1. 「ここは うちの 土地だ」と 言う 国が 7つ
1. 7つの国が言った「ここは自分の国だ」
1. 領土権を主張する7か国と、重なる範囲
むかし、南極の 一部を 「うちの 土地だ」と 言う 国が ありました。イギリス、ノルウェー、フランス、オーストラリア、ニュージーランド、チリ、アルゼンチンの 7つです[5]。
しかも、言って いる 場所が、少し かさなって いる ところも ありました。
ここから、話が おもしろく なります。この 国たちは、言い合いを する 前に、ある ことを して いました。
2. 先に 一しょに はたらいた 科学者たち
2. 条約の前にあった、国際地球観測年
2. 1957〜58年:国際地球観測年と昭和基地
1957ねんから 1958ねんに かけて、世界中の 科学者が 力を あわせて 地球を 調べる 「国際地球観測年」が ありました。
南極でも、いくつもの 国の 科学者が はたらきました。日本も 1957ねんに 昭和きちを つくって、観測を はじめました[6]。
自分の 国の ためだけに 動くのでは なく、同じ 大陸で、同じ ねらいで 調べる。この 科学で 力を あわせる ことを つづけるのは、あとの 条約の ねらいの ひとつに なりました。
3. 1959ねん、あらそいを「しまって おく」ことに
3. 1959年、領土の主張を「凍結」する
3. 第4条:領土権主張の凍結
1959ねん12月1日、12の 国が アメリカの ワシントンで 条約に 名前を 書きました。これが 南極条約です[1]。日本も 入って います。
この 条約の 大事な ところは、「うちの 土地だ」と いう 言い分を、いったん しまっておく ことです。あたらしく 言い出したり、広げたり しない、と 決めました[4]。
国ごとの 言い分は 消しません。そのかわり、あたらしい 言い分を ふやさない 約束を しました。言い合いが すっかり おわった わけでは ありません。
4. 南極で やって いい こと、いけない こと
4. 平和・科学・おたがいの査察
4. 第1〜3・5・7条:平和利用、科学の自由、核の禁止、相互査察
南極条約には、ほかにも 大事な 約束が あります。
一つ目は、南極を 平和の ためだけに 使う こと。ぐんの きちを つくったり、へいきの 実験を したり する ことは できません。二つ目は、科学の 調査を 自由に して よく、わかった ことを 分け合う こと[1]。
三つ目は、ちゃんと 守って いるか、おたがいに 見に 行って よい こと[2]。「しんじる」だけで なく、「見せ合う」のが とくちょうです。
条約の第1条は、南極を平和的な目的だけに使うと決めています。軍事基地や要塞をつくったり、兵器の実験をしたりすることは禁止です。ただし、科学の調査や平和的な目的のために、軍の人や道具を使うことは許されています[2]。軍人がまったくいない、という意味ではありません。
第2条と第3条では、科学の調査を自由にすること、計画や人、観測の結果を交換して、誰でも使えるようにすることが決まっています[1]。核爆発や、放射性廃棄物を捨てることも禁じられました[7]。
第7条には、変わった仕組みがあります。各国が指名した監視員は、南極のどの地域や基地にも、いつでも出入りしてよいのです。船や飛行機も、南極で人や貨物を積み降ろしする地点にあれば、対象になります[2]。おたがいに見せ合うことで、約束が守られていると確かめられます。
5. 大地の 下の たからものは ほらない 約束
5. 1991年、自然を守る議定書
5. マドリッド議定書(1991年採択・1998年発効)と「2048年」の誤解
南極の 地面の 下には、石油などの しげんが あるかもしれない、と いう 話が ありました。
そこで 1991ねんに、新しい 約束が 作られました。南極を 「平和と 科学の ための 自然の まもる 場所」と し、科学の 調査を のぞいて、地面の 下の しげんに かかわる ことを 禁止しました[3]。
日本も この 約束を 守る ために、日本の 中の 法律を 作りました[8]。
1991年10月4日、マドリッドで「環境保護に関する南極条約議定書」が採択されました。1998年に効力が生じています[3]。
この議定書は、南極を「平和と科学に献身する自然保護地域」と位置づけます。科学調査を除いて、鉱物資源にかかわる活動は禁止です[3]。日本も1997年に国内法を整え、1998年1月14日に効力が生じました[8]。
「2048年に採掘が解禁される」と聞くことがありますが、これは誤解のようです。議定書は2048年に期限が切れるわけではなく、2048年以降は、協議国が見直しの会議を求められるようになる、というのが資料の説明です[3]。
環境保護に関する南極条約議定書(マドリッド議定書)は1991年10月4日に採択され、1998年に発効した。第2条は南極を「平和と科学に献身する自然保護地域」とし、第7条は科学調査を除くすべての鉱物資源活動を禁止する[3]。
日本は1997年5月28日に国内法「南極地域の環境保護に関する法律」を制定し、同年12月15日に議定書を寄託。1998年1月14日に効力が生じた[8]。
「2048年に採掘が解禁される」という説は誤解である。1998〜2048年の50年間は改正に協議国全員の一致が要り、2048年以降は協議国が見直し会議を求められる。条約・議定書に期限は定められていない(第25条2項)[3]。
6. 地図で 南極を さがして みよう
6. もっと知りたくなったら
6. 自分でも調べてみたくなったら
今日できること:地図帳か ちきゅうぎで、南極を さがして みましょう。南極の まわりに、なんい60度の 線が 見つかれば、そこから 南が 条約の はんいです[4]。
出かけてできること:科学館などで、南極の 展示が あるか、行く前に ホームページで 調べて みましょう。
くわしく 知りたい ときは、国立極地研究所の ページが あります[6]。
しらべた もとの じょうほう
参考にした情報源
参考にした情報源と、その使い方
条約の内容は、南極条約事務局と国内の公的機関の資料を突き合わせました。締約国の数などは今後変わることがあります。
- 南極条約事務局(ATS)「The Antarctic Treaty」 https://www.ats.aq/e/antarctictreaty.html (署名・発効・科学協力・締約国数)
- 南極条約事務局(ATS)「Peaceful use and Inspections」 https://www.ats.aq/e/peaceful.html (平和利用・査察)
- 南極条約事務局(ATS)「Protocol on Environmental Protection」 https://www.ats.aq/e/protocol.html (議定書・2048年)
- データベース「世界と日本」南極条約 全文 https://worldjpn.net/documents/texts/mt/19591201.T1J.html (適用範囲・第4条)
- 環境省 南極キッズ「南極はみんなの財産」 https://www.env.go.jp/nature/nankyoku/kankyohogo/nankyoku_kids/donnatokoro/dokonokuni/index.html (領土を主張する7か国)
- 国立極地研究所「日本の南極観測について」 https://www.nipr.ac.jp/antarctic/aboutjare/ (昭和基地の開設)
- JOGMEC 石油・天然ガス用語辞典「南極条約」 https://journal.jogmec.go.jp/oilgas/termsearch/list/naninuneno/antarctic-treaty.html (核爆発の禁止)
- 外務省「南極環境保護議定書」 https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/kankyo/jyoyaku/k_hogo.html (日本の批准と発効)
なおした ところ
更新履歴
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