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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

太陽の 光は、地球まで どのくらいで とどくの?

太陽の光は、地球に届くまでにどれくらいの時間がかかるのか

太陽の光が地球に届くまでの時間は、どう見つかり、どう計算できるのか ── 木星の衛星から太陽の内部まで

分野:宇宙・天文

ひなたで あびている 光は、およそ 8分19びょう まえに 太陽を 出た 光です。ところが、その 光の もとに なる エネルギーは、太陽の 中で 何万年も かかって、やっと 外へ 出て くると いわれて います。

光は、どうして そんなに 時間が かかったり、かからなかったり するのでしょう。光の はやさは、いつ、どうやって 見つかったのでしょう。この 記事で、そのことが わかります。

顔にあたっている太陽の光は、約8分19秒前に太陽の表面を出発した光です。ところが、その光のもとになるエネルギーは、太陽の中心で生まれてから表面に出るまでに、数万年から十数万年かかるといわれています。

同じ光が、なぜ一方では8分、もう一方では何万年もかかるのでしょうか。光の速さは誰がどうやって見つけたのか、光はいつもまっすぐ進むのか。木星の衛星から太陽の内部までの話で、そのことが分かります。

日なたで肌にあたる太陽の光は、約8分19秒前に太陽の表面を出発した光である。しかし、その光のもとになるエネルギーは、太陽の中心でできてから表面に出るまでに、数万年から十数万年かかるといわれる。

光が一瞬で届くと信じられていた時代から、どういう観測で有限の速さと分かり、現在はどんな値が決められていて、8分19秒がどう計算できるのか。そして、なぜ太陽の内部では桁ちがいに遅くなるのか。木星の衛星の観測から太陽の内部までの流れで、そのことが分かる。

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1. 太陽の 光は、地球まで なん分 かかるの?

1. いま顔にあたっている太陽の光は、何分前に出発したのか

1. 太陽から地球まで約8分19秒 ── 光の速さと平均距離から出る値

光は、空気の ない 場所では、1びょうに 30万キロメートルほど すすみます[5]。太陽から 地球までは、へいきんで 1おく 5000万キロメートルほど はなれて います[6]。

この きょりを 光の はやさで わると、499びょう、つまり 8分19びょうに なります。ひなたで 顔に あたる 光は、8分ほど まえに 太陽を 出た 光です。

地球の まわり方は、すこし つぶれた まるなので、きょりは 時期に よって かわります。そのため、8分19びょうは へいきんの 数です。

さて、むかしの 人は、光が 時間を かけて すすむとは 考えて いませんでした。

真空中の光の速さは、正確に秒速299,792,458m、つまりおよそ秒速30万kmと決められています[5]。太陽と地球の平均距離は、天文単位として正確に149,597,870,700mと定められています[6]。

距離を速さで割ると約499秒、つまり8分19秒です。この記事の8分19秒は、この2つの値から私が割り算した結果です。「約8分20秒」と書く資料も多いのですが、これは丸めた値と考えられます。

地球の軌道は円ではなく少しつぶれた楕円なので、太陽までの距離は時期によって変わり、かかる時間も前後します。8分19秒は「平均の距離で」という条件つきの数字です。

ところが、こうした「光が時間をかけて進む」という考えは、ずっと当たり前だったわけではありません。

真空中の光の速さcは、メートルの定義によって正確に299,792,458 m/sと固定されている[5]。一方、天文単位は2012年の国際天文学連合の決議で、正確に149,597,870,700 mと定められた[6]。距離を速さで割れば149,597,870,700 ÷ 299,792,458 ≒ 499.0秒となり、8分19秒が得られる。ここでの数字は出典の2つの値から計算した結果であって、出典がそのまま挙げている値ではない。

「約8分20秒」と書かれることも多いが、これは丸めた値である。また、地球の軌道は楕円なので、太陽までの距離は一年の中で変わる。8分19秒は、平均距離を使った場合の値と読むのが正確である。

では、光に有限の速さがあるという考えは、いつ、どのような観測から出てきたのか。

2. むかしの 人は、光は 一しゅんで とどくと 思って いたの?

