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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

心配すると、おなかが いたく なる ことが あるのは、なぜ?

心配するとおなかが痛くなることがあるのは、なぜ? 脳と腸の連絡から考える

心配するとおなかが痛くなるのは、気のせいなのか:脳と腸の双方向の連絡と、腸が痛みに敏感になる条件

分野:からだ

テストの まえに、おなかが いたく なる ことが あります。アメリカの こどもの びょういんの 先生は、なんども おなかが いたく なる 子の 9わりほどで、いたみの 理由に なる 病気は 見つからない、と せつめいして います。それでも、いたみは ほんとうに かんじられて いるそうです。

どうして 心配が おなかに ひびくのでしょう。この 記事では、脳のうと 腸ちょうの やりとり、いたみを 大きく かんじる わけ、まだ わかって いない ことが わかります。

発表の前に、おなかがきゅうっと痛くなる。そんな経験がある人は多いでしょう。アメリカの小児病院の説明では、長く続く腹痛の子どもの約9割で、痛みの理由になる病気が見つからないといいます。それでも痛みは、本当に感じられているのだそうです。

なぜ心配が、おなかの痛みになるのでしょうか。この記事では、脳と腸の連絡、腸が痛みを大きく感じるようになる様子、そしてまだ分かっていないことが分かります。

慢性的な腹痛を訴える学童の約90%では、診断できる病気が見つからない。米国の小児病院はそう説明したうえで、痛みは実際に感じられているものだと述べている。では、心配や緊張という心の状態が、なぜ腸の痛みになりうるのか。

この記事では、脳と腸の双方向の連絡、ストレスが腸の動きと痛みの感じやすさを変える経路、そこから生まれる悪循環、そして研究がまだ届いていない部分が分かる。

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1. おなかの いたみは、気のせいなの?

1. 「気のせい」と言われるおなかの痛みは、本当に気のせいなのか

1. 病気が見つからない腹痛は「気のせい」なのか:脳腸相関という考え方

はっぴょう会の まえに、おなかが きゅうっと いたく なる。トイレに 行きたく なる。そんな とき、「気のせいだよ」と 言われると、もやもやしますよね。

でも、いたみは ほんとうに あるようです。脳のうと 腸ちょうは、神経しんけいや ホルモンで つながって いて、たがいに ようすを つたえあって います。この やりとりを 「のうちょうそうかん」と よびます[1]。

心配で どきどきすると、脳のうから 腸ちょうへ 「いま たいへんだよ」と しらせが とどきます。すると 腸ちょうの うごきが かわったり、いたみを かんじやすく なったり する ことが あります。

ホルモンは、からだの 中を ながれて、ほかの ところへ しらせを はこぶ ものです。神経しんけいが 電話の 線なら、ホルモンは 手紙のような ものと 考えると わかりやすいかも しれません。ただし 本当の からだは、もっと ふくざつです。

病院で調べても、胃や腸に傷や病気が見つからない腹痛があります。アメリカの小児病院シアトルチルドレンズの説明では、長く続く腹痛の子どもの約90%が、これに当たるそうです。診断できる病気が見つからないことを、機能性腹痛と呼びます。学童で何%にあたるかは、0.3〜19%と調査によって大きく幅があります(米欧の数字で、日本の割合ではありません)[5]。

では、病気が見つからないなら「気のせい」なのでしょうか。医師たちの説明は逆です。痛みは実際に感じられていて、その背景に、脳と腸のあいだの連絡があると考えられています。脳と消化管は、自律神経、ホルモン、サイトカイン(細胞が出す連絡物質)などでつながり、脳から腸へも、腸から脳へも情報が伝わります。この双方向の連絡を「脳腸相関」と呼びます[1]。

