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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

オランウータンは、せかいの どこの、どんな ところで くらして いるの?

オランウータンは、世界のどこの、どんな場所で暮らしているのか

オランウータンは世界のどこに、どんな場所で暮らしているのか

分野:生きもの

オランウータンが のこって いる ところは、せかいで 2つの 島だけです。その 島に すむ なかまは、3しゅるいに わかれて います。いちばん あたらしい 1しゅるいが みとめられたのは、2017ねんです。

では、島の 森で、どんな ふうに くらして いるのでしょう。この ページを よむと、まいばん つくる ベッドの ことや、じめんに おりる ことが わかります。

動物園でおなじみのオランウータンですが、野生で暮らしているのは、東南アジアにある2つの島の森です。しかも、その島に暮らす仲間は3種に分かれていて、いちばん新しい1種が新種として発表されたのは、2017年のことでした。

では、島の森でオランウータンはどう暮らしているのでしょうか。この記事を読むと、毎晩つくる寝床のこと、地面に降りる意外な行動、森が変わったときの影響が分かります。

野生のオランウータンの分布は、ボルネオ島とスマトラ島(北部)に限られる[1][2]。ところが現在は、この2つの島に3つの種が区別され、3種目のタパヌリオランウータンが新種として記載されたのは2017年だった[3]。

では、この種の分かれ方は、すむ場所や暮らし方とどう関わるのか。毎晩つくる巣、地上に降りる行動、森の変化まで順に見ると、「家」と呼べるものが場所ではなく森そのものだと分かる。

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1. どうぶつえんの そとでは、どこに いるの?

1. 動物園の外では、世界のどこにいるのでしょうか

1. 野生のオランウータンは、世界のどこにいるのか

どうぶつえんで あえる オランウータン。でも、のんびり くらして いる 森は、日本から とおい 東南アジアに あります。

すんで いるのは、ボルネオ島と、スマトラ島の きたの ほうです[1]。じしょにも、ぶんぷは この 2つの 島と 書かれて います[2]。

ボルネオ島は、インドネシアと マレーシアに またがる 島です。スマトラ島の きたの ほうは、インドネシアです。

ちずで 2つの 島を さがして みましょう。ところで、同じ オランウータンでも、島が ちがうと なかまの しゅるいも ちがうのです。

札幌市の円山動物園の解説では、オランウータンはインドネシアとマレーシアにすむ動物とされています。インドネシアではスマトラ島の北部とボルネオ島、マレーシアではボルネオ島です[1]。辞典にも、分布はボルネオ島とスマトラ島と書かれています[2]。

動物園にいる姿から、世界中にいる動物のように感じるかもしれません。けれども野生のオランウータンは、広い地球の中で、この2つの島の森にしかいません。

ボルネオ島はインドネシアとマレーシアにまたがる島で、スマトラ島の北部はインドネシアです。資料では、島ごとに別の種類が区別されているとも書かれています[2]。では、その種類はいくつあるのでしょうか。

円山動物園の解説によれば、オランウータンはインドネシア(スマトラ島北部とボルネオ島)とマレーシア(ボルネオ島)に生息する[1]。辞典の記述でも、分布はボルネオ島とスマトラ島で、島ごとに別の種類が区別されている[2]。動物園で身近な動物でありながら、野生の分布は地球上の2つの島に限られている点がまず目を引く。

ボルネオ島は2か国にまたがるため、「どの国にいるか」を数えると、島単位で見るより話が複雑になる。国の数え方は資料によって異なりうるので、この記事では国ではなく島を単位にして話を進める。

では、島単位で見たとき、オランウータンは何種に分かれるのか。ここが次の問いになる。

2. おなじ オランウータンでも、ちがう なかまが いる

2. 島ごとに仲間が分かれ、2017年に3種目が新種として記載された

2. 2つの島と3つの種:2017年に記載されたタパヌリ

いま、オランウータンは 3しゅるいに わけられて います。スマトラ島の スマトラオランウータン、ボルネオ島の ボルネオオランウータン、そして タパヌリオランウータンです[3]。

タパヌリは、スマトラ島の きたの ほうに すみます。2017ねんの 11月に、あたらしい しゅるいとして、ろんぶんで はっぴょうされました[3]。

すんで いる ひろさは、やく 1000へいほうキロメートルと いわれます。1つの へんが 32キロメートルくらいの 四角に あたる ひろさです。かずは、800ひきより すくないと 考えられて います[4]。

