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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

にわとりは、おんどりが いなくても、どうして たまごを うめるの?

オスがいなくても卵を産む ── ニワトリの「産卵」は出産ではなかった

ニワトリの産卵と排卵 ── 無精卵・卵管での24〜25時間・産卵数の選抜

分野:生きもの

にわとりの こやに、めすばかり ならんで います。おんどりは 1わも いません。それでも、あさに なると、たまごが ころんと うまれて います。

たまごは あかちゃんの もとなのに、おとうさんが いなくて いいのでしょうか。その ひみつは、「うむ」ことの いみに ありました。

オスのいない小屋でも、メスのニワトリは卵を産みます。卵は赤ちゃんのもとのように思えるので、オスがいなくても産めるのは、少し不思議です。

手がかりは、ニワトリの産卵が「出産」とは別のものだ、という点にあります。卵の中で何が起きているのか、卵管を通る24時間ほどの流れと、人が産卵数を増やしてきた歴史まで、順にたどります。

雌鶏は、雄鶏と交尾しなくても卵を産む。受精していない卵(無精卵)は温めても雛にならないが、産卵そのものは受精を必要としない[1]。

この記事では、産卵が交配ではなく排卵に始まる周期的な現象であること、卵管内で約24〜25時間かけて卵が完成する過程、有精卵と無精卵の違い、そして産卵数が人の選抜で増えたとされる背景を、日本語と英語の資料を突き合わせて整理する。

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1. たまごは、おかあさんの おなかで そだつの?

1. 卵は「赤ちゃん」なのか

1. 問いの整理 ── 産卵を「出産」と考えると、雄が必要に見える理由

にんげんの あかちゃんは、おかあさんの おなかで そだって うまれます。だから たまごも、おとうさんと おかあさんが いて はじめて できる、と おもいがちです。

でも、にわとりの めすは、おんどりが いなくても たまごを うみます。「あれ?」と おもいますね。まず、ここから しらべて いきます。

ヒトの赤ちゃんは、お父さんとお母さんがいて、はじめて生まれます。そのイメージで卵を見ると、産卵は「出産」のようで、オスがいなければ成り立たないように思えます。

ところが、ニワトリのメスは、オスがいなくても卵を産みます。この不思議は、産卵を「出産」と考えていることから来る、と説明されています[2]。次の章で、卵ができるまでの流れを見ていきます。

産卵を「出産」に当たると考えると、雄がいなければ成立しないように見える。産卵は「出産」ではなく、卵黄が卵巣から放たれる「排卵」に始まる現象だと解説されている[2]。

この解説は養鶏関連の企業によるもので、一次資料ではない。以降の章では、大学の普及機関(ウィスコンシン大学エクステンション)や農研機構の資料で、事実を突き合わせて確認していく。

2. うむのは、しゅっさんと ちがうの?

2. 産卵は「排卵」から始まる

2. 排卵と受精の切り分け ── 24〜26時間ごとの周期

めすの にわとりが たまごを うむのは、あかちゃんを うむ ことでは ありません。からだの なかで できた「たまごの もと」が、たまごを つくる くだへ でて いく「はいらん」から はじまります[2]。そのあと たまごが できあがって、うまれます。

この はたらきは、おんどりと こうびを した かどうかに かんけい なく、およそ 24〜26 じかんごとに おきると されて います[3]。

おんどりが いるのは、たまごが ひよこに なる ときだけです。

メスのニワトリが卵を産むのは、赤ちゃんを産むことではありません。体の中でできた卵黄が卵巣から放たれる「排卵」に始まり、そのあと卵管で卵ができて産まれます[2]。

ウィスコンシン大学エクステンションの資料には、排卵は受精の有無にかかわらず約24〜26時間ごとに起こり、オスは要らないと書かれています[3]。資料によっては「24〜25時間」とも書かれるので、およそ1日ごと、と覚えておくと安全です。

受精は、雛になるために必要なことであって、卵を産むための条件ではありません[1]。

産卵は、卵黄が卵巣から放出される「排卵」に始まる。排卵は、受精の有無に関わらず約24〜26時間ごとに起こり、雄は不要だと記されている[3]。排卵のあと、卵黄は卵管を通る間に卵白・卵殻膜・卵殻が順に付加され、卵として産まれる。周期の長さは資料により24〜25時間とされることもあるため、幅を持たせて書く[6]。

この周期は、黄体形成ホルモン(LH)の急増(サージ)で同調するとされる。成熟した卵胞は大きさの順にF1〜F5と並び、最大のF1が毎日のLHサージで排卵する、という整理がある[6]。

整理すると、受精は雛への発生に必要なもので、産卵の必要条件ではない[1]。

3. たまごは、どうやって できあがるの?