ハーバード大学の医療情報でも、不安、怒り、悲しみといった感情が胃腸に出ることがあり、調子の悪い腸が脳に信号を送ることも、調子の悪い脳が腸に信号を送ることもある、と説明されています[2]。英語には、緊張したときのおなかの感じを「おなかのちょうちょ(butterflies)」と呼ぶ言い方もあります。

機能性腹痛は、診断できる器質的疾患が見つからない腹痛を指す。シアトルチルドレンズの解説は、慢性的な腹痛を訴える子どもの約90%がこれにあたるとし、学童期の有病率を0.3〜19%と幅をもって示している。この幅は米欧の調査に基づくもので、日本の割合ではなく、病院の解説記事であって査読論文でもない点に注意が要る[5]。

病気が見つからない痛みは「気のせい」なのか。医学の側の説明は逆である。痛みは実際に感じられており、その背景に脳と消化管の情報のやりとりがある。日本医科大学医学会雑誌の総説によれば、脳と消化管は自律神経系、ホルモン、サイトカインなどの液性因子で結ばれ、脳から腸へも腸から脳へも情報が伝わる。この双方向の経路が「脳腸相関」である[1]。

感情との関係についても、ハーバード・ヘルス・パブリッシングは、不安・怒り・悲しみなどが胃腸に症状として出うること、調子の悪い腸が脳に信号を送ることも、調子の悪い脳が腸に信号を送ることもあることを述べている。「おなかのちょうちょ」という英語の慣用表現は、この結びつきの身近な例として挙げられているにすぎず、仕組みの説明そのものではない[2]。

2. 脳のうの しらせは、腸ちょうで なにを するの?

2. 脳からの知らせは、大腸で何を変えるのか

2. ストレスホルモンCRFは、大腸で何を変えると考えられているか

ストレスを かんじると、脳のうの 中で、ホルモンの 一つが ふえる ことが あります。名前は CRF です。

この CRF が 大腸だいちょうで はたらくと、2つの ことが おきる、と 考えられて います。1つめは、いたみを かんじる ラインが さがって、ちいさな しげきでも いたく なる ことです。2つめは、腸ちょうの うごきが 強く なって、おなかを くだす ことです[1]。

ただし 研究者は、「かんけいが ありそうだ」と いう 書き方を して います。CRF だけで ぜんぶ きまる、とは 言えません。

脳が心配を感じたとき、体の中では何が起きているのでしょうか。手がかりの一つが、ストレスで脳の視床下部から出る量が増えるホルモン、CRF(副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン)です。

日本医科大学医学会雑誌の総説によると、大腸に働いたCRFは、感覚神経が痛みを感じる境目(閾値)を下げて痛みに敏感にし、さらに大腸の壁の動きや粘膜の通しやすさを高めて下痢を起こしうるといいます[1]。つまり「痛みを感じやすくする」ことと「腸を動かす」ことが同時に起こりうるのです。

ただし論文の書き方は「関与が示唆されている」で、CRFだけで説明できると決まったわけではありません。過敏性腸症候群(後の章で説明します)の仕組みを探る研究の途中にある話です。

では、心配は具体的にどの分子を介して腸に届くのか。有力な候補の一つが、ストレス時に視床下部からの分泌が増えるCRF(副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン)である。日本医科大学医学会雑誌の総説は、大腸のCRFが、感覚神経の知覚閾値を下げて痛みに対する感受性を高めること、大腸壁の運動性と粘膜の透過性を高めて下痢を誘発することの2点を、過敏性腸症候群の病態に関わる作用として記している[1]。

この記述は、因果の断定ではない。同総説は、CRFの関与が「示唆されている」という段階にとどめている。つまり、痛みの感じやすさと腸の運動という別々の変化が、同じストレス応答から同時に生じうるという見取り図であり、CRFが唯一の原因だという主張ではない[1]。

ここで押さえておきたいのは、変化が一方向ではないことである。次の章で見るように、腸で起きた変化は脳に戻り、さらに心の状態を変える。

3. いたみの 「おんりょう」が あがると どうなる?