そんな せまい 森で、どんな ふうに ねて いるのでしょう。

3種のうち、いちばん新しい仲間

現在のオランウータンは、スマトラ(学名 Pongo abelii)、ボルネオ(P. pygmaeus)、タパヌリ(P. tapanuliensis)の3種です。タパヌリは2017年11月に、科学雑誌『カレント・バイオロジー』で新種として記載されました[3]。

タパヌリはスマトラ島北部のバタン・トル地域にすみます。広さはおよそ1,000平方キロメートルで、一辺32キロメートルほどの正方形に相当します。推定される数は800頭未満です[4]。

数で比べると

IUCN(国際自然保護連合)の評価にもとづく2016年時点の推定では、スマトラが約14,613頭、ボルネオが約104,700頭、タパヌリが800頭未満でした[5]。ボルネオはスマトラの約7倍、タパヌリは3種を合わせた数の約150分の1にあたります(上の数字からの私の計算で、どれも推定値です)。

タパヌリがスマトラの種と分かれたのは約340万年前、ボルネオの種とは約67万年前とされています[4]。これも推定です。そんな小さな範囲の森で、オランウータンはどんな家を使っているのでしょうか。

現在のオランウータンは、スマトラ(Pongo abelii)、ボルネオ(P. pygmaeus)、タパヌリ(P. tapanuliensis)の3種に分けられる。タパヌリは2017年11月に学術誌 Current Biology で新種として記載された[3]。つまり3種のうち2種はスマトラ島にいて、ボルネオ島にいるのは1種である。

タパヌリが生息するのはスマトラ島北部のバタン・トル地域で、範囲は約1,000km²と紹介されている。これは一辺約32kmの正方形に相当する。推定個体数は800頭未満である。スマトラの種とは約340万年前、ボルネオの種とは約67万年前に分かれたとされるが、分岐年代は遺伝情報からの推定値であり、幅を持って読む必要がある[4]。

数の面では差が大きい。IUCNの評価にもとづく2016年時点の推定値は、スマトラ約14,613頭、ボルネオ約104,700頭、タパヌリ800頭未満である[5]。上の数字から計算すると、ボルネオはスマトラの約7倍、タパヌリは3種合計(約12万頭)の約150分の1にとどまる。数字は年次のある推定で、調査方法によって幅がある。

では、これらの種は、森でどのような「家」を使っているのか。

3. おうちは、まいばん つくる ベッド

3. 毎晩、木の上に新しい寝床をつくる

3. 毎晩つくる巣:木の上の「家」の使い方

オランウータンは、ほとんどの じかんを 木の 上で すごします[1]。よるに なると、木の えだを おりまげて、からだの 下に しいて、ベッドを つくります[2]。まい日、あたらしい ベッドです。

スマトラ島の もりで、53とうの おとなを しらべた けんきゅうが あります。455日と よるに わたる かんさつです。よるの ベッドは、えだと はっぱで、しっかり つくります[6]。

ひるねの ベッドは、2分も かからない かんたんな ものでした。そして よるは、13じかんちかくも 木の 上で ねる、と ほうこくされて います[6]。

オランウータンの おうちは、たてものでは ありません。つくった ベッドと、森が、おうちなのでしょう。でも、ずっと 木の 上なのでしょうか。

枝を折り、体の下に敷く

辞典によると、オランウータンは夜、木の枝を折り曲げて体の下に敷き込み、簡単な巣をつくって眠ります。毎夕、樹上に新しいベッドをつくる、とも書かれています[2]。野生では、ほとんどの時間を樹上で過ごす動物です[1]。

夜の巣と昼の巣は別もの

スマトラ島のスアク・バリンビン観察基地では、53頭の成獣を455日夜にわたって観察した研究があります。夜は一晩に13時間近く、樹上の巣で眠るという報告で、睡眠が乱れると昼寝で補うことも分かりました。夜の巣は毎晩、枝と葉でしっかりつくり、昼の巣は2分足らずでつくる簡単なものです[6]。13時間近くという数字は、夜間の睡眠時間の目安です。

こう見ると、オランウータンにとっての「家」は、決まった建物ではなさそうです。毎日つくる寝床と、その材料がそろう森そのものを、家と呼べるかもしれません(ここは資料をもとにした私の読み方です)。では、そんなに木の上が好きなら、地面には一度も降りないのでしょうか。

野生のオランウータンは、ほとんどの時間を樹上で過ごす[1]。夜には木の枝を折り曲げて体の下に敷き込み、簡単な巣をつくる。辞典の記述では、毎夕、樹上に新しいベッドをつくって眠る[2]。

