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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

ゆきは ひかりを どれくらい かえして いるの?

まっ白な雪は、日の光をどれだけ返しているのか

雪の白さを反射率(アルベド)で測る ── 光が奥へ入る前に戻るしくみと、白さが下がる条件

分野:自然

ぴかぴかの 新しい 雪は、あたった 光の ほとんどを はね返す と いわれて います。くさの はえた 地面と くらべると、4ばいを こえます[5]。

ゆきは、どうして そんなに 光を かえせるのでしょう。しろさの ひみつと、その しろさが かわる わけが わかります。

ごく新しい雪は、あたった日の光の85%以上を跳ね返すことがあるそうです。芝生は約20%なので、4倍あまりになります(どちらも一例の数字です)[5]。

氷の粒は一つずつ見ると透明なのに、なぜそんなに光を返せるのでしょうか。雪の白さの正体と、その白さが下がる理由が分かります。

ごく新しい雪の反射率(アルベド)は、0.85以上に達しうるという。芝生は約0.20で、比べると4倍あまりになる。どちらも一例の値で、雪や芝生の固定値ではない[5]。

透明な氷の粒が、なぜ日射の大部分を返すのか。光が雪の奥へ入りこむ前に戻ってくるという説明と、粒の大きさや汚れで白さが下がる条件が分かる。

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1. ゆきは、光を ふかく まで いれない の?

1. 雪の白さは、光が奥へ入る前に戻ってくること

1. 白さの正体 ── 光は雪の奥へ入る前に散乱されて戻る

雪を すくって みると、1つぶ 1つぶは、すきとおった 氷です。それでも 雪の かたまりは 白く 見えます。

アメリカの USGS(ちしつ ちょうさ ところ)は、光が 雪の 中へ あまり ふかく はいらない うちに、はね かえされて 目に とどく から 白い、と せつめい して います[3]。

もう ひとつ だいじな ことが あります。光には いろいろな 色が まざって います。その 色が ぜんぶ おなじ ように はね かえされると、わたしたちの 目には 白く 見えます[1]。

では、すきとおった 氷の つぶが、どうして 光を はね かえすのでしょう。

雪を手のひらにのせると、一粒一粒はガラスのかけらのように透き通っています。それでも雪原は、目をそむけたくなるほどまぶしく白く見えます。

アメリカ地質調査所(USGS)は、光が雪の中へあまり深く入らないうちに散らされて、見る人の目に戻ってくるから白いのだと説明しています[3]。雪は光を吸いこむのではなく、入口の近くで返しているわけです。

色の話もあります。太陽の光にはいろいろな色が混ざっていて、どの色もほぼ同じように返されたとき、ものは白く見えます[1]。特定の色だけが残ったり消えたりしないので、雪は色がついて見えません。

では、透明な粒が光を返せるのはなぜでしょうか。

雪が白いのは、氷そのものに色があるからではない。キヤノンの子ども向け解説は、雪の白さは雪のしくみから生まれると述べる[1]。USGSの説明では、光が雪の中をあまり深く進まないうちに散乱されて観察者へ戻ってくるため、白く見える[3]。

白く見える条件は二つに分けられる。一つは、光が雪の表面近くで向きを変えて戻ること。もう一つは、可視光の色がどれも同じように返されることである。後者が崩れて、赤い光だけが多く残れば雪は赤みを帯びるはずだが、実際にはそうならない[1]。

ところが、氷の粒は一つずつ見ると透明である。透明な粒の集まりが、なぜ入射光の大部分を返せるのか。

2. すきとおった つぶが、どうして 光を かえすの?

2. 透明な粒と粒のすき間で、光は向きを変える

2. 氷と空気の境目 ── 粒の間のすき間での乱反射

雪が つもると、つぶと つぶの あいだに、空気の すきまが できます。

光は、氷から 空気へ、空気から 氷へと、さかいめを とおる たびに、むきを かえます。すきまだらけの 雪の 中では、それが なんども くりかえされて、光は あちこちへ ちらばります[2]。

入った 光が、ぐるぐる まわって、また 外へ でて くる。だから 光が ふかく まで いかない うちに、もどって きます。

では、その「もどって くる 光」は、どれくらい なのでしょう。

雪が積もると、粒と粒の間には空気のすき間ができます。光はこのすき間を通るとき、氷と空気の境目で向きを変え、いろいろな方向へ乱反射します[2]。

境目は、雪の中にいくつもあります。光は一つの境目で少し向きを変えるだけでも、それが雪の中で何度も重なれば、入ってきた方向とは逆向きに出てくる光も生まれるでしょう。深くまで進む前に戻ってくる光が多いのは、そのためだと考えられます。