3. 痛みの「音量」が上がる:腸の動きが痛みに変わるとき

3. 腸の動きが痛みになる条件:運動の異常と知覚の過敏

おなかが いたく なる わけは、2つ あるようです。

1つめは、腸ちょうが けいれんの ように ぎゅっと うごく ことです。この うごきは、いたみとして かんじられる、と ながさきの 大学の しりょうに あります[3]。

2つめは、腸ちょうが 敏感びんかんに なる ことです。ふだんは きに ならない うごきでも、「いたい」と かんじて しまいます。

アメリカの 医者は、これを ラジオの 音の 大きさに たとえて います。ストレスで、脳のうが いたみの 信号しんごうを 受けとる 「おんりょう」が あがる、というのです[5]。小さな 音でも 大きく きこえるように、小さな しげきでも いたみが 大きく なります。

ただし、脳のうに ほんとうの つまみが ある わけでは ありません。わかりやすく する ための たとえです。

おなかが痛くなる理由は、少なくとも2つ考えられています。長崎大学の小児心身医療の勉強会資料によると、ストレスや「また症状が出るかもしれない」という不安が、脳の大脳や視床下部、扁桃体などからCRFを介して、腸の運動の異常と、腸の知覚過敏の両方を起こします。けいれんのような腸の動きは痛みとして感じられ、腸の感覚が敏感になると、同じ動きでも痛みを感じやすくなります[3]。

動き方によって、出るおなかの様子も変わります。腸の動きが急だと下痢になり、動きの悪い所があるとコロコロ便になる、とこの資料は説明しています[3]。ただし、この資料は2006年に改変された勉強会用のものなので、先に見た学術誌の総説と突き合わせて使っています。

痛みの感じやすさについて、シアトルチルドレンズの医師は「音量」のたとえで説明しています。脳が痛みの信号を受け取る音量が、ストレスで上がるというのです[5]。ふだんなら気にならない腸の動きが、大きな音になって聞こえるイメージです。ただしこれはたとえで、脳に本物のつまみがあるわけではありません。

CRFの作用は、腸の運動の亢進と知覚の過敏という2つの変化として現れる。長崎大学の小児心身医療勉強会資料の図では、ストレスと「また症状が出るかもしれない」という予期不安が、大脳、視床下部、扁桃体などからCRFを介して、腸の運動異常と知覚過敏を起こすとされる。けいれん様の運動は痛みとして知覚され、腸の感覚が敏感になるほど痛みを感じやすくなる[3]。

運動の異常は、便の性状にも現れる。同資料は、腸の動きが急なときは下痢、動きの悪い部分があるときはコロコロ便になると説明している。ただしこの資料は2005年に行われ2006年に改変された勉強会の資料であり、記述が古い可能性がある。そこで日本医科大学医学会雑誌の総説の記述と突き合わせて、両方に共通する範囲で用いた[3][1]。

知覚の側については、シアトルチルドレンズの医師が「音量」のたとえで説明している。脳が痛みの信号を受け取る音量がストレスで上がり、通常は意識に上らない刺激が痛みとして感じられる、という説明である[5]。これは平易なたとえであり、実際の機構が単一の「音量」の調整で説明できるという意味ではない。

4. 「また いたく なるかも」が、つぎの いたみを よぶ?