この巣づくりを詳しく調べた例が、スマトラ島のスアク・バリンビン観察基地での観察である。成獣53頭を455日夜にわたって観察したところ、一晩に13時間近くを樹上の巣で眠っていた。夜の睡眠が乱れた日は、昼寝で補っていた。夜の巣は枝と葉でしっかり組み、昼の巣は2分足らずでつくる簡単なものだった[6]。13時間近くという数字は夜間の睡眠時間の目安で、巣の中にいた総時間とは区別して読む必要がある。

ここから分かるのは、巣が使い捨てに近い道具ではなく、寝る時間の長さに見合う手間をかけてつくる寝床だという点である。毎晩つくり直すなら、必要なのは一か所の「家」ではなく、枝と葉が手に入る広い森である。この「家=寝床と森」という読み方は、資料を並べた筆者の解釈である。

ただし、夜を木の上で過ごすことと、昼も木の上にいることは別の話である。地上は本当に使われないのか。

4. じめんには、ぜんぜん おりないの?

4. 木の上だけで暮らしているわけではない

4. カメラトラップが示した地上の活動

どうぶつえんの かいせつでは、おとなの オスいがいは、ふつう じめんに おりない、と 書かれて います[1]。

ところが、ボルネオ島の 森に カメラを おいて しらべると、まえに 考えられて いたより、よく じめんに おりて いることが わかりました。おおきな 森でも、じめんでの すがたが うつりました[7]。

ボルネオの オランウータンは、木の 上で くらす どうぶつの なかで、せかいで いちばん 大きいと いわれます[7]。ボルネオ島は、大きな どうぶつを たべる どうぶつが いないので、じめんを あるくのだ、という せつも あります[8]。

木の 上は、しょくどうでも あります。たべものの やく 6わりは くだものです[1]。

ボルネオの森に置かれたカメラ

動物園の解説には、成獣の雄以外は基本的に地面に降りない、とあります[1]。ところが、ボルネオ島の熱帯雨林にカメラを置いて調べた研究では、これまで言われていた観察より、頻繁に地上に降りていることが示されました。地上の活動は、傷んだ森だけでなく、原生林でも記録されています[7]。

ボルネオのオランウータンは、世界で最も大きな樹上性の哺乳類です[7]。樹上で暮らす動物の中で最大級の体が、地面も歩いているというのは、意外ではないでしょうか。

島によって、地上の使い方が違う

ボルネオではスマトラより地上を移動するとされ、大型の地上の捕食者がいないためだ、という説があります[8]。あくまで説の一つです。すむ森は泥炭湿地林や熱帯ヒース林、混交フタバガキ林などで、標高1,500メートルまでの記録があります[8]。

木の上は食堂でもあり、食べ物の約60%は果実で、ほかに若葉や昆虫、小動物も食べます[1]。果実をつける木が点々とある、広い森が必要になりそうです。

円山動物園の解説では、成獣の雄以外は基本的に地面に降りないとされる[1]。ところが、ボルネオ島の熱帯雨林でカメラトラップ(動物が前を通ると自動で撮影する装置)を使った研究では、従来の逸話的な観察より頻繁に地上に降りていることが示された。地上の活動は劣化の進んだ生息地だけでなく、原生林でも記録されている[7]。ボルネオオランウータンは世界最大の樹上性哺乳類である[7]。

この結果は、「樹上性」という呼び方を打ち消すものではない。夜は木の上で眠り、昼の多くも樹上にいるという大枠は変わらず、カメラによって地上の記録が加わった、という位置づけで読むのが妥当である。観察者の目では見えにくい行動が、置いたカメラで拾われた点が新しい。

島による違いも指摘されている。ボルネオでは、大型の地上捕食者がいないため、スマトラより地上を移動するとされる。ただしこれは理由の説の一つであり、スマトラとボルネオを同じ方法で比べた結果ではない[8]。ボルネオの種は泥炭湿地林・熱帯ヒース林・混交フタバガキ林などにすみ、標高1,500mまで記録がある[8]。

食べ物の面でも、広い森が必要になる。雑食だが約60%は果実で、ほかに若葉・昆虫・小動物を食べる[1]。7〜10歳で親から離れて単独生活に入り、種として生き延びるには広い行動範囲が必要だとJICAの資料は述べる[9]。その広い森が、今どうなっているのか。

5. もりが かわると、おうちは どうなるの?

