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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

ふくろうは まっくらでも、どうして ネズミの いばしょが わかるの?

ふくろうは真っ暗でも、なぜネズミの位置を音だけで当てられるのか

メンフクロウの音源定位 ── 左右の時間差・上下の音量差・脳の音の地図と、羽音を消す翼

分野:生きもの

まっくらな へやでも、ふくろうは ネズミが たてる ちいさな おとだけで、えものを つかまえられる と いわれます。

めが つかえないのに、どうして いばしょが わかるのでしょう。みみと かおと あたまの なか、そして つばさの ひみつが わかります。

完全に真っ暗で、音も外へ漏れない部屋でも、メンフクロウは、ネズミが落ち葉をこするようなかすかな音だけを頼りに、獲物を捕まえられると紹介されています[1]。向きのずれは、上下にも左右にも1度に届かないという実験もあります[2]。

なぜ、音だけでそんなに正確に位置が分かるのでしょうか。上下にずれた耳、顔の羽、1秒の何万分の1という時間差、脳の中の地図、そして自分の羽音を消す翼がそろうと、「聞くために静かに飛ぶ」狩りになることが分かります。

メンフクロウは、完全な暗闇でも音だけで獲物を見つけて捕らえる[1]。Payne(1971)のスピーカー実験では、誤差は上下左右とも1度未満とされ[2]、別の研究紹介では約1.5度と書かれる[5]。数字が食いちがうのはなぜか、そしてその精度は何によって支えられているのか。

耳の非対称な配置、顔盤、10〜30マイクロ秒という時間差、中脳の音の地図、さらに自分の羽音を消す翼までを、一次資料と解説を比べて整理し、数字ごとに「何を測った値か」が分かるようにする。

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1. まっくらでも、ネズミを つかまえられるの?

1. 真っ暗な部屋でも、ネズミの音だけで捕まえられる

1. 暗室での音源定位 ── Payneのスピーカー実験と、誤差1度未満・約1.5度の読み方

まっくらで、おとも そとへ もれない へやに、ふくろうが います。そこで ネズミが おちばを こする ような ちいさな おとを ながすと、ふくろうは おとの する ほうへ とんで いきます[1]。

ためされた のは、メンフクロウと いう ふくろうです。べつの じっけんでは、スピーカーから ネズミが はを こする ような おとを だしました。ふくろうの あしが スピーカーの まわりの ねんどに つけた あとと、まんなかの ずれを はかって、どれだけ あたるかを しらべました[2]。

ずれは、うえにも よこにも 1どより ちいさい と いわれます[2]。1どは、10メートル さきで 17センチほどの ずれです。ほかの しりょうには 1.5どと あります[5]。

では、どうして そんなに あたるのでしょう。さいしょの ひみつは、みみの ならびかたに あります。

真っ暗で、音も外へ漏れない部屋に、メンフクロウと、ネズミが立てるような小さな音だけを置く。神経科学者のKonishiとKnudsenらの暗室の実験では、メンフクロウが音だけで獲物を見つけて捕まえられることが示されたと紹介されています[1]。

スピーカーの前の粘土

1971年のPayneの実験では、鳴き声ではなく、ネズミが葉をこするような音を出すスピーカーへふくろうを向かわせました。足がスピーカーのまわりの粘土につけた跡と、中心とのずれを測って、正確さを調べています[2]。ふくろうがたよるのは、おもに約5キロヘルツより高い音とされます[2]。

この実験では、誤差は上下も左右も1度未満とされます。別の研究紹介では約1.5度と書かれていて[5]、出典ごとに数字がちがいます。どちらにしても、1度は10メートル先で約17センチ、1.5度なら約26センチのずれにあたります。これは角度から私が計算した値で、実験で測られた距離ではありません。

では、その正確さは、体のどこから生まれているのでしょうか。まず耳の位置を見てみます。

暗室で、獲物の音だけを手がかりに飛んで捕らえられるか。この問いにKonishiとKnudsenは、完全に暗くして防音した部屋で、メンフクロウが音だけで獲物の位置を当てて捕らえることを示したと紹介される[1]。

正確さを数字で測ったのがPayne(1971)だ。ネズミが葉をこするような音を出すスピーカーへふくろうを向かわせ、足がスピーカー周囲の粘土につけた跡と中心とのずれで誤差を見た。要旨では、頼る音は約5kHz以上の高い音で、誤差は上下左右とも1度未満とされる[2]。一方、Caltechの研究紹介は上下左右とも約1.5度と書く[5]。後者は検索結果の要約にもとづく数字で、1度未満と1.5度のどちらが正しいかを決めるのではなく、出典ごとに書き分けるのが安全だ。

角度で見ると小さいが、距離にすると、10m先で1度は約17.5cm、1.5度は約26cmのずれになる(tan 1°≒0.0175から筆者が計算した値で、実験での測定距離ではない)。この精度を支える仕組みを、耳の配置から順に見る。

2. みみは、なぜ うえと したに ずれて いるの?

