1. 「さきは あまい」の ちずは、どこまで ほんとう?
1. 「舌の先は甘い」の地図を、研究はどう見ているのか
1. 2006年の総説は、舌の味の地図をどう説明したか
学校で、舌の えを 見た 人も いるでしょう。さきは あまい、よこは すっぱい、おくは にがい、と 色が わけて あります。
2006年に、あじの 研究を まとめた ろんぶんが 出ました[1]。そこには、あまい・うまみ・にがい・すっぱい・しょっぱいの 5つの あじに はんのうする 力は、舌の どこにも ある、と 書いて あります。
つまり、ちずの とおりには なって いないのです。では、あの え は、どこから 来たのでしょう。
地図に描かれていたこと
学校で、舌の絵を見た覚えがある人もいるでしょう。先のほうが甘味、両横が酸味、中央が塩味、いちばん奥が苦味と、色分けされた絵です。
2006年に味覚の研究を整理したNature誌の論文は、この見方を否定し、舌に「地図」はなく、5つの基本味への反応は舌のどの領域でも見られると述べています[1]。ただし、場所ごとの感じやすさには差がありうる、という点は残ります。
では、そんな絵が、どうして長く信じられたのでしょうか。
よく知られた味の地図は、舌の先が甘味、両横が酸味、中央が塩味、奥が苦味を担当する、という図式である。これに対し、2006年にNature誌に載った総説は、苦味・酸味・甘味・塩味・うま味の5つの基本味への反応性は、舌のすべての領域で見られると述べ、地図そのものがないとした[1]。
ここで、「地図は誤り」の中身を正確に押さえておきたい。否定されたのは「その場所だけで感じる」という分担の考え方であり、場所によって感じやすさにまったく差がない、とまでは言われていない。後の章で見るように、地図の出どころは、むしろ「差はある」という小さな観察だったからである。
では、その小さな観察は、どのようにして地図に変わったのか。
2. ちずの もとは、「すこし ちがう」だった
2. 「少し感じやすい」が「そこだけで感じる」になった
2. しきい値のわずかな差が、分担の図式に読みかえられた経緯
ちずの もとに なった のは、1901年の ドイツの 研究だと いわれます[2]。ヘーニッヒという 人が、舌の ばしょで、あじに きづく こさが すこし ちがう ことを しらべました。
たとえば、舌の さきは、ほかの ところより うすい あまさでも わかった、という けっかです。でも、ちがいは ほんの すこしでした。
この「すこし わかりやすい」が、のちに「そこでしか わからない」と 読みちがえられた、と せつめいされて います。1942年に ボーリングという 人が 本の 中で ちずの えに した ことで、ひろまったと いわれます[3]。
ヘーニッヒが調べたのは「気づく濃さ」だった
地図の出どころとしてよく挙げられるのは、1901年にドイツの研究者ヘーニッヒが行った研究です。舌の場所によって、味に気づく濃さ(しきい値)がわずかにちがうことを示したもので、たとえば舌の先は、ほかの部分より薄い甘味でも感じられる、という結果でした[2]。
ここで大事なのは、ちがいが小さいことです。ヘーニッヒ自身が「甘味は先でしか感じない」と主張したわけではないとされます。「少し感じやすい」が、「そこだけで感じる」と読みかえられたのが、誤解の始まりだったと説明されています[2]。
1942年に、絵になった
のちにボーリングが1942年の本で図にしたことで、地図が広まったと紹介されています。甘味は先、塩味と酸味は中央、苦味は奥という絵で、うま味は入っていませんでした[3]。これらのいきさつは解説記事で伝えられているものなので、「〜とされる」と受け止めておくのがよいでしょう。
では、味を受け取る場所は、舌のどこにどう並んでいるのでしょうか。
地図の出どころとしてよく挙げられるのは、1901年にドイツのヘーニッヒが行った研究である。舌の部位ごとに、味に気づくことのできる濃度(しきい値)がわずかに異なると示したもので、舌の先端では、他の領域より低い濃度の甘味でも感じられたという[2]。
この差は小さく、ヘーニッヒ自身が「その部位でしか感じない」と主張したわけではない、と説明されている[2]。ところが、しきい値の小さな差が、「この味はこの場所の担当」という分担の話に読みかえられた。そのため、差の大きさという肝心の情報が落ち、図式だけが残ったと考えられる。
この図式を広めたのが、1942年のボーリングの著書の図だとされる。甘味は先、塩味と酸味は中央、苦味は奥と描かれ、うま味は含まれていなかった[3]。ただし、ヘーニッヒ・ボーリングの経緯は解説記事で紹介されているもので、原論文にあたった整理ではない。そのため、本稿では「〜とされる」にとどめる。