5. 森が変わると、家はどうなるのでしょうか

5. 森の変化と推定個体数:近絶滅という評価の背景

ひろい 森が ひつような オランウータンは、いま すんで いる 森が へって います。たくさんの 木が ある 森が、1しゅるいの アブラヤシだけが ずっと つづく はたけに かわった ところも あります[9]。

3しゅるいとも、せかいの ほごの リストでは、とても きけんが たかい なかまと されて います[5]。

ボルネオ島では、36555この ベッドを しらべた ことが あります。ベッドの かずから かんがえる と、1999ねんから 2015ねんの あいだに、やく 148500ひきが へったと 見つもられました[10]。

でも、ベッドを かぞえる 人が いて、カメラで しらべる 人も います。わかった ことは、これからも ふえて いきます。

多様な森が、1種類の木だけの場所に

JICAの資料は、さまざまな種類の木がある森が、たった1種類のアブラヤシだけが延々と続く場所に変わった、と述べています。保護区が飛び地のように分かれていたり、狭すぎたりする問題も指摘されています[9]。毎晩つくる寝床の材料も、果実も、広い森があってこそです。

巣の数から見える数字

3種とも、IUCN(国際自然保護連合)のレッドリストでは「近絶滅」とされています[5]。

ボルネオ島では、36,555個の巣の調査を基に、1999〜2015年に約148,500頭が減ったと推定されました(推定の幅は大きく、10万頭を超える減少が示された、という研究です)。減少の割合が最も大きかったのは開発された地域ですが、頭数では、森が残っていた地域での減少が最大でした。このことから、狩猟の影響が大きかった可能性が示唆されています[10]。推定値であり、反論もあるので、一つの見積もりとして読みます。

毎晩つくる巣が、人間の側から見ると、数を数える手がかりにもなっています。観察、カメラ、巣の調査で、分かることは増え続けています。

オランウータンの生息地が減る要因の一つに、アブラヤシ(パーム油の原料)の大規模農園化がある。JICAの資料は、多様な樹種からなる森が、1種のアブラヤシだけが続く場所に変わったと述べる。保護区が飛び地状で狭すぎるという問題も指摘されている[9]。広い行動範囲を必要とする種にとって、森が分断されることは、寝床の材料や果実を得る範囲が狭まることを意味する。

こうした中で、3種はいずれもIUCNレッドリストで近絶滅(Critically Endangered)に位置づけられている[5]。この評価は、既に見た推定個体数(スマトラ約14,613頭、タパヌリ800頭未満、ボルネオ約104,700頭)とあわせて読むと、タパヌリの推定個体数は3種の中で最も少ない。ここでは個体数の推定値を、近絶滅という評価とあわせて示す。ただし数字は推定で、年次がある。

ボルネオ島では、36,555個の巣の調査を基に、1999〜2015年に約148,500頭が減ったと推定された(原論文は Current Biology 掲載。推定の幅は大きい)。減少率が最大だったのは開発の進んだ地域だが、頭数では森が残った地域での減少が最大で、このことから狩猟の影響が大きかった可能性が示唆される[10]。つまり、「森が減れば減る」という単純な図式だけでは足りない。この推定にも反論があるため、一つの見積もりとして扱う。

巣を数えて頭数を見積もる調査が成り立つのは、毎晩、新しい寝床をつくる習性があるからだと考えられる(資料を並べた筆者の読み)。観察、カメラ、巣の調査と、手段が増えるたびに、暮らしの輪郭は更新されている。

6. ちずと どうぶつえんで たしかめて みよう

6. 地図と動物園で、2つの島の森を確かめる

6. 地図と動物園で確かめる:2つの島と寝床

うちで できる ことが あります。ちきゅうぎや せかいちずで、ボルネオ島と スマトラ島を さがして みましょう。日本から どちらの ほうこうに あるか、ゆびで たどって みて ください。

もう ひとつ。クッションや もうふを あつめて、ゆかの 上に ベッドを つくって みましょう。オランウータンは えだを おって、からだの 下に しきます。ふつうの ふとんと、どこが ちがうでしょうか。クッションや もうふの ベッドづくりは、ゆかの 上で します。高い ところには のぼりません。

