1. はちみつの 中身は、なにが 多いの?
1. ゆっくり落ちるはちみつは、水よりも糖がずっと多い
1. 糖約8割・水約2割 ── 規格が定める「水分20%以下」の意味
はちみつを スプーンで すくうと、ゆっくり、ゆっくり たれて きます。水の ように さっとは おちません。
中身を 見ると、いちばん 多いのは 水では ありません。さとうの なかまが 8わり ちかくで、水は 2わり いかです[1]。せかいの 食べ物の きまりの あんでは、ふつうの はちみつの 水は 2わり いかと して います[1]。
さとうが ぎゅうぎゅうに つまって、水が すくない。この ようすが、とろとろの もとです。では、水が 7わりも ある 花の みつは、どうやって はちみつに なるのでしょう。
朝のパンにはちみつをたらすと、スプーンの先から細い糸になって、ゆっくり落ちていきます。同じ量の水なら、あっという間に流れ落ちてしまいます。
はちみつの中身は、重さの8割前後が糖で、水は2割前後です。食品の国際規格(コーデックス)の改訂案は、ふつうのはちみつの水分を20%以下としています。ヒース(カルーナ)という花のはちみつだけは、23%以下です[1]。日本の税関の分類基準にも、天然はちみつの定義があります[2]。
糖の中心は果糖とぶどう糖で、この2つを合わせて100gあたり60g以上とする基準が、改訂案に書かれています[1]。水が少なく、糖がぎゅうぎゅうに詰まった液。これが、とろとろの正体です。では、水が7割もある花の蜜は、どうやってこの状態になるのでしょうか。
スプーンからはちみつがゆっくり落ちるのは、中身が水ではなく糖でほとんど占められているからである。食品の国際規格(コーデックス)の改訂案は、ふつうのはちみつの水分を20%以下、ヒース(カルーナ)のはちみつを23%以下と定める[1]。日本の税関の分類基準は、天然はちみつをしょ糖5%以下などの条件で定義している[2]。
糖の内訳を見ると、固形分のおよそ70〜85%が果糖とぶどう糖で、残りに麦芽糖、しょ糖、三糖類が少し含まれる[7]。この70〜85%は水を除いた固形分に対する割合で、全体の重さに対する割合ではない。全体では、水が2割弱から2割で、糖がおよそ8割という見積もりになる。研究で使われた一例では、水分は18.8%だった[7]。
ここで疑問が残る。花の蜜は、はちみつよりずっと水が多い。それを、誰が、どこで濃くしているのか。
2. ミツバチは、水を どうやって とばすの?
2. 水が7割の花の蜜を、ミツバチは舌と羽ばたきで濃くする
2. 蜜の脱水 ── 舌の上での蒸発、羽ばたき、酵素、ロウのふた
花の みつは、水が 7わりほどです。ほとんど 水の ようなので、さらさらです[3]。ミツバチは これを はちみつに する ために、水を とばします。
花の 上や、すへ もどる とちゅうで、みつを したの 上に 出したり のみこんだり、くりかえします[4]。小さな つぶに すると、水が とびやすく なります。すに つくと、なかまたちが はねを ふるわせて 風を おくります[3]。水が 2わりほどに なると、小さな へやに ロウで ふたを します[3]。
たとえば、水が 7わりの みつ 100グラムが、水 2わりの はちみつに なると します。さとうが ぜんぶ のこると 考えると、およそ 37グラムです。1グラムの はちみつの ために、みつを 3グラム ちかく あつめる けいさんに なります。
ただし これは めやすです。みつの 水の りょうは、花に よって ちがいます。
巣に着く前から、水は飛んでいる
花の蜜は、水がおよそ70%を占めています[3]。ミツバチは蜜を吸うと、花の上や巣に戻る途中で、蜜のしずくを舌の上に出したり飲みこんだりを繰り返します。研究者はこれを、個々のハチによる最初の蒸発だと説明します[4]。マカダミア畑の研究では、巣に着くまでに最初の水分の最大で約75%を失った例が報告されています[4]。
巣では、みんなで風を送る
巣の中では、ハチたちが羽ばたいて風を送り、水分を飛ばします[3]。この研究では、巣に保存する蜜は、糖が重さの80%を超えるまで濃くなっていました[4]。仕上がると、巣房にロウでふたをします[3]。
蜜をはちみつに変える働きは、水を飛ばすだけではありません。ミツバチが蜜を口から出し入れするたびに、転化酵素(インベルターゼ)が加わり、しょ糖がぶどう糖と果糖に分けられます[3]。