地図が作られた経緯は分かった。では、味を受け取る側は、実際にどうできているのか。
3. あじを うけとる ところは、舌の ぶつぶつの 中
3. 味を受け取る細胞は、舌のどこにいるのか
3. 味蕾の分布と、味細胞に専用の受容体がある意味
舌の ひょうめんには、ちいさな ぶつぶつが あります。その 中に、味蕾という ちいさな ところが あります[4]。ここが、あじを うけとる ばしょです。
味蕾の 中には、あじを かんじる 細胞が、数十こから 100こほど あつまって います[1]。
この 細胞は、あまい、うまみ、にがい、すっぱい、しょっぱいの 5つの あじに、それぞれ せんようの センサーを もって いるのです[1]。
舌のぶつぶつの中にある味蕾
舌の表面には、小さなぶつぶつがあります。舌乳頭といいます。このうち、茸状乳頭、有郭乳頭、葉状乳頭に、味蕾という小さな器官があります。糸状乳頭には味蕾がありません[4]。
1つの乳頭にある味蕾の数は、乳頭の種類で大きくちがいます。茸状乳頭は舌の前のほうの3分の2に多く、有郭乳頭と葉状乳頭は、1つにたくさんの味蕾をもつとされます。味蕾は舌だけでなく、軟口蓋やのどの奥にもあります[4]。
味蕾の中は、専用のセンサーを持つ細胞の集まり
1つの味蕾は、味細胞が数十〜百個ほど集まったものです。Nature誌の総説では、5つの基本味のそれぞれに、専用の受容体(センサー)を持つ別々の種類の細胞が対応する、と整理されています[1]。たとえば甘味・うま味・苦味を受け取る細胞と、酸味に応える細胞は、別の種類です。塩味の受け取りは、細胞の種類まで資料によって説明が分かれているので、ここでは細かく断定しません。
では、その専用センサーの正体は、何なのでしょうか。
舌の表面の小さな隆起を舌乳頭という。このうち、茸状乳頭・有郭乳頭・葉状乳頭には味蕾があるが、糸状乳頭にはない。茸状乳頭は舌の前3分の2に多い。1つの乳頭がもつ味蕾の数は種類によって異なり、有郭乳頭と葉状乳頭は茸状乳頭より多くの味蕾をもつ。味蕾は舌以外にも、軟口蓋・咽頭・喉頭・喉頭蓋にある[4]。味蕾が舌の全体に散らばっているので、「先では甘味しか感じない」という分担は、そもそも成り立ちにくい。
1つの味蕾は、味細胞が数十〜百個ほど集まったものである[1]。2006年の総説は、5つの基本味のそれぞれに、固有の受容体をもつ別々の種類の細胞が対応するとまとめた[1]。たとえば甘味・うま味・苦味を受け取る細胞(II型)と、酸味に応える細胞(III型)は別である。ただし塩味は、どの種類の細胞がどう受け取るのかについて、資料によって説明が分かれる。そのため、本稿では「5つの味に専用の受け取り手がある」ことまでにとどめる。
では、その受容体とは、具体的に何が何を受け取るのか。
4. あまさと うまみは、にた センサーの くみあわせ
4. 甘味とうま味は、部品を共有するセンサーで見分けている
4. T1R・Otop1・うま味の発見:5つの味のセンサーの現在地
あまい あじと うまみの センサーは、T1Rという ちいさな なかまの 組みあわせで できて います[5]。T1R2と T1R3が 組むと あまさ、T1R1と T1R3が 組むと うまみを 感じます。T1R3は、どちらにも 入って いる 部品です。
すっぱい あじは、2018年に、すいそイオンという つぶを 通す 「とびら」の Otop1が みつかりました[6]。ただ、すっぱさの センサーだと きまった わけでは なく、いまは ゆうりょくな こうほです。
うまみは、1908年に 池田菊苗という 人が、こんぶの うまみの もとを つきとめました[7]。うまみは、1990年代に、5つめの あじとして、せかいの 学者が あつまる 会(国際学会)で みとめられた、と あじのもとの 説明に あります[8]。
甘味とうま味は、T1Rという部品の組み合わせ
甘味とうま味のセンサーは、T1R1、T1R2、T1R3という、小さな受容体の家族でできています。T1R2とT1R3が組になると甘味のセンサーになります[1]。T1R1とT1R3が組になると、アミノ酸(うま味)のセンサーになり、20種類のふつうのアミノ酸のほとんどに応えるとされます[5]。T1R3を共有して、相手がちがうだけで別の味を担当するのです。
酸味のセンサーは、有力な候補が見つかった段階
酸味については、2018年に、水素イオン(H+)を通すチャネルのOtop1が報告されました。ナトリウムイオンよりH+を20万倍以上通しやすく、マウスの酸味を感じる細胞に出ています[6]。ただし「酸味の受容体が確定した」とまでは言われておらず、有力な候補という位置づけです。