2. 光は「一瞬」と信じられていた時代に、何が起きたのか

2. 光は一瞬で届くという信念 ── 地上の距離では差が出ない理由

むかしの 人たちは、光の はやさは 「かぎりなく 大きい」と しんじて いたと いわれます[2]。ともし火を つけたら、すぐ 目に とどくと 思って いたのです。

光の はやさを はかる ことを はじめに 考えたのは、ガリレオだと いわれます[2]。

でも、これは むずかしい ことでした。10キロメートル はなれた ところまで 光が すすむ 時間は、3万分の 1びょうほどです。人の 目や ふつうの とけいでは、とても はかれません。

こたえの ヒントは、地上では なく、夜空に ありました。

古代の人々は、光の速度は無限大だと信じていたといわれます[2]。光の速さを測ることを最初に考えたのは、ガリレオ(1564〜1642)だと伝えられています[2]。

測るのが難しかった理由は、計算するとよく分かります。光が10km進むのにかかる時間は、約3万分の1秒です。地上で人が見分けられる時間の差ではありません。

光の速さが有限だと最初に示したのは、地上の実験ではなく、夜空の観測でした。距離が桁ちがいに大きい天体なら、光のかかる時間が目に見えるずれになるからです。

その観測をしたのは、木星の衛星を見ていた天文学者でした。

古代の人々は光の速度を無限大と考えていたとされ、その速さを測ることを最初に考えたのはガリレオ(1564〜1642)だといわれる[2]。

地上での測定が難しい理由は、時間のスケールにある。光が10 km進むのにかかる時間は、10,000 m ÷ 299,792,458 m/s ≒ 3.3×10⁻⁵秒、約3万分の1秒しかない。当時の人間の感覚や時計では、この差を見分けられない。そのため、決め手になったのは地上の実験ではなく、距離が桁ちがいに大きい天体の観測だった。

これは、光の旅の時間が大きくなる場面を探す、という発想の転換でもある。その場面になったのが、木星とその衛星イオだった。

3. 木星の 月の 「食」の ずれから、何が わかったの?

3. 木星の衛星イオの「食」が、計算とずれていた

3. イオの食の時刻のずれ ── レーマーが光の旅の時間を読み取るまで

1670年代、デンマークの 天文学者 レーマーは、木星の えいせい イオを 見ていました。イオが 木星の かげに 入る 「食」の 時こくが、計算と ずれて いたのです[3]。

レーマーは、この ずれを、光が すすむのに 時間が かかる せいだと 考えました[3]。そして、光が 地球の きどうの はんけいを よこぎるのに、10分から 11分 かかると 出しました[3]。

いまの 計算では 8分19びょうですから、すこし 長めの 数です。でも、「光には 時間が かかる」ことを 星の 動きから 見つけた ことが、大きな 一歩でした。

この 発見を もとに、光の はやさは、びょうそく 23万キロメートルほどと 見つもられました[3]。いまの 数より 小さいですが、およそ 4分の 3です。

デンマークの天文学者レーマーは、木星の衛星イオが木星の影に入る「食」の時刻が、当時の計算表の予測とずれることに注目しました[3]。パリ天文台の資料では、1676年に、レーマーはこのずれを光が進むのにかかる時間のせいだと考え、光が地球の軌道の半径を横切るのに10〜11分かかると導いたと紹介されています[3]。

先ほどの計算では約8分19秒でしたから、この値は2〜3割ほど長めです。それでも、光が一瞬ではなく時間をかけて進むと示した意味は大きく、観測するたびにずれが変わるという形で、夜空が証拠になりました。

その後、光の速さは秒速約23万kmと見積もられました[3]。資料によっては22万7000kmとも書かれ、報告の年も1675年とする資料があります[4]。年号や数値は資料でずれますが、どれも現在の値の約4分の3ほどです。

では、この値は、地上の実験ではどこまで確かめられたのでしょうか。

デンマークの天文学者レーマー(Rømer)は、木星の衛星イオ(Io)が木星の影に入る「食」の時刻が、カッシーニの計算表と観測とで合わないことに注目した[3]。パリ天文台の資料によれば、1676年にレーマーはそのずれを、光が進むのに時間がかかるためだと解釈し、光が地球軌道の半径を横切るのに10〜11分かかると導いた[3]。

この値を現在の約499秒(8分19秒)と比べると、2〜3割長い。それでも、無限大と思われていた光の速さを有限の値にした点が決定的である。ただし、資料によれば、レーマー自身は光速の数値を計算しておらず、10〜11分は軌道の半径ぶんの時間として示されたものだ。秒速約23万km(ホイヘンスの見積もり)、あるいは22万7000kmという数値は、その後に導かれたものである[3][4]。報告の年も1675年とする資料と1676年とする資料があり、ここでは「1670年代」と書くのが安全である。

現在の値(約29万9792km/s)に対して、秒速約23万kmは約0.77倍、22万7000kmは約0.76倍である。桁は合っているが、2割以上の差が残っていた。この差を地上の実験で埋めたのが、次の人物である。

4. 光の はやさは、いつから「きまった 数」に なったの?

