1. どうして ふっくら するの?
1. 銅板に落とすと、すぐ2倍にふくらむ
1. 1店の銅板で見える、約2倍と約1分
どらやきの かわの もとに なるのは、たまごと さとうと こむぎこ、そして すこしの みずです。あさくさの ある おみせでは、これを まぜて こして、くうきを ふくませて います[4]。
その きじを あつい どうばんに おとすと、すぐに 2ばいくらいの たかさに なります。やきすぎは よくないと いわれます[4]。
おうちで つくる レシピでは、「じゅうそう」と いう こなも つかいます。これが ふくらむ ひみつの ひとつです。
2. おうちでは、いつ うらがえすの?
2. 家で焼くときの合図は、表面の小さな泡
2. 家庭用レシピの手順 ── 泡立てと、気泡が出たら裏返すという合図
おうちで つくる レシピの いちれいを みて みましょう。こむぎこ 60g、じゅうそう 小さじ 4ぶんの 1、たまご 1こ、さとう 50g、みず 大さじ 3 です[5]。
たまごと さとうは、おゆで あたためながら あわだてます。そこへ こなを くわえて、こなっぽさが なくなるまで まぜます。
はばが 7〜8センチに なるように フライパンへ ながして、よわびで やきます。うえの めんに プツプツと あわが でて きたら、うらがえす あいずです[5]。
3. じゅうそうの なかで、なにが おきるの?
3. 重曹は、熱を受けるとガスを出す
3. 重曹の熱分解とベーキングパウダーの違い
じゅうそうは、あたためると 「にさんかたんそ」と いう ガスを だします。この ガスが きじの なかで ちいさな あわに なり、かわを ふくらませます[6]。
パンや ホットケーキの ようなものにも、この ガスの はたらきが つかわれて います。
「ベーキングパウダー」は、じゅうそうに すっぱい なかまを くわえた ものです。ふくらませる もとは、やはり ガスです[7]。
重曹(炭酸水素ナトリウム)は、加熱すると炭酸ナトリウムと水と二酸化炭素に分解します。この二酸化炭素が生地の中で小さな気泡になり、生地をふくらませます。パンケーキやどら焼きが、用途の例として挙げられています[6]。
ただし、分解が進む温度は粉のままか水に溶けているかなど、条件で変わるといわれます。そのため「何度でふくらむ」とは言い切れません[6]。
ベーキングパウダーは、重曹に酸性の材料などを加えたものです。ふくらむ元は同じ炭酸ガスです。重曹だけだと、分解で残る炭酸ナトリウムが刺激のある苦味を出しますが、酸性の材料で中和されると味がなくなります[7]。
重曹(炭酸水素ナトリウム)は加熱により炭酸ナトリウム、水、二酸化炭素に分解し、この二酸化炭素が生地を多孔質にして、ふっくらさせる[6]。パンケーキやどら焼きが用途に挙がる。
分解の温度には幅がある。固体のままか水溶液かで進みやすさが変わるといわれ、焼き台の温度だけで「何度でふくらむ」と断定することはできない[6]。つまり、生地の水分や粉との混ざり方も条件になる。
ベーキングパウダーは、重曹に酸性剤などを加えたもので、ふくらむ元はやはり炭酸ガスだ。重曹の分解で残る炭酸ナトリウムはアルカリ性で刺激のある苦味を示すが、酸性剤で中和されると無味になる[7]。重曹は味への影響を、膨らませ方の裏返しとして抱えている、とも読める。
4. こんがり いろは、どうして つくの?
4. こんがりした色は、焦げとは別の反応
4. メイラード反応と焦げの区別 ── 焼き色の正体
やけた かわは、きいろい きじから ちゃいろに かわります。これは、さとうや たんぱくしつが あつくなって おきる ふしぎな はんのうの おかげです[8]。
この はんのうは 「メイラードはんのう」と よばれます。こげて まっくろに なるのとは、べつの ことです。
うらがえす まえに すこし のぞいて みる おうちも あるでしょう。いろの ついた ところが、いい かおりの もとです。
5. おなじ ざいりょうなのに、おみせで ちがうのは?
5. 同じ卵・砂糖・粉でも、店ごとに皮が違う
5. 配合と焼き方の差 ── 三同割、蜂蜜・みりん・黒糖、裏返しの時機
かわの ざいりょうは、おもに こむぎこ、たまご、さとうです。おみせに よっては、はちみつや みりんを いれて、かおりを よくしたり、しっとり させたり します[3]。
こくとうと はちみつを つかう おみせも あります。はちみつを いれて、こがした キャラメルのように こうばしく やく おみせも あります[4]。
ある おみせは、きじが かたまりきる ちょっと まえに うらがえすのが だいじだと かんがえて います[4]。たべくらべると、ちがいが わかりそうです。
6. ホットケーキと、どらやきは にているの?