ここで検算してみます。水70%の蜜100gから、水20%のはちみつを作るとします。糖が全部残るとして、糖は30gなので、はちみつは30÷0.8=37.5g。蜜2.7gほどで、はちみつ1gという計算です。これは上限値ではなく目安で、蜜の水分は花によって違います。
花の蜜はおよそ70%が水である[3]。これを水分20%以下まで濃くするため、ミツバチは蜜を舌の上で出し入れして、薄い液の膜から水を蒸発させる。この「能動的な蒸発」のあとに、多数のハチの羽ばたきによる「受動的な蒸発」が続く[4]。
マカダミア畑での研究例では、濃くする作業は巣に戻る前から始まっていた。巣に着くまでに最初の水分の最大約75%(巣の入口では約81%)を失い、巣での保存には糖が重さの80%超になるまで濃くなった[4]。ただし、この数字はマカダミアの蜜での結果で、どの蜜でも同じとは限らない。
濃縮と並行して、化学的な変化も進む。蜜を吐き戻すたびに転化酵素(てんかこうそ、インベルターゼ)が加わり、しょ糖がぶどう糖と果糖に分解される[3]。仕上がった蜜は、ロウのふたで封じられる。はちみつの水分を、NC State大学の解説は18.6%未満と定義するが、規格の改訂案は20%以下であり、数字は出典の定義で幅がある[3][1]。
水70%の蜜100gから水20%のはちみつを作るとして、糖が残るなら糖は30gで、はちみつは30÷0.8=約37.5gである。蜜約2.7gが、はちみつ1gになる計算だ(目安)。では、水がたった数%減るだけで、なぜ粘り気が大きく変わるのか。
3. 水が 少ないと、どうして ねばるの?
3. 水は、糖どうしの間をすべりやすくしている
3. 水分と粘度 ── 水の可塑化効果と、ニュートン流体という性質
休み時間の ろうかを 思いうかべて ください。人が すくないと、すいすい あるけます。人が ぎゅうぎゅうだと、すすめません。
はちみつの 中でも、にた ことが おきて います。水が 多いと、さとうの つぶが うごきやすく、ながれやすく なります。水が すくないと、さとうの つぶが うごきにくく、ながれにくく なります。ただし ろうかの 人と ちがい、さとうと 水は とても 小さな つぶです。
研究を まとめた 文章では、水の りょうは、ねばりと はんたいに かわる いちばん 大事な ことの ひとつと されて います[5]。水が すくない はちみつほど、ねばねば するのです。
休み時間の廊下を思いうかべてください。人が少なければすいすい歩けますが、ぎゅうぎゅうに詰まると動けません。はちみつの中の糖も似ています。
はちみつの研究をまとめた論文は、水分量を「粘度と逆向きに変わる決定的な要因」と位置づけ、その理由を水が糖をやわらかく変形しやすくする効果(可塑化効果)に求めています[5]。水が少ないほど糖が動きにくくなり、粘り気が増えます。
ポーランド産のはちみつを調べた研究では、水分が質量比で0.146〜0.20(14.6〜20%)の範囲で、水分と粘度の関係が指数関数的だったと報告されています[6]。水が少し変わるだけで、粘度が大きく動く、ということです。
もうひとつ、この研究が示したことがあります。液体のはちみつは、かき混ぜる速さを変えても粘度が変わらない「ニュートン流体」でした[6]。ゆっくり傾けても、勢いよく傾けても、同じ粘り気、ということです。
粘度を左右する第一の要因は水分である。はちみつのレオロジー(流れの学問)を総説した論文は、水分量を「粘度と逆向きに変わる決定的な要因」とし、その背景を水の可塑化効果(かそか、糖をやわらかく変形しやすくする作用)と説明する[5]。
ポーランド産はちみつの実験が、数値を与える。水分0.146〜0.20(質量比)の範囲で、水分と粘度の間に指数関数的な関係があった[6]。指数関数的というのは、水分が一定量減るごとに、粘度が同じ倍率ずつ増えていく形、ということだ。
さらに、この実験の液体はちみつは、せん断速度(かき混ぜる速さ)によらず粘度が一定の「ニュートン流体」だった[6]。総説も、ほとんどのはちみつをニュートン流体とまとめる[5]。だから、傾ける勢いを変えても、粘り気の性質そのものは変わらない。
水分の次に、粘度をもっと強く動かす要因が一つある。何だろうか。
4. れいぞうこに 入れた はちみつは、どうなるの?
