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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

やっきょくでは、くすりを わたす ほかに なにを しているの?

薬局では何をしているのか ── 処方箋の確認から服薬の説明まで

薬局の仕事 ── 処方箋を確かめ、薬を整え、説明するまで

分野:からだ

おくすりを もらいに いくと、カウンターの むこうで、くすりを ふくろに 入れて くれる 人が います。やくざいしさんは、ふくろに 入れる ことだけを して いるのでしょうか。

じつは、お医者さんが 書いた 紙を 見て、「この とおりに 出して だいじょうぶかな」と たしかめる ことも、ほうりつで きまって います。やっきょくでは、お医者さんの 紙を たしかめ、くすりの くみあわせを 見て、のみかたを せつめい して、きろくも して いるのです。

薬局でお薬をもらうとき、薬剤師さんが受け取った処方箋と薬を見くらべている場面を、見たことがあるかもしれません。実は、薬剤師は処方箋に疑わしい点があれば、医師に問い合わせてから調剤するよう、法律で決まっています。

答えを先に書くと、薬局では次の四つをしています。処方箋の内容を確かめること、薬どうしの重なりや飲み合わせを見ること、薬を飲む人に合わせて整えること、飲み方を説明して記録することです。この記事では、その順に見ていきます。

薬局では、医師の出した処方箋をもとに薬を準備して渡す。しかし薬剤師は、処方箋に疑わしい点があれば医師に問い合わせて確かめるまで、その処方箋で調剤してはならないと薬剤師法で定められている。薬局の仕事は、薬を渡すことにとどまらない。

薬局の仕事は大きく四つにまとめられる。処方箋の内容を確かめること、薬どうしの重なりや飲み合わせを見ること、服用の時点ごとに薬を整えること、そして飲み方を説明して記録することである。このメモでは、法律・職能団体・行政の資料をつきあわせて、この順に整理する。

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1. しょほうせんに へんな ところが あれば、お医者さんに 聞く

1. 処方箋に疑わしい点があれば、医師に問い合わせる

1. 処方箋は、そのまま使わない ── 疑義照会の決まり

お医者さんは、病気を見て、くすりの しゅるいと りょうを 書いた 紙を 出します。その 紙を しょほうせん と いいます。

やくざいしさんは、その 紙を 見て、おかしな ところが ないかを たしかめます。「この りょうで いいのかな」と 思う ところが あれば、お医者さんに 電話などで 聞きます。聞いて たしかめるまで、その 紙の とおりに くすりを 作って は いけないと きまって います。

処方箋(医師が薬の種類と量を書いた紙)を受け取ると、薬剤師はまず内容を確かめます。薬の量や種類、書きまちがい、読みにくい字などに「疑わしい点」があれば、処方した医師に問い合わせて確かめます。これを疑義照会といいます。

薬剤師法第24条は、疑わしい点を確かめた後でなければ、その処方箋で調剤してはならないと定めています[1]。問い合わせは、ミスを防ぐための、ふだんの仕事です。

処方箋(医師が薬の種類・量・用法を書いた文書)に疑わしい点があるとき、薬剤師は処方医に問い合わせ、確かめてから調剤する。薬剤師法第24条は、確かめるまでその処方箋で調剤してはならないと定める[1]。この問い合わせを疑義照会という。

日本薬剤師会が2011年に公表した実態調査(2011年2月の1週間、保険調剤サポート薬局1,012軒)では、処方箋の応需は1軒あたり平均402.6枚で、疑義照会は平均12.7件、発生割合は3.15%だった。内容は薬学的な疑義が82.3%、処方箋の記載漏れや判読不能が16.2%。問い合わせた結果、処方が変わったのは68.9%だった[2]。この数字は調査時点の古いものなので、いまの割合は分からない。

2. いくつも もらった くすりが、ぶつからないか

2. 別々の病院の薬を、まとめて見る

2. 重なりと飲み合わせ ── お薬手帳と、かかりつけの薬局

びょういんが 2つ あると、それぞれの お医者さんが ちがう くすりを 出す ことが あります。どちらにも 同じ せいぶんの くすりが 入って いると、同じ くすりを 二回 のむ ことに なるかも しれません。

そこで、やくざいしさんは、お薬手帳を 見て、くすりの 重なりや、いっしょに のむと よくない 組み合わせが ないかを たしかめます。

複数の医療機関にかかると、それぞれの医師が、ほかの医療機関の薬をいつも把握しているとは限りません。同じ成分の薬が重なったり、薬どうしの飲み合わせに問題があったりすることが起きえます。

そこで薬局では、お薬手帳を見て、重複や飲み合わせを確かめます。日本薬剤師会は、かかりつけ薬剤師が処方薬や市販薬、健康食品を含めて服用状況を把握し、重複や相互作用を確認すると説明しています[3]。文京区も、お薬手帳を薬局に持参すると重複のチェックをしてもらえると案内しています[4]。