4. 痛みが次の不安をよぶ:悪循環と過敏性腸症候群

4. 痛みが不安を強める負の連鎖と、診断名としての過敏性腸症候群

いたみが つづくと、こんどは 「また いたく なるかも」と 心配に なります。その 心配が、また 腸ちょうを 敏感びんかんに する、という ぐるぐるが おきる と 考えられて います[1]。

おなかの いたみと、トイレの ぐあいの かわりが くりかえし つづく 病気の ひとつに、「かびんせい ちょうしょうこうぐん」が あります。アメリカの 国の 研究所によると、腸ちょうに 見える きずや 病気は ありません。脳のうと 腸ちょうの れんけいの もんだいが わけの ひとつと して あげられ、腸ちょうが いたみを かんじやすく なる ことが あります[4]。

大切なのは、おなかが いたい 子が みんな この 病気、という わけでは ない ことです。これは 医者が きめる 名前で、くわしい わけは まだ わかって いません[1]。

この ぐるぐるを 知って いると、「いたいのは、よわいから」と 思わなくて すみます。

痛みが長引くと、今度は「また痛くなるかも」という不安が生まれます。日本医科大学医学会雑誌の総説は、ストレスによる腹痛の増強や持続がさらに不安を強め、それが心理的なストレスとなって消化管に影響する「負の連鎖」が起こると考えられている、と述べています[1]。

この連鎖が長く続く病気の一つが、過敏性腸症候群(IBS)です。腹痛と便通の変化が繰り返される症状のまとまりで、小児の腹痛の原因としても頻度が高いものの一つです。ストレスとの関係が深いことで知られますが、病因はまだ分かっていません[1]。

アメリカの国立糖尿病・消化器・腎疾患研究所(NIDDK)は、IBSの腸には目に見える傷や病気はなく、原因の候補として「脳と腸の連携の問題」を挙げ、腸が痛みや張りを感じやすくなることがあると説明しています。米国では約12%が当てはまるといいます(米国の数字で、日本の割合でも子どもの割合でもありません)[4]。

注意したいのは、「おなかが痛い子はIBS」と決めつけないことです。IBSは診断名で、診断するのは医師です。

痛みの記憶と予期は、さらに症状を強める。日本医科大学医学会雑誌の総説は、ストレスによる腹痛の増強や持続が不安を増大させ、それが心理的ストレスとなって消化管に影響する「負の連鎖」が起こると考えられていると述べる[1]。長崎大学の資料も、また症状が出るかもしれないという不安が神経の過敏性を増すと図示しており、2つの資料の説明は方向が一致する[3]。

この連鎖が慢性化した状態の一つが、過敏性腸症候群(IBS)である。慢性的な腹痛と便通異常が続く機能性疾患で、小児の腹痛の原因として頻度が高い。ストレスとの関係の深さはよく知られているが、病因は不明である[1]。米国のNIDDKは、IBSを腹痛と便通の変化が繰り返す症状のまとまりとし、腸に目に見える傷や病気はないこと、原因の候補に脳と腸の連携の問題があること、腸が痛みや張りを感じやすくなることがあることを説明している。米国での該当者は約12%とされるが、これは米国の割合であり、日本の数字でも子どもの数字でもない[4]。

ここから導けるのは、「ストレスを感じる人はみなIBSになる」でも「腹痛の子はIBS」でもない。IBSは診断名で、器質的疾患の除外を含む医師の判断が要る。資料が言えるのは、脳と腸の連絡が痛みの感じ方を変えうること、病因は未解明であること、までである。

5. 腸ちょうにも 神経しんけいの 網あみが ある? まだ なぞの ところ

5. 腸の壁にも神経の網がある:分かってきたことと、まだ分からないこと

5. 腸管神経系、ラットの経路、腸内細菌:研究が届いている範囲と届いていない範囲

じつは 腸ちょうの かべの 中にも、神経しんけいの 網あみが はりめぐらされて います。脳のうや せきずいを とおさなくても、腸ちょうの うごきを ととのえる ことが できる、と いわれます。この 神経しんけいの 細ぼうは、ものすごく たくさん あると いわれますが、しりょうによって 数に はばが あります[7]。

ラットの 実験じっけんも あります。ぎふ大学の 研究では、心の ストレスで うんちが 出る ときに、脳のうから せきずいを とおって 大腸だいちょうへ 行く みちが はたらき、大腸だいちょうの うごきが 高まりました。この みちを おさえると、ストレスで 出る うんちが へりました。ただし ラットで わかった ことで、人でも おなじかは これからの 研究です[6]。