ここで大事なのは、粒が透明でも白くなるということです。透明な氷の粒は、光を通すので、一つずつ見ると色が目立ちません。雪のように粒が集まると、光の向きがばらばらに変わります。

次に気になるのは、光を返す力を、どう比べるのかということです。

粒が積もると、粒の間に空気のすき間ができ、光はそこで多方向に乱反射する[2]。光は氷と空気の境界を通るたびに進む向きを変える。この境界が雪の中に数多くあることが、光を表面近くで返す仕組みの核にあると考えられる。

注意したいのは、白さの原因が氷の色ではなく、粒や気泡の集まりという構造にある点だ。気泡の多い雪はすべての波長の光を散乱して白く、密な氷河の氷は青く見える、という比較がある[8]。

では、「どれだけ返しているか」を、どう数で表すのか。

3. 光を かえす ちからは、かずで あらわせるの?

3. 返した光の割合を、0から1の数で表す

3. アルベド ── 入射した日射のうち、反射された割合

光を どれだけ かえすかは、0から 1までの かずで あらわせます。これを「アルベド」と いいます。0は ぜんぶ すいこむ こと、1は ぜんぶ はね かえす ことです[4]。

ごく 新しい 雪では、0.85いじょうに なる ことが あると いわれます。これは、光が 100 あたると、85いじょう かえる と いう いみです。くさの はえた 地面は、およそ 0.20。100の うち 20 くらいです[5]。

85を 20で わると、4.25です。新しい 雪は、くさの 地面の 4ばい あまり、光を かえして います。ただし、これは 一つの れいです。どの 雪でも この かずに なる わけでは ありません。

それなら、雪は ずっと この しろさのまま なのでしょうか。

アルベドは、表面が日射をどれだけ反射するかを表す数です。0なら全部吸収、1なら全部反射します。0から100の百分率で表すこともあります[4]。

ごく新しい雪では、0.85以上に達することがあります。日射が100あたると85以上が返る計算です。芝生は約0.20で、100のうち20ほどです[5]。85÷20は4.25なので、新雪は芝生の4倍あまりを返していることになります。

ただし、0.85は新雪の一例です。雪全般の固定値ではありません。同じ雪でも、粒の状態や汚れで数は動きます。

では、何がこの数を下げるのでしょうか。

アルベドは無次元の量で、0は完全吸収、1は完全反射を表す。0〜100の百分率で書くこともある[4]。ここでの「日射」は、可視光だけでなく太陽光全体を指す点に注意したい。

ごく新しい雪は、0.85以上に達しうる。一方、芝生は約0.20である[5]。入射を100とすれば、85以上が戻る雪と、20ほどが戻る芝生の差になり、85÷20=4.25で、新雪は芝生の4倍あまりを返す計算だ。ただしこの0.85は新雪の一例で、雪の固定値ではない。

残りの15ほどは反射されず、雪に吸収されたり内部へ進んだりする。わずかな差に見えても、日射は広い雪原に毎日あたり続けるため、この差が融けやすさに響く。では、この数はどんな条件で下がるのか。

4. しろい 雪が、よごれたり ふるく なったり すると?

4. 汚れた雪や古い雪は、白さが下がる

4. アルベドを下げる二つの要因 ── 粒の成長と汚れ

雪に すすの ような くろい つぶが まざると、光を すいこむように なって、かえす 光が へります。すると ねつを すって、はやく とけやすく なると いわれて います[5]。

ふった ばかりの 雪より、時間が たった 雪の ほうが、つぶが 大きく なって、白さが さがる ことも あると されます[6]。

道ばたの 雪が、すこし ねずみ色に なって いるのを、見た ことは ありませんか。まっ白な 雪は、ずっと そのまま では いられません。

では、白い 雪の 中へ 光が すこし ふかく はいると、どんな 色に なるのでしょう。

ごく新しい雪の白さは、ずっと保たれるわけではありません。すすのような光を吸う粒子が混ざると、雪の反射が下がり、熱を吸って早く融けるといわれます[5]。

もう一つは、雪そのものの変化です。日本気象学会の論文には、積雪のアルベドは粒の大きさと雪の汚れに強く依存し、降った後に粒が大きくなると下がる、という内容があります[6]。粒が大きくなると境目が減り、光が奥まで入りやすくなるのかもしれませんが、これは資料にある説明ではなく、ここでの見立てです。

