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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

みえない くうきに おもさが ある ことは、どうやって わかったの?

空気は1平方メートルに約1万kg分もの力をかけている? 水銀・半球・山の実験で見えた空気の力

目に見えない空気の重さを、人はどう確かめたか:トリチェリの水銀柱、ゲーリケの半球、パスカルの山の実験

分野:自然

あなたの まわりの くうきは、1メートル×1メートルの いたの うえに、1万キロの おもりを のせたのと おなじ くらいの ちからで おして いるそうです。でも、いたは つぶれません。

やまの うえでは、すいぎんの はしらが ひくく なりました。ふもとに のこした くだは、かわりませんでした。

みえない くうきが、どうして そんなに おもいと わかったのでしょう。むかしの ひとが やった 3つの 実験じっけんで、その わけが わかります。

気象庁の説明によると、地球上の空気は、1平方メートルの板に約1万kgの重りを置いたのと同じ圧力で、ものを押しています。それなのに、机や私たちの体はつぶれません。山の上では水銀柱が低くなり、ふもとに残した管は変わりませんでした。目に見えない空気に、そんな重さがあるとは、どうやって分かったのでしょうか。

この記事では、水銀、2つの銅の半球、山の上という3つの実験を通して、空気の重さが「ものを支え、くっつけ、高さで変わる力」として確かめられた道すじが分かります。

気象庁は、地球上の空気が、1平方メートルの板に約1万kgの重りを置いたのと同じ圧力をかけていると説明している。しかも、その力は上下左右から同じようにはたらくため、机も人の体も、つぶれずにいる。山の上では水銀柱が低くなり、ふもとに残した管は変わらなかった。見えず、手ごたえもない気体に、なぜ「重さがある」と言えたのか。

この記事では、17世紀のトリチェリ、ゲーリケ、パスカルの3つの実験を、「空気を重さと力に置きかえて見えるようにした」という一本線で読み、空気の重さがどう確かめられ、その数値がどこまで言えるのかが分かる。

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1. いたの うえに 1万キロ、なのに なぜ つぶれないの?

1. 板の上に1万kg分の空気がのっているのに、なぜつぶれないのか

1. 1平方メートルに約1万kgの圧力:空気の「重さ」はどう言い表せるか

くうきを コップに とって はかっても、はかりは ほとんど うごきません。1リットルの くうきの おもさは、0度の ときで およそ 1.3グラム。1円玉 1まいが 1グラムですから、とても かるいのです。

でも、くうきは そらの たかい ところまで つもって います。その ぜんぶの おもさが、1メートル四方の いたの うえに かかると、1万キロの おもりと おなじ くらいの ちからに なると、きしょうちょうは せつめいして います。

それなのに、いたが つぶれないのは、いたの うえだけでなく、したがわや よこからも、まわりの くうきが おして いるからです。いたの うえから おす ちからと、したから おし かえす ちからが つりあうので、いたは うえにも したにも うごきません。わたしたちの からだも、なかから おしかえす ちからが あるので、そとの くうきの ちからと つりあって います。

では、この「くうきの おもさ」を、むかしの ひとは どうやって めに みえる ものに したのでしょう。

空気を1リットル集めて量っても、はかりはほとんど動きません。辞典には、乾燥した空気1リットルの重さは、0℃・1気圧のとき1.293gとあります[1]。1円玉1枚が1gですから、ごく軽いものです。ただし、温度や気圧が変わると密度も変わるので、この数字は条件つきの値です。

ところが、空気は空の高いところまで積み重なっています。その全体の重さが板にかかると、気象庁の説明では、約1万kgの重りを1平方メートルの板に置いたのと同じ圧力になります[2]。気圧の単位でいえば、1気圧は水銀柱760mmに相当し、1013.25hPaで、1平方センチメートルあたり約1kg重にあたります[3]。1平方メートルは1万平方センチメートルなので、1kg重×1万で約1万kgという数字は、たしかに合います。

それでも机がつぶれないのは、空気があらゆる方向から押すため、机は下からも押し返されて、上下の力が差し引きゼロになるからです。体も、中から外へ押し返す力があるので、外の空気の力とつり合っています[2]。