まだ わかって いない ことも あります。腸ちょうから 脳のうへ しらせが とどく とき、どんな ものが かかわって いるのか、くわしくは わかって いません[1]。腸内細菌ちょうないさいきんも かかわる らしい、と いう 研究も すすんで います[8]。

腸の壁の中には、腸管神経系と呼ばれる神経の網があり、脳や脊髄を通さなくても、腸の動きなどを調節できるといわれます。その神経細胞は数億個ほどとされますが、資料によって数に幅があるため、目安として受け取ってください[7]。

脳から腸への経路が少しずつ見えてきたことを示す研究もあります。岐阜大学などの研究チームが2026年に発表した実験では、ラットに心理的なストレス(水を避けようとする状況)を与えると排便が起こり、そのとき視床下部から延髄、脊髄の排便の中枢、骨盤神経へと伝わる経路が活性化して、大腸の動きが高まりました。この経路を抑えると、ストレスによる排便が減ったそうです。ただしラットの急性のストレスでの結果で、人でも同じかどうかは今後の研究です[6]。

逆向きの、腸から脳への情報は、迷走神経や脊髄神経が担うことは分かっています。しかし、その仕組みに関わる因子や回路は、よく分かっていないと総説は書いています[1]。近年は腸内細菌も脳腸相関に関わることが分かってきて、IBSの患者では小腸の細菌の異常増殖などが報告されています[1][8]。

人によって症状に差があるのはなぜか、といった問いも、研究の途中にあります。

腸の壁内には腸管神経系と呼ばれる神経網があり、脳や脊髄を介さなくても腸の運動などを調節できる。ヒトの腸管神経系のニューロン数は、セミナー要旨では約4億とされる。資料により数に幅があるので、あくまで目安として受け取る[7]。腸は「第二の脳」と呼ばれることもあるが、脳腸相関の中心はあくまで双方向の連絡である。

脳から腸への経路は、動物実験で一部が描かれつつある。岐阜大学は2026年4月、Communications Biologyに掲載された研究として、ラットに水回避ストレスを与えた際の排便では、視床下部の室傍核などから延髄縫線核、脊髄の排便中枢、骨盤神経へ至る経路が活性化して大腸運動が高まり、経路を抑制するとストレス性排便が減ることを報告した。これはラットの急性ストレスの結果であり、ヒトで同じとは限らない。また、ここで用いたのはプレスリリースであり、原論文は参照していない[6]。

では、逆向きの連絡はどこまで分かっているのか。腸から脳への求心性の情報伝達は迷走神経や脊髄神経が担うことは分かっているが、関与する因子や回路はよく分かっていない、と総説は記す[1]。腸内細菌も脳腸相関に関わるとされ、IBS患者では小腸の細菌の異常増殖などが報告され、「脳―腸―腸内細菌軸」という考え方も出ている。ストレスと腸内細菌が互いに作用して内臓の痛みの反応に影響しうることも、総説で指摘されているが、因果の全体像は未確定である[1][8]。

6. おなかの 合図を、あとで よみかえせる ように しよう

6. おなかの合図を、あとから読み返せる形で残す

6. 自分の「おなかの合図」を記録し、原典に当たる

おなかが いたく なった とき、こんな ことを メモして みませんか。

いつ、どこで、なにを して いたか。どきどき して いたか。ごはんは いつ 食べたか。1行で だいじょうぶです。

あとで 見ると、「テストの まえの 日は いたく なりやすい」など、じぶんの クセが 見えて くるかも しれません。これは びょうきを 見つける ための ものでは ありません。お医者さんや 大人に 話す ときの ヒントに なります。

