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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

あつい オーストラリアの 北きたの ほうで、うしは どうして くらしていけるの?

暑いオーストラリア北部で、牛はどうして暮らしていけるのか

暑いオーストラリア北部で牛が育つのはなぜか ── コブ牛の体のつくりと、品種を選んだ人びと

分野:生きもの

1933ねん、オーストラリアの けんきゅうきかんが、せなかに こぶの ある うしを きたの ほうへ 入れました。でも そのころ、ぼくじょうの 人たちの 多くは「こぶの ある うしは おとる」と 思って いたそうです[4]。2017ねんの 記事では、国の うしの 半ぶんほどに、その なかまの 血が 入って いると 見つもられて います[6]。

では、あつい きたの 土地で、うしは どうして くらせるのでしょう。うしの 体の ひみつと、人が うしを えらんだ ようす、それでも 日かげが いる わけが わかります。

1933年、オーストラリアの研究機関が、背中にこぶのある牛を北部クイーンズランドに入れました。ところが当時、牧場主の多くは「こぶのある牛は劣る」と見ていたといいます[4]。2017年の記事では、国の牛の約半分に、この系統の遺伝子が入っていると見積もられています[6]。

暑い北の大地で、牛はなぜ育つのでしょうか。汗をかく仕組みと、体の中で熱をつくる量、人が品種を選んで広げた経緯、それでも日陰が欠かせない理由が分かります。

1933年、CSIR(のちのCSIRO)がオーストラリア北部にこぶのある牛を輸入した。当時の牧場主の多くは、こぶのある牛を劣ると見ていた[4]。ところが現在では、国内の牛およそ2600万頭のうち、約半分にブラーマンの遺伝子が入っているという見積もりがある[6]。ただしこれは執筆時の推定で、現在の統計とは限らない。

では、暑い北部で牛が育つのは、体のどんなつくりのためか。なぜ最初は受け入れられず、人はどう広げたのか。暑さに強い牛にも日陰が要るのはなぜか。汗腺・代謝・毛・ダニへの抵抗性と、普及の経緯、日陰の研究から、この三つの問いに答える。

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1. うしは、あつい とき どうやって ねつを にがすの?

1. 暑い日、牛は体のどこで熱を逃がしているのか

1. 気温約30℃を超えると、放熱の約85%を発汗が占める

あつい 夏の 日、うしの 体にも ねつが こもります。うしは 人と おなじように、汗あせを かいて 体を ひやします。皮かわふの 表面で 水が じょうはつ する とき、まわりの ねつを もって いくからです[1]。

きおんが 30どを こえる ような あつさでは、体から にげる ねつの 85%ほどを、汗あせが はこぶと されて います[1]。ただし これは、とても あつい ときの わりあいで、いつもの 数字では ありません。

日本の しりょうには、ちちを だす うしは 21どを こえると ちちが でる ぶんが へりはじめ、27どを こえると がくんと へると 書かれて います[10]。これは ちちを だす うしの 数字ですが、あつさが うしの 体に こたえる ことは 分かります。

では、あつい きたの 土地で 育つ うしは、体の どこが ちがうのでしょう。

夏の暑い日、牛の体にも熱がこもります。牛は人と同じように汗をかき、皮膚と毛のさかいめで水分を蒸発させて熱を逃がします。蒸発するときに熱を持っていくので、体が冷えます[1]。

気温が約30℃を超えるような高温のとき、体から逃げる熱の約85%を発汗が担うとされています[1]。ただしこの85%は「気温が高いとき」の割合で、いつもの数字ではありません。

日本の資料(鹿児島県)では、乳牛の適温域は4〜24℃で、21℃を超えると乳量が減りはじめ、27℃を超えると激減すると説明されています。暑いと熱を逃がしにくくなり、体温が上がって呼吸数も増えます[10]。これは乳牛の目安で、肉用牛では機関によって数字が違います。