2. 左右の耳が、上と下にずれている

2. 非対称な耳 ── 左右の耳が上下にずれた配置が、上下の判断を助ける

ふくろうの みみは、あたまの ひだりと みぎに あります。でも、ならびかたが ひだりと みぎで ちがう(ひだいしょう)と いわれます[3]。

にほんごの かいせつでも、みみが うえと したに ずれて いるので、おとの いちを りったいてきに つかめると しています[8]。

ふたつの マイクを、ひとつは うえむき、ひとつは したむきに つけた ところを おもいうかべて ください。おとが くる ほうこうで、ふたつの きこえかたが かわります。ただし ほんとうの みみは、マイクより ずっと ふくざつです。

では、みみの まわりの かおには、どんな ひみつが あるのでしょう。

メンフクロウの耳の穴は、頭の左右で位置と向きが少しちがい、左右非対称に付いています。この非対称な耳は、ほかの属のふくろうにもあります[3]。

左右の耳が、上下にずれている

左右の耳で受け取る音がちがうことを使って、周囲の立体的な音の地図が作られると紹介されます[3]。日本語の解説も、左右の耳が上下にずれているため、音源の位置を立体的にとらえられるとしています[8]。

もし2つのマイクを、一方は上向き、もう一方は下向きに付けたとします。上から来た音は上向きのほうが大きく拾い、下から来た音は下向きのほうが大きく拾います。ふくろうの耳は、このたとえよりずっと複雑ですが、「向きがちがうと、同じ音がちがって聞こえる」という考え方は似ています。

耳が上下でちがう向きだと、音の大きさにも差が出ます。さらに、耳のまわりの顔にも仕掛けがあります。

音の上下を見分けるには、左右の耳で受け取る情報に、上下に応じた差が生まれる必要がある。メンフクロウの耳は、左右で穴の位置と向きが非対称だ。この特徴はほかの属のふくろうにも見られる[3]。

2つの耳の受信の差から、周囲の立体的な音の地図が作られると紹介される[3]。日本語の解説も、左右の耳が上下にずれていることで音源を立体的にとらえ、獲物の位置を正確に把握できるとする[8]。

ただし、耳の配置だけで上下の判断が決まるわけではない。次の章で見るように、顔の羽(顔盤)が音を集め、音量差の出方を変える役目をもつ。上下の手がかりは、耳と顔盤の組み合わせとして理解するのが正確だ。

3. かおの はねは、おおきな みみの ようなもの?

3. 顔のまわりの羽が、音を耳へ集める

3. 顔盤を取りのぞく仮想実験 ── 左右と上下の手がかりはどう変わるか

ふくろうの かおを ようく みると、まるい おさらの ような かたちを して います。これは「かおの はね」で、かたい はねが くぼんで ならんで います。

この くぼみは、おとを みみへ あつめる ように はねかえす と せつめいされます[1]。

この はねが なかったら、どうなるでしょう。しらべた けんきゅうでは、はねを とりのぞいた ことに して けいさんすると、ひだりみぎや うえしたを みわける てがかりが かわりました[4]。

じぶんで ためして みる ことも できます。てを みみの うしろに まるく あてると、おとの きこえかたが かわるか どうか、ききくらべて みましょう。

メンフクロウの顔には、まるいお皿のような羽の面があります。顔盤と呼ばれ、硬い羽が凹んだ面をつくっていて、音を耳へ集めるように反射するとStanford Birdsは説明しています[1]。

羽がないと、当てにくくなる

Hausmannらの2009年の研究は、顔盤がないとしたらどうなるかを、仮想実験で調べました。顔盤を取りのぞいたつもりで計算すると、左右の判断に使う時間差の幅が小さくなり、上下の判断に使う音の大きさの差の出方も変わって、どちらも位置を当てにくくなったと報告されています[4]。