3. 卵管の中で、約1日かけて卵になる

3. 卵管での卵形成 ── 5つの部位と24〜25時間

からだの なかに、ながい くだの ような ところが あります。「らんかん」です。たまごの もとは、ここを ゆっくり すすみます。

すすむ あいだに、しろみが ついて、うすい かわが ついて、さいごに かたい から が できあがります[4]。ぜんぶで 24〜25 じかんくらい かかります。

たとえば、こうじょうの ベルトコンベアーを おもいだして ください。ながれる うちに、すこしずつ ぶひんが ついて、さいごに できあがります。ただし ほんとうは、ひとが ならべるのでは なく、にわとりの からだが ぜんぶ じぶんで やって います。

この じかんが かかる ので、1 にちに 1こより おおくは うめません。まいにち うむとは かぎらず、すうじつ うんだ あと、やすむ ことも あります。

排卵された卵黄は、卵管に入り、そこを約24〜25時間かけて進みます。その間に、卵白、卵殻膜、卵殻がつぎつぎに作られて、完全な卵になって産まれます[4]。

卵管は、卵漏斗、輸卵管部、峡部、殻腺、腟の5つの部分に分かれている、と説明されています[5]。工場のベルトコンベアーのように、部分ごとに違う仕事を受け持つ、と想像すると分かりやすくなります。ただし実際は、ニワトリの体が自分でやっていることです。

排卵から産卵まで約24〜25時間かかるので、1日に1個より多くは産めません。毎日産むとは限らず、数日続けて産んで1〜3日休む周期もあります[4]。

成熟した卵胞(卵黄)は卵管に排卵され、約24〜25時間かけて通過する間に、卵白・卵殻膜・卵殻が付加されて完全な卵として産卵される。排卵から産卵までこれだけかかるため、1日に1個を超えては産めない。毎日産むとは限らず、数日連続して産み、1〜3日休む周期もあるという[4]。

卵管は卵漏斗・輸卵管部・峡部・殻腺・腟の5部位に分かれ、無精卵も卵巣と卵管の機能にもとづいて産出される[5]。どの部位で何が付加されるかの細目は、今回の資料では確認できていない。

4. ゆうせいらんと むせいらんは、なにが ちがうの?

4. 有精卵と無精卵 ── 雛になるかどうか

4. 有精卵と無精卵 ── 胚の大きさと発生

おんどりと こうびを して、たまごが じゅせいして うまれた ものを「ゆうせいらん」と いいます。ちょうどよく あたためると、ひよこに なる ことが あります。めすだけで うんだ たまごは「むせいらん」で、あたためても ひよこには なりません[1]。

わって みると、どちらも きみの うえに、しろい わっかが あります。ゆうせいらんの ほうが、この わっかが すこし おおきく、はっきり して います[1]。

ぱっと 見た だけでは、ほとんど おなじ たまごなのです。

メスだけで産んだ卵が無精卵で、温めても雛になりません。オスと交尾して受精した卵は有精卵で、適切に温めると雛になることがあります[1]。

有精卵では、黄身の上にある直径3〜4mmの白い輪(胚)が、無精卵より大きくはっきりしています[1]。ただし無精卵にも白い点はあるので、「無い」わけではありません。

有精卵を温めると、10日目ごろに血管ができ始めると紹介されています[1]。オスが必要になるのは、この「雛になる」ところからです。

雌のみで産んだ卵は無精卵で、温めても孵化しない。雄との交尾で受精した有精卵は、適切に孵卵すると雛になることがある[1]。

有精卵では、黄身の上にある直径3〜4mmの白い輪状の胚が無精卵より大きく明瞭で、孵卵10日目頃には血管が形成され始める[1]。無精卵にも胚盤(白い点)自体は存在するため、「無い」と書くのは誤りである。

5. どうして まいにち うめるように なったの?

5. 毎日産む体は、人が選んで作ってきた

5. 産卵数の増加 ── セキショクヤケイから採卵鶏へ

いまの にわとりの ごせんぞは、「せきしょくやけい」という のの とりだと かんがえられて います[4]。

この とりは、1ねんに うむ たまごが、かなり すくないと いう せつめいが あります[8]。いまの にわとりは、1 わが 1ねんに 280〜300こくらい うむと いわれます[7]。

むかしから ひとが、たくさん うむ めすを えらんで こどもを のこし、えさや すまいも ととのえて きました。その ちがいが、まいにち うむ からだに つながった と いわれて います。

今のニワトリの祖先は、野生の鶏のうちセキショクヤケイ(赤色野鶏)だと考えられています[4]。大昔に人に飼われるようになった、と考えられています[9]。

ニワトリ1羽は、1年に平均約300個(農林水産省)[7]、採卵用の種類では約280個(農研機構)とされ、出典で少しずつ違います。この記事では「約280〜300個」と幅で書きます。生後約150日ごろから産み始めます[7]。