汚れの影響は、場所によってもちがうようです。ある学会の発表要旨には、南極ではブラックカーボン(すすの仲間)はアルベドを下げる効果を持たず、グリーンランドでも下がる量は0.01以下という見積もりが載っています[7]。一つの研究の見積もりなので、どこでも同じとは言えません。

粒の中へ光が深く入ったときは、色はどうなるのでしょうか。

アルベドを下げる要因は主に二つある。一つは雪の粒そのものの変化だ。日本気象学会の「天気」に載った積雪アルベドの論文は、積雪のアルベドが粒の大きさと雪の汚れに強く依存し、降雪後に粒が焼結などで大きくなると下がる、と整理している[6]。粒が大きくなれば、単位体積あたりの氷と空気の境界が減る。そのため光が深くまで進み、吸収される機会が増えると考えられるが、この因果の細部は本稿の推測である。

もう一つは汚れである。すすなどの光を吸う粒子が雪に降り積もると、アルベドが下がって融雪が早まる、とされる[5]。ただし、影響は地域で大きく異なる。ある学会の講演要旨では、南極ではブラックカーボンがアルベド低下にほぼ効かず、グリーンランドでも低下量は0.01以下という見積もりが示されている[7]。一つの要旨の見積もりであり、汚れの影響を一般化するのは避けたい。

なお、氷自身は可視光をきわめて弱くしか吸収しない。可視域で光を吸う主役は、氷より、ダストやすすなどの微量の不純物だとする研究がある。その値は研究で割れているため、数値は示さない。

では、白い雪の奥へ入りこんだ光は、どんな色になるのか。

5. 雪の 中の ふかい ところは、なぜ 青く 見えるの?

5. 光が奥まで進むと、雪は青みを帯びる

5. 深く進んだ光は青い ── 氷による赤い光の吸収

USGSは、雪の 中を ながい きょりを とおって きた 光は、青みが つよく なる と せつめい して います。イグルー(雪で つくった いえ)の 中が 青いのは、その ためです[3]。

氷は、赤や 黄色の 光を、ほんの すこし 多く すいこみます。だから 長く とおった 光には、青が のこりやすく なります[8]。

雪の おもては 白くて、ふかい ところは 青い。同じ 雪でも、光が どこまで はいったかで 色が かわります。

USGSは、雪の中を長い距離通ってきた光は青みが強くなると説明しています。イグルー(雪のブロックで作る家)の中が青く見えるのは、そのためです[3]。

氷は、赤や黄の光を青よりも少し多く吸収します。短い距離ではほとんど差が出ませんが、長く通ってきた光では赤や黄が減り、青が残りやすくなります[8]。南極の青氷(あおごおり)が青く見えるのも、同じ流れで説明されています[9]。

雪の表面が白く、奥が青いのは、光がどこまで深く入ったかのちがいです。表面の雪が青いのではなく、深く通った光が青いのです。

白い雪も青い氷も、自分の目で確かめる道すじがあります。

USGSは、雪の中を長い距離通った光は青みが強くなり、イグルーの内部が青いのはそのためだと述べる[3]。氷は赤や黄の波長を吸収しやすいため、距離が長いほど赤・黄が減り、青が相対的に残る[8]。南極の青氷についても、USGSは赤と黄の波長が吸収されるために青く見える、と説明している[9]。

同じ見方で、表面の雪が白く、奥が青い理由が一本につながる。表面近くで戻る光は、氷に吸収される距離が短いので色の偏りが小さく、白に見える。一方、奥まで進んだ光は、赤や黄が多く吸われて青みを帯びる。表面の雪が青いのではなく、深く通った光が青いという点が、誤解されやすい。

