溶け、ポリウレタンは塩素系漂白剤に弱い[2][3]。洗濯表示のアイロンや漂白剤のマークは、この性質と無関係ではない、と考えるのが自然である。次の章では、強さと伸縮の性質をそれぞれ見る。

2. なぜ 二つの 糸を くみ あわせる の?

2. 強い糸と伸びる糸は、何を分担しているのか

2. ナイロンの強さとポリウレタンの弾力 ── 性質の補い合い

ナイロンは、ひっぱっても こすっても とても 強く、かるい 糸です[2]。くつしたや したぎ、ロープ、りょうの あみにも つかわれます。

でも、ナイロンだけでは あまり のびません。そこで、ポリウレタンの 出番です。ポリウレタンは、ゴムと 同じくらい よく のびて、もとに もどります[3]。

ひっぱる 強さは ナイロン、のびちぢみは ポリウレタン。二つの よさを いかして、のびちぢみする タイツが 作られます。

ポリウレタンの 糸は、もとの 長さの 5ばいから 8ばいまで のびると いわれます[4]。ただし これは 糸 1本の はなしで、タイツ ぜんぶが それだけ のびる わけでは ありません。

ナイロンは、引っ張りにも摩擦にも非常に強く、軽い繊維です。靴下や下着のほか、ロープや漁網にも使われます[2]。一方、水を吸いにくく、熱を当てると柔らかくなって溶ける性質があります[2]。

ナイロンはあまり伸び縮みしません。そこで、伸び縮みするポリウレタンを組み合わせます。ポリウレタンは、ゴムと同じくらいの伸縮性と弾力をもち、軽く、ゴム糸のように傷みにくいと説明されています[3]。ゴムでなくポリウレタンを使う利点は、細く作れることにもあります。スパンデックスと呼ばれるこの繊維は、15〜30デニールの細さにでき、ラテックス(ゴムの樹液)からつくるゴム糸の10分の1〜20分の1の太さにできるとされます[4]。

伸びる量も目を引きます。原長の5〜8倍に伸びるといわれます[4]。ただしこれは繊維そのものの値で、編まれたタイツ全体が5〜8倍に伸びるわけではありません。

強いけれど伸びにくいナイロンと、よく伸びるポリウレタン。二つの繊維を組み合わせたタイツでは、強さと伸びを分担しています。では、この「細さ」を表すデニールとは何でしょうか。

ナイロンは引っ張りと摩擦に非常に強く軽いが、吸湿性が低く、熱で軟化して溶ける[2]。用途は靴下・下着・ロープ・漁網などである。つまり強度では足りるが、そのままでは伸縮しにくい。

この弱点を補うのがポリウレタンである。ゴムと同程度の伸縮性・弾力性をもち、軽く、ゴム糸のように劣化しにくい。反面、塩素系漂白剤には弱い[3]。スパンデックスはポリウレタンを主成分とする繊維で、原長の5〜8倍に伸びるとされる。15〜30デニールまで細くでき、ラテックスから作るゴム糸の1/10〜1/20の細さに作れるため、薄手のタイツにも組みこみやすい[4]。

注意したいのは、5〜8倍は繊維単体の値であり、タイツの生地がそれだけ伸びるわけではないことだ。強さをナイロン、伸縮をポリウレタンが分担すると考えられるが、混用率は商品ごとに異なる[8]。では、その「細さ」はどう測るのか。

3. 「80デニール」の 80は、なにの かず?

3. 「80デニール」は、何が80なのか

3. デニールの定義 ── 9000mの質量で太さを表す

デニールは、糸の 太さを あらわす たんいです。糸を 9000メートル(9キロメートル)の 長さに したとき、その 重さが なんグラムかを 数に します[5]。

だから 80デニールは、9000メートルで 80グラム。30デニールは、9000メートルで 30グラムです。数が 大きい ほど、糸は 太く なります。

100メートルに すると、80デニールの 糸は 1グラムに も なりません。30デニールなら、さらに ほそくて、100メートルで 0.3グラムくらいです。

かいこの まゆから とれる 糸は、1本が 2から 3デニールほどです。その 9本を あわせた 生糸(きぬ糸)は、27デニールに なります[5]。

よく 「30デニール より 太い ものを タイツ、ほそい ものを ストッキング」と 分けますが、これは 目安で、メーカーに よって よびかたが ちがう ことも あります[1]。