この研究の計算では、顔盤をなくすと左右や上下を見分ける手がかりが変わりました。ただしこれは、1つの研究の結論です。

では、耳に届いた音から、どうやって位置を割り出すのでしょうか。

顔盤は、硬い羽が凹面を作り、音を耳の方向へ反射させる構造と説明される[1]。では、この構造が定位にどれだけ効くのか。Hausmannらは2009年のPLoS ONEで、顔盤をモデルから取りのぞいた仮想実験を行った[4]。

要旨によれば、顔盤は①左右方向(azimuth)で、時間差(ITD)の範囲を広げることで定位を助け、②正面付近の上下方向(elevation)では、音量差(ILD)が等しい線の位置をずらすことで定位を助ける[4]。顔盤を除いたモデルでは、定位に使う手がかりが変わった。

これは実際に羽を取った実験ではなく、条件を変えて手がかりの出方を調べた仮想実験であり、結果を「ふくろうの狩りの成功率が下がる」と読み替えてはいけない。顔盤を原典で読むなら、この論文(PMC2766829)が入口になる。

4. ほんの すこしの ちがいを、ききわける

4. 左右は「届く時刻」、上下は「音の大きさ」で見分ける

4. 時間差(ITD)と音量差(ILD)── 10〜30マイクロ秒という時間差の小ささ

ひだりみぎは、おとが とどく じかんの ちがいで わかります。おとが ひだりの みみに さきに つくなら、おとは ひだりに あります[4]。

うえしたは、おとの おおきさの ちがいで わかります[4]。

この じかんの ちがいは、とても みじかいのです。ある けんきゅうでは、ちいさな イヤホンで、みぎと ひだりに 10〜30マイクロびょうの ずれを つけた おとを ききました。1マイクロびょうは、1びょうの 100まん ぶんの 1です[5]。ですから 20マイクロびょうは、1びょうの 5まん ぶんの 1です。

ふくろうは、そんな みじかい ずれにも はんのうしたと しょうかいされて います[5]。

耳が2つあると、音の来た方向が分かります。左右のちがいは、音が両耳に届く時間のずれ(時間差)が主な手がかりです。上下のちがいは、両耳で聞こえる音の大きさの差(音量差)が主な手がかりです[4]。音量差が上下の位置とはっきり対応するのは、正面付近の上下およそ±40度の範囲です[4]。

1秒の何万分の1

Konishiらは、小さなイヤホンで左右の耳に10〜30マイクロ秒の時間差をつけた音を聞かせる実験をしたと紹介されています[5]。ふくろうは、そのごく小さな時間差をつけた音に反応しました。1マイクロ秒は100万分の1秒なので、20マイクロ秒は1秒の5万分の1です。

この数字は、実験で音に付けた時間差で、獲物の位置の誤差そのものではありません。また「時間差は左右、音量差は上下」は、主な手がかりを分かりやすくした整理です。

では、脳はこの小さな差を、どんな形で受け取るのでしょうか。

耳から脳へ届く手がかりは何か。Hausmannらによれば、水平方向(左右)は両耳への到着時間差(ITD)、上下方向は両耳での音量差(ILD)が主な手がかりで、ILDが上下位置と一対一に対応するのは、正面付近の上下およそ±40度、左右およそ±60度の範囲だ[4]。

では、時間差はどれほど小さいのか。Caltechの研究紹介(検索結果の要約)によれば、Konishiらは小型イヤホンで左右の耳に10〜30マイクロ秒の時間差をつけた音を聞かせ、ふくろうがそれに反応したという[5]。1マイクロ秒は100万分の1秒なので、20マイクロ秒は1秒の5万分の1、10〜30マイクロ秒は1秒の10万分の1〜約3万3千分の1にあたる(筆者の計算)。

これは実験で付けた時間差の大きさであって、獲物の位置の誤差そのものではない。また「時間差=左右、音量差=上下」は主な手がかりを示した単純化にとどまる。数字の元は検索結果の要約なので、原文のPDFで確かめる価値がある。

5. あたまの なかに、おとの ちずが ある

5. 脳の中にある、音の位置の地図

5. 中脳の聴空間地図 ── 1978年の発見と、視覚の地図との重なり

みみで きいた ちいさな ちがいは、のうの なかで「ちず」に なります。

1978ねんに、ふたりの けんきゅうしゃが、メンフクロウの ちゅうのうと いう ところに、おとの いちの ちずが ある ことを しめしたと いわれます[6]。ちずは、ひだりみぎと うえしたの 2つの ほうこうで できて います。