いたみが つづく ときは、がまんしないで、大人や お医者さんに 話して くださいね。

もっと 知りたい 人は、大人と いっしょに、日本医科大学の ざっしや ながさき大学の しりょう(どちらも 日本語)を 開いて みましょう。

おなかの痛みが「気のせい」ではないと分かると、見方が少し変わります。自分の体の合図を、あとで読み返せる形にして残してみるのはどうでしょうか。

痛くなった日に、時間、場所、そのときしていたこと、気持ち、食べたものを一行で書きます。数日たまると、「発表の前日に多い」「朝に多い」といった傾向が見えてくるかもしれません。これは病気を見つけるためのものではなく、病院で医師に話すときの材料になります。

痛みが続くときは、がまんせず、家の人や医師に相談してください。

出典に挙げた日本語の資料は、図が多く、読みやすいものもあります。日本医科大学医学会雑誌の総説と、長崎大学の勉強会資料を並べて読み、どこが同じでどこが違うかを探すのも、おすすめの調べ方です。

以上の資料が示すのは、脳と腸が双方向に連絡していること、ストレスが腸の運動と痛みの感じやすさを変えうること、痛みと不安が連鎖しうることである。一方で、腸から脳への伝わり方、症状に個人差が出る理由、ヒトでの経路の詳細は、まだ研究の途中にある。

自分の体で確かめる方法として、腹痛が起きた日の時刻・場所・直前の出来事・気持ち・食事を一行ずつ記録する方法がある。記録は診断ではなく、医師に伝える材料になる。数日分を並べると、行事の前日や朝に多いといった傾向が見えることがある。痛みが続くときは、記録をためずに保護者や医師に相談してほしい。

原典に当たるなら、日本医科大学医学会雑誌2023年の総説(眞野・柿沼)は日本語で読めるので、まず脳腸相関とCRFの節を開く。次に長崎大学の勉強会資料の図と比べると、2006年改変の資料と2023年の総説で、説明がどこまで一致するかを自分で確かめられる。米国の病院解説の数字(約90%、0.3〜19%)を、日本の調査で探すのも次の課題になる。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

本文で使った資料です。数字の多くは米国など海外の調査で、日本の割合ではありません。

  1. 眞野・柿沼「脳―腸―腸内細菌軸と過敏性腸症候群」日本医科大学医学会雑誌 2023;19(1) https://www.nms.ac.jp/sh/jmanms/pdf/019010053.pdf (脳腸相関、CRF、負の連鎖、IBS、腸から脳の経路)
  2. Harvard Health Publishing, The gut-brain connection (2023) https://www.health.harvard.edu/diseases-and-conditions/the-gut-brain-connection (感情と胃腸のつながり)
  3. 長崎大学 小児心身医療勉強会 資料「過敏性腸症候群」 https://www.med.nagasaki-u.ac.jp/peditrcs/group/kabinseichou.pdf (腸の運動異常と知覚過敏。2006年改変の資料)
  4. NIDDK, Definition & Facts for Irritable Bowel Syndrome https://www.niddk.nih.gov/health-information/digestive-diseases/irritable-bowel-syndrome/definition-facts (IBSの説明、米国の割合)
  5. Seattle Children's, Abdominal Pain in Kids: Anxiety-Related or Something More? (2018) https://www.seattlechildrens.org/healthy-tides/abdominal-pain-in-kids-anxiety-related-or-something-more/ (子どもの機能性腹痛、音量のたとえ。病院の解説記事)
  6. 岐阜大学プレスリリース(2026年4月) https://kyodonewsprwire.jp/release/202604016793 (ラットのストレス性排便の経路)
  7. 生理学研究所セミナー要旨 https://www.nips.ac.jp/eng/sp/research/seminar/2010/02/the-enteric-nervous-system-and-enteric-disorders-induced-by-inflammation-and-ischemia.html (腸管神経系。神経細胞数は目安)
  8. Moloney et al. 2016, CNS Neurosci Ther https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC6492884 (ストレスと腸内細菌)

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