牛にとって暑さは、体に負担のかかるものです。それなのに、オーストラリア北部では牛が大きな産業になっています。暑さに強い牛は、体のどこが違うのでしょうか。

牛は暑熱環境で、主に皮膚と被毛の境界面での蒸発によって熱を放散する。気温が高い条件(約30℃、86°F超)では、総放熱量の約85%を発汗が占めるとされる[1]。この85%は高温時の割合であり、常にこの比率というわけではない。

だから、汗をかく仕組みの差は、そのまま暑さへの強さの差になりうる。比較の目安として、日本の資料(鹿児島県)にある乳牛の数字がある。適温域は4〜24℃で、21℃を超えると乳量が減りはじめ、27℃を超えると激減する。熱を放散しにくくなるため、体温と呼吸数が上がる[10]。ただしこれは乳牛の数字で、肉用牛は県などによって目安が異なる。

では、同じ暑さの中で、なぜ品種によって暮らしやすさが違うのか。熱を逃がす装置そのものに差があるのか、という問いが残る。

2. あせを かく ところが 大きい うしが いるの?

2. 汗腺が大きく、熱をつくる量も少ない牛がいる

2. ブラーマン系の汗腺は大きく、皮膚に近い ── 逃がす力と、つくる熱の少なさ

きたの ぼくじょうには、インドの 生まれの なかまの、せなかに こぶの ある うしが います。「コブうし」と よばれ、ブラーマンという なかまが その 一つです。コブうしの そせんは、あつくて しめった 土地で 進化 して きました[1]。

アメリカで、めうし 319とうを 調べた 研究が あります。ブラーマンの 血が 4分の3 いじょう 入った むれは、汗腺かんせんが いちばん 大きかった そうです[1]。汗腺かんせんは、汗あせを 出す ところです。ブラーマンの 汗腺かんせんは、皮かわふの 表面に ちかい 所に ありました[1]。この 研究は アメリカの うしの もので、オーストラリアの うしを はかった ものでは ありません。

もう一つの ちがいは、体の 中で つくる ねつの ぶんです。けんきゅうの まとめでは、コブうしは これが 少ないと いわれます[3]。ねつを にがす 力が 大きくて、つくる ねつは 少ない。この 二つが かさなって、あつさに つよい りゆうの 一つと 考えられて います[3]。

ぼくじょうの めうしを 調べた ほかの 研究でも、ブラーマンの 血が 入った むれは、あつさが きつい とき、体温を ととのえる 力が すぐれて いました[2]。

では、あつさの ほかにも、きたの 土地で 助けに なる ちがいは あるのでしょうか。

北部の牧場には、インド系の「コブ牛」(ゼブー)がいます。ブラーマンはその一つの品種で、コブ牛の祖先は、高温多湿の環境で進化してきました[1]。

アメリカ南東部の雌牛319頭を調べた研究では、ブラーマンの遺伝子が75%以上の群で、汗腺の面積が最も大きくなりました。ブラーマンの汗腺は大きく、皮膚の表面に近い位置にあったといいます[1]。汗腺は汗を出す器官ですから、熱を逃がす装置が大きいことになります。なお、これはアメリカの牛での研究で、オーストラリアの牛を測ったものではありません。

もう一つ、研究の総説では、コブ牛は体の中で熱をつくる量(代謝)が少ないことも、暑さに強い理由の一つとされています[3]。熱を逃がす力が大きいうえに、つくる熱が少ない。この二つが重なっていると考えられています。

牧草地の雌牛を対象にした2020年の研究でも、ブラーマンの遺伝子を持つ群は、暑さのストレスが中程度から高程度のとき、体温を調節する力が明らかに優れていました[2]。

では、暑さ以外の面でも、コブ牛の体には北部向きの特徴があるのでしょうか。

インド系のコブ牛(Bos taurus indicus、ゼブー)は、高温多湿の環境で進化した[1]。その差は、汗腺の大きさと位置に表れる。アメリカの雌牛319頭を調べた研究では、ブラーマンの遺伝子が75%以上の群で汗腺の面積が最大になり、ブラーマンの汗腺は大きく、皮膚の表面に近かった[1]。汗を出す器官が大きく、体表に近いほど、蒸発による放熱には有利になると考えられる。ただしこれはアメリカ南東部の牛の測定で、オーストラリアの牛で測ったものではない。