デニールは、糸の太さを表す単位です。糸9000mの質量をグラム数で表した値で、数が大きいほど太い糸です[5]。80デニールなら、9000mで80gの糸を意味します。

これを日常の長さに直してみます。80g÷9000mで、1mあたり約0.009g、100mでも1gに満たない軽さです。30デニールなら100mで約0.3gになります。

比べると、蚕の繭糸は1本が2〜3デニールほどで、9本合わせた生糸が27デニールになると説明されています[5]。前の章で出たポリウレタンの15〜30デニールは、この生糸とほぼ同じくらいの細さです[4]。

よく「30デニール以上をタイツ、それより薄いものをストッキング」と呼び分けますが、業界の慣習的な目安で、法律の基準ではありません[1]。数字は糸の太さで、生地の厚さそのものではない点にも注意してください。

デニールは、長さ9000mの糸の質量をグラム数で表した値で、数が大きいほど糸は太い[5]。したがって80デニールは9000mで80g、1mあたり約0.0089gになる。30デニールなら1mあたり約0.0033gで、100m分でも0.3g強にすぎない。

天然の絹糸で見ると、繭糸1本が2〜3デニール、9本を合わせた生糸が27デニールとされる[5]。スパンデックスが15〜30デニールまで細くできるという前章の数字は、この生糸と同程度の太さである[4]。

一般に30デニール以上をタイツ、未満をストッキングと呼び分けるが、これは業界の慣習的な目安であり、法律の基準ではない[1]。デニールは糸の太さの単位なので、編み方や密度が違えば、同じデニールでも見た目や厚さは異なる。繭糸9本で27デニールなら、1本あたり3デニール前後の計算になる。資料の「2〜3デニール」と同じ範囲である。そもそもタイツの原料は、昔は別の繊維だった。

4. むかしの くつしたは、なにで できて いたの?

4. ナイロンの前、靴下は何でできていたのか

4. 絹からナイロンへ ── 合成繊維による置きかえ

ナイロンが できる まえ、女の 人の くつしたは、きぬの 糸で つくって いました[7]。きぬは、かいこの まゆから とる 糸です。

ナイロンは、アメリカの カロザースと いう 人が 1930年代に はつめいした、せかいで はじめての ほんかくてきな ごうせいせんいです[6]。年は、しりょうに よって 1、2年 ずれて います。

その あと、くつしたは だんだん ナイロンに かわって いきました。日本の きぬ糸の ゆしゅつも、大きく へったと いわれます[7]。

ところで 「タイツ」と いう 名前は、えいごの 「tights(ぴったり)」から きて います[9]。むかしの 男の 人の ズボン下が まえの すがたで、19せいきの なかごろ から、あみもの の ぎじゅつと スポーツの ひろがりで、いまの タイツが ふえました[9]。

ナイロンの登場以前、女性用の靴下は生糸、つまり絹で作られていました。絹製が最上とされ、第二次世界大戦以後はナイロン製に置きかわっていきます[7]。

ナイロンはアメリカのW.H.カロザースが1930年代に発明した、世界最初の本格的な合成繊維です。発売は、辞典によって1938〜1939年のように幅があります[6]。ナイロン靴下の普及で、日本の生糸の輸出は大きく減ったともいわれます[7]。

「タイツ」という言葉は、英語のtights、つまり「ぴったりする」に由来し、伸縮性のある布で腰から下をぴったり覆う衣服を指します[9]。前身は中世の男性の脚衣(ホーズ)です。現在のタイツは、19世紀なかば以降、編み物(メリヤス)の技術の発達とスポーツの普及を背景に登場し、1960年代のミニスカートの流行でパンティストッキングが現れ、やや厚手のタイツも広まりました[9]。

では、いま手元にあるタイツを、自分で確かめるにはどうすればよいでしょうか。

女性用靴下は、ナイロン以前は生糸(絹)製が最上とされ、第二次世界大戦後にナイロン製に置きかわった[7]。ナイロンは引っ張りと摩擦に強く軽いという前述の性質をもつ。普及によって日本の生糸輸出が大きく減ったとされる[7]。