うま味が「5つ目の味」になるまで
1908年に池田菊苗が、昆布のうま味の成分がグルタミン酸だと突き止めました。グルタミン酸自体は、1866年にドイツのリットハウゼンが発見ずみでした[7]。池田の功績は、その成分が「うま味」の正体だと示したことにあります。翌年の論文で「うま味」と名づけられ、1990年代に、甘味・苦味・塩味・酸味に続く第5の基本味として国際学会で認められたと、味の素の解説は述べています[8]。1942年の地図にうま味がないのは、この順序を考えると不思議ではありません。
これほど専用の細胞が働いているなら、その細胞は、どのくらい長持ちするのでしょうか。
甘味とうま味の受容は、T1R1・T1R2・T1R3という小さな受容体ファミリーが担う。T1R2とT1R3の組は甘味のセンサー[1]、T1R1とT1R3の組は、標準的な20種類のL-アミノ酸のほとんどに応えるアミノ酸(うま味)のセンサーになる[5]。T1R3が共通の部品で、組む相手によって応える味が変わる点が、この仕組みの特徴である。
酸味の側では、2018年に、水素イオン(H+)を通すチャネルのOtop1が、酸味受容体の候補として報告された。膜を12回貫くと予測される構造をもち、ナトリウムイオンよりH+を20万倍以上通しやすく、マウスの酸味細胞に発現している[6]。ただし、これで酸味の受容体が確定したと言い切るのは早い。本稿では「有力な候補」と書く。
うま味は、学問上の位置づけが比較的新しい味である。グルタミン酸は、1866年にドイツのリットハウゼンが発見していた[7]。それが昆布のうま味の成分だと突き止めたのが、1908年の池田菊苗であり、功績の中心は「うま味の正体の特定」にある。翌年の論文で「うま味」と命名され、1990年代に、甘味・苦味・塩味・酸味に続く第5の基本味として国際学会で認められたと、味の素の解説は述べている[8]。1942年の地図にうま味が入っていないのは、この順序と矛盾しない。
では、これらの専用センサーをもつ味細胞は、どれほど長く働くのか。
5. あじの 細胞は、10日ほどで 入れかわる
5. 味細胞は約10日で入れかわり、味蕾は年とともに減る
5. 約10日という推定値と、味蕾の数の年齢変化
あじを かんじる 細胞は、やく 10日ごとに、あたらしい ものに 入れかわると 考えられて います[9]。これは すいていされた ちで、ぴったり 10日と きまって いる わけでは ありません。
10日ごとなら、1年で 36回ほどです。365を 10で わった けいさんです。あじの センサーは、おなじ ものを ずっと 使うのでは なく、どんどん つくりかえられて います。
ただし、舌ぜんたいが 10日で ぜんぶ かわる、という 意味では ありません。
また、味蕾の 数は、わかい ほど 多く、お年よりでは 赤ちゃんの ころの 半分から 3ぶんの 1に なると いわれます[10]。
10日という数字の意味
岡山大学の口腔生理学の研究室は、味細胞は上皮の細胞で、約10日ごとに新しい細胞に入れかわると推定される、と紹介しています[9]。もし10日ごとなら、1年で36回ほど入れかわる計算です(365÷10)。味を感じるセンサー役の細胞は、同じものを使い続けるのではなく、つくりかえられ続けていることになります。
ただし、これは推定値です。舌全体が10日で入れかわるという意味でもありません。
入れかわりが続いても、味蕾の数は変わる
味蕾の総数は若い人のほうが多く、高齢になると、生まれてすぐのころと比べて半分から3分の1に減るといわれます[10]。細胞の入れかわりが続いていても、味蕾の数は、ゆっくり減っていく傾向があるようです。
では、味の感じ方は、舌のセンサーだけで決まるのでしょうか。
味細胞は上皮に由来する細胞で、入れかわりが速く、約10日ごとに新しい細胞に置きかわると推定されている[9]。この「約10日」から、1年に36回ほど入れかわる計算になる(365÷10=36.5)。ただし、これは推定値の単純な換算であり、全部の味細胞が一斉にそろって入れかわるわけではない。「舌全体が10日で入れかわる」とは読めない点にも注意が必要である。
では、入れかわりが速ければ、味蕾の数は保たれるのか。資料は、そうは言っていない。味蕾の総数は若いうちほど多く、高齢になると新生児期と比べて半分から3分の1まで減るといわれる[10]。1つの細胞が約10日で新しくなることと、味蕾の数が年齢とともに減ることは、別の現象として分けて考える必要がある。
では、味蕾と味細胞が正常に働くとして、私たちが感じる「味」は、それだけで決まるのか。
6. あじは、舌だけで きまるの?