放熱だけで暑さへの強さが決まるわけでもない。コブ牛は、熱を逃がす力が大きいことに加え、体内でつくる熱(代謝熱)が少ないことも理由とされる[3]。この点は、総説論文の要旨を言いかえた二次的な確認にとどまる。一方、牧草地の雌牛を扱った2020年の研究では、ブラーマンの遺伝子を持つ群が、中〜高程度の暑熱ストレス下で体温の調節に優れ、暑さへの回復力が有意に高かった[2]。

こうして、汗腺・代謝・体温調節という別々の観点の研究が、同じ方向を指している。では、牛が北部で直面するのは暑さだけなのか。

3. けや ダニにも、ちがいが あるの?

3. 毛やダニへの強さも、北部向きの特徴になる

3. 毛・ダニ ── 暑さ以外の条件にも差がある

けんきゅうの まとめでは、コブうしの 毛は、ねつを にがしやすく、日ざしの ねつを すいにくいと されます[3]。夏に うすい 服を 着る ような ものです。ただし 本当は、毛は 体の 一部で、服のように ぬげません。

あつい 土地には、うしに つく ダニも います。コブうしの なかまは、ヨーロッパの うしより、ダニと、ダニが はこぶ 病気の もとに つよいと、広く たしかめられて います[7]。

こうして 見ると、コブうしは、あつさにも ダニにも 向いた 体を もって います。ところが、そんな うしが、さいしょから よろこんで むかえられた わけでは ありません。

研究の総説では、コブ牛の毛は、熱を逃がしやすく、日光の熱を吸いにくいとされています[3]。夏に薄手の服を着るようなものですが、毛は体の一部で、服のように脱ぐことはできません。

もう一つ、暑い土地では牛につくダニも問題になります。コブ牛系は、ヨーロッパ系の牛より、ダニとダニが運ぶ病原体への抵抗性が高いと、広く確かめられています[7]。

こうして見ると、コブ牛は暑さにもダニにも向いた体を持っています。それなのに、最初から歓迎されたわけではありませんでした。なぜでしょうか。

コブ牛の被毛は、熱を放散しやすく、日射による熱を吸収しにくいとされる[3]。ただしこれも前の章と同じ総説の要旨からの確認で、毛の構造のどこが効いているのかまでは、ここでは述べられない。

暑い地域の牛には、ダニという別の負担もある。純粋種・交雑種を問わず、コブ牛系の牛は、ヨーロッパ系(Bos taurus taurus)の牛よりダニとダニ媒介性の病原体への抵抗性が高いことが、広く確かめられている[7]。暑さと寄生虫のどちらにも向いた品種であれば、導入の価値は大きい。

それなのに、導入当初の評価は低かった。その理由と、評価が逆転した経緯を次に見る。

4. 「こぶの ある うしは だめ」と いわれた のに、なぜ ふえたの?

4. 劣ると見られた牛が、どうして北部の主役になったのか

4. 1933年の導入から、1960年代の普及キャンペーンまで

1933ねん、けんきゅうきかんの CSIR(のちの CSIRO)が、けんきゅうの ために、クイーンズランドに コブうしを 入れました[4]。でも そのころは、こぶの ある うしを「おとる」と 見る ぼくじょうの 人が 多かったそうです[4]。

1941ねんには、ケリーという 人が、コブうしとの かけあわせを ためす じっけんを「もっとも ねうちの ある じっけん」と のべました[4]。

ひろまったのは、1960ねんだい からです。くにの のうぎょうの けんきゅうしゃたちが、ひろめる ための かつどうを しました[5]。クイーンズランドの うしの むれで、ブラーマンの 血を もつ わりあいは、1965ねんには 15%に とどかず、1981ねんには 60%に なりました[4]。2001ねんには、この かわりようが 州の 牛の しごとに 81おく オーストラリアドルの もうけを もたらしたと 見つもられて います[5]。