そのあと、おとの いちを あらわす ちずと、めで みた いちを あらわす ちずが、のうの おなじ ばしょに ある ことも みつかったと いわれます[6]。

ただし この はなしは、わたしたちが よんだ ようやくの しりょうに もとづきます。くわしく しりたい ときは、もとの ろんぶんを よんで みて ください。

耳から届いた小さな差は、脳の中で、音の位置を表す地図になります。KnudsenとKonishiは1978年、メンフクロウの中脳に、音の位置の地図があることを示したと紹介されています。地図は、水平方向と上下方向の2つの座標をもちます[6]。

耳の地図と目の地図が重なる

のちにKnudsenは、音の地図と視覚の地図が、中脳の同じ場所(視蓋)にあることを見つけたと紹介されています[6]。音の位置を表す地図と、見た位置を表す地図が、重なっているということです。

ただし、ここで使った資料は検索で得た要約が中心で、原文の論文ではありません。細かい内容を知りたいときは、原論文にあたるのが確実です。

こうして脳は、音から位置を割り出します。ところが、ふくろうが近づくときに自分の羽音が大きければ、獲物の音を聞きとるじゃまになりそうです。

脳は、時間差と音量差をどう位置にまとめるのか。Knudsen & Konishi(1978)は、メンフクロウの中脳に、音の位置を表す2次元(水平と上下)の地図があることを示したとされる[6]。のちにKnudsenは、この聴覚の地図が、中脳の視蓋(optic tectum)で視覚の地図と重ねあわされることも見つけた(1982年の論文 "Auditory and visual maps of space in the optic tectum of the owl")[6]。

この資料は検索結果の要約にもとづくため、細部は原論文で確かめる必要がある。ここで言えるのは、ふくろうの脳に音の位置の地図があり、それが目の地図と重なるとされる、という範囲までだ。

地図ができても、聞きとる側の条件が悪ければ精度は落ちる。獲物の音はもともと小さい。では、飛ぶ自分の羽音はどうしているのか。

6. じぶんの はおとを けして とぶ

6. 聞くために、自分の羽音を消して飛ぶ

6. 羽の前縁・後縁・表面の構造 ── 静かさは、狩りの精度の一部

ふくろうは、とぶ ときの おとが とても ちいさい ことでも ゆうめいです。つばさに、おとを へらす しかけが あります。

まえの ふちは、のこぎりの はのように ぎざぎざです。うしろの ふちは、ふさのように なって います。はの ひょうめんは、ビロードのような さわりごこちです[7]。

まえと うしろの ふちは くうきの ながれを ととのえ、ひょうめんの けは こすれる おとを へらす と いわれます[7]。まえの ぎざぎざは、くうきの うずの おとを おさえる と、スタンフォードの かいせつは のべて います[1]。

しずかに とぶのは、じぶんの はおとが、えものの おとを きく じゃまに ならない ためと せつめいされます[1]。きく ために、しずかに とぶのです。

ふくろうの翼には、静かに飛ぶための特徴が3つあります。前の縁のぎざぎざ(セレーション)、後ろの縁のふさ状のふち、羽の表面のビロードのような構造です[7]。

空気の渦を細かくする

前の縁と後ろの縁は空気の流れを整え、表面の毛はこすれる音を減らすといわれます[7]。前の縁のぎざぎざについて、Stanford Birdsは、空気の流れを乱して渦による音を抑えると説明しています[1]。

静かに飛ぶ理由は、自分の羽音が、獲物の音を聞きとるじゃまにならないためと説明されます[1]。音で見つけるふくろうにとって、静かな飛び方は、耳の一部のようなものです。

この翼の形は、人の道具にも生かされています。千葉大学と三井化学は、フクロウの翼の鋸歯構造をドローンのプロペラに応用して、騒音を減らす実証を行いました[8]。

耳が音を拾うなら、飛ぶ自分の羽音は雑音になる。SICBの解説によれば、メンフクロウの羽は、表面のビロード状の構造が摩擦の音を減らして翼まわりの空気の流れを安定させ、前縁のぎざぎざ(セレーション)と後縁のふさ状のふちが空気の流れを細かくして渦の音を減らす[7]。Stanford Birdsも、前縁のぎざぎざが翼上の空気の流れを乱して渦の音を抑える効果をもつと説明している[1]。

これらが静かさを生む理由は、獲物の小さな音を自分の羽音に邪魔されずに聞くためと説明される[1]。ここでいう「説明される」は、羽音が聞こえる限界を測った数字ではなく、構造と目的の組み合わせから語られている点に注意が必要だ。

