1. きりんの したは、どれくらい ながいの?
1. 定規より長い舌は、何のためにあるのか
1. 舌の長さ ── 45〜50cmという幅と、「葉を取るため」という説明
きりんの 舌の ながさは、45センチから 50センチ ほどと いわれます[1]。30センチの ものさしを 1ぽん おいても、まだ たりません。
しりょうに よって、45センチほどとも、50センチほどとも かかれて います。だから この きじでは、「45から 50センチ ほど」と かきます[3]。
この ながい 舌は、たかい ところや、とげの あいだの はを とるのに やくだつと せつめいされて います[1]。ただし、「だから ながく なった」と はっきり しめした けんきゅうは、しょうかい されて いません。
長さは何のため?
この長い舌は、高い所の葉に届き、とげの間にある葉も舌や唇を使って取るのに役立つと説明されています[1]。日本語の資料にも、高い所の葉を舌で巻き取るようにして口に運ぶ、という記述があります[3]。
45cmか、50cmか
動物保護団体の資料は、キリンの舌を45〜50cmと説明しています[1]。日本語の百科事典では約45cmに達するとされ[3]、科学雑誌の記事では約50cmとされています[2]。資料によって数字が少し違うため、この記事では「45〜50cmほど」と幅をつけて書きます。
一方で、舌が長く進化した理由を直接調べた研究は、今回の資料には見当たりませんでした。「役立つ」ことと、「そのために長くなった」ことは別の話なので、後者は言い切りません。
この長さは、何に役立つのか。解説では、高い所の葉に届かせ、とげの間にある葉も舌や唇を使って取るための道具として説明される[1]。日本語の資料も、舌で葉を巻き取って口へ運ぶ採食を記している[3]。
長さの数字は、動物保護団体の解説では45〜50cm[1]、日本語の百科事典では約45cm[3]、科学雑誌の記事では約50cm[2]と、資料によって幅がある。本稿では「45〜50cm」とする。
ただし注意が要る。これは「現在の使われ方」の説明であり、舌が長くなった進化の過程を直接検証した研究を、今回の資料は含まない。「役立つ」という事実から「そのために長くなった」という因果までは、資料からは言えない。次の章では、この舌が実際にどう動くのかを見る。
2. とげだらけの えだから、はだけを とれるのは なぜ?
2. 舌と唇の連係プレーで、葉だけを取る
2. 採食のしかた ── 枝に巻きつけ、とげを残して葉を取る
きりんが すきな あかしあの えだには、とげが たくさん あります。さわったら いたそうです。
きりんは、舌を とげと とげの あいだに のばして、えだに くるっと まきつけます。そのまま ひっぱると、とげは えだに のこって、はだけが とれます[1]。
舌は、まるで 手のように つかわれて いるのです。
ひゃっかじてんには、舌と 唇を つかって、とげを よけながら たべると かいて あります[3]。
舌が手のように働く
動物保護団体の解説では、キリンはとげの間に舌を伸ばして枝を巻き取り、とげを残して葉だけをはぎ取ります。舌は「手のように」働くと表現されています[1]。
唇も一緒に使う
日本語の百科事典(ウィキペディア)では、キリンは柔軟な唇と合わせて、枝のとげを避けながら食べると説明されています[3]。アカシアのようにとげのある植物は、舌や唇でより分けて食べるとも紹介されています[4]。
手と指を使って、とげのあるばらの枝から花びらだけをつまむ場面を想像すると、近いかもしれません。キリンの場合、その役目を舌と唇が受け持っていることになります。
キリンの採食は、舌の長さだけでなく、その動かし方に特徴がある。動物保護団体の解説によれば、舌をとげの間に伸ばして枝に巻きつけ、とげを残して葉だけをはぎ取る。この働きは「手のよう」と形容される[1]。
日本語の百科事典(ウィキペディア)は、これに柔軟な唇の働きを加える。舌と唇で、枝のとげを避けながら採食できるという説明である[3]。アカシアなどのとげのある植物を、舌や唇でより分けて食べるとも紹介されている[4]。
つまり「長い」だけでは足りず、「巻きつけて引く」「唇と協力して選ぶ」という動きが合わさって、はじめて葉だけを取る行動になる。ただし、これらは行動の記述であり、とげが当たる頻度や避けられる割合までは分からない。
3. とげが ささったり しないの?