見えないうえに、ぶつかっても感じない空気の重さを、昔の人はどうやって目に見えるものにしたのでしょう。最初の手がかりは、1本のガラス管でした。

空気1リットルの重さを量っても、はかりはほとんど動かない。デジタル大辞泉は、乾燥空気1リットルの重さを0℃・1気圧で1.293gとし、体積比で窒素78.09%、酸素20.95%、アルゴン0.93%、二酸化炭素0.03%ほかからなるとする[1]。1円玉1枚と同程度の軽さだが、これは温度と気圧を決めた値で、条件が変われば密度も変わる。

ところが、この軽い気体が大気圏の高さにわたって積み重なると、板にかかる圧力は大きくなる。気象庁は、約1万kgの重りを1平方メートルの板に置いたのと同じ圧力と説明する[2]。これを気圧の単位で検算してみる。1気圧は水銀柱760mmに相当し、1013.25hPaである。地上にかかる大気の重さは1平方センチメートルあたり約1kg重に相当する(正確には約1.033kg重で、約1kg重は丸めた値。場所と季節で変わり、上空ほど小さい)[3]。1平方メートルは1万平方センチメートルなので、約1万kgという数字は、この「1平方センチメートルあたり約1kg重」を単純に1万倍したものと整合する。

では、これほどの力を受けているのに、机や体がつぶれないのはなぜか。空気は上からだけでなく、あらゆる方向から押す。そのため机は下からも押し返され、上下の力は差し引きゼロになる。体も、内部から外へ押し返す力があり、外の空気の力とつり合っている[2]。逆にいえば、片側の空気を取り除けば、押されている力が突然むき出しになるはずだ。見えない空気の重さを、実際に取り出して見せたのが、最初の実験である。

2. ガラスの くだの すいぎんは、なぜ とちゅうで とまったの?

2. トリチェリの水銀柱:ガラス管の中で水銀が途中で止まった理由

2. 1643年のトリチェリ:水銀が約76cmで止まることは、何を意味したか

1643ねんごろ、イタリアの トリチェリは、1メートルほどの ガラスの くだに、おもい えきたい「すいぎん」を いっぱいに いれました。そして、すいぎんの はいった うつわに、くだを さかさに たてました。

すると、すいぎんは すこし さがって、くだの なかで とまりました。たかさは、うつわの すいぎんの めんから、およそ 76センチ。くだの うえの ほうには、なにも ない くうかんが できました。

なぜ、すいぎんは すべて おちないのでしょう。トリチェリは、うつわの すいぎんの めんを、まわりの くうきが おして いて、その ちからと、くだの なかの すいぎんの おもさが、つりあって いると かんがえました。

つまり、くうきの おもさが、すいぎんを ささえて いたのです。

1643年ごろ、イタリアの物理学者トリチェリは、長さ約1mのガラス管に水銀を満たし、水銀を入れた容器に逆さに立てました。すると水銀は少し下がって、容器の水銀面から約76cmのところで止まり、管の上には何もない空間ができました[5]。この76cmは、1気圧が水銀柱760mmに相当するという辞典の数字とも合います[3]。この実験は、気象庁によれば、気圧が初めて観測された例とされています[4]。

水銀が全部落ちないのは、容器の水銀の面を空気が押していて、その力と、管の中の水銀自身の重さがつり合う高さで止まるからです[4]。つまり、空気の重さが水銀を支えていた、という説明です。

水銀は水のおよそ13倍重いので、同じ重さを支える水の柱なら、およそ13倍高くなります。トリチェリの伝記では、海面での大気の重さは約10mの水の柱に等しい、と説明されます。0.76m×13で約10mという数字は、確かに合います[5]。トリチェリはこの考えから、私たちは「空気の海」の底で暮らしている、と言ったと伝えられています。

では、この「空気に押される力」は、水銀のような液体だけでなく、固いものにもはたらくのでしょうか。それをはっきり見せたのが、ドイツの市長でした。

1643年(資料により1644年とする例もあり、ここでは気象庁の1643年に従う)、イタリアの物理学者トリチェリは、長さ約1mのガラス管に水銀を満たし、水銀を入れた容器の中に逆さに立てた。管の水銀は少し下がり、容器の液面から約76cmの高さで止まった。止まった位置より上には、真空(空気も何もない空間)ができる[5]。この76cmは、1気圧が水銀柱760mmに相当するという辞典の数字とも合う[3]。

気象庁の仙台管区気象台は、これを次のように説明する。大気に押された容器の水銀が管を上り、自分の重さとつり合ったところで止まる[4]。ここが、この実験の核心である。管の上の空間には空気がなく、水銀を押し下げるものがないと考えられる。そうなら、水銀を支えているのは、容器の面を押す外の空気の重さだと説明できる。この見立てが正しいかどうかは、次の実験で確かめられる。