この構造は工学にも使われている。千葉大学と三井化学は、フクロウの翼の鋸歯構造をドローンのプロペラに応用し、騒音低減を実証したと紹介される[8]。耳・顔盤・脳の地図・静かな翼は、それぞれが「音だけで狩る」ことの別の部分を担っていると言える。

あそんで ためして みよう

目を閉じて、音の来た方向を指さしてみる

原典へ ── 数字を確かめる順番と、残る問い

ともだちか かぞくに、めを とじて すわって もらいます。すこし はなれた ところで、ゆびを こすりあわせて ちいさな おとを だし、「どっち?」と ゆびさして もらいます。

きく ひとの まえ・みぎ・ひだりで おとを だして、どの ほうこうが あてやすいか、くらべて みましょう。ふくろうの ような せいどには ならなくても、おとの むきを あてる ふしぎが かんじられます。

てを みみの うしろに まるく あてて、ききくらべても おもしろいです。ためす ときは、おおきな おとは だしません。

目を閉じて椅子にすわる人と、少し離れた場所で小さな音を出す人に分かれます。音は、指をこすり合わせる、紙を丸めるなど、静かなものにします。目を閉じた人は、音のした方向を指さします。

前、後ろ、右、左と位置を変えて、どこが当てやすいかを比べます。ふくろうのような精度にはなりませんが、音の向きを当てる難しさが実感できます。ただし、大きな音を出さないことと、動き回るので周りに物がない場所で行うことは守ってください。

手を耳のうしろに丸めて当て、聞こえ方が変わるか比べてみましょう。顔盤が音を集めるという説明と、重ねて考えてみましょう。

もっと知りたいときは、Stanford Birdsの解説[1]と、シャープの日本語ページ[8]が入口になります。

数字を確かめる順番は、①誤差1度未満はPayne(1971)の原著論文の要旨[2]、約1.5度と10〜30マイクロ秒はCaltechの研究紹介[5]、②顔盤・時間差・音量差の根拠はHausmannらの2009年の原著論文[4]、③音の地図はKnudsenの項目(二次資料。1982年の原著論文も確かめたい)[6]、④翼の静かさは学会の解説SICB[7]と研究紹介のStanford Birds[1]、日本語ではシャープの解説[8]が入口になる。

残る問いは、1度未満と約1.5度の差が条件の違いなのか測り方の違いなのか、そして羽音の小ささを数字で測った原文がどこにあるのかだ。自分で試すなら、目を閉じた人に音の向きを指さしてもらい、前後左右と上のどこが当てやすいかを比べるとよい。ふくろうと比べるのではなく、「方向によって差が出るか」を見る遊びとして使う。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

出典について:Stanford Birdsの解説、Payneの論文要旨、AskNature、Hausmannらの論文、Caltechの研究紹介、Knudsenの項目、SICBの解説、シャープの解説を使った。何に使ったかは、それぞれの項目の最後に書いている。

  1. Stanford Birds "How Owls Hunt in the Dark"。https://web.stanford.edu/group/stanfordbirds/text/essays/How_Owls_Hunt.html (音だけの狩りの実験、顔盤が音を集める説明、前縁のぎざぎざと羽音を消す理由について)
  2. Payne 1971, Journal of Experimental Biology 54:535。https://cob.silverchair.com/jeb/article/54/3/535/21635/Acoustic-Location-of-Prey-by-Barn-Owls-Tyto-Alba (スピーカー実験と誤差について。要旨をもとにした)
  3. AskNature "Ears map sounds"。https://asknature.org/strategy/ears-map-sounds/ (左右の耳が非対称であることについて)
  4. Hausmann ほか 2009, PLoS ONE (PMC2766829)。https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2766829/ (顔盤を除いた計算と、時間差・音量差の手がかりについて)
  5. Caltech Engineering & Science (Konishi の研究紹介)。https://calteches.library.caltech.edu/561/02/Progress.pdf (約1.5度の精度と10〜30マイクロ秒の時間差について。検索結果の要約をもとにした)
  6. Eric Knudsen (Wikipedia)。https://en.wikipedia.org/wiki/Eric_Knudsen (中脳の音の地図について。二次資料で、検索結果の要約をもとにした)
  7. SICB "The silent flight of owls"。https://sicb.org/?p=24405 (翼の静かな構造について)
  8. シャープ Nature Technology「フクロウ」。https://jp.sharp/nature/owl/ (日本語の解説と、ドローンへの応用の紹介について)

なおした ところ

更新履歴

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