1. うまれたとき、どれくらい ちいさいの?
1. ペットボトル1本ほどの重さで生まれ、春には約20倍になる
1. 約0.6kgで生まれ、巣穴を出るまでに10〜15kgへ
ホッキョクグマの あかちゃんは、うまれた ときは やく0.6キロです。500ミリリットルの ペットボトル 1ぽんぶんと、ほぼ おなじです[2]。
3〜4がつごろ、ゆきの おうちを 出る ときには、10〜15キロに なります[2]。2リットルの ペットボトル 5ほんぶんが 10キロですから、やく20ばいです。
ただし、この 10〜15キロは、おうちを 出る ときの おもさです。1ねん たった ときの おもさでは ありません。
ゆきの 中で、そんなに 大きく なる ひみつは、どこに あるのでしょう。まず、そだつ 場しょから 見て いきます。
2. そとが ものすごく さむくても、ゆきの へやは あたたかい?
2. 外がマイナス40℃でも、雪の小部屋は0℃前後に保たれる
2. 巣穴の構造と温度 ── 約2m×1.5m×1mの雪室が外気との温度差を作る
おかあさんが ほる おうちは、ゆきで できた ちいさな へやです。ひろさは、たてが やく2メートル、よこが やく1.5メートル、たかさが やく1メートルです[2]。
そとが マイナス40どに なっても、中は 0どぐらいに たもたれると いいます[5]。そとより 20どほど あたたかかった れいも あります[3]。
ゆきは、くうきを たくさん ふくんで います。だから、ふとんのように ねつを にがしにくいのだと 考えられます。
ただし、0どは めやすで、すあなごとに ちがいます。
この あたたかい へやで、おかあさんは なにを たべて いるのでしょうか。
3. おかあさんは たべないのに、母乳は どれくらい こいの?
3. 食べない母グマの乳は、アザラシの乳に近いほど脂肪が多い
3. 母の絶食と乳の成分 ── 脂肪約33%、体重は約半分に
こたえは、「ほとんど たべない」です。子どもが すあなから 出るまで、おかあさんは、水を のむ ほかは たべないと いわれます。おなじ ことが[1]に 書かれて います。
それでも 母乳は、脂肪が たっぷり。平均で 33パーセントほどと いう 数字が あります[2]。アザラシなど、うみの どうぶつの ちちに ちかい こさです。
おかあさんの たいじゅうは、すあなに いる あいだに、やく はんぶんに なると いわれます[3]。
ただし、これは 平均や めやすの 数字です。人や 場しょや 時きで ちがいます。
子どもが 大きくなったら、おかあさんは すぐに 出かけるのでしょうか。
4. 巣穴を 出ても、どうして すぐに はなれないの?
4. 巣穴を出たあと、母子は平均12日そばで過ごす
4. スバールバルの調査 ── 巣穴の周辺に平均12日とどまる行動と、その意味
ノルウェーの スバールバルで、おかあさんに カメラと えいせいの くびわを つけて、しらべた けんきゅうが あります。おやこが はじめて 巣穴を 出たのは、へいきんで 3がつ 9かごろでした[6]。
ところが、すぐには とおくへ いきません。巣穴の ちかくで、へいきん 12日 すごしました。みじかい 家ぞくは 2日、ながい 家ぞくは 31日でした[7]。あたたかい 日ほど、そとに ながく いました[7]。
ながく とどまった 家ぞくほど、子どもが そだちやすい と いわれます[3]。そとの せかいに なれる 時間だと 考えられて います。その あいだも、おかあさんは すぐには かりに もどりません。
ただし、この けんきゅうは スバールバルの 場合です。ほかの 場しょの 日づけとは かぎりません。
ノルウェーのスバールバルで、カメラと衛星首輪を使って、子連れの母グマが巣穴から出る様子を調べた研究があります。母子が初めて巣穴を出たのは、平均で3月9日ごろでした[6]。
ところが、すぐに遠くへは向かいません。巣穴の近くで、平均12日(2〜31日)を過ごしました。暖かい日ほど、外に長くいたそうです[7]。
巣穴の周辺に長くとどまった家族ほど、子の生存に有利だとされます[3]。外の世界に子が慣れるための時間ではないかと考えられています。その間も、母は食べていません。
この調査はスバールバルのものです。ほかの地域の日付と同じとは限りません。
では、外に慣れた子は、いつ狩りができるようになるのでしょうか。
ノルウェー領スバールバルで、カメラと衛星首輪により子連れの母グマの巣穴出口を調べた研究(Archer ら 2025, J Wildl Manag)がある[6]。母子が初めて巣穴を出たのは平均3月9日ごろだった。
ところが、母子は直ちに移動せず、巣穴周辺に平均12日(2〜31日)とどまった。暖かい日ほど外での滞在が長かった[7]。巣穴周辺の滞在が長かった家族ほど、子の生存に有利と報告されている[3]。解釈としては、子が外界の気温や環境に慣れる時間と考えられているが、因果は出典次第で、断定はできない。母はこの間も採餌していない。
調査対象の巣穴の数は出典で食い違うため、数は書かない。また、調査地はスバールバルで、他地域に当てはまるとは限らない。
では、外界に慣れた子は、いつ、どのように狩りを覚えるのか。
5. 狩りが じょうずに なるまで、どれくらい かかるの?
