1. 1930ねんの 麦畑から、なにが 出て きたの?
1. 1930年、麦畑を掘ると何が出てきたのか
1. 麦畑の地下2.4mの巣は、野生の巣穴として例外的に深い
1930ねん、シリアの アレッポと いう まちの ちかくで、学者の ちょうさたいが 麦畑を ほりました。畑の 持ち主の 長に たのんで、ほって もらったと つたえられて います[4]。
出て きたのは、きれいに ととのえた 巣と、ハムスターの お母さん、それに 子ども 11ひきでした。巣は、地面の 下 2メートル 40センチほどの ところに ありました[3]。
ここで 分かる ことが あります。ハムスターは、畑や 草原の 地面の 下に 穴を ほって、そこで くらす 生きものです。いまの ゴールデンハムスターは、この 一家の なかまから ふえたと いわれて います[3]。
野生の ハムスターは、そもそも どんな 土地に すんで いるのでしょう。
学者たちが掘り当てた、母親と子11匹
1930年、ヘブライ大学のイスラエル・アハロニの調査隊が、シリアのアレッポの近くにいました。麦畑の持ち主である地元の長に頼んで畑を掘り返したところ、母親と子11匹のいる巣が見つかったと報じられています[4]。
巣はきれいに整えられており、深さは約8フィート、つまり約2.4mだったとアハロニ自身が回想しています[3]。
ケージの中の巣箱は、地下の部屋だった
この一家の子孫が、いまのゴールデンハムスターの祖先になりました[3]。つまり、ケージの中に置く巣箱は、もとは畑の地面の下にあった部屋にあたります。では、野生のハムスターはそもそもどんな土地で暮らしているのでしょうか。
1930年、ヘブライ大学の動物学者イスラエル・アハロニの調査隊は、シリアのアレッポ近くにいた。麦畑の持ち主である地元の長に頼んで畑を掘り返したところ、母親と子11匹のいる巣が見つかったと報じられている[4]。アハロニの回想によれば、巣はよく整えられ、深さは約8フィート(約2.4m)だった[3]。
ここで注意したいのは、この2.4mが典型的な深さではないことである。のちにシリア北部で行われた野外調査では、構造を調べた23個の巣穴の深さは36〜106cm、平均は65cmだった[2]。2.4mは、この平均のおよそ3.7倍にあたる。そのため、1930年の巣は、ハムスターが掘りうる深さの一例と読むのが妥当で、「野生の巣穴は何メートルも深い」と一般化はできない。
なお、この発見の経緯は回想や報道にもとづく二次的な記述である。ただ、ケージの巣箱が、もとは畑の地下の部屋だったという点は、野外調査の記述とも合う。それでは、そもそも野生のハムスターはどんな土地に暮らすのか。
2. 野生の ハムスターは、どんな 土地に いるの?