医療機関が複数あると、医師どうしは他院の処方を必ずしも把握していない。同じ成分の薬が重なったり、薬の相互作用が起きたりすることがある。薬局はお薬手帳を見て、重複投薬や相互作用を確かめる。日本薬剤師会は、かかりつけ薬剤師の役割として、処方薬と市販薬・健康食品を含めて服用状況を把握し、重複や相互作用を確認することを挙げる[3]。

この確認は、一つの薬局に集まるほど全体が見えやすくなる。文京区の案内は、お薬手帳を薬局ごとに持たず、一冊にまとめることを勧めている[4]。

3. くすりを のむ 時間ごとに まとめる

3. 薬を数えて、飲む時間ごとにまとめる

3. 調剤と一包化 ── 飲み忘れを防ぐための包み方

しょほうせんの とおりに、くすりを 数えて、ふくろに 入れます。これを ちょうざい と いいます。

くすりを たくさん のむ 人は、朝・昼・夜の どれを のむのか わすれて しまう ことが あります。そこで、のむ 時間ごとに 小さな ふくろに まとめる、いっぽうか という やり方が あります。

薬剤師は、処方箋どおりに薬を数えて取りそろえ、調剤します。そのあと、処方箋と薬が合っているかを、もう一度確かめます。

たくさんの薬をのむ人は、飲み忘れが起きやすくなります。そこで、朝・昼・夜など服用の時点ごとに薬を小袋にまとめる一包化が行われることがあります。厚生労働省の資料では、在宅療養で飲み残しや飲み忘れを防ぐための支援として挙げられています[5]。

調剤では、処方箋どおりに薬を計量し、取りそろえる。調剤のあと薬剤師が監査し、内容が処方箋と一致しているかを別の目で確かめる。

一包化は、服用の時点ごとに薬をまとめて包むことである。厚生労働省の資料では、在宅療養で飲み残しや飲み忘れを防ぐための支援として挙げられている[5]。服用の記録(カレンダーなど)を併せ、家族や介護者が飲み忘れに気づけるようにする工夫もある。

4. くすりの 使い方を、ことばで せつめいする

4. 飲み方を、本人と家族に説明する

4. 服薬指導 ── 渡すときの説明と、そのあとの見守り

やくざいしさんは、くすりを わたすとき、どんな くすりか、いつ、どれだけ のむのか、どんな ことに 気を つけるのかを 話します。

この せつめいは、くすりを 正しく つかうための たいせつな 仕事です。ほうりつでも、くすりを つかう 人に ひつような じょうほうを つたえ、ちしきに もとづいて しどうする ことが きまって います。

薬剤師は、薬を渡すときに、薬の効き目や使い方、注意することなどを患者さんや家族に説明します。薬剤師法第25条の2第1項は、薬を適切に使うための必要な情報を提供し、指導を行うことを義務として定めています[1]。

同条第2項では、必要だと認めるときは、調剤したあとも薬の使用の状況を続けて把握し、説明を重ねるよう定められています。薬を渡して終わりではなく、そのあとの様子を見るところまでが仕事に入っています。

薬剤師法第25条の2第1項は、調剤した薬剤の適正な使用のため、患者または看護する者に必要な情報を提供し、薬学的知見に基づく指導を行うことを義務づける。同条第2項は、必要と認める場合に、使用の状況を継続的かつ的確に把握し、情報提供と指導を行うことを定める[1]。

日本薬剤師会は、調剤時の服薬指導と、服用期間中のフォローアップを薬剤師の代表的な業務として挙げる[3]。説明の場面は、薬の名前を伝える場というより、飲む人の生活に薬をどう合わせるかを話し合う場だと言い換えることもできる。

5. かぜぐすりの えらびかたも、そうだんできる

5. 市販薬の相談と、夜間の電話

5. 市販薬の区分と、薬剤師の役割

びょういんに かからなくても、かぜぐすりを えらぶ ときに、やくざいしさんに そうだん できます。

くすりには 区分が あって、いちばん 注意が いる くすりは、やくざいしさんが ちょくせつ せつめい します。

薬局では、病院の処方箋がなくても、市販薬の相談ができます。市販薬は、注意の度合いによって、要指導医薬品、第1類医薬品、第2類医薬品、第3類医薬品に分けられています。

要指導医薬品と第1類医薬品は、薬剤師だけが販売できます。第2類と第3類は、薬剤師か登録販売者が販売できます[6]。

日本薬剤師会は、夜間や休日に電話で薬の使い方などの相談に応じることや、外出が難しい人の自宅を訪ねて服薬を確かめることも、かかりつけ薬剤師の役割として挙げています[3]。

一般用医薬品は、要指導医薬品、第1類、第2類、第3類に区分される。要指導医薬品と第1類は薬剤師が販売し、情報提供を対面で行う。第2類と第3類は薬剤師か登録販売者が販売する[6]。

