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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

まいたけは、木の どこで なにを たべて そだって いるの?

まいたけは、森の木のどこで何を食べて育つのか:同じ木に何年も出る野生の暮らしと、おがくずで育てる工夫

マイタケは木のどこで何を分解して育つのか:根株腐朽菌としての野生の暮らしと、菌床栽培に至る道すじ

分野:生きもの

やまで まいたけを みつけた ひとが、そのばしょを かぞくにも おしえなかった、という はなしが のこって います。なぜ、そんなに ひみつに したのでしょう。

まいたけは、おおきな 木の ねもとに、なんねんも つづけて でて くる ことが あります。この メモでは、まいたけが 木の なにを たべて そだつのか、そして おみせの まいたけが どうやって つくられて いるのかが わかります。

山でまいたけを見つけた人が、その場所を家族にも明かさなかった、といわれます。同じ木の根もとに、何年も続けて出てくることが多いからです。しかも、しいたけのように木へ種を植えるだけでは、なかなか育ってくれませんでした。

まいたけは木の何を食べているのか。なぜ育てるのが難しかったのか。まいたけは、木の中心にあるかたい部分を分解して育つきのこです。この記事では、野生の暮らし方から、おがくずを使った今の栽培までを紹介します。

野生のマイタケは、同じ木の根もとに何年も続けて発生することが多く、採集者が場所を家族にも明かさなかったと伝えられる。シイタケなどと違い、原木に種菌を植えるだけでは育ちにくく、栽培は長く難しいとされてきた。

マイタケは木のどこで何を栄養にし、その暮らし方は栽培の難しさとどうつながるのか。この記事では、野生の生態から現在の菌床栽培までの道すじと、資料によって時期の食いちがう栽培史の整理が分かる。

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1. まいたけは、木の ねもとで なにを たべて いるの?

1. 老木の根もとで、まいたけは何を食べているのか

1. マイタケは木の根株の心材を分解して育つ

こたえから いいます。まいたけは、ふるい 大きな 木の ねもとで、木の なかを たべて そだつ きのこです。

きのこは、くさや 木のように ひかりで ごはんを つくる ことが できません。まいたけは、木の なかの かたい ところを すこしずつ とかして、それを ごはんに します。木の 中心の ところです。

そだつ ところは、ミズナラ、ブナ、クリ、シイなどの、はの ひろい 木の ねもとです。あきの はじめから おわりごろに かけて、ねもとに かさが でて きます。

おおきな 木だけでは ありません。わかい 木や、たおれた 木に でる ことも あります。

まず答えを言うと、まいたけは、広葉樹の根もとで、木の中心にあるかたい部分を分解して栄養にしているきのこです。

きのこは植物のように、光で自分の栄養を作ることができません。そのかわり、木材を分解して栄養にするものがいます。まいたけは、その中でも「根株腐朽菌」「白色腐朽菌」と呼ばれる仲間です。木の根もとに出て、中心の「心材」を腐らせるという説明があります[1]。

生えるのは、ミズナラ、コナラ、ブナ、カシ、シイ、クリなど、ブナ科を中心にした広葉樹の老木の根株やその周りで、季節は初秋から晩秋にかけてです。「ミズナラだけ」ではなく、いくつもの種類の木に出ます。ブナ科以外の木に出ることもあるといわれます。また、大木だけでなく、若い木や倒れた木に出ることもあるそうです[2]。

では、そんなふうに木の中で暮らすきのこが、どうして「場所は秘密」と言われるほど大事にされたのでしょうか。

マイタケは木材を分解する担子菌の一種で、広葉樹の根株や根回りに発生し、心材を腐朽させる根株腐朽菌(白色腐朽菌)として説明される[1]。きのこ(子実体)は植物と違って光合成をしないため、栄養は枯れた組織や木材など、ほかの生物がつくった有機物から得るしかない。マイタケは木の心材という、多くの生物が利用しにくい部分を分解することで生きている。

宿主は、ミズナラ、コナラ、ブナ、カシ、シイ、クリなどブナ科を中心とする広葉樹の老木の根株やその周辺で、発生は初秋から晩秋とされる。単一の樹種に限られず、ブナ科以外の広葉樹にも出るとされる。また老大木だけでなく若木や倒木に出ることもある[2]。「ミズナラの木だけに出る」という理解は正確ではない。

では、木の中で暮らす菌が、なぜ産地を伏せるほど大切にされたのか。その鍵は、発生の仕方にある。

2. なぜ、ばしょを かぞくにも ひみつに したの?