ナイロンは1935年にアメリカのW.H.カロザースが発明し、デュポン社が1939年(精選版国語辞典では1938年発表)に発売した、世界最初の本格的な合成繊維である[6]。年は資料によって1〜2年異なるため、「1930年代後半」と幅で理解するのが妥当だろう。

語源は英語tights(ぴったりする)で、伸縮性のある布で腰から下を覆う衣服を指す[9]。現在のタイツは19世紀なかば以降、メリヤス技術とスポーツの普及を背景に現れ、前身は中世男性の脚衣ホーズである。1960年代のミニスカートの流行でパンティストッキングが現れ、やや厚手のタイツも広く普及した[9]。タイツの歴史は、素材の置きかえと、はき方の変化が重なって進んだことが分かる。

5. タグと のびを、じぶんで たしかめて みよう

5. 手元のタイツで、糸の分担を確かめる

5. 手元の商品で確かめる ── 組成表示とデニール

おうちの 人に 聞いて、タイツの タグを 見て みましょう。ナイロンと ポリウレタンの わりあいは、どれくらい でしょう。

うすい タイツと あつい タイツを 見くらべて、デニールの かずも 見て みましょう。光に すかすと、糸の 太さの ちがいが 見えるかも しれません。

タイツを 手で ゆっくり のばして みるのも、おもしろいです。やぶれない ように、やさしく ひっぱります。のばした 手を はなすと、生地が もとに もどる ようすが 見えます。どの 糸が はたらいて いるかは、見ただけでは 分けられません。

家にあるタイツを、おうちの人に断ってから、手に取ってみてください。

まずタグの混用率を読みます。ナイロンとポリウレタンの割合は、商品ごとに違います[8]。デニールの数字がある商品なら、厚いものと薄いものを並べて、光にかざして糸の細さを見比べられます。

次に、生地を横にそっと伸ばし、手を離して戻り方を見ます。生地全体の伸び戻りを見るだけで、糸ごとの働きまでは分けられません。力を入れすぎると破れるので、ゆっくり伸ばしてください。

ここから、ポリウレタンが多い商品と少ない商品では、伸び方や戻り方が違うか、デニールが同じでも感触が違うのはなぜか、といった次の問いが生まれます。

次の手順で、手持ちの商品について確かめられる。

第一に、組成表示を読み、ナイロンとポリウレタンの混用率を書き出す[8]。第二に、商品が表示するデニールを、同じ混用率の商品どうしで比べる。デニールは糸の太さの単位であり、生地の厚さそのものではない[5]。第三に、生地をゆっくり伸ばして戻り方を比べる。混用率とデニール、編み方のどれが感触に効いているのかは、手持ちの数点では切り分けにくい。

本記事で使った辞典類は二次資料であり、各繊維の性能は製品の構造によって変わる。実際の製品の性能は、メーカーの公式情報で確かめるのが望ましい。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

本文で使った資料。数値・定義は辞典類と消費者庁の資料で確かめました。

  1. タイツの日(記念日). https://bestcalendar.jp/dates/kinenbi/4512 (主な素材の種類、30デニールの目安)
  2. 各種繊維の特徴と用途(日本大百科全書). コトバンク. https://kotobank.jp/ (ナイロンの性質)
  3. 各種繊維の特徴と用途(日本大百科全書). コトバンク. https://kotobank.jp/ (ポリウレタンの性質)
  4. スパンデックス. コトバンク. https://kotobank.jp/ (伸びる倍率・細さ)
  5. デニール(マイペディア・世界大百科事典). コトバンク. https://kotobank.jp/ (デニールの定義、繭糸の太さ)
  6. ナイロン. コトバンク. https://kotobank.jp/ (発明と発売の年)
  7. ストッキング. コトバンク. https://kotobank.jp/ (絹からナイロンへ)
  8. 消費者庁 繊維製品の表示(家庭用品品質表示法). https://www.caa.go.jp/ (混用率の表示)
  9. タイツ. コトバンク. https://kotobank.jp/ (語源と歴史)

なおした ところ

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