2. ゴールデンハムスターが暮らすのは、どんな土地か
2. 乾いた草原と畑にすみ、分布はごく狭い範囲に限られる
ゴールデンハムスターが 野生で くらして いるのは、シリアの きたと トルコの みなみに またがる、とても せまい 地いきだと されて います[1]。
そこは、かわいた 草原と、麦や 豆の 畑が ひろがる 土地です[2]。しらべた 巣穴の 多くは、畑の 中で 見つかりました。とくに 豆を そだてて いる 畑が 多かったそうです[2]。
水の 多い 森では なく、からりと した 土地の 地面の 下に、ハムスターは 家を つくる のです。
いまは、野生の ゴールデンハムスターは 数が 少なく、絶滅の おそれが あると する 資料も あります[5]。畑が ふえて、すむ 場所が へった ことが 理由と されて います。
では、その 地面の 下は、どんな つくりに なって いるのでしょう。
シリア北部とトルコ南部の、せまい地域
ゴールデンハムスターの野生の分布は、シリア北部とトルコ南部にまたがるアレッポ高原のあたりに限られます[1]。ペットとして世界中にいるのとは対照的に、野生では、ごく狭い地域にしかいません。
乾いた草原と、畑の下
すんでいるのは、石灰岩の上に砂まじりの粘土がのった、乾いた草原や耕作地で、標高はおよそ280〜650mです[2]。野外調査では、見つかった巣穴の多くが農地にあり、とくにマメ類の畑が目立ちました[2]。1930年の発見が麦畑だったのも、畑が野生のハムスターのすみかになっていたからだと考えられます。
野生の数は少なく、国際自然保護連合(IUCN)の近年の評価では「絶滅危惧」とされる、という記述があります[5]。農地が広がって生息地が減ったことと、駆除が理由として挙げられています。畑が住みかであるぶん、畑の変化の影響を受けやすいのでしょう。
ゴールデンハムスターの野生での分布は、シリア北部とトルコ南部にまたがるアレッポ高原周辺のごく狭い地域に限られる[1]。ペットとして世界中で飼われているのとは対照的である。
生息環境は、石灰岩の上に砂まじりの粘土がのった、標高およそ280〜650mの乾いた草原と耕作地である[2]。野外調査で見つかった巣穴の多くは農地、とくにマメ類の畑にあった[2]。日本の辞典も、ハムスター類を、乾燥した草原や砂丘、砂漠の周辺に単独ですみ、地中のトンネルに巣室を持つ動物と説明している[7]。そのため、1930年に麦畑の下から巣が見つかったのは、畑が草原の代わりの住みかになっていたためと読める。
この結びつきは、数の減り方にも関わる。Wikipediaによると、IUCNの近年の評価(2022年)は「絶滅危惧」で、古い資料は「危急」としており、資料によってカテゴリが異なる。減少の理由は農地化による生息地の減少と駆除とされる[5]。では、その畑の地下は、どんな構造になっているのか。
3. 地面の 下の 家は、どんな つくりなの?
3. 巣穴は、どのくらい深く、どんな部屋があるのか
3. 巣穴は入口から垂直に下り、深さの平均は65cm。調査ではおとなが複数いる巣穴はなかった
シリアの 畑で しらべた 巣穴の ふかさは、36センチから 106センチまで ありました。平均は 65センチで、30センチの ものさしを 2本 たてに つなげた ながさより すこし ふかいくらいです[2]。
入口から、まっすぐ 下に むかって 穴が のびます[2]。入口の はばは 4〜5センチ。ハムスターの 体が やっと とおれる 大きさです[1]。
いちばん おくには、まるい 部屋が あります。はば 10〜20センチで、かわいた 草などで、ふかふかの 巣を つくります[1]。
部屋から 先へ のびる 道の うち、行きどまりの 1本は、トイレに つかわれて いるらしいと されて います[1]。ねる ところと トイレを べつに して いるのかも しれません。
しらべた 巣穴で、おとなが 2ひき いる ところは ありませんでした[2]。ハムスターは、ひとりで くらす 生きものなのです。
そんな 巣穴で、ハムスターは 1日を どう すごすのでしょう。
入口から垂直に下りる、単純なつくり
シリア北部の野外調査では、構造を調べた23個の巣穴の深さは36〜106cmで、平均は65cmでした[2]。入口はひとつで、そこから垂直に下りる単純なつくりです。穴の入口の直径は4〜5cmほどです[1]。
1930年の「約2.4m」は、この平均のおよそ3.7倍です。典型ではなく、深い例だったと言えます。
奥の丸い巣室と、行きどまりの道
奥には直径10〜20cmの丸い巣室があり、乾いた植物で巣をつくります。巣室から枝分かれする道のうち、短い行きどまりの1本は、トイレに使われているらしいとされています[1]。
調べた巣穴のうち、おとなが複数いたものはありませんでした[2]。野生のゴールデンは、1匹ずつ自分の巣穴を持つ、単独生活の動物です。
では、この巣穴を、ハムスターは昼と夜のどちらに使っているのでしょうか。
シリア北部で地図にした30の巣穴のうち、構造を調べた23個の深さは36〜106cm、平均65cmだった。入口は1つで、そこから垂直に下りる単純な構造をとる。居住中の巣穴に、おとなが複数いたものはなかった[2]。坑道全体の長さは平均でおよそ2m、最大で9mと報告されている点も、「深い」より「横に長い」ことを示す。
入口の直径は4〜5cm、奥の球形の巣室は直径10〜20cmで、乾いた植物で巣がつくられる。巣室から分かれる短い行きどまりの道は、排尿に使われると推定されている[1]。推定であって、観察で確定した事実ではない点に注意したい。
以上から、野生のゴールデンの巣穴は、深さよりも、1匹が暮らすための小さな完結した空間だと言える。単独で暮らすという習性は、動物の解説サイトが「単独性で縄張り意識が強い」と述べる点とも合う[8]。では、この巣穴の主は、昼と夜のどちらに外へ出るのか。
4. ハムスターは、昼に 出かけるの? 夜に 出かけるの?