2. 同じ木に何年も出るから、場所は秘密になった

2. 同じ根株への反復発生と、「幻のキノコ」と呼ばれた理由

まいたけは、おなじ 木に なんねんも つづけて でて くる ことが おおい、と いわれて います。

だから、いちど 見つけた ひとは、「らいねんも あそこに いけば あるかも しれない」と おもえます。ほかの ひとに おしえると、さきに とられて しまうかも しれません。それで、かぞくにも ひみつに した ひとが いた、と いわれます。

しぜんの まいたけは かずが すくなく、「まぼろしの きのこ」とも よばれて きました。マツタケと おなじくらい、あるいは それ いじょうに だいじに されて きたそうです。

おおきさも ひとつ ひとつ おどろきます。かさが かさなって ひろがり、おおきな ものは、1かぶで 30センチ、3キロを こえる ことも あるそうです。

野生のまいたけは、同じ木の根もとに、何年も続けて発生することが多いといわれます[2]。木の中にいる菌が、条件が合うたびに、同じ場所へきのこを出してくるからです。

これは採る人にとって、とても大きな意味を持ちます。一度見つけた木は、来年も再来年も行く価値があるかもしれません。だから場所は宝物のように扱われ、家族にも明かさない人がいたと伝えられています[3]。

自然では数が少なく、「幻のキノコ」とも呼ばれ、マツタケと同じかそれ以上に珍重されてきたそうです[3]。大きさも立派で、かさが重なって扇形やへら形に広がり、大きなものでは1株が直径30cm・3kgを超えることがあるそうです[2]。

ところが、こんなに人気があるのに、人が畑のように育てるのは、長いあいだ難しいままでした。何がうまくいかなかったのでしょうか。

野生のマイタケは、同じ木に年を重ねて繰り返し発生することが多いとされる[2]。菌糸は木の内部に残り続けるので、条件が整えば同じ根株から再びきのこが出る。この性質が、採集者にとっての価値を大きくした。発生場所が分かれば、毎年の収穫を見込めるからである。若狭町の紹介では、採集者が生育場所を秘密にし、家族にも明かさなかったといわれるほど貴重に扱われたとされる[3]。

自然での発生数が少ないことも評価に影響した。「幻のキノコ」と呼ばれ、マツタケと同等かそれ以上に珍重されてきたとされる[3]。大きさは、かさが重なって扇形・へら形に広がり、大きなものでは1株が直径30cmを超えて3kg以上になることがある[2]。

これだけ価値が高いなら栽培したくなる。しかし、シイタケの原木栽培の方法はそのままでは通用しなかった。

3. しいたけと おなじ そだて方では、なぜ うまく いかなかったの?

3. 原木に種を植えるだけでは育たなかった:栽培が難しかった理由

3. マイタケの原木栽培が難しかった理由と、その後の栽培史

しいたけや なめこは、木に たねきんを うえつけると、そだって くれます。まいたけは、おなじ ようには いきませんでした。

そこで、木を あらかじめ ねつなどで ほかの きんを なくして から そだてる ほうほうが うまれました。すると、おおきくて、しぜんの ものに ちかい まいたけが つくれるように なりました。

じんこうの さいばいが うまく いった じきは、しりょうに よって ちがいます。1970ねんだいに せいこうした、と かく ものも あれば、おおくの ひとが つくれるように なったのは 1983ねんごろから、と かく ものも あります。

ですから、「1970ねんだいに さいばいの ほうほうが かたまり、1983ねんごろから たくさん つくられ、1990ねんだいから おがくずの ほうほうが ひろまった」と、だんかいに わけて おぼえると よさそうです。

しいたけやなめこは、原木に種菌を直接植えれば育つのに、まいたけは直接植えても育ちにくかったと伝えられます[3]。野生では当たり前のように木の根もとに出るのに、人が木を用意しても、同じようには出てくれなかったのです。