3. ザラッとした舌の表面と、口の中のしくみ
3. 舌の表面 ── 乳頭の形と、「装甲」という解説の位置づけ
どうぶつえんで きりんに えさを あげた 人は、舌に さわると、おもったより ザラッと して いたと つたえて います[4]。
ある かいせつでは、舌の ひょうめんは、ちいさな ぶつぶつ(にゅうとう)で おおわれて いて、とげが ささりにくく なる、よろいのような やくわりを すると せつめいされて います[1]。
ひゃっかじてんでは、くちの なかで、ねばねばした つばで たべものを つつんで、のみこむと せつめいされて います[3]。
ただし、この ぶつぶつが どれだけ ささるのを ふせぐのかは、これから しらべる ことです。
ザラッとした感触
動物園での体験を紹介した日本語の記事には、キリンの舌にふれると、想像以上にザラッとしていたと書かれています[4]。
厚みのある突起
解説では、舌の表面は「乳頭」と呼ばれる小さな突起におおわれ、それが厚みをもつことで、刺さりにくくする装甲のような役目をする、と解説されています[1]。ただし「装甲」は解説の言い方です。乳頭がどれだけ刺さりを防ぐのかは、これから確かめられる話です。
口の中では
日本語の百科事典(ウィキペディア)では、口の中でねばりけのある唾液で食べ物をおおい、溝のある口蓋(口の天井)で押しつぶして飲みこむと説明されています[3]。
キリンの舌は、実際にふれるとザラッとした感触だと、動物園でのえさやり体験の紹介記事は伝える[4]。では、その表面はどうなっているのか。
動物保護団体の解説は、舌の表面が厚みのある乳頭(にゅうとう、小さな突起)でおおわれ、突き刺さりを防ぐ「装甲」のような役目をすると解説する[1]。この「装甲」は解説の比喩であり、防御効果を実証した結果ではない。効果の大きさは別の問いである。
形態の面では、走査電子顕微鏡による観察報告がある。成獣1頭を調べた報告(Emuraら, 2013)によると、舌の先の糸状乳頭は細い円錐形と太い円錐形からなり、舌の場所によって乳頭の形が異なる[5]。ただしこれは形の記載であり、機能についての結論ではない。また1頭の観察であり、キリン全体に一般化はできない。
日本語の百科事典(ウィキペディア)によれば、口の中では粘着性の唾液で食物をおおったうえで、溝のある口蓋で押しつぶして飲みこむ[3]。唾液がとげから口を守るのかは、今回の資料からは言い切れない。
4. したの さきは、なぜ くろっぽいの?
4. 先は黒く、根もとはピンク ── 色の理由は定説がない
4. 舌の色 ── メラニンと日焼け防止説、「定説とまでは言えない」現状
きりんの 舌の 先の ほうは、あおぐろい、むらさきがかった くろに 見えます。くちの なかに しまわれる 根もとは、ピンクいろです[2]。
どうして くろいのでしょう。ゆうりょくな かんがえは、「こい いろの 色素が、おひさまの 紫外線から 舌を まもって、ひやけを ふせぐ」と いうものです[1]。
きりんは、舌を そとに のばして はを とります。ひなたに でる ことが おおいから、と かんがえられて います。
ただし、「これで きまり」とは いえません。はっきりした せつめいは、まだ ない と かいて ある しりょうも あります[2]。
先は黒く、根もとはピンク
キリンの舌は、青黒い、紫がかった黒、ほとんど黒など、見え方に幅があります。口の中にしまわれる根もとは、ピンク色です[2]。外に出る部分だけが濃い色をしていることになります。
有力な説:日焼け止めのような色素
最も有力とされる説は、濃い色素(メラニン)が太陽の紫外線から舌を守り、日焼けを防ぐ、というものです[1]。舌を外に伸ばして長い時間葉を取るため、日光に当たりやすいからだ、という考え方です。
定説ではない
ただし、この説は「100%受け入れられているわけではない」とされ[1]、科学雑誌の記事も、確定した説明はまだないと書いています[2]。有力な説と、確かめられた事実は区別して読む必要があります。
キリンの舌の外に出る部分は、青黒い、紫がかった黒など、濃い色をしている。一方、口の中にしまわれる根もとはピンク色である[2]。この色の差が、問いの手がかりになる。
有力とされる説明は、濃いメラニン色素が紫外線から舌を守り、日焼けを防ぐというものである。日光にさらされる時間が長い部分だけが濃い色であることは、この説と整合的に見える[1]。
しかし資料の側は慎重である。動物保護団体の解説自体が、この説を「100%受け入れられているわけではない」とし[1]、科学雑誌の記事も、確定した説明はまだないと述べる[2]。
したがって、日焼け防止は「有力な仮説」であり、「確定した事実」ではない。仮説を事実の形で書いた資料を見たら、元の資料に当たって言い方を確かめる価値がある。
5. この したの はなしで、まだ わからない ことは?