4. 野生のハムスターは、昼と夜のどちらに活動するのか
4. 実験室では夜行性だが、野外の雌はほぼ昼間に活動していた
ペットの ハムスターは、夜に よく 走りますね。それで、夜に 活動する 生きものと 言われます。
ところが、トルコで 2008ねんに 行った しらべでは、野生の めすの ハムスターは、ほとんど 昼間に 外に 出て いました[6]。
ただし、見られた ハムスターの 数は 多く ありません。べつの 資料には、夕方から 夜に かけて 動くと 書いて あります[8]。野生の 1日は、まだ はっきり 分かって いない 部分が あります。
はっきり して いる ことも あります。ハムスターは ほおぶくろに 種や 麦などを つめて、巣穴に はこび、ためて おきます[7]。巣穴は、ねる 場所で あると 同時に、食べものを しまう ところでも あるのです。
では、ゴールデンの ほかに、どんな ハムスターが いるのでしょう。
夜行性と言われるが、野外では昼間に動いていた
実験室のゴールデンハムスターは夜行性です。ところが、2008年にトルコで行われた野外調査では、野生の雌はほとんど昼間に活動していたと報告されました[6]。ケージの中の習性が、そのまま野生にあてはまるとは限らないことを示す例です。
ただ、この調査は野外で観察できた個体が限られており、「野生は昼行性」と言い切ることはできません。動物の解説サイトには、昼は巣穴で過ごし、夕方に起きて夜のうちに食べ物を集めると書かれています[8]。資料によって食いちがうのが、いまの状況です。
巣穴は、食べ物の倉庫でもある
ほおぶくろに種や穀物をたくさんつめこんで巣穴に運び、ためておく習性は、国内の辞典にも載っています[7]。巣穴は寝る場所であり、食料をしまう倉庫でもあるわけです。
ゴールデンハムスターは実験室では夜行性だが、2008年にトルコで行われた野外調査では、野生の雌がほぼ昼間に活動していたと報告された[6]。ケージの中の習性は、そのまま野生には当てはまらない可能性がある。
ただし、この結果から「野生は昼行性」とは言えない。調べられたのは野外の雌で、観察数も限られる。別の資料では、昼は巣穴で過ごし、夕方に起きて夜のあいだに食べ物を集めると書かれており[8]、資料によって記述が分かれる。
活動時間が不確かでも、巣穴の役割は比較的はっきりしている。ほお袋に種や穀物をつめて巣穴に運び、貯蔵する習性が知られている[7]。草や種が乏しい時期にも、巣穴に蓄えがあれば食べ物を確保しやすいと考えられるが、貯蔵量の実測値は資料にない。では、ゴールデン以外のハムスターは、どんな巣穴を掘るのか。
5. ジャンガリアンや ロボロフスキーは、どこに いるの?