2017ねんの 記事には、オーストラリアの うし およそ 2600万とうの はんぶんほどに ブラーマンの 血が 入って いるという 見つもりが あります[6]。これは その 記事の 数字で、いまの 数字とは かぎりません。

では、あつさに つよい うしなら、日かげは いらないのでしょうか。

1933年、CSIR(のちのCSIRO)が、研究機関としてゼブー牛をクイーンズランドに輸入しました。ただし当時は、こぶのある牛を劣ると見る牧場主が多かったといいます[4]。1941年には、ケリーという人が、ゼブーとの交配実験を「もっとも価値ある実験」と述べています[4]。

広まったのは1960年代からです。政府の農業研究者たちが、積極的にキャンペーンを行いました[5]。その結果、クイーンズランド州の牛群でブラーマンの遺伝子を持つ割合は、1965年には15%に届かず、1981年に60%になりました[4]。16年ほどで、割合が4倍以上になったことになります。

2001年には、この変化が州の牛産業にもたらした利益が、81億豪ドルと見積もられました[5]。研究者が熱帯での適応を調べる研究施設を、ロックハンプトン近くのベルモントに1950年代につくり、熱帯向きの混成種も育てています[4]。

2017年の記事には、牛およそ2600万頭の約半分にブラーマンの遺伝子が入り、北回帰線より北で働く雄牛の70%以上がブラーマンという見積もりがあります。ただしこれはその記事の推定で、現在の統計とは限りません[6]。

では、暑さに強い牛なら、日陰はいらないのでしょうか。

1933年、CSIR(のちのCSIRO)が、クイーンズランドに最初のゼブー牛を輸入した[4]。ただし、導入の時期については、1910年に動物園からゼブーの雄牛が北部の牧場に渡った、という別の記述もある。ここでは、研究機関による本格的な導入として1933年を挙げる。当時は、こぶのある牛を劣ると見る牧場主が多かった。1941年には、ケリーがゼブーとの交配実験を「もっとも価値ある実験」と述べている[4]。

それでも、すぐに広がったわけではない。ブラーマンが北部クイーンズランドで広まるのは1960年代以降で、政府の農業研究者たちが積極的に広めたためだった。その結果、州の牛群でブラーマンの遺伝子を持つ割合は、1965年に15%未満、1981年には60%になった[4]。15%に届かなかったものが16年で60%に達したので、割合は4倍以上になった計算になる。

研究の側も、品種を入れただけではなかった。CSIROは1950年代に、ロックハンプトン近くのベルモントに研究施設を置き、熱帯での適応にどんな体の特徴が大切かを調べ、熱帯向きの混成種を育てた[4]。2001年には、この変化が州の牛産業にもたらした利益が、81億豪ドルと見積もられている[5]。

現在は、全国の牛およそ2600万頭の約半分にブラーマンの遺伝子が入り、北回帰線より北で働く雄牛の70%以上がブラーマンだという記事がある。ただしこれは執筆年の推定で、現在の統計とは限らない[6]。だが、ここで問いが残る。品種さえ選べば、暑さの問題は解決するのか。

5. あつさに つよい うしにも、日かげは いるの?

5. 暑さに強い牛にも、日陰が必要な理由

5. 日陰の有無で、あえぎの増え方は5倍以上ちがった

クイーンズランド大学の しいくじょうで、アンガス・シャロレー・ブラーマンの 3つの なかまを 12とうずつ、154日間 調べた 研究が あります[9]。

あつく なるほど、はあはあ いきを する「あえぎ」の 点数は、どの むれでも 上がりました。上がり方が いちばん 小さかったのは、日かげの ある ブラーマンで 0.13。いちばん 大きかったのは、日かげの ない アンガスで 0.71 でした[9]。およそ 5ばいの ちがいです。