4. 水分より温度のほうが、粘り気を強く動かす
4. 温度の効き方 ── 指数関数的な変化と、低水分ほど敏感になること
つめたい はちみつを スプーンで すくうと、かたくて のびます。あたためると、さらさら ながれます。
ポーランドの はちみつを しらべた 研究で、しらべた はんいの 中では、ねばりに いちばん つよく きいた ものは、水の りょうより 温度でした[6]。あたたかいほど ながれやすく、つめたいほど ながれにくく なります。
ほかの 研究では、水が すくない はちみつほど、温度が かわった ときの ねばりの かわり方が 大きかったと 書かれて います[5]。つめたい ところに おくと、とくに かたくなるのです。
冷蔵庫から出したばかりのはちみつは、スプーンですくっても固くて、のびるように落ちます。台所に置いておくと、いつものとろとろに戻ります。同じはちみつなのに、何が変わったのでしょうか。
ポーランド産はちみつの研究では、この研究が調べた範囲の中では、温度が粘度にもっとも強く効くことが示されました。その範囲は、水分が14.6〜20%、温度が約−13〜57℃(260〜330K)です[6]。温度と粘度の間にも、指数関数的な関係がありました[6]。
ギリシャ産の例では、粘度は温度が低いほど、水分が少ないほど大きくなりました。しかも、水分が少ないはちみつほど温度変化に敏感でした[5]。さらさらに戻すにはぬるめにあたためる、というのは、研究の結果と合っています。ただし、これは液体の状態の話です。次に出てくる結晶化は、別の話になります。
水分が決定的な要因だとしても、温度の効き方はそれ以上に強い。ポーランド産はちみつの研究では、温度が粘度にもっとも大きく影響するパラメーターで、水分約14.6〜20%・温度約−13〜57℃(260〜330K)の範囲で、温度と粘度に指数関数的な関係が確認された[6]。
そのため、同じ水分でも、台所と冷蔵庫では別の液体のように見える。総説がまとめたギリシャ産の例では、粘度は温度が低く水分が少ないほど大きく、さらに低水分のはちみつほど温度変化に敏感だった[5]。つまり、水分が少ないはちみつを冷やすと、水分が多いものより大きく硬くなる。
もっとも、総説の表の粘度は単位がそろっていないため、ここでは数値そのものは使わない。確かなのは、向きと、強さの順序(この研究の範囲では、温度が最も強く、水分がそれに続く)である。では、同じ水分・同じ温度なら、どのはちみつも同じ粘り気なのか。
5. はちみつに よって、ねばり方は ちがうの?
5. 同じ水分でも、はちみつの種類で粘り気が違う
5. 糖の組成と流れ方 ── 甘露はちみつの高粘度と、力で流れやすくなる例
おなじ 水の りょうで、おなじ 温度でも、はちみつに よって ねばりが ちがう ことが あります。
まつや もみの 木から とれる「かんろ はちみつ」は、さとうが 2つ 3つ つながった なかまが 多く、おなじ 水の りょう・おなじ 温度で、いちばん ねばりが 強かったと 書かれて います[5]。
また、そばや マヌカ、ヒースなどの はちみつでは、スプーンで ぐっと かきまぜると ながれやすく なる ことが あります[5]。ふつうの はちみつとは ちがう ふるまいです。
同じ水分、同じ温度なら、はちみつの粘り気はどれも同じでしょうか。研究をまとめた論文では、答えは「そうとは限らない」です。
松やもみの甘露はちみつは、二糖や三糖(糖が2つ、3つつながった糖)が多く含まれ、同じ水分・同じ温度でもっとも粘度が高かったとされています[5]。ふつうの花のはちみつの中心である果糖やぶどう糖より、大きな糖が多いわけです。
流れ方そのものが違う例もあります。ほとんどのはちみつはニュートン流体ですが、ヒース、マヌカ、そば、一部のユーカリのはちみつなどは、力を加えると流れやすくなる性質を示すことがあるとまとめられています[5]。かき混ぜるとゆるむ、ということです。
同じ「はちみつ」でも、集めた花や条件で、中身も流れ方も変わります。とろとろの度合いは、水分と温度だけでは決まりません。
水分と温度が同じなら粘度も同じか。総説の整理は、そうではないと答える。松・もみの甘露はちみつは、二糖・三糖の濃度が高く、すべての水分・温度で最も高い粘度を示した[5]。果糖とぶどう糖が中心の花蜜はちみつ(固形分の70〜85%)と比べると[7]、糖の組成が粘度に効いていることが分かる。
流れ方も均一ではない。ほとんどのはちみつはニュートン流体とされるが、ヒース、マヌカ、そば、一部のユーカリでは、せん断で粘度が下がる、つまり力を加えると流れやすくなる挙動がみられることがある[5]。先のポーランド産の実験の「ニュートン流体」という結論[6]は、その実験で使ったはちみつと、液体の状態についての結論である。
粘度の議論には、もう一つ見逃せない性質がある。冷えたはちみつは、粘度が上がるだけでなく、白くにごってかたまることがある。これは流れの問題ではなく、糖が液体から固体へ移る別の現象である。
6. 白く かたまった はちみつは、なぜ できるの?