5. 小型のハムスターは、どんな巣穴で暮らすのか
5. 小型種は広い草原や砂漠にすみ、ジャンガリアンは冬に入口をふさいで保温する
ペットの お店では、ゴールデンの ほかに、ジャンガリアンや ロボロフスキーも 見かけます。この 2しゅるいは、ゴールデンより ずっと 小さな ハムスターです。
ジャンガリアンの 野生の すみかは、カザフスタンや モンゴル、シベリアなどの、ひろい 草原です[9]。穴の 深さは 1メートルほどで、入口が 6つ ある ことが 多いと されます[9]。冬には 入口を 1つだけ のこして ふさぎ、毛などを しいて、あたたかく して おくそうです[9]。
野生の ジャンガリアンは、冬が ちかづくと、こい 色の 毛が 白い 毛に ほとんど かわって、雪の 上で 目立ちにくく なると いわれます[9]。ケージで かう ときは、ふつう 白く なりません。
ロボロフスキーは、すなが ふかふかの、すなばかりの 土地に すみ、いちばん 深い ところで 1メートル 80センチほど ほる ことが あると されます[10]。体は 6センチ くらいで、重さは 16グラムほどです[10]。
こうして 見ると、野生の すみかは、なかまごとに ちがいます。ところで、ケージの ハムスターは、そもそも だれの 血を ひいて いるのでしょう。
ジャンガリアン:入口が6つ、冬は1つだけ残す
ジャンガリアンハムスター(英名ではウィンターホワイト)は、カザフスタンやモンゴル、シベリアなどのステップや半砂漠、麦畑にすみます。深さおよそ1mの地下トンネルを掘り、入口はふつう6つあるとされます。冬は入口を1つ残してふさぎ、毛などを敷いて巣の中を保温します[9]。
野生では冬に近づくと毛が白くなり、雪の上で目立ちにくくなるといわれます。飼育下では人工の照明のためふつう変わりません[9]。
ロボロフスキー:砂漠の急なトンネル
ロボロフスキーハムスターは、カザフスタンやモンゴル、中国の砂漠の、やわらかい砂と草のまばらな土地にすみます。深さ最大でおよそ1.8mの急なトンネルを掘ります[10]。体長は6cmほど、体重は16gほどの小さな動物です。
この小型種の巣穴の数字は、一般に使える資料が限られています。目安として読んでください。
ジャンガリアンハムスター(Phodopus sungorus)は、カザフスタン・モンゴル・シベリアなどのステップや半砂漠、麦畑にすむ。深さ約1mの地下トンネルを掘り、入口はふつう6つで、冬は入口を1つ残してふさぎ、毛などで巣の中を保温する[9]。入口をふさぐのは、巣の中の暖かさを保つためと考えられる。
この種は、野生では冬が近づくと濃い毛がほぼ白い毛に入れかわり、雪の上で目立ちにくくなるとされる。飼育下では人工の照明のため、ふつうは変わらない[9]。飼育下で変わらない理由は、人工の照明のためとされる。
ロボロフスキーハムスターは、カザフスタン・モンゴル・中国の砂漠の、やわらかい砂と草のまばらな土地にすみ、最大で約1.8m(6フィート)の急なトンネルを掘るとされる。体長約6cm、体重約16gである[10]。
ただし、この2種の数値は、英語版Wikipediaにもとづいており、論文や図鑑との突き合わせが十分でない。「とされる」の範囲で読むのがよい。ここまでで、種ごとの住みかのちがいが見えた。では、ケージの中のゴールデンは、野生のどの血筋とつながっているのか。
6. ケージの ハムスターは、どこから 来た ハムスターなの?