6. 「どら焼き」の名前と形は、どう変わってきたのか
6. ホットケーキの影響と、名前・形の諸説
いまの ふっくらした かわは、ようしょくの ホットケーキの えいきょうを つよく うけたと いわれます。1950ねんだいごろまでは、ふたつが よく まちがえられたそうです[1]。
「どらやき」と いう なまえは、かたちが がっきの 「銅鑼」に にて いるから、と いう せつが ゆうりょくです[1]。ほかにも いくつか せつが あります。
むかしは、かわを 1まいだけ おって、あんを のぞかせる かたちでした。いまのように 2まいで はさんで まるく する かたちは、めいじごろに はじまったと いう はなしも あります[2]。
今のふっくらした皮は、西洋のホットケーキの影響を強く受けたとされ、1950年代ごろまでは、どら焼きとホットケーキがよく混同されたといいます。近畿では今のどら焼きを「三笠」などと呼ぶことも多いそうです[1]。
名前の由来は、菓子の形を打楽器の銅鑼に見立てたという説が有力です。銅鑼を鉄板代わりに焼いたという別の説もあります[1]。
江戸時代は、1枚の皮を折ってあんをのぞかせる形だったといわれます。2枚で丸く挟む今の形は、明治初期に日本橋の梅花亭の森田清兵衛が作ったとする説や、1914年に上野のうさぎやが生んだ編笠焼きが始まりだとする説があり、起源は一つに決まっていません[2]。
今のふっくらした皮は、西洋のホットケーキの影響を強く受けたとされ、1950年代ごろまでどら焼きとホットケーキはよく混同された。近畿では今のどら焼きを「三笠」「三笠焼き」「三笠山」などと呼ぶことが多い[1]。
名は、形を打楽器の銅鑼に見立てたという説が有力で、銅鑼を鉄板代わりにして焼いた、という別の説も伝わる[1]。
形については、江戸時代には1枚の皮を折ってあんをのぞかせる形だったとされる。2枚で挟む丸い形は、明治初期に日本橋大伝馬町の梅花亭の森田清兵衛が初めて作ったとする説、1914年に上野黒門町のうさぎやで編笠焼きが創作され今日のどら焼きができたとする説が、岡田哲『たべもの起源事典』をもとに紹介されている[2]。いずれも一説で、断定はできない。
7. かわに はさむ あんは、なにから できて いるの?
7. 皮にはさむ、小豆のあんの4つの種類
7. あんの分類 ── つぶあん・こしあん・つぶしあん・小倉あん
どらやきに はさむ あんは、小豆から つくります。あんには、おおきく 4しゅるい あります[9]。
つぶが のこった 「つぶあん」、なめらかな 「こしあん」、つぶあんを つぶして たいた 「つぶしあん」、そして こしあんに 「大納言」と いう おおきな あずきを まぜた 「小倉あん」です[9]。
あずきは、せんいや ポリフェノールが ゆたかで、つくられる りょうは ほっかいどうが ずばぬけて おおいそうです[9]。
8. つぎは、なにを みて みる?
8. 次に食べるときに、確かめてみること
8. 皮を観察して、資料と照らす
どらやきを たべる まえに、かわを よく みて みましょう。きれた ところに、ちいさな あなが たくさん あるでしょうか。おもてと うらで、いろの こさは ちがうでしょうか。
ホットケーキを うらがえす ときも、プツプツと あわが でる ところを みて みると、おもしろいです。ひを つかう ときは、かならず おうちの ひとと いっしょに しましょう。
買ったどら焼きがあれば、食べる前に皮を観察してみましょう。割った面に細かい穴が見えるか、表と裏で色の濃さは同じか、皮から蜂蜜や黒糖のような香りがするか。見えたことを、この記事に出てくる店のちがいと比べてみてください。
ホットケーキを焼く機会があれば、気泡が出る様子も見られます。火やフライパンを使うときは、必ず家の人と一緒にしましょう。
別の日にもう一度、家のどら焼きの皮を見比べてみるのもおすすめです。焼きたてに近い日と時間がたった日で、しっとり感や穴の見え方は変わるでしょうか。
身近な観察として、買ったどら焼きの割った面と、表裏の色の濃さを見る方法がある。穴の大きさや色の差が、配合や裏返しの時機の差に結びつくかは、1つのどら焼きだけでは分からない。複数の店のものを並べると、資料の記述と照らせる。
日を変えて同じどら焼きの皮をもう一度見比べると、しっとり感や穴の見え方の変化も観察できる。
しらべた もとの じょうほう
参考にした情報源
参考にした情報源と、その使い方
どら焼きの作り方について、次の資料を使いました。Wikipediaは一般向けの要約のため、店や企業の記述は各資料で確認しています。
- Wikipedia「どら焼き」 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%A9%E3%82%89%E7%84%BC%E3%81%8D (名前の由来、ホットケーキとの関係、三同割)
- 和楽「どら焼きの由来」 https://intojapanwaraku.com/gourmet/31477/ (形の変化と梅花亭・うさぎやの説)
- jeepe.jp「どら焼きの由来とアレンジ」 https://www.jeepe.jp/ja/articles/dorayaki-origin-arrangements-1558 (皮の材料と工夫)
- Discover Japan「東京どら焼き5番勝負」 https://discoverjapan-web.com/article/1459 (亀十などの店の配合と焼き方)
- 明治「クリームどら焼き」レシピ https://www.meiji.co.jp/meiji-shokuiku/shokuikurecipe/recipe/0199.html (家庭用レシピの一例)
- Wikipedia「重曹」 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%87%8D%E6%9B%B9 (加熱で出るガス、分解の温度)
- Wikipedia「ベーキングパウダー」 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%83%BC%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%91%E3%82%A6%E3%83%80%E3%83%BC (重曹との違い)
- Wikipedia「メイラード反応」 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%82%A4%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%83%89%E5%8F%8D%E5%BF%9C (焼き色と焦げの区別)
- 農林水産省 aff 2024年3月号「あずきのスイーツ」 https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/2403/spe1_04.html (あんの4種類)
なおした ところ
更新履歴
更新履歴(改版の記録)
- 初版を公開。
このサイトでは、公開した記事の本文は原則として書き直しません。誤りが見つかったときや、内容が古くなったときだけ手を入れ、その理由をこの欄に残します。