4. 光の速さは、測るものから決めるものになった

4. フィゾーの実験からメートルの定義へ ── 光の速さが「決める値」になった経緯

光の はやさを、地上の じっけんで はじめて はかったのは、フランスの フィゾーです。びょうそく 31万3000キロメートルと いう けっかで、いまの 数に かなり 近い ものでした[2]。

その後、はかる わざは 少しずつ よく なりました。1983年には、「1メートルは、光が 真空の 中を 2おく9979万2458分の 1びょうの 間に すすむ きょり」と 決められました[2]。

つまり、いまは 光の はやさを 先に 決めて、そこから メートルの 長さを 決めて います。ものさしの 1メートルは、光が 3おく分の 1びょうほどで すすむ 長さです。

はかって 見つける 数から、ものさしの もとに なる 数へ。光の はやさの やくわりは、そんなふうに かわりました。

では、光は いつも この はやさで、まっすぐ すすむのでしょうか。

光の速度を初めて実験で測ったのは、フランスのフィゾー(1819〜1896)です。結果は秒速31万3000kmで、現在の値にかなり近いものでした[2]。

その後、測定はどんどん精密になりました。そして1983年に、国際度量衡委員会は「1メートルは、光が真空中を2億9979万2458分の1秒の間に進む距離」と定めました[2]。表現は2018年のSI(国際単位系)の改定で言い換えられましたが、光の速さの値そのものは変わっていません[5]。

つまり、いまは光の速さの値を先に決め、そこからメートルの長さが決まっています。測って見つける値から、ものさしのもとになる値へと役目が変わったのです。

ただし、この速さは「真空中の」光の速さです。空気や水の中の光は、どうなるのでしょうか。

光の速度を初めて実験で測ったのはフランスのフィゾー(1819〜1896)で、結果は秒速31万3000 kmと、現在の値にかなり近い[2]。現在値との差は約4%である(313,000 ÷ 299,792 ≒ 1.044)。レーマーの時代の見積もりからは、2割以上の精度の向上になる。

測定が精密になるにつれ、光の速さをもとにメートルを決めるほうが合理的になった。1983年に国際度量衡委員会は、1メートルを「光が真空中を2億9979万2458分の1秒の間に進む距離」と定めた[2]。BIPMによれば、現在のメートルの定義は2018年のSI改定で言い換えられたが、真空中の光の速さcが正確に299,792,458 m/sであるという関係は変わっていない[5]。したがって、光の速さの値は測定誤差のある値ではなく、定義によって決まる値になった。

ただし、これは「真空中の」光の速さである。物質の中や、重力の強い場所では、光はこの値で一直線に進むとは限らない。次章で、光の進み方の条件を確かめる。

5. 光は、いつも まっすぐに すすむの?

5. 光はいつもまっすぐ進むのか

5. 直進する条件と、光が曲がる場面 ── 空気・水・太陽の近く

光は、空気の ように 同じ ものが つづく 場所では、まっすぐ すすみます。ピンホールカメラは、この せいしつを つかった 道具です。小さな あなを 通る 光だけを 通して、さかさまの えを 作ります[1]。

ただし、まっすぐ すすむのは、同じ ものが つづく 場所だけです。水の 中では、光は 空気中より おそく なり、水と 空気の さかいで 曲がります。この 話は、「光の 曲がり方」の 記事に くわしく あります。

太陽の 近くを 通る 星の 光も、すこし 曲がると ほうこくされて います。1919年の 日食で、エディントンらが かんそくしました[9]。

光がまっすぐ進むのは、空気のように一様な物質の中を通る場合です。ピンホールカメラは、この性質を使っています。被写体の各点から出た光のうち、針穴の一点を通る光線だけを通して、像を作ります[1]。

ところが、水とガラス、水と空気のように、物質の境目では光は曲がります。水の中では光の速さが落ちるため、境目で向きが変わるのです。この話は、きになるノートの「光の曲がり方」の記事に詳しくあります。

さらに、1919年5月29日の皆既日食では、エディントンらがプリンシペ島とブラジルのソブラルで、太陽のそばを通る星の光が曲がるようすを測ったと報告されています[9]。重力のある場所では、光の道すじも曲がるのです。この話は「重力レンズ」の記事に続きます。