6. ケージのゴールデンは、どの野生の個体につながるのか
6. 飼育下のゴールデンは、1930年の少数の個体に由来する可能性が高い
1930ねんに 見つかった 子どもたちは、はこを かじって にげ出す など して、数が へって しまいました。のこった 3〜4ひきが 子どもを うみ、1年ほどで 150ひきくらいの むれに なったと つたえられて います[3]。
ミトコンドリアDNAと いう ものを しらべた けんきゅうでは、かわれて いる ゴールデンハムスターの もとは、1930ねんに つかまった 1ぴきの めすの かのうせいが 高いと されます[5]。ほかに、1971ねんに シリアから アメリカへ はこばれた なかまも います[5]。
野生の ゴールデンを 見た 学者の たんけんは、3回しか ないと いう 話も あります。さいごは 1999ねんです[11]。このときの ハムスターは ドイツに おくられ、あたらしい むれの もとに なりました[11]。
かわれて いる ゴールデンの もとは、畑の 下の ひと家族だったのです。
残ったのは、たった3〜4匹
1930年に捕らえられた子たちは、箱をかじって逃げるなどして数が減り、最後に残った3〜4匹(資料によって数と性別が異なります)が繁殖したとされます。約1年で150匹ほどの群れになり、実験動物として各地に広がりました[3]。
1匹の雌につながる可能性
ミトコンドリアDNAの研究では、飼育されているゴールデンハムスターは、1930年にシリアで捕らえられた1匹の雌に由来する可能性が高いとされます。ただし、1971年にシリアから米国へ輸出された別の系統もあります[5]。ジャンガリアンなど、別の種のペットは、これとは系統が別です。
野生を見た探検は、数えるほど
野生のゴールデンを科学者が観察した探検は3回にとどまり、最後は1999年だと伝えられています。1997年と1999年の調査で捕まえた個体はドイツに送られ、新しい繁殖群のもとになりました[11]。のちに新しい記録の論文も出ているため、この回数は現在変わっているかもしれません。
1930年に捕獲された子たちは、箱をかじって逃げるなどして数が減り、最後に残った3〜4匹(資料により数と性別が異なる)が繁殖した。約1年で約150匹の群れとなり、実験動物として各地に広がった[3]。
ミトコンドリアDNAの研究では、飼育下のゴールデンハムスターは、1930年にシリアで捕獲された1匹の雌に由来する可能性が高いとされる。別に、1971年にシリアから米国へ輸出された系統もある[5]。つまり、現在ペットや実験用で見られるゴールデンは、野生のごく少数の血筋に集中している。ここでいう「ハムスター」はゴールデンの話であり、ジャンガリアンなど別種は系統が異なる。
野生のゴールデンは稀少で、科学者が野外で観察した探検は3回にとどまり、最後は1999年とされる。1997年と1999年の調査で捕獲された個体はドイツに送られ、新しい繁殖群のもとになった[11]。ただし「3回」は一つのブログの記述で、のちに分布の南の新記録を報告した論文もあるため、現在の回数は変わりうる。
一方で、野生の暮らしの具体的な数値(巣穴の深さ、活動時間)は、調査例が限られる。一つの研究や一つの回想を、全体の姿として扱うのは避けたい。ペットが畑の地下の巣穴にいた一家の子孫だとすれば、ケージの観察は、野生の暮らしを想像する手がかりになる。
7. 家の ハムスターの 行動を 見て みよう
7. 飼っているハムスターの行動から、野生を想像してみる
7. 飼育下の行動と、野外調査をつなげて読む
ハムスターを かって いる 人は、巣箱の 中を ちょっと のぞいて みましょう。かわいた 草や ぬのを あつめて、巣を つくって いますか。
ほおぶくろに ひまわりの 種などを つめて、巣箱の 中へ はこぶ ことも あります。野生で 巣穴に 食べものを ためる 行動と 同じだと 考えられます。
ハムスターを かって いない 人は、お店や 学校で 見かけた ときに、どこで ねて いるか 見て みましょう。ただし、むりに さわったり、おこしたり しないで ください。
ハムスターを飼っている人は、巣箱の中や、ケージの隅を観察してみてください。乾いた草や紙を集めて巣をつくっていますか。ほおぶくろに餌をつめて、巣箱に運び込んでいますか。それは、野生の巣穴で、巣室をつくり食べ物をためる行動につながっていると考えられます。
飼っていない人は、図書館で、ハムスターの飼い方の本を開くと、野生の暮らしとの共通点を探せます。本に載る習性が、野生の何に由来するのか、この記事の巣穴の話と並べて読むのも手がかりになります。
もう少し深く読みたいときは、野外調査の論文(Journal of Zoology に載った野生ゴールデンハムスターの分布と生態の報告[2])が、巣穴を実際に掘って測った数字を載せています。
飼育下の行動を、野外調査の記述に重ねて読むことができる。巣室に乾いた植物を集める、ほお袋に餌をつめて運ぶ、といった行動は、野生の巣穴での営巣・貯蔵に対応すると考えられる[1][7]。ただし、飼育個体の昼夜の行動は、野生の雌に見られた昼間の活動[6]とは違うので、そのまま野生に当てはめない。