日本薬剤師会は、夜間・休日の電話相談と、在宅医療での服薬の確認も、かかりつけ薬剤師の仕事として挙げている[3]。薬局の仕事は、調剤の窓口だけでは収まらない。

6.やっきょくの しごとは、かわって きた

6. 「薬を出す所」から「人を支える所」へ

6. 患者のための薬局ビジョン ── 対物から対人へ

やっきょくは、くすりを わたす ところ だけでは なく、人と 向き合う ところへ ひろがって いこうと して います。国が 2015年に、その ほうこうを しめした ことが あります。

2015年、厚生労働省は「患者のための薬局ビジョン」を公表しました。薬の調製だけでなく、患者さんと向き合う役割に重心を移していこうという方針です。

ビジョンは、「立地から機能へ」「対物業務から対人業務へ」「バラバラから一つへ」という考え方を示しました。この記事で見てきた仕事にも、その対人業務の方向と重なる部分があります。

薬局の仕事では、薬の調製などモノを扱う業務(対物業務)だけでなく、患者と向き合う業務(対人業務)にも重心を置く方向で語られてきた。厚生労働省は2015年10月23日に「患者のための薬局ビジョン」を公表し、「立地から機能へ」「対物業務から対人業務へ」「バラバラから一つへ」を基本的な考え方として示した[7]。

ここまで見てきた仕事にも、患者と向き合う対人業務の部分が含まれている。

7. しらべて みよう

7. 自分でも調べてみたくなったら

7. 自分で調べてみたくなったら

いまから できる こと:いえに ある くすりの はこや せつめいしょを、おとなと いっしょに 見て、「しょくぜん」「しょくご」「1日3回」などの ことばを さがして みて ください。くすりは、きまりを まもって つかう ものです。

今日できること:家にある薬の箱か説明書を、大人といっしょに見て、「食前」「食後」「1日3回」などの言葉を探してみてください。薬は、人にあげたり、決められた飲み方を勝手に変えたりしないことが大切です。

出かけてできること:薬局で薬を受け取るとき、袋に書かれた飲み方の意味を、大人といっしょに薬剤師さんに聞いてみます。

資料を読むなら:薬剤師法(e-Gov法令検索)の第1条・第24条・第25条の2([1])と、日本薬剤師会「かかりつけ薬剤師・薬局とは?」([3])。

一般の人向けの資料:PMDAの「患者向医薬品ガイド」と、一般用医薬品・要指導医薬品の添付文書([8])。添付文書には、用法・用量や使用上の注意が書かれている。ただし、読み方は薬剤師に確かめるのがよい。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

このメモは、下にあげた公開情報をもとに書いています。文章や図を無断で転載してはいません。もっと正確に知りたいときは、必ず下の出典にあたってください。リンク先の内容や、リンク先で起きたことについて、当サイトは責任を負いません。

  1. 薬剤師法(e-Gov法令検索)。 https://laws.e-gov.go.jp/document?lawid=335AC0000000146 (第1条の任務、第24条の処方せん中の疑義、第25条の2の情報提供と指導)
  2. 業界紙のニュース記事(2011年10月31日)。日本薬剤師会の「2010年度薬剤服用歴活用、疑義照会実態調査」の結果を伝える記事。 https://www.yakuji.co.jp/entry24690.html (調査期間2011年2月の1週間、保険調剤サポート薬局1,012軒、疑義照会の平均件数・発生割合・内容・処方変更の割合)
  3. 公益社団法人日本薬剤師会「かかりつけ薬剤師・薬局とは?」。 https://www.nichiyaku.or.jp/kakaritsuke/about/index.html (かかりつけ薬剤師の役割:服用中の薬の把握、重複・飲み合わせ、残薬、市販薬の相談、夜間・休日の相談、在宅)
  4. 東京都文京区「薬は適正に服用しましょう」(国民健康保険の関連情報)。 https://www.city.bunkyo.lg.jp/b021/p000475.html (お薬手帳の役割、重複服薬のチェック、お薬手帳を1冊にまとめること)
  5. 厚生労働省 中央社会保険医療協議会 総会 資料(2007年7月)。 https://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/07/dl/s0706-2f_0005.pdf (在宅療養で、飲み残し・飲み忘れを防ぐために服用時点ごとに一包化する支援)
  6. 福岡市「一般用医薬品の販売」に関する案内(医薬品事業者向けの解説ページ)。 https://www.city.fukuoka.lg.jp/hofuku/hokensho/iyakumu/yakumu/jigyosya/iyakuhin_jigyousha_2.html (要指導医薬品・第1類は薬剤師が販売、第2類・第3類は薬剤師か登録販売者)
  7. 厚生労働省「患者のための薬局ビジョン ~「門前」から「かかりつけ」、そして「地域」へ~」(平成27年10月23日)。 https://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11121000-Iyakushokuhinkyoku-Soumuka/vision_1.pdf (立地から機能へ、対物業務から対人業務へ、バラバラから一つへ)
  8. 独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)「一般の方におすすめのコンテンツ」。 https://www.pmda.go.jp/pnavi-01.html (患者向医薬品ガイド、一般用医薬品・要指導医薬品の添付文書、相談窓口)

なおした ところ

更新履歴

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