転機は、原木を殺菌してから栽培する方法でした。ほかの菌をなくしたところへまいたけの菌を入れると、大きくて天然に近いものができるようになったといいます[3]。

栽培の時期は、資料によって書き方が違います。資料によると、人工栽培は1970年代に成功したとされ、70年代なかばには全国で菌株の選抜や殺菌後の栽培法の研究が行われました。大量生産は1983年ごろから、おがくずを使う菌床栽培が広まったのは1990年代からという説明があります[2][5]。

「成功」「大量生産」「普及」を分けて読むと、食いちがいではなく、段階の違いだと考えられます。では、今のまいたけは、どうやって作られているのでしょうか。

シイタケやナメコは原木に種菌を直接植え付ければ発生するが、マイタケは同じ方法では育ちにくく、栽培は難しいとされた。原木を殺菌してから栽培する方法が開発されると、大型で天然に近いものが得られるようになった[3]。

栽培史は、資料により時期の書き方が異なる。ここでは段階に分けて整理する。①人工栽培の成功は1970年代とされ、1970年代なかばに全国で菌株選抜や殺菌後の栽培法が研究された。②大量人工栽培は1983年ごろから。③菌床栽培の普及は1990年代から、である[2][5]。「成功」「大量生産」「普及」は別の段階を指しており、1970年代と1983年は矛盾しない。

この段階を支えたのが、原木ではなく、おが粉に栄養を混ぜた培地であった。

4. おみせの まいたけは、どうやって つくられて いるの?

4. おがくずのベッドで育てる:今のまいたけの作り方

4. 菌床栽培の工程と、湿度管理の考え方

いま おみせに ならぶ まいたけの ほとんどは、おがくずを かためた ベッドの ような もの(きんしょうと いいます)で そだてられた ものです。

おがくずに、こめぬかや ふすまなど、ごはんに なるものを まぜて かためます。それを ふくろや びんに つめて、たねきんを いれ、くらい へやで そだてます。きのこ ぜんたいの めやすでは、3かげつほど かかると いわれます。まいたけだけの ひにちでは ありません。

ある けんの しけんでは、へやの しつどを たもつと、きのこの あかちゃんが できやすい、と かんがえられて います。

むかしながらの 木で そだてた ものも、まれに あります。しぜんの あじに ちかい と いわれ、ねだんも たかい ことが おおいそうです。

つくられる りょうは 2024ねんで 5まん7せんトンほど。にいがた けんが 10この うち 6こ ぐらいを つくって います。

今、店に並ぶまいたけのほとんどは、菌床栽培です。まれに原木栽培のものもあり、天然に近い味といわれて、値段も高めです[5]。

菌床は、おがくずに米ぬかやふすまなどの栄養を混ぜて固めたもので、袋やビンに詰めます。そこへ種菌を入れ、施設の中で育てます。林野庁の説明では、きのこ類全般で、種菌を接種してから3か月ほどとされています。これはきのこ全般の目安で、まいたけ専用の日数ではありません[6]。

三重県の試験では、育てる部屋の湿度を保つと、きのこの赤ちゃん(原基)ができやすくなったと考えられています。ただし、これは1つの試験の話で、すべての栽培にあてはまる決まりではありません。

こうして作られる量は、2024年で約5万7000トンです。新潟県が約6割を占め、静岡県、福岡県が続くとされます[5]。野生では「幻」と呼ばれたまいたけが、これだけの量で作られています。

菌床は木そのものではありません。でも、木のかわりに、まいたけが食べやすい「木の粉」を用意しているともいえます。野生の暮らし方に、つながっているのです。

現在流通するマイタケのほとんどは菌床栽培で、原木栽培はまれである。両者の違いは、培地が木そのものか、おが粉に栄養を混ぜて固めたものかにある。原木栽培のものは天然に近い風味とされ、高価である。つまり、木で育てたものは少数にとどまり、多くの人が口にするのは菌床で育てたものである[5]。

菌床栽培では、おが粉に米ぬか・ふすまなどの栄養源を加えて固め、袋やビンに詰めて殺菌し、種菌を接種する。林野庁の説明では、きのこ類一般で、接種から3か月ほどを施設内で育てる。これはきのこ全般の記述であり、マイタケ固有の日数ではない[6]。

三重県の試験では、発生室で培地表面の湿度が保たれると、原基(げんき)の形成が進んだと考えられている。これは1つの試験結果であり、栽培全般の一般則ではない。

生産量は、2024年に約5万7000トン、新潟県が約6割、続いて静岡県、福岡県とされる[5]。

菌床栽培が野生の暮らしの延長であることは、おが粉が木材の細片であり、白色腐朽菌がそれを分解する点に表れる。ただし、培地に加える栄養が自然の心材にない点は異なり、同一の環境を再現しているわけではない。

5. 「まいたけ」の なまえは、どこから きたの?