資料としては、野外調査の原典(Journal of Zoology の野生ゴールデンハムスターの分布と生態[2])、2008年の活動時間の論文(Biology Letters)[6]、種ごとの解説(Handbook of the Mammals of the World 収録[1])が読める。巣穴の深さのように、調査地や個体数で変わる数値は、幅を持たせて受け取るのがよい。
しらべた もとの じょうほう
参考にした情報源
参考にした情報源と、その使い方
出典について:種の解説・野外調査の論文・百科事典・解説サイトを使った。何に使ったかは各項目の最後に書いている。小型種の数値は英語版Wikipediaのみにもとづく。
- Handbook of the Mammals of the World 種解説(Zenodo収録)。https://zenodo.org/records/6706450 (分布、巣穴と巣室の大きさについて)
- Notes on the current distribution and the ecology of wild golden hamsters (Mesocricetus auratus), Journal of Zoology。https://www.cambridge.org/core/journals/journal-of-zoology/article/notes-on-the-current-distribution-and-the-ecology-of-wild-golden-hamsters-mesocricetus-auratus/A57232691258B6DB389C66236CA330A0 (生息環境、巣穴の深さと構造について)
- Wikipedia「Domestication of the Syrian hamster」。https://en.wikipedia.org/wiki/Domestication_of_the_Syrian_hamster (1930年の発見と飼育個体の増え方について。補助として使用)
- National Geographic「Hamsters, Syria, Aleppo」。https://www.nationalgeographic.com/animals/article/hamsters-syria-aleppo-pets-animals (麦畑を掘って見つけた経緯について)
- Wikipedia「Golden hamster」。https://en.wikipedia.org/wiki/Golden_hamster (遺伝的な由来と保全の状況について。補助として使用)
- Gattermann et al. (2008) Golden hamsters are nocturnal in captivity but diurnal in nature, Biology Letters。https://refinementdatabase.org/publications/golden-hamsters-are-nocturnal-in-captivity-but-diurnal-in-nature (野外での活動時間について)
- コトバンク「ハムスター」(改訂新版 世界大百科事典)。https://kotobank.jp/word/%E3%83%8F%E3%83%A0%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC (生息環境と貯蔵の習性について)
- Animal Diversity Web「Mesocricetus auratus」(ミシガン大学)。https://animaldiversity.org/accounts/Mesocricetus_auratus/ (単独生活と一日のすごし方について)
- Wikipedia「Djungarian hamster」。https://en.wikipedia.org/wiki/Djungarian_hamster (ジャンガリアンの巣穴と冬毛について。補助として使用)
- Wikipedia「Roborovski hamster」。https://en.wikipedia.org/wiki/Roborovski_hamster (ロボロフスキーの住みかと巣穴について。補助として使用)
- The Nature Conservancy「Wild hamster: the intriguing story behind the household pet」。https://blog.nature.org/2020/01/29/wild-hamster-the-intriguing-story-behind-the-household-pet/ (野生での観察の少なさについて)
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