6. 白くかたまるのは、ぶどう糖が溶けきれなくなったから
6. 結晶化 ── ぶどう糖の過飽和と、13〜15.5℃付近で速まる条件
さむい 時期に、びんの そこが 白く ざらざら して いた ことは ありませんか。これは、さとうの つぶが できた すがたです。
はちみつの 中の ぶどうとうは、水に とけきれる りょうを こえて つまって います。ある 研究では、温度が 13度から 15度ほどの ところで、つぶが できる のが 早く なると 書かれて います。本に よって、この はんいは すこし ちがいます[7]。
おみせの せつめいでは、白く なっても ひんしつは かわらず、ゆせんで あたためると もとに もどる と いわれます[8]。
寒い季節に、はちみつの瓶の底が白くざらざらしていることがあります。これは、液体のはちみつの中で糖が固体になる「結晶化」です。
はちみつの結晶の主役は、ぶどう糖です。はちみつの中のぶどう糖は、溶けきれない量が詰まった「過飽和」の状態にあるためです[7]。温度が下がると糖の溶けられる量も減るので、結晶化が進みます。研究では、結晶化はおよそ13〜15.5℃で速まり、凍る温度では遅くなる、と報告されています[7]。結晶化の温度は資料により14〜16℃などゆれがあるため、固定の値とは考えないほうが安全です。
果糖は水によく溶け、ぶどう糖は低温で溶けきれず結晶になりやすいため、ぶどう糖の割合が高いはちみつほど固まりやすく、果糖の多いアカシアのはちみつは結晶しにくいといわれます。販売店の説明では、結晶しても品質に問題はなく、湯せんで戻せるとされています[8]。
はちみつは冷えると、液体のままでいるだけでなく、固体になりうる。結晶の主成分はぶどう糖である。はちみつは水分が約2割と少なく、ぶどう糖が溶けきれる量を超えた過飽和の状態にあるため、種になるものがあれば結晶が育つ[7]。
温度は2通りに効く。下がると糖の溶解度が下がるので、結晶化の駆動力は増す。一方、冷えすぎると粘度が上がって分子が動きにくくなり、結晶は育ちにくくなる。研究では、結晶化は約13〜15.5℃で加速し、凍る温度では遅れると報告された[7]。後者の理由づけは、ここまでの粘度の議論からの推測である。資料により14〜16℃などゆれがあり、固定値としては扱えない。
果糖は水によく溶け、ぶどう糖は低温で溶けきれず結晶になりやすいため、ぶどう糖の比が高いはちみつほど結晶化しやすく、果糖の多いアカシアのはちみつは固まりにくいと、販売店の解説は述べる[8]。ただしこれは販売店の説明であり、論文での確認には、先の総説・研究のデータを当たる必要がある。結晶しても品質に問題はなく、湯せんで戻せるという説明もある[8]。
7. 3つの おさらで、はちみつの はやさを くらべて みよう
7. 三つの小皿で、傾けたはちみつの進む速さを比べる
7. 小皿実験と、原典の読みどころ
つぎの ものを じゅんびします。同じ はちみつ、小さな おさら 3まい、おさらより くちが 小さい カップ、じょうぎ、ほん 1さつ、手で さわれる ぬるま水です。
おさら 3まいに、同じ りょうの はちみつを 入れます。1まいは れいぞうこに 30分、1まいは 台所、1まいは ぬるま水を 入れた カップの 上に のせて、あたためます。お湯は あつすぎると あぶないので、手で さわれる 温度に して、おとなと いっしょに やります。
ほんで おさらを すこし ななめに して、1分の あいだに はちみつが すすんだ きょりを じょうぎで はかります。どれが いちばん はやいでしょう。ぬるま水の ものが いちばん さらさらだと 思いますが、ほんとうに そう なるか、ためして みましょう。
家にあるもので、水分以外を同じにして温度だけを変える実験ができます。
用意するのは、同じはちみつ、小皿3枚、小皿より口の小さいカップ、定規、本1冊、手で触れるぬるま湯です。小皿3枚に同じ量のはちみつを入れ、1枚は冷蔵庫で30分、1枚は台所、1枚はぬるま湯を入れたカップの上にのせてあたためます。お湯は、熱すぎないものを、おうちの方といっしょに用意してください。
本を重ねて皿を同じ角度に傾け、1分間にはちみつの先がどれだけ進むかを定規で測ります。温度が高いほど速いはずです。順番が予想どおりかを確かめ、もし違う結果になったら、何が違ったのかを考えるのも面白いところです。