数字を水で置きかえて、検算する。水銀の密度は水の約13倍なので、同じ大気の重さを支える水の柱は、水銀柱の約13倍の高さになる。0.76m×13で約10mとなり、これは海面での大気の重さが約10mの水の柱に等しいという説明と合う[5]。トリチェリが「空気の海の底に住んでいる」と考えたという表現は、このことを指している。

ただし、この実験だけでは、「管の上の空間には本当に何もないのか」「水銀を支えているのは空気の重さなのか、別の力なのか」と疑う余地は残る。見えない空気の力が、固いものに対してもはたらくことを、もっと目立つ形で示したのが、次の実験である。

3. からっぽの はんきゅうは、なぜ うまが ひいても はなれないの?

3. ゲーリケの半球:空気を抜いた銅の球は、なぜ馬でも引き離せなかったのか

3. ゲーリケの半球実験:真空にした銅の半球が示した、空気の押す力

それから 十ねんほど たった 1654ねん、ドイツの ゲーリケは、2つの 銅どうの はんきゅうを あわせて、なかの くうきを ぬきました。ゲーリケは マクデブルクという まちの 市長でした。

すると、はんきゅうは ぴったり くっつきました。うまに ひかせても はなれません。ようやく はなれた とき、まわりの くうきが いっきに はいって、おおきな 音が ひびいたと いわれて います。

うまの かずは、しりょうに よって ちがいます。「たくさんの うまが ひいても」と おぼえて おけば じゅうぶんです。

はんきゅうは、のりも ねじも つかって いません。そとからの くうきが、ぐいぐい おして いただけです。なかの くうきを ぬいたので、うちがわからは ほとんど おして いません。さっきの いたの おはなしと くらべると、おす ちからが うち消しあわない と、こんなに つよく なるのです。

1654年、ドイツのマクデブルクの市長だったゲーリケは、2つの銅の半球を合わせ、中の空気を抜く実験をしました。外の空気の圧力で半球は離れず、馬に引かせてもなかなか離れません。ようやく離れたとき、外の空気が一気に入って大きな音が響いたとされています[6]。

1672年に出た著書『新しい実験』には、2つの銅の半球の空気を抜くと、周りの空気の圧力で固く合わさり、2組の馬でも引き離せなかったと説明されています[7]。馬の数は、資料によって16頭から30頭ほどまで幅があるため、ここでは書きません。実験の場所も、資料により都市がちがいます。

板の話を思い出してください。ふつうの空気の中では、押す力が内側と外側で打ち消し合います。半球は、中の空気を抜いたので、外から押す力だけが残りました。これは、空気に重さがあり、私たちが空気の圧力のもとで暮らしていることを、目に見える形で示したと説明されます[6]。

ゲーリケはこのとき、ピストンと弁を使った空気ポンプも作りました。これは世界初の真空ポンプとされています[7]。

では、「空気の重さが水銀を支えている」という考えは、本当に正しいのでしょうか。それを、山の上で確かめようとした人がいました。

1654年(資料により実験の場所が異なる)、マクデブルク市長だったゲーリケは、2つの銅の半球を合わせて中の空気を抜く実験を行った。外の空気の圧力で半球は離れず、馬に引かせても離れにくかった。ようやく離れたとき、外の空気が一気に入って大きな音が響いたとされる[6]。

1672年に刊行された『Experimenta nova』は、2つの銅の半球の空気を抜くと、周囲の空気の圧力で固く合わさり、2組の馬でも引き離せなかったと記している[7]。なお、馬の数は資料により16頭、24頭、30頭とばらつく(日本語の資料は「各8頭」の16頭と書く例が多い)。実験の年や場所も複数の年・都市で行われたとされ、数字は資料ごとに異なるため、ここでは頭数を確定しない。

この実験が示すものは、第1章の話と対応している。ふつうは、空気が上からも下からも押すので、上下の力はつり合って差し引きゼロになる。ところが、半球の中の空気を抜くと、内側から押し返す力がほとんどなくなり、外から押す力だけが残る。気圧が約1kg重/平方センチメートルなら、半球の合わせ目の円の面積に、その分の力がかかる計算になる(半球の直径は資料により約35.5cmから約50cmまで幅があり、ここでは力の大きさは計算しない)。

ゲーリケは、ピストンと弁を備えた空気ポンプを作り、これは世界初の真空ポンプとされている[7]。この実験で分かるのは、「空気が押す」ことであって、押す力の大きさが高さによって変わるかどうかは、まだ分かっていない。それを山の上で確かめる実験が、次に来る。

4. やまに のぼると、すいぎんは どうなるの?