5. 名前の「舞」は、何を指しているのか

5. 名称の由来に確定説はない

まいたけの なまえの わけには、いくつか せつが あります。

かさが かさなって、まうように 見える から。見つけた ひとが うれしくて おどった から。おいしくて、おもわず おどりだす から。どれが ほんとうか は、はっきりして いません。

ただ、どの せつも、かさが ひらひら かさなる すがたを おもいうかべさせます。

名前の由来には、いくつかの説があります。かさが重なって広がる姿が、蝶や天女の舞のように見えるという説。山で見つけた人が、うれしくて舞い踊ったという説。おいしくて思わず踊りだすという説です[2][4]。どれが正しいと決まったわけではありません。

ただ、どの説も、重なって扇のように広がるかさや、見つけた喜びが由来だと考えている点では似ています。野生の姿を思い浮かべながら読むと、名前の意味が少し近く感じられます。

名称の由来には、複数の説がある。形が蝶や天女の舞に似るという説、見つけた者が喜んで舞ったという説、おいしくて踊りだすという説などで、一つに決まっていない[2][4]。

いずれの説も、重なり広がる子実体の形か、貴重な発見による喜びを由来とする点は共通する。ただし、これは資料にある説の分類であり、由来が確定したことを意味しない。

6. おみせの まいたけを、じっくり 見て みよう

6. スーパーのまいたけで、根もとの形を観察する

6. 店頭のマイタケを観察し、資料で確かめる

きょう できる こと

おみせの まいたけを、おうちの ひとと いっしょに 見て みましょう。かさは どんな かたちで、どう かさなって いますか。ねもとは どう なって いますか。てを あらって から、そっと さわって みます。

かさの かたちを えに かくと、「まう」という なまえの わけを、じぶんで かんがえられます。

しらべる とき

日本きのこセンターの「マイタケのこと」に、まいたけの くらし方が かいて あります。おうちの ひとと いっしょに よんで みましょう。

今日できること

スーパーで買ったまいたけを、1株のまま観察します。かさの形、重なり方、根もとのつながり方を、スケッチしてみましょう。「舞」の名前を、自分ならどう説明するか考えるのも、おもしろいはずです。

手を洗ってから触り、観察が終わったら、ふつうに料理して食べましょう。

資料を読むなら

日本きのこセンターの「マイタケのこと」[1]は、まいたけの生態を詳しく書いています。林野庁の特用林産(きのこ)のページ[6]では、きのこ全般の栽培の流れが分かります。

今日できること

店頭の株を観察し、かさの重なり方、根もとの形をスケッチするとよい。野生では根株から発生すること、菌床では袋の中の培地から発生することを思い出せば、株の形を見ながら、野生のものと栽培されたものの育ち方の違いを思い出してみよう。

資料を読むなら

日本きのこセンターの解説[1]では、マイタケの生態を読める。栽培の時期の記述は資料により異なる[2][5]ので、年代を確かめるときは、林野庁や各県の試験場の報告[6]に当たるとよい。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

本文で使った資料です。

  1. 日本きのこセンター「マイタケのこと」. https://www.kinokonet.com/project/2159/ (根株腐朽菌としての性質)
  2. Wikipedia「マイタケ」. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%82%BF%E3%82%B1 (生える木・季節・大きさ・栽培史・名前の説)
  3. 若狭町ひみつ「マイタケ」. https://himitsu.wakasa.jp/contents/maitake/ (幻のキノコ・場所の秘密・栽培の難しさ)
  4. 日本食糧新聞「マイタケ」. https://news.nissyoku.co.jp/hyakusai/hgs-47-0025 (名前の由来の説)
  5. やさいナビ「まいたけ」. https://www.yasainavi.com/zukan/maitake.htm (菌床栽培・原木栽培・生産量)
  6. 林野庁 特用林産(きのこ). https://www.rinya.maff.go.jp/j/tokuyou/kinoko/index.html (きのこ類の菌床栽培の流れ)

なおした ところ

更新履歴

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