原典を読むなら、コーデックスの規格改訂案のページ(英語)に、水分や糖の基準が書かれています[1]。日本語では、税関の分類基準に、天然はちみつの定義が載っています[2]。
家で確かめるなら、同じはちみつ、小皿3枚、定規、本が1冊あればよい。皿3枚に同量のはちみつを入れ、冷蔵庫30分、台所、手で触れるぬるま湯を入れたカップの上の3条件にして、同じ角度に傾けたときに1分間で進む距離を測る。熱すぎるお湯は使わない。水分を変えずに温度だけを変えるので、温度の効果を単独で見られる。
ここまでに分かった順序を、実験の予想に使える。同じはちみつなら、温度が高い皿ほど進む距離が長いはずだ[5]。逆に、小皿の結果が予想とずれたとき、どの変数(水分、温度、糖の組成、結晶の有無)が違ったのかを考えられる。
原典の読みどころは三つある。一つ目は、コーデックス規格の改訂案ページ[1]で、水分20%以下、ヒース23%以下と、果糖・ぶどう糖の合計の基準が書かれている点(旧版は21%)。二つ目は、ポーランド産はちみつの粘度の論文[6]で、水分と温度の範囲が明記されている点。三つ目は、結晶化の論文[7]で、ぶどう糖の過飽和の議論がある点である。
しらべた もとの じょうほう
参考にした情報源
参考にした情報源と、その使い方
出典について:国際規格と税関の分類基準、研究論文、大学の解説、販売店の説明を使った。何に使ったかは、それぞれの項目の最後に書いている。
- FAO「Codex draft revised standard for honey」(コーデックス・はちみつ規格の改訂案)。https://www.fao.org/4/x4616e/x4616e0b.htm (水分・糖の基準について。改訂案のページ)
- 税関「関税分類例規 04.09項」。https://www.customs.go.jp/ccl_search/info_search/foodstuffs/r_57_04_j.pdf (日本での天然はちみつの定義について)
- NC State News「How do bees make honey?」(2013年)。https://news.ncsu.edu/2013/06/how-do-bees-make-honey (蜜の水分、羽ばたき、酵素、ロウのふたについて。大学の解説)
- Nicolson ら「Scientific Reports」(2022年)。https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC9519551 (舌の上での蒸発と、水分の減り方について。論文)
- Faustino・Pinheiro「Analytical Rheology of Honey」(Foods, 2021年)。https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC8391245 (水分・温度・糖の組成と粘度について。総説)
- Bakier「Influence of temperature and water content on the rheological properties of Polish honeys」。https://journal.pan.olsztyn.pl/INFLUENCE-OF-TEMPERATURE-AND-WATER-CONTENT-ON-THE-RHEOLOGICAL-PROPERTIES-OF-POLISH,97999,0,2.html (水分・温度と粘度の関係について。論文)
- Costa ら「Influence of temperature and homogenization on honey crystallization」(Braz. J. Food Technol., 2015年)。https://scielo.br/j/bjft/a/7pbFnb9zMrYsfJHQgXNGJYd/?lang=en (糖の組成と、結晶化の温度について。論文)
- はちみつ販売店の解説「結晶化」。https://www.sakura-honey.co.jp/cafe/crystallization/index.html (ぶどう糖と果糖の割合、湯せんで戻せることについて。販売店の解説)
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