4. パスカルの山の実験:高い所では、水銀柱は低くなるのか

4. 1648年のピュイ・ド・ドーム山:水銀柱の高さが山で下がるという検証

つぎは フランスの パスカルが かんがえました。「くうきの おもさが すいぎんを ささえて いるなら、たかい 山の うえでは、うえに ある くうきが すくないぶん、すいぎんは ひくく なるはず」。

1648ねん 9がつ 19にち、パスカルに たのまれて、ぎりの おにいさんの ペリエが 山に のぼりました。ペリエは、まちの しゅうどういんと、ピュイ・ド・ドーム山の てっぺんで、トリチェリの じっけんを しました。

すると、山の うえでは、すいぎんの たかさが ひくく なりました。およそ 8センチも さがったと いう しりょうが あります。ふもとに のこした おなじ くだは、かわりませんでした。

こうして、すいぎんを ささえて いるのは、うえに ある くうきの おもさだと、たしかめられたのです。

パスカルは、「空気の重さが水銀を支えているなら、高い所ほど上にある空気が少ないので、水銀柱は低くなるはずだ」と考えたと伝えられています[8]。もしこの考えがまちがっているなら、山の上でも水銀の高さは変わらないはずです。

1648年9月19日、パスカルの依頼で、義兄のペリエが、クレルモンの修道院とピュイ・ド・ドーム山の山頂で、トリチェリの実験を行いました。結果は、山頂では水銀柱が低くなったというものです。下がった量は、およそ8cm前後(資料により約7.6cmから8.5cm)、山の高さもおよそ1500mと、資料により幅があります[8]。ふもとに残した同じ管の水銀は、変わりませんでした。

この結果は、水銀を支えているのが空気の重さだという考えを裏づけました。辞典も、気圧は場所や季節で変わり、上空ほど小さくなると説明しています[3]。

見えなかった空気は、水銀の高さ、半球のくっつき方、山での変化という、3つの「目に見えるもの」に姿を変えました。では、それを自分でも確かめるには、どうすればよいでしょうか。

パスカルは、トリチェリの説明が正しければ、高い所では水銀柱が低くなるはずだと考えたと伝えられる。水銀を支えているのが空気の重さなら、山の上では、その上に残る空気が少なくなるからである。この予想は、はずれる可能性のある「検証」であり、ただの観察ではなかった[8]。

1648年9月19日、パスカルの依頼で義兄のペリエが、クレルモンの修道院とピュイ・ド・ドーム山の山頂で、トリチェリの実験を行った。山頂では水銀柱が低くなり、ふもとに残した比較用の管は変化しなかった。下がった量は、英語の資料では約3インチ(約7.6cm)、日本語の資料では約8.5cmの差とするものもあり、山の標高も約1464〜1500mと幅がある。数字は「およそ」としか言えず、原典での確認は別に必要である[8]。

ここで大事なのは、数字よりも「比べ方」である。同じ日に、同じ装置をふもとと山頂で使い、片方だけが変わった。これで、高さによる気圧のちがいを確かめやすくなった。こうして「水銀を支えるのは上にある空気の重さである」という説明が裏づけられた。後の辞典も、気圧は場所や季節で異なり、上空ほど小さくなると記している[3]。

ここまでの3つの実験は、見えない空気を水銀の高さ、半球の固さ、山での変化に置きかえて、見えるようにした。残る問いは、この力を私たちの手元で感じられるかどうかである。

5. くうきの おもさを、おうちで かんじて みよう

5. 空気の重さを、手元で確かめてみる

5. 空気の重さを自分で量ってみる:差が小さいとき、何が起きているのか

くうきの おもさは とても かるいので、じっけんを すると、ぜんぜん ちがいが 出ない ことも あります。それでも やってみる ねうちは あります。

やってみよう:あまり ふくらんで いない ボールを はかりに のせて、おもさを メモします。つぎに、くうき入れで くうきを ぎゅっと おしこんで、もう いちど はかります。ふえる おもさは ほんの すこしなので、0.1グラムまで はかれる はかりが ひつようです。キッチンの はかりでは、ちがいが 出ない ことが あります。それも、くうきの かるさを しる ヒントです。(ふくろに ふつうに くうきを いれても、まわりの くうきと おなじ つよさなので、おもさは ほとんど かわりません。)