野生のセキショクヤケイは、春に4〜6個ほどとする解説が一つあります[8]。別の解説では年10個程度ともされ、数字が割れているので、ここでは「ずっと少ない」とだけ受け取ります。毎日産む体質は、人が多く産む個体を選んで交配してきたこと(品種改良)に加え、飼育環境も関わっている、とされています。

現在のニワトリの祖先は、野生鶏4種のうちセキショクヤケイと考えられている[4]。人に飼われるようになった時期や場所は諸説あり、ここでは年代を断定しない[9]。

産卵数は、農林水産省では1羽1年に平均約300個[7]、農研機構ではレイヤー(採卵鶏)で約280個とされ、出典で異なる。以降は幅で扱う。産み始めは生後約150日頃である[7]。

野生のセキショクヤケイの産卵数は、春に4〜6個とする解説、年10個前後とする解説があり割れる[8]。そのため、野生種の産卵数は家禽より少ないとされる、と言える範囲である。毎日産む体質は、多産の個体を選んで交配した品種改良に加え、飼育環境も関わるとする解説記事に基づく。

自分でも しらべて みたく なったら

自分でも調べてみたくなったら

自分でも調べてみたくなったら

今日できること

たまごを 1こ、おうちの ひとと いっしょに わって みましょう。きみの うえに、しろい わっかが あるか、さがして みます。わったあとは、てを あらいます。

出かけてできること

おみせで たまごの パックの ひょうじを 見て みましょう。「ゆうせいらん」と かかれた ものが あるか、さがして みます。

こうしきの 情報じょうほう

のうけんきこうの おかざきの ページや、のうりんすいさんしょうの「こども そうだん」に、たまごの はなしが あります。

今日できること

卵を1個、大人と一緒に割って、黄身の上の白い輪を探してみてください。割ったあとは手を洗います。輪の大きさや形を、スケッチしても面白いです。

出かけてできること

お店の卵のパックの表示を見て、「有精卵」と書かれたものがあるか探してみてください。値段や説明の違いも、調べる手がかりになります。

公式情報

農研機構の岡崎のページや、農林水産省の「こども相談」に、卵とニワトリの解説があります。

今日できること

卵を割って、黄身の上の白い輪(胚盤)を観察し、大きさや形を記録する。有精卵と無精卵で、輪の見え方にどんな違いがあるかを、出典[1]の記述と照らして考えてみる。割ったあとは手を洗う。

出かけてできること

店頭の卵パックの表示を見て、「有精卵」の表示があるか、産地や産卵日の表記がどうなっているかを比べる。

公式情報

農研機構 岡崎・農林水産省こども相談・大学の普及機関の資料を読む。野生種の産卵数については、一次資料(論文)を探してみる価値がある。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

今回は、有精卵と無精卵・卵管での形成・産卵数は公的機関の資料を中心に突き合わせた。排卵の言い換えは企業の解説、野生種の産卵数は解説記事によるもので、一次資料は未確認。

  1. 農研機構 岡崎「有精卵と無精卵」 https://www.nlbc.go.jp/okazaki/tamahiyoniwa/tamago/yuseiran-museiran.html (無精卵と有精卵の違い)
  2. 鶏三和「なぜメス鶏はオス鶏がいなくても産卵できるの?」 https://www.3030.co.jp/trivia/no38/ (産卵が排卵にあたるという説明)
  3. University of Wisconsin Extension, Life Cycle of a Laying Hen https://livestock.extension.wisc.edu/articles/life-cycle-of-a-laying-hen/ (排卵の周期)
  4. 農研機構 岡崎「ニワトリについてのQ&A」 https://www.nlbc.go.jp/okazaki/tamahiyoniwa/niwatori/qa-tori.html (卵管での形成・祖先)
  5. 広島大学 生物圏科学研究科 ニワトリの生殖 https://www.anat.hiroshima-u.ac.jp/tori.html (卵管の5部位)
  6. PMC8225051 (hen ovulatory cycle) https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC8225051/ (排卵周期とLH)
  7. 農林水産省 こども相談「にわとりは1年間に卵を何個産みますか」 https://www.maff.go.jp/j/heya/kodomo_sodan/0006/22.html (年間の産卵数)
  8. せいかつ生き物図鑑 ニワトリ https://seikatsu-zukan.online/niwatori2/ (野生種の産卵数の目安)
  9. Wikipedia: Red junglefowl https://en.wikipedia.org/wiki/Red_junglefowl (家畜化の時期)

なおした ところ

更新履歴

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