5. わかっていることと、まだ分からないこと
5. 確かな点と仮説の境目 ── この題材で残る問い
ここまでを、「わかって いる こと」と「まだ わからない こと」に わけて みましょう。
わかって いる こと。舌は 45から 50センチ ほど あります。えだに まきつけて、はだけを とります[1]。
まだ わからない こと。なぜ こんなに ながく なったのか、なぜ くろいのか。どちらも、「そうかもしれない」と いう せつめいは ありますが、これで きまりと いえる けんきゅうは、しょうかい されて いません。
わからない ことが のこって いるのは、これから しらべる 人が いる ということでも あります。
ここまでの整理
確かな点は、舌が45〜50cmほどあること、そしてとげの間に伸ばし、枝に巻きつけて葉だけをはぎ取る使い方がされていることです[1]。
説明にとどまる点は二つあります。一つは長さの理由で、「高い所やとげの間の葉を取るのに役立つ」という説明はあっても、進化の過程を直接検証した研究は紹介されていません。もう一つは色の理由で、日焼け防止説が有力でも、定説とまでは言えません[1][2]。
こう読むと見えてくる
「キリンの舌は日焼け止めのために黒い」と書かれたものを見たら、「考えられている」と書かれているか、確かめてみてください。同じ事実でも、言い方の強さが資料ごとに違うことがあります。
ここまでの内容を、確かな点と仮説に分けて整理する。
資料から言える点は、舌の長さが約45〜50cmと記されていること、先が濃い色で根もとがピンクであること、とげの間に伸ばして枝に巻きつけ、葉だけをはぎ取る使い方があることである[1][2]。
仮説の段階にある点は二つある。第一に長さの理由である。「高い所やとげの間の葉を取るのに役立つ」という説明はあるが、長く進化した過程を直接検証した研究は紹介されていない。第二に色の理由で、日焼け防止説が有力でも定説ではなく[1][2]。
なお、舌の乳頭の形を電子顕微鏡で調べた報告は存在する[5]。ただし1頭の観察であり、形の記載にとどまる。長さ・色・表面の構造は、それぞれ別の問いとして残されている。
6. どうぶつえんで、きりんの したを 見るなら
6. 動物園でキリンを見るなら、ここを見てみよう
6. 観察と原典 ── 日本語で読める資料から
おうちで できる ことが あります。30センチの ものさしを、ひじから てのひらまで あてて みましょう。ものさしの 先から、まだ ずっと さきまで 舌が のびる ことが わかります。
どうぶつえんで きりんを 見る ときは、舌が どう うごくか、見て みましょう。えだに まきついて いるか、いろは どうか、さきと 根もとで ちがうか。
えさやりが できる どうぶつえんでは、かかりの 人の いう ことを まもって、ゆっくり やりましょう。
家でできること
30cmの定規を、ひじから手のひらに当ててみてください。舌の長さは、それよりずっと先まで届きます。手のひらの先に、さらに定規の半分以上が続く長さです。
動物園でできること
キリンが木の枝を食べる場面があれば、舌がどう動くかを見てみましょう。枝に巻きつくか、唇が何をしているか、舌の色は先と根もとで違うか。見えたことを書き留めると、記事の内容と照らし合わせられます。えさやりの体験があるときは、飼育員さんの案内に従ってください。
もっと調べるなら
舌を主題にした日本語の資料はまだ少なく、乳頭の形は日本の研究者による報告[5]が出発点になります。色の理由は、これからの研究で変わるかもしれません。
しらべた もとの じょうほう
参考にした情報源
参考にした情報源と、その使い方
出典について:動物保護団体の解説、科学雑誌の記事、百科事典、動物園の体験記事、日本の研究者による論文を使った。何に使ったかは、それぞれの項目の最後に書いた。
- Giraffe Conservation Foundation “How long is a giraffe's tongue? What color is it?” https://giraffeconservation.org/facts-about-giraffe/how-long-is-a-giraffes-tongue-what-color-is-it/ (舌の長さ、手のような使い方、乳頭、日焼け防止説の位置づけ)
- Science Focus “Why do giraffes have purple tongues?” https://www.sciencefocus.com/nature/why-do-giraffes-have-purple-tongues (舌の色、先と根もとの違い、確定した説明がない点)
- ウィキペディア「キリン」。https://ja.wikipedia.org/wiki/キリン (舌の長さの別の数字、唇との連係、唾液と口蓋)
- るるぶKids「キリン」の紹介記事。https://kids.rurubu.jp/article/141006/ (舌にふれた感触、とげのある植物の食べ方)
- Emura et al. 2013, Okajimas Folia Anatomica Japonica 89(4):99-103. https://www.jstage.jst.go.jp/article/ofaj/89/4/89_99/_article (舌の表面の乳頭の形の観察報告)
なおした ところ
更新履歴
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