6. 「味」は舌のセンサーだけで決まるのか
6. 基本味と、実際に感じる風味の差
おいしい、と 思う とき、舌の センサーだけを 使って いるわけでは ありません。においや、舌ざわり、あつさ・つめたさ、前に 食べた ときの 思い出も、あじの 感じかたに くわわる、と せつめいされて います[10]。
だから、5つの あじだけで、食べ物の「おいしい」は きまらないのです。
耳鼻咽喉科系の解説では、味の感じ方には、におい、舌ざわり、温度、過去の食経験の記憶も加わるとされます[10]。味蕾が受け取るのは5つの基本味ですが、私たちが「おいしい」と感じる味は、そこに、においや記憶が重なってできるものだと読めます。
地図が誤りでも、舌の先が少し感じやすいという報告は、先に見たとおり残っています。そのため、「舌のどこでもまったく同じ」と言い切ることもできません。
日本耳鼻咽喉科学会系の解説では、味の感じ方には、味蕾への刺激のほかに、においや舌ざわり、温度、過去の食経験の記憶が修飾として加わるとされる[10]。つまり、味細胞が受け取るのは5つの基本味の信号であり、日常の「味」は、それに鼻や記憶が重なった総合的な感覚である。においの役割は、このメモでは1文にとどめる。
以上を整理すると、確かなことと残っていることは分けられる。2006年の総説は、5つの基本味への反応が舌のどの領域でも見られると整理している[1]。残っているのは、部位ごとの感じやすさの小さな差が、実際にどの程度なのか、という点である。この差は小さいが存在するとの報告があり[2]、「まったく差がない」とは言えない。
つぎに、舌で たしかめて みよう
舌の先・横・奥で、甘さと塩気を比べてみる
自分の舌で確かめる、読んで確かめる
おうちの 人に 見て もらいながら、やって みましょう。おなじ おおきさの コップを 2つ よういして、それぞれに ぬるい 水を 100ミリリットル(コップ はんぶん くらい)入れます。1つには さとうを 小さじ 1ぱい、もう 1つには しおを 小さじ 4ぶんの 1 とかします。
めんぼうに さとう水を つけて、舌の さき、よこ、まんなかの おくのほうの じゅんに、ちょんと つけます。どこで あまいと 思ったか、紙に かきましょう。つぎに、しお水でも おなじ ことを します。
めんぼうは、1回ごとに 新しい ものに かえます。つけたあとは、水で 口を ゆすぎます。舌の おくの ほうは、むりに さわらないで ください。
どこでも あまさと しおからさが わかるでしょうか。さきの ほうが わかりやすいと 思う 人も いるかも しれません。それは、ちがいが すこし ある という 研究と、むじゅんしません。ただ、おうちの 水の こさは そろえにくいので、この けっかで 「どうだ」と きめる ことは できません。
やってみよう:舌の3か所で、同じ味を比べる
おうちの人に見てもらいながら試します。同じ大きさのコップを2つ用意し、それぞれにぬるま水を100mL(コップ半分ほど)入れます。1つには砂糖を小さじ1杯、もう1つには食塩を小さじ4分の1とかします。綿棒を砂糖水につけ、舌の先、横、真ん中より少し奥の順に、ちょんとつけます。どこで甘いと感じたか、紙に書きます。次に塩水でも同じことをします。
綿棒は1回ごとに新しいものにかえ、終わるたびに水で口をゆすぎます。舌の奥のほうは、むせたりえずいたりするので、無理にさわりません。食べ物のアレルギーがある人や、食事の制限がある人は、やらないでください。
どの場所でも甘さと塩気を感じる人が多いはずですが、感じ方の強さには、少し差が出るかもしれません。差があっても、「その場所でしか感じない」という地図とは別の話です。その差がどれくらい小さいのかは、記事のなかで見たヘーニッヒの研究にもつながる問いです。
家庭の砂糖水は量や濃さをそろえにくいので、結果は結論の根拠にしません。舌の先と奥の差は、実際にどれくらい小さいのでしょう。
うま味の歴史を日本語で読みたい人には、国立国会図書館の「うま味」の発見の解説[7]があります。
自分の舌で確かめる
おうちの人に見てもらいながら試す。同じ大きさのコップ2つに、ぬるま水を100mLずつ入れる。1つに砂糖を小さじ1杯、もう1つに食塩を小さじ4分の1とかす。綿棒に砂糖水をつけ、舌の先、横、真ん中より少し奥の順に、軽くつけて、甘さを感じた場所を紙に記録する。次に塩水で同じことをする。