光が直進するのは、空気のように一様な媒質の中の話である。ピンホールカメラは、被写体の各点で散乱した光のうち、針穴の一点に向かう光線だけを通して像面に像を作る仕組みで、光が直進することを前提にしている[1]。

この前提は、条件が変わると崩れる。水やガラスの中では光の速さが落ちるため、媒質の境目で向きが変わる。この屈折の詳細は「光の曲がり方」で扱っている。さらに、重力の強い場所でも光の道すじは曲がる。1919年5月29日の皆既日食で、エディントンらがプリンシペ島とブラジルのソブラルで観測した星の光の曲がりは、1.61秒角(誤差±0.31)と1.98秒角(誤差±0.12)と報告され、アインシュタインの予測値1.75秒角に近かった[9]。1秒角は1度の3600分の1である。

ただし、この測定には誤差があり、評価をめぐる議論もあるため、「完全に一致した」とは書けない。大切なのは、光が曲がる向きと大きさを、実際の観測で確かめられるという点である。詳しくは「重力レンズ」の記事を参照されたい。

6. 太陽の 中では、なぜ 光は 何万年も かかるの?

6. 太陽の中では、なぜ光が外へ出るのに何万年もかかるのか

6. 放射層の中の拡散 ── 8分19秒の数十億倍がかかる見積もり

太陽の 中では、光は すぐ 外へ 出られません。太陽の 中は、とても ぎっしり つまって いて、光は 小さな つぶに ぶつかっては むきを かえます[8]。ぶつかるまでに すすむ きょりは、1センチの 100分の 1より みじかいと されます[8]。

たとえば、人が たくさん いる ひろい 駅で、ぶつかっては むきを かえながら 出口へ むかう ようすを 思いうかべて ください。まっすぐ 歩けば すぐの 出口でも、なかなか つきません。ただし、太陽の 中に いるのは 人では なく、小さな つぶです。

そのため、太陽の 中心で できた エネルギーが 外へ 出るまでには、数万年から 十数万年 かかるといわれます[8][7]。外へ 出たあとは、8分19びょうで 地球へ とどきます。

太陽の中心でできたエネルギーが、外へ出るまでの道には「放射層」と呼ばれる部分があります。放射層は密度が大きく、光はあちこちに飛びまわるといわれます[7]。

大学の講義資料では、光は粒子とぶつかるまでに進む距離が1cmの100分の1より短く、そのため表面へゆっくり拡散すると説明されています[8]。かかる時間は「数万年から17万年」ほどと見積もられ、モデルによって幅があります[8]。17万1000年という値を示す資料もあります[7]。

8分19秒は499秒です。たとえば10万年は約3.2×10¹²秒なので、499秒の約60億倍になります。数万年から17万年の範囲なら、およそ20億倍から100億倍です。これは私が割り算した値で、見積もりの幅を考えた目安です。

太陽の表面を出たあとの光は、地球まで8分19秒で届きます。今日ふり注ぐ光のもとになったエネルギーは、遠い昔に太陽の中心でできたものだったのです。

太陽の中心でできたエネルギーは、放射層を通って表面へ向かう。放射層では、光が粒子にぶつかって進む向きを何度も変える。そのため、中心でできたエネルギーが放射層を抜けるまでに、平均で17万1000年かかるとする資料がある[7]。別の大学の講義資料では、典型的な光子が中心から表面へ拡散する時間は「数万年から17万年」と見積もられ、光子が粒子と相互作用するまでに進む距離は1 cmの100分の1より短いとされる[8]。

見積もりの幅は、太陽の内部構造のモデルによって大きく変わる。そのため、「何万年」という言い方は、数万年から十数万年の範囲と読むのが妥当である。

この時間を、第1章の499秒と比べてみる。1年を約3.16×10⁷秒として、3万年なら約9.5×10¹¹秒で、499秒の約19億倍。17万年なら約5.4×10¹²秒で、約107億倍である。数値は私の計算で、見積もりの幅がそのまま倍率の幅になる。

光がまっすぐ進めばすぐ着く距離でも、ぶつかって向きを変え続ければ、外に出るまでに途方もない時間がかかる。太陽の光の旅は、「中でさまよう長い時間」と「外へ出てからの8分19秒」でできている。

7. もっと 知りたく なったら、どこを 見れば いいの?