この 研究は、どの なかまでも、日かげは だいじだと まとめて います[9]。

オーストラリアの 牛肉を つくる 人たちの だんたい MLA は、毛の 色が うすい 牛ほど あつさに 強く、太った 牛ほど 弱い ことが 多いと せつめい して います。同じ なかまの 中にも、強い 牛と 弱い 牛が います[8]。

つまり、あつさに 強い なかまを えらぶ ことと、日かげを つくる こと。人の しごとは 両方 あります。

クイーンズランド大学の飼育場で、アンガス・シャロレー・ブラーマンを各12頭、154日間調べた研究があります。暑くなるほど、口を開けてはあはあと息をする「あえぎ」の点数は、どの群でも上がりました。上がり方は、日陰のあるブラーマンが最も小さく(0.13)、日陰のないアンガスが最も大きかった(0.71)といいます[9]。単純に比べると、およそ5倍の差です。

この研究は、品種にかかわらず日陰が大切だと結論づけています[9]。暑さに強い品種でも、日陰があるほうが、体への負担が小さくなるのです。

オーストラリアの食肉家畜生産者事業団(MLA)は、コブ牛はヨーロッパ系より暑さに強く、毛色が薄い牛ほど強い傾向があり、太った牛ほど弱いと説明しています。品種の中にも個体差があります[8]。

牛の暑さ対策は、品種を選ぶことと、日陰をつくることの両方だと分かります。では、この仕組みを、身近なもので確かめることはできるでしょうか。

品種の効果と日陰の効果は、別々に測れる。クイーンズランド大学の飼育場で、アンガス・シャロレー・ブラーマン各12頭を154日間観察した研究では、暑さが増すにつれて、あえぎの点数がどの群でも上がった。増え方は、日陰のあるブラーマンが最小(0.13)、日陰のないアンガスが最大(0.71)で、およそ5.5倍の差がある[9]。

この結果から、著者らは「品種にかかわらず飼育場の牛に日陰を与えることが重要」と結論づけている[9]。品種は暑さへの強さに関係するが、環境を整える意味はなくならない、という読み方ができる。

また、MLAは、コブ牛(Bos indicus)はヨーロッパ系(Bos taurus)より暑さに強いこと、毛色が薄い牛ほど強い傾向があること、太った牛ほど弱いこと、品種の中にも個体差があることを挙げている[8]。品種名だけで一頭ごとの強さが決まるわけではない。

そのため、北部の牛の暑さ対策は、暑さに向いた品種を選ぶことと、日陰などで負担を減らすことの二本立てになる。これを身近なもので確かめる道すじを、最後に示す。

6. いえで できる、あつさと ねつの たしかめ方

6. 家でできる、汗の冷却と日なたの熱の確かめ方

6. 確かめる道すじ ── 蒸発の冷却と、日なたでの吸熱

やってみよう①。手の こうに 水を 少し つけて、うちわで あおいで みます。ひやっと するのは、水が かわく とき、ねつを もって いくからです。うしの 汗あせも、おなじ しくみです。

やってみよう②。晴れた 日に、白い 紙と 黒い 紙を 日なたに 10ぷんほど おいて、手で さわって くらべます。日ざしの ねつを どれだけ ひろうかを 考える てがかりに なります。さわる 前に、手を ちかづけて、あつく なって いないか たしかめましょう。長い 時間 おくと、あつく なりすぎる ことが あります。

もっと 知りたい 人は、CSIROpedia の「Cattle for the tropics」(えいごの ページ)が 入口に なります。

やってみよう①:手の甲に水を少しつけ、うちわであおぎます。ひやっとするのは、水が蒸発するときに熱を持っていくからです。牛の汗も、同じ仕組みで体を冷やします。

やってみよう②:晴れた日に、白い紙と黒い紙を日なたに10分ほど置いて、手で触って比べます。日ざしの熱をどれだけ受けるかを考える手がかりになります。触る前に、手を近づけて熱くなっていないか確かめてください。長く置きすぎると熱くなります。牛の毛と紙はまったく別のものなので、結果を牛にそのまま当てはめることはできません。