綿棒は1回ごとに新しいものにかえ、終わるたびに水で口をゆすぐ。舌の奥はむせやすいので、無理にさわらない。食べ物のアレルギーや食事の制限がある人は行わない。
予想されるのは、どの場所でも甘味と塩味を感じられるという結果であり、これは2006年の総説の整理と合う[1]。一方、強さに差が出る人もいるだろう。それは、1901年の研究が示したしきい値の差と、矛盾しない[2]。ただし、家庭の砂糖水は濃度が一定ではなく、人数も少ないので、差の有無の結論にはならない。
この記事で紹介した資料
Nature誌の総説(Chandrashekar et al., 2006)は英語の論文で、地図を否定した箇所と、5つの味に専用の細胞がある根拠が読める[1]。日本語では、国立国会図書館の解説が、うま味の歴史(池田菊苗とグルタミン酸)を扱っている[7]。部位ごとの感じやすさの差が実際にどれくらい小さいのかは、この記事では数字として扱っていない。ここは、自分で調べてみる価値のある問いである。
しらべた もとの じょうほう
参考にした情報源
参考にした情報源と、その使い方
本文の主張ごとに、下の資料を突き合わせました。解説記事を出典にした部分は、「〜とされる」と書いています。
- Chandrashekar, J. ほか「The receptors and cells for mammalian taste」Nature 444 (2006) https://www.Gwern.net/doc/food/2006-chandrashekar.pdf (舌に味の地図はないこと、味細胞の専用の受容体)
- ナゾロジー「味覚地図の誤り」 https://nazology.kusuguru.co.jp/archives/151425 (ヘーニッヒの研究とその読みちがい)
- ScienceAlert「How a mistranslation made you think your tongue had taste zones」 https://www.sciencealert.com/how-a-mistranslation-made-you-think-your-tongue-had-taste-zones (1942年のボーリングの図)
- JoVE「舌と味蕾」 https://www.jove.com/ja/science-education/v/10850/the-tongue-and-taste-buds (舌乳頭と味蕾の分布)
- Nelson, G. ほか「An amino-acid taste receptor」Nature 416 (2002) https://ideas.repec.org/a/nat/nature/v416y2002i6877d10.1038_nature726.html (T1Rの組み合わせ)
- Montell, C. Science (2018)(Otop1の紹介) https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC5863548 (酸味とOtop1)
- 国立国会図書館「第3章「うま味」の発見」 https://www.ndl.go.jp/kaleido/entry/17/3.html (池田菊苗とグルタミン酸)
- 味の素グループ「うま味とは」 https://www.ajinomoto.co.jp/company/jp/rd/our_innovation/umami/about_umami/ (うま味の命名と第5の基本味)
- 岡山大学 口腔生理学(Yoshida Lab) https://www.okayama-u.ac.jp/user/oralphys/ResearchEn.html (味細胞の入れかわり)
- 健康長寿ネット「味覚障害」(日本耳鼻咽喉科学会系の解説) https://www.tyojyu.or.jp/net/byouki/jibikashikkan/mikakushogai.html (味蕾の数の年齢変化、味の感じ方)
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