5. 約2年半、母のまねで狩りを学ぶ
5. 母子の同居期間と狩りの学習 ── 1〜2歳でも狩りに使う時間はごく一部
こどもは、母乳を のみながら、おかあさんと やく 2ねん はん(28〜30か月)、いっしょに くらします[8]。
その あいだに、おかあさんの まねを して、狩りを まなびます[10]。1さいごろまでは、ほとんど せいこうしません。1〜2さいでも、狩りに つかう 時間は、1日の うちの ほんの すこしだと いわれます。
うまく いかない 時間が、そのまま れんしゅうに なって いるのかもしれません。
6. うみの こおりが へると、おかあさんの 母乳は どうなるの?
6. 西ハドソン湾では、陸で3か月過ごした母グマの乳のエネルギーが減った
6. 海氷の減少と授乳 ── 西ハドソン湾では陸上滞在3か月で乳のエネルギーが約50%(子1頭)〜75%超(複数)減少
おかあさんは うみの こおりの 上で、アザラシを とります。こおりが へると、りくに いる 時間が のびると 考えられて います。
ハドソンわんの にしがわで、3か月 りくに いた おかあさんの 母乳の エネルギーを しらべました。子どもが 1とうの ときは やく 半分、2とうの ときは 4ぶんの 3 いじょう へりました[8]。
この 地いきでは、子どもが 大人まで そだつ わりあいは 半分より すくないと いわれます[9]。それでも、くらしを しらべる 人たちが いて、守る ほうほうを 考えて います。
7. 0.6キロと 10キロを、ペットボトルで くらべて みよう
7. ペットボトルで、生まれたときと春の重さをくらべる
7. 出口 ── 重さの実感と、資料の読みどころ
500ミリリットルの ペットボトルを 1ぽん、りょう手に のせて みます。これが、うまれた ときの おもさに ちかいです。
つぎに、2リットルの ペットボトルを 5ほん、ゆかに ならべます。もちあげないで、見るだけに して ください。これが、はるの 10キロです。
ただし、この 10キロは すあなを 出る ときの おもさ。そして ペットボトルは、うごかない ものです。ホッキョクグマの 子は、元気に あるきます。
しらべた もとの じょうほう
参考にした情報源
参考にした情報源と、その使い方
出典について:百科事典、飼育施設・保護団体・大学・公的機関の解説、論文の要旨を使いました。何に使ったかは、それぞれの項目の最後に書いています。
- Wikipedia「ホッキョクグマ」。https://ja.wikipedia.org/wiki/ホッキョクグマ (母の絶食について)
- SeaWorld「Polar bear care of young」。https://seaworld.org/animals/all-about/polar-bears/care-of-young/ (生まれたときと巣穴を出るときの体重、巣穴の広さ、乳の脂肪について)
- University of Toronto News「Researchers get rare glimpse into polar bears' denning behaviour」。https://www.utoronto.ca/news/researchers-get-rare-glimpse-polar-bears-denning-behaviour (巣穴の暖かさ、母の体重減少、巣穴周辺の滞在について)
- Milk composition in free-ranging polar bears (Zoo Biology, 2011) の要旨。https://czaw.org/resources/milk-composition-in-free-ranging-polar-bears-ursus-maritimus-as-a-model-for-captive-rearing-milk-formula/ (野生個体の乳の脂質について)
- U.S. Fish and Wildlife Service「Polar bear year: spring」。https://www.fws.gov/story/polar-bear-year-spring (巣穴の中の温度について)
- Polar Bears International「New study: polar bear cubs emerging from maternal dens」。https://polarbearsinternational.org/news-media/articles/new-study-polar-bear-cubs-emerging-from-maternal-dens (スバールバルでの巣穴出口の調査について)
- Sci.News「Polar bear denning」。https://www.sci.news/biology/polar-bear-denning-13706.html (巣穴の周辺にとどまった日数について)
- Polar Bears International「Sea ice loss impact on polar bear lactation study」。https://polarbearsinternational.org/news-media/articles/sea-ice-loss-impact-on-polar-bear-lactation-study (親子で暮らす期間、海氷と乳の関係について)
- USGS Publications Warehouse(Regehr ら)。https://pubs.usgs.gov/publication/70031436 (子の生存率について)
- Natural Habitat Adventures「What are the growth stages of polar bear cubs?」。https://www.nathab.com/blog/what-are-the-growth-stages-of-polar-bear-cubs/ (狩りの学習について)
なおした ところ
更新履歴
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