USGSは、棒で雪に穴をあけ、周りを日陰にしてのぞくと確かめられるとされる。ただし雪の穴や雪の斜面は崩れることがあるため、子どもだけで掘らない。

こうして、雪の白さは「返す光の割合」と「光が入る深さ」で説明できる。この見方を、身近なもので確かめるにはどうすればよいか。

6. 白い ものと 黒い ものを、くらべて みよう

6. 白い紙と黒い紙で、光を返す力を比べる

6. 身近な白と黒で確かめる ── 反射の差が温度の差になる

おうちに ある 白い 紙と、黒い 紙(あれば 黒い 画用紙)を 1まいずつ 用意します。

  1. 日なたに、2まいを ならべて おきます。
  2. 5分 たったら、手で そっと さわって くらべます。

黒い ほうが あたたかく 感じるでしょうか。光を かえす ちからの ちがいが、あたたかさの ちがいに なります。これは 雪の 話と つながる かもしれません。

ひどい 日ざしの 日は、あつく なりすぎるので、さわる まえに ようすを 見て、おとなの 人と やって ください。

雪の ふる 日が あったら、白い 雪と、みちばたの よごれた 雪を 見くらべて みましょう。

用意するのは、白い紙と黒い紙(黒い画用紙など)を1枚ずつです。

  1. 日なたに、2枚を並べて置く。
  2. 5分後に、手でそっとさわって、あたたかさを比べる。

黒い紙のほうがあたたかく感じたら、光を吸収する量の違いが関係したと考えられます。紙の種類や置き方でも変わるので、数を比べる実験ではなく、向きを確かめる実験です。雪が汚れると融けやすくなる話も、この延長で考えられます[5]。日ざしが強い日は紙も熱くなるので、短い時間にしてください。

雪の降る地域なら、積もったばかりの雪と、道ばたの汚れた雪を見比べるのもおすすめです。雪の表面の色と、穴を少し掘ったときの色が同じかどうかを、大人と一緒に見てください。

白い紙と黒い紙の上に、小さな氷のかけらを一つずつのせて日なたに置いたら、どちらが先に融けるでしょうか。融け方を見比べてみてください。

確かめ方の一つは、白い紙と黒い紙を日なたに並べ、数分後に温度を比べることだ。反射の差が吸収の差になり、温度の差として現れる。紙は雪と同じ物質ではないので、数値の比較はできないが、「返す光が少ないと熱を多く受け取る」という方向は確かめられる。日ざしの強い日は熱くなるため、短時間で行うこと。

雪の降る地域では、新雪と、道ばたの汚れた雪の融け方を見比べる方法がある。同じ気温でも、汚れて黒ずんだ雪が早く融けるかどうかを、日をあけて観察する。

原典としては、定義を確かめるならNSIDCのアルベドの用語集[4]、光が奥へ入りこむ前に戻るという説明ならUSGSの解説[3]、粒の大きさと汚れによる変化なら日本気象学会の論文[6]が出発点になる。

残る疑問は、雪が溶けて地面が現れたとき、返す光の割合がどう変わるか、そして汚れの効果が地域でなぜ大きく違うのか、である。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

出典について:子ども向け解説、公的機関の説明、学会の資料を使った。英語の資料は、日本語の説明と合わせて内容を確かめるために使った。

  1. キヤノン キッズ「なぜ雪は白いの」。https://global.canon/ja/technology/kids/mystery/m_01_14.html (白さの正体と、色が同じように反射されることについて)
  2. サンタツ「雪はなぜ白いのか」。https://san-tatsu.jp/articles/370997/ (粒の間の空気のすき間での乱反射について。解説記事)
  3. USGS「Why is snow white?」(CoreFacts)。https://www.usgs.gov/media/audio/why-snow-white (光が奥へ入る前に戻ること、雪の内部の青について)
  4. NSIDC「Cryosphere Glossary: Albedo」。https://nsidc.org/learn/cryosphere-glossary/albedo (アルベドの定義について)
  5. Popular Science「Snow isn't actually white」。https://www.popsci.com/science/why-snow-is-white/ (新雪と芝生のアルベドの例、汚れと融けやすさについて。解説記事)
  6. 日本気象学会「天気」積雪アルベドに関する論文。https://www.metsoc.jp/tenki/pdf/2009/2009_06_0073.pdf (粒の大きさと汚れによる変化について)
  7. JpGU 2011 青木ら 講演要旨。https://www2.jpgu.org/meeting/2011/yokou/ACC028-10.pdf (ブラックカーボンとアルベド低下の見積もりについて。一つの講演要旨)
  8. WHOI「Why is glacier ice blue?」。https://www.whoi.edu/why-is-glacier-ice-blue/ (気泡の多い雪と密な氷の色のちがいについて)
  9. USGS「Blue ice」。https://www.usgs.gov/media/images/blue-ice-0 (南極の青い氷について)

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