もっと詳しく知りたい人には、CSIROpediaの「Cattle for the tropics」(出典[4])が、1933年の導入から品種づくりまでを読む入口になります(英語)。

確かめる方法を2つ挙げる。

①手の甲に水を少しつけて、うちわであおぐ。冷たく感じるのは、水が蒸発するときに熱を奪うためで、牛が汗で体を冷やす仕組みと同じ原理による。

②晴れた日に、白い紙と黒い紙を日なたに10分ほど置き、触って比べる。受ける熱の差を体験できる。ただし、牛の毛と紙は構造も材質も違うので、この結果から牛の毛色と暑さへの強さの関係は結論できない。置く時間が長いと熱くなるので、触る前に手を近づけて確かめること。

資料の入口としては、CSIROpediaの「Cattle for the tropics」(出典[4])、品種の広がりを扱ったBrennan(2015)(出典[5])、日陰の研究(出典[9])が読める。出典[1]〜[3]は英語の論文で、汗腺・代謝・体温調節の証拠が書かれている。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

出典について:学術論文、研究機関の解説、業界団体のページ、ニュース解説、日本の自治体の資料を使った。何に使ったかは、それぞれの項目の最後に書いている。一部は検索結果の要約で確かめた範囲の内容である。

  1. Mateescu et al. (2023) Frontiers in Genetics(ブラーマンの遺伝子と皮膚・汗腺)。https://www.frontiersin.org/journals/genetics/articles/10.3389/fgene.2023.1107468/full (発汗による放熱の割合、汗腺の大きさと位置)
  2. Mateescu et al. (2020) Journal of Animal Science 98(5)。https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC7236563 (牧草地の雌牛での暑熱ストレスへの回復力)
  3. Hansen (2004) Animal Reproduction Science 82-83: 349-360。https://agris.fao.org/search/fr/records/65de73650f3e94b9e5cf5709 (コブ牛の熱耐性、代謝熱の少なさ、毛。要旨の確認)
  4. CSIROpedia「Cattle for the tropics」。https://csiropedia.csiro.au/Cattle-for-the-tropics (1933年の導入、1941年の実験、割合の変化、ベルモントの研究施設。要約での確認)
  5. Brennan (2015) Queensland Historical Atlas(JCU ResearchOnline)。https://researchonline.jcu.edu.au/37625/ (1960年代の普及と2001年の見積もり)
  6. The Conversation「The rise of Australia's mighty Brahman」。https://theconversation.com/food-for-thought-the-rise-of-australias-mighty-brahman-58062 (全国の牛に占めるブラーマンの割合。執筆年の推定)
  7. Frontiers in Cellular and Infection Microbiology (2017) 牛ダニと宿主の総説。https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fcimb.2017.00506/full (コブ牛系のダニへの抵抗性。要約での確認)
  8. MLA「Heat stress」(フィードロットの動物衛生と福祉)。https://www.mla.com.au/research-and-development/feedlot/feedlot-animal-health-and-welfare/heat-stress/ (毛色・体の状態・個体差。要約での確認)
  9. Animal Production Science (2019) クイーンズランド大学の飼育場の研究。https://connectsci.au/an/article-lookup/doi/10.1071/an19013 (日陰とあえぎの点数)
  10. 鹿児島県「畜産・酪農の暑熱対策」。https://www.pref.kagoshima.jp/ao08/chiiki/osumi/sangyo/nougyou/gijutsu/chikusan_rakunou_syonetsu.html (乳牛の適温域と乳量)

なおした ところ

更新履歴

更新履歴(改版の記録)

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  •  低学年むけの題名を「あつい オーストラリアの きたで、うしは どうして くらせるの?」から「あつい オーストラリアの 北の ほうで、うしは どうして くらしていけるの?」に変更。「きた」が「来た」とも読めて、意味が分かりにくかったため。本文は変えていない。

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