てんきよほうで 出てくる「ヘクトパスカル」という すうじは、くうきが おす ちからの つよさを あらわします。ちじょうでは、くうきの おもさが その ちからを うみます。1013ぐらいが ふつうの めやすです。きあつが ひくい ひは、トリチェリの くだの すいぎんも ひくく なります。

空気に重さがあることは、自分で量って確かめることもできます。ただし、増える重さはとても小さいので、家庭用のスケールでは差が出ないことがあります。

やってみよう:あまりふくらんでいないボールを、0.1g単位で量れるスケールにのせて重さを記録し、空気入れで空気を押しこんでから、もう一度量って比べてみましょう。増える重さはわずかなので、1g単位のスケールでは差がはっきりしないことがあります。差が出なくても、「1リットルが約1.3gなら、差はこのくらいのはず」と計算で予想できます。なお、ビニール袋に周りと同じ圧力の空気を入れただけでは、周りの空気から受ける浮力で打ち消されて、重さはほとんど変わりません。

天気予報の気圧の数字(hPa)は、空気が押す力の強さを表す数字で、地上では上にある空気の重さがその力を生みます。1013hPaが標準ですが、場所や季節で変わります[3]。天気予報で数字を見るたびに、トリチェリの管の中の水銀が、今日は何cmで止まっているかを、想像してみるのも一つの楽しみです。

ゲーリケの『新しい実験』は、スミソニアン図書館のデジタル図書館に原典が収められています(ラテン語の本です)[7]。

空気の重さは、自分で量って確かめることもできる。ただし、増える重さは小さく、家庭用スケールでは差が出ないことがある。試すなら、あまりふくらんでいないボールに空気入れで空気を押しこみ、前後の重さを0.1g単位で量れるスケールで比べる。周りと同じ圧力の空気を袋に入れただけでは、周りの空気から受ける浮力で打ち消されて、重さはほとんど増えない。

差が出ないとき、何が起きているのか。0℃・1気圧の乾燥空気は1リットルで約1.293gだから、押しこんだ空気が1リットル分でも、増える重さは約1.3gにとどまる。1g単位の家庭用スケールでは、誤差と区別がつきにくいことがある。つまり「差が出ない」のは失敗というより、空気が軽いことの確認でもある。そのうえで、密度は温度と気圧で変わる点に注意したい[1]。

気圧の数字は、空気が押す圧力の強さを表し、地上では上にある空気の重さと関係する。かつては水銀の高さで読んだ数字が、今も天気予報に出てくる。標準の1気圧は1013.25hPaで水銀柱760mmに相当し、場所と季節で変わる[3]。

ゲーリケの『Experimenta nova』は、スミソニアン図書館がデジタル公開しているので、本文の挿絵や数字が資料の説明とどう対応するか、自分の目で確かめられる[7]。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

本文で使った資料です。数字は資料により幅があるものを「およそ」で書いています。

  1. デジタル大辞泉「空気」(コトバンク) https://kotobank.jp/word/%E7%A9%BA%E6%B0%97-54843 (空気1リットルの重さと成分)
  2. 気象庁 はれるんライブラリー https://www.jma.go.jp/jma/kids/kids/faq/b1_17.html (約1万kgの圧力と、つぶれない理由)
  3. デジタル大辞泉・日本国語大辞典「気圧」(コトバンク) https://kotobank.jp/word/%E6%B0%97%E5%9C%A7-49816 (1気圧の定義、場所や高さで変わること)
  4. 気象庁 仙台管区気象台「気圧の観測」 https://www.jma-net.go.jp/sendai/knowledge/sokki/detail_sokki3.html (トリチェリの水銀気圧計)
  5. Wikipedia「Evangelista Torricelli」 https://en.wikipedia.org/wiki/Evangelista_Torricelli (約76cm、空気の海、水柱との比較。二次資料)
  6. 世界史の窓「ゲーリケ」 https://y-history.net/appendix/wh0601-092_3.html (半球の実験の概要)
  7. Smithsonian Libraries「Experimenta nova (1672)」 https://library.si.edu/es/digital-library/book/ottonisdeguerick00guer (ゲーリケの著書の記録)
  8. Linda Hall Library「Florin Périer」 https://www.lindahall.org/about/news/scientist-of-the-day/florin-perier (ペリエによる山での実験)

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