どうぶつえんに いける ときは、オランウータンが 高い ところに いるか、じめんに いるかを 見て みましょう。5分ごとに かぞえると、ちがいが わかります。

円山どうぶつえんの Q&Aや、JICAの「地球の ひろば」で、オランウータンの くらしや 森の へんかを たしかめて みましょう。

今日できること

地球儀か世界地図で、ボルネオ島とスマトラ島を探してみましょう。日本から見てどの方向にあるかを指でたどるだけでも、「2つの島」が実感できます。家にあるクッションや毛布を集めて、床の上に寝床をつくるのもおすすめです。枝を折って体の下に敷くオランウータンの寝床と、ふだんの布団との違いを感じられます。クッションや毛布を使った寝床づくりは、床の上で行い、高い場所には登らないでください。

出かけてできること

動物園に行けるなら、オランウータンが高い所にいるか、床や地面にいるかを5分ごとに数えてみましょう。時間帯や個体によって違いが出るかもしれません。動物園の環境は自然の森とは違うので、野生の行動とそのまま比べないよう気をつけます。

公式情報

円山動物園のQ&A、JICA『地球の広場』のギャラリー、研究を紹介したNature Asiaの記事などが、出典欄にあります。ボルネオとスマトラで地上に降りる回数が違うのはなぜなのか、資料では説の一つとして紹介されているにとどまります。

手元でできること

地球儀や世界地図で、ボルネオ島とスマトラ島(北部のバタン・トル地域を含む)の位置を確認する。次に、日本の位置からの方角を、地図上で指でたどる。2つの島の位置と大きさが、動物の分布とどう関わるかを考える手がかりになる。

また、クッションや毛布を使って床の上に寝床をつくり、枝を折って体の下に敷く巣づくりとの違いを考える。クッションや毛布を使った寝床づくりは、床の上で行い、高い場所には登らない。

動物園で

動物園では、オランウータンが高い所にいる時間と、床や地面にいる時間を5分ごとに数える。時間帯や個体による違いを比べる。動物園の環境は自然の森と異なるため、野生の行動に直接当てはめない。

資料を読むなら

ここで使った資料には解説記事や百科事典が多い。種の数・個体数・分岐年代は、IUCNレッドリストの各種の評価ページと、タパヌリの記載論文・ボルネオ島の個体数減少の論文(どちらも Current Biology)に当たると、もとの数字と推定のしかたが分かる。円山動物園のQ&A、JICAの資料、Nature Asiaの記事は日本語で読める。ボルネオとスマトラで地上に降りる頻度の差は、説の段階にある。同じ方法で2つの島を比べた調査が、次の問いになる。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

オランウータンの分布・種・寝床・地上行動について、動物園の解説、辞典、研究の紹介記事などを突き合わせた。数字のうち推定値は本文で示した。

  1. 札幌市円山動物園「Q&A」 https://www.city.sapporo.jp/zoo/135-q.html (生息国・樹上生活・食べ物)
  2. コトバンク「オランウータン」(日本大百科全書ほか) https://kotobank.jp/word/オランウータン-3146637 (分布・寝床づくり)
  3. Cardiff University「New great ape species uncovered in Indonesia」 https://www.cardiff.ac.uk/news/view/991568-new-great-ape-species-uncovered-in-indonesia (3種・タパヌリの新種記載)
  4. Wikipedia(英語)「Tapanuli orangutan」 https://en.wikipedia.org/wiki/Tapanuli_orangutan (タパヌリの生息範囲・個体数・分岐年代の推定)
  5. Wikipedia(日本語)「オランウータン」 https://ja.wikipedia.org/wiki/オランウータン (IUCNの評価と推定個体数の引用)
  6. Discover Wildlife「Orangutans nap to catch up on lost sleep」 https://www.discoverwildlife.com/animal-facts/mammals/orangutans-nap-to-catch-up-on-lost-sleep (スマトラでの巣と睡眠の観察)
  7. Nature Asia(Scientific Reports 研究紹介) https://www.natureasia.com/ja-jp/life-sci/research/9107 (カメラトラップによる地上行動)
  8. Wikipedia(英語)「Bornean orangutan」 https://en.wikipedia.org/wiki/Bornean_orangutan (すむ森の種類・地上移動の説)
  9. JICA「地球の広場」ギャラリー https://www.jica.go.jp/publication/mundi/earth/gallery/detail3.html (独り立ちの年齢・行動範囲・アブラヤシ農園)
  10. Asian Scientist「Borneo orangutan population」(2018、Current Biology 論文の紹介) https://www.asianscientist.com/2018/02/in-the-lab/borneo-orangutan-population-deforestation/ (ボルネオ島の個体数減少の推定。原論文は Voigt ら 2018、Current Biology 28巻)

なおした ところ

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