7. 光の旅の続きを調べるなら、どこを見ればよいのか

7. 数値の原典と、確かめるための手がかり

やってみよう。 あつがみに、はりで 小さな あなを あけます。カーテンを しめて くらく した へやで、あなの 近くに 白い 紙を かざすと、まどの そとの けしきが さかさまに うつる ことが あります。うまく いかない ときは、あなを 小さく して、へやを もっと くらく します。太陽は、ぜったいに じかに 見ないで ください。

もうひとつ。1メートルの ものさしを 見て、「この 長さを 光が すすむのは、3おく分の 1びょうほど」と 思って みましょう。

さらに 知りたく なったら、「光の 曲がり方」と「重力レンズ」の 記事へ すすんで みてください。

光は、ふつうの場所ではまっすぐ進みます。それを確かめるには、厚紙に針で小さな穴をあけ、カーテンを閉めて暗くした部屋で、穴の近くに白い紙をかざします。窓の外のけしきが逆さに映ることがあります。うまく見えないときは、穴をもっと小さく、部屋をもっと暗くします。太陽を直接見てはいけません。

数字で確かめるなら、1メートルのものさしを見て、「光はこの長さを約3億分の1秒で進む」と計算してみてください。1÷299,792,458という割り算です。

光の速さと8分19秒の元の資料は、国際度量衡局(BIPM)のページと、国際天文学連合の決議(天文単位)です。レーマーの話はパリ天文台の資料にあります。「光の曲がり方」と「重力レンズ」の記事にも、続きがあります。

今日の記事の数値の原典は、BIPMのメートルのページ(光の速さの定義)[5]、国際天文学連合の2012年決議B2(天文単位)[6]、パリ天文台のレーマーの紹介[3]である。8分19秒は、前の2つの値を割り算して自分で確かめられる。

手がかりとして、厚紙に針で穴をあけ、暗い部屋で窓の景色を紙に映すと、直進する光が像を作る様子を確かめられる。うまくいかなければ穴を小さく、部屋を暗くする。太陽を直接見てはいけない。

残る問いもある。たとえば太陽中心から表面までの時間は、モデルによって幅がある。1919年の測定値の評価にも議論がある。原典にあたれば、数字の幅のわけが見えてくるはずである。屈折については「光の曲がり方」、重力による曲がりは「重力レンズ」に続く。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

出典について:ピンホールカメラの辞典、光の速度の解説、パリ天文台の資料、国際度量衡局のページ、天文単位の資料、太陽の放射層の資料、大学の講義資料、1919年の日食の解説を使いました。何に使ったかは、それぞれの項目の最後に書いています。

  1. Weblio「ピンホールカメラ」。https://www.weblio.jp/content/ピンホールカメラ (ピンホールカメラが光の直進を前提にしていることについて。二次資料)
  2. キヤノン キッズ「光の速度」。https://global.canon/ja/technology/kids/mystery/m_01_03.html (古代の考え、ガリレオ、フィゾーの測定、1983年のメートルの定義について)
  3. Observatoire de Paris「340 years ago Rømer showed...」。https://observatoiredeparis.psl.eu/340-years-ago-romer-showed.html (レーマーの観測、10〜11分という値、ホイヘンスの見積もりについて)
  4. 現代ビジネス「11月22日 レーマーが光の速さの測定結果を発表」。https://gendai.media/articles/-/58474 (レーマーの報告年と光速の値が資料でずれることについて。二次資料)
  5. BIPM「The metre」。https://www.bipm.org/en/si-base-units/metre (真空中の光の速さの値とメートルの定義について)
  6. 国際天文学連合(IAU)2012年総会 決議B2「天文単位の再定義」。https://www.iau.org/static/resolutions/IAU2012_English.pdf (天文単位を正確に149 597 870 700 mとする定義について。一次資料)
  7. Wikipedia「放射層」。https://ja.wikipedia.org/wiki/放射層 (太陽の放射層でエネルギーが抜けるまでの時間について。二次資料)
  8. University of Oregon, Imamura「Astronomy 122 lecture 6」。https://pages.uoregon.edu/imamura/122/lecture-6/edge.html (光子の拡散時間の見積もりについて。大学の講義資料)
  9. Longair「Bending space–time: a commentary on Dyson, Eddington and Davidson (1920)」, Philosophical Transactions of the Royal Society A, 2015。https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC4360090/ (1919年の日食観測と、プリンシペ島1.61±0.31秒角・ソブラル1.98±0.12秒角という値について。1920年の原論文の解説)

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