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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

しめじは、スーパーに ならぶまで なにを して そだつの?

スーパーのしめじは、パックの中でどう育ってきたのか ── 3か月こもる糸と、出てくる合図

スーパーに並ぶしめじは、どう育つのか ── 菌糸・子実体と、温度・光・換気の管理

分野:生きもの

スーパーで うって いる しめじは、じつは きのこの 「からだ」の ほんの 一ぶんです。ほんたいは、おがくずの 中に はりめぐらされた、ほそい 菌糸きんしという 糸です[1]。

その 糸は、どうやって おがくずの 中で そだち、いつ、きのこの かたちに なって 出て くるのでしょう。しめじが そだつ ときの 「あいず」が わかります。

スーパーに並ぶしめじは、きのこの本体ではありません。本体は、栽培用のおがくずの中に張りめぐらされた細い糸(菌糸)で、私たちが見ているのは、その糸が胞子をつくるために地上へ出した部分です[1][2]。

では、糸のままだったものは、いつ、何をきっかけにあの形になるのでしょうか。約3か月の「こもる時間」と、温度・光・空気という出てくる合図が分かります。

店頭のぶなしめじは、菌類の本体ではなく、胞子をつくるための器官である子実体にすぎない。本体は培地の中に広がる菌糸で、子実体は条件がそろったときにだけ作られる[1][2]。

培養・熟成に約90日、全体で110日前後かかるとされる栽培で、菌糸はどの条件で子実体になるのか。栽培指導の資料にある温度・光・換気の数値をもとに、その工程が分かる。

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1. しめじの 「ほんたい」は どこに あるの?

1. 売り場のしめじは、きのこの「花」にあたる部分

1. 子実体と菌糸 ── 見えている部分は本体の一部である

パックの しめじを よく 見て みましょう。あの かさと 太い 足は、きのこの 「花」のような ものです。たねの かわりの 胞子ほうしを つくる ための ところです[1]。

ほんたいは、菌糸きんしという 細い 糸の あつまりです。おがくずの 中に ひろがって、えいようを とって います。あたたかさや しめりけなどの じょうけんが そろうと、はじめて 目に 見える かたちに なります[1]。

では、その 糸は なにを たべて いるのでしょう。

野菜に花が咲くように、きのこにも「胞子をつくるための部分」があります。私たちが食べているしめじの傘と軸は、まさにその部分で、子実体と呼ばれます[1]。

本体にあたるのは、菌糸という細長い糸状の細胞です。これが多数集まって培地の中に広がり、温度や湿度などの条件が整うと、肉眼で見える子実体がつくられます[1][2]。

つまり、パックの中にあるのは「見えるようになった一部」です。その糸は、いったい何を栄養にしているのでしょうか。

きのこは菌類で、本体は菌糸と呼ばれる細長い糸状の細胞が多数集まったものである。ふだん食べているのは、胞子を作るために菌糸が集まって形づくる子実体で、植物の花に近い役割をもつ[1][2]。

子実体は、温度や湿度などの条件が整ったときにだけ肉眼で見える大きさにまで作られる[1]。つまり、子実体ができる時期は、温度や湿度などの条件に左右される。

では、その菌糸は何を栄養にして、どんな場所で広がるのか。

2. おがくずを たべて いるって ほんと?

2. 糸の栄養は、木のおがくずと落ち葉の分解にある

2. 腐生菌としてのぶなしめじ ── 培地はおがくず、野生では倒木

しめじは、はっぱを もたないので、お日さまの 力で 栄養えいようを つくることが できません。かわりに、木や 落ち葉を とかして、栄養えいように します[2]。

やまでは、秋に ブナや カエデの たおれた 木に、たくさん はえます[3]。お店の しめじは、おがくずに 栄養えいようを まぜて かためた 「ふとんの ような もの」の 中で そだちます[3]。

では、その 糸は どのくらい おがくずの 中で 待って いるのでしょう。

きのこは葉緑素をもたないので、光合成で栄養をつくれません。そのかわり、樹木や落ち葉を分解して養分にします。こうしたきのこを腐生性といい、人工栽培されている約20種類はすべてこの仲間です[2]。

ぶなしめじは、野生では秋にブナやカエデの倒木などに群生します[3]。工場では木をそのまま使わず、おがくずに栄養源を加えて固めたものを培地にして育てる菌床栽培が行われています[3]。

糸は、どれくらいの時間をかけて広がるのでしょうか。

ぶなしめじは葉緑素をもたず、枯れた木を分解して養分にする腐生菌である。栽培されているきのこは約20種類で、すべて腐生性とされる[2]。野生では秋、ブナやカエデの倒木などに群生する[3]。

栽培では、原木ではなく菌床を使う。シイタケやナメコが原木でも育てられるのに対し、そのほかの多くはおがくずに栄養源を加えて固めた培地で育てられる[3]。倒木の代わりを、人が整えた培地に置き換えたものだと言える。

この培地の中で、菌糸はどれだけの時間をかけて広がるのか。

3. なぜ 3か月も おがくずの 中に こもるの?

3. 出荷まで約110日、そのほとんどは「見えない時間」

3. 培養・熟成約90日と全体110日前後 ── 見えない期間が大半を占める

しめじが お店に ならぶまでには、およそ 3か月から 4か月 かかります。そのうち、ほとんどは、おがくずの 中で 糸が ひろがる 「まつ じかん」です[4]。

この 「まつ じかん」は、およそ 90日ほどに する やりかたが ふつうだと いわれて います[4]。

ただし 日数は、しめじの しゅるいや 工場に よって ちがいます。目やすだと 思って ください。

ぶなしめじの栽培は、培養・熟成、菌かき、芽出し、生育という順に進みます。このうち培養・熟成にあたる約90日が最も長く、全体では110日前後かかるのが一般的とされます[4]。

ただし日数は品種や施設で変わる目安で、短縮の研究では培養50〜70日の例もあるとされます[4]。

こもる時間のあと、糸は何を「合図」にして、芽を出すのでしょうか。

培養・熟成に約90日かかり、その後、菌かき、芽出し、生育(約3週間)と進んで、全体で110日前後になるのが一般的とされる[4]。標準的な工程表では、仕込みが約2日、培養・熟成が約90日、芽出しと生育が21〜25日で、合計は113〜117日である[4]。

培養・熟成は、90日前後に設定されるのが一般的である[4]。ただし日数は品種や施設で変わる目安であり、短縮を目指した研究では培養50〜70日の例もある。

この長い期間のあと、芽出しの段階で菌糸は何によって「出る」切り替えを受けるのか。

4. なにが きっかけで きのこが 出て くるの?

4. 出てくる合図は、温度・光・空気の三つ

4. 芽出し・生育の管理 ── 14〜15℃、光、換気の条件

お店の しめじを つくる 工場では、おんどを 14〜15度に して、め が 出る のを まちます[5]。すこし ひんやり した へやです。

あたたかすぎると、15.5度 いじょうで め が うまく 出なく なる ことが あります。つめたすぎ ても、13度いかだと そだちが おそく なり、かさが つぶれて しまう ことが あります[5]。

おんどの ほかに、「光」と「空気」も だいじな あいずです。

長野県の栽培指導では、芽出しの適温は14〜15℃とされています。15.5℃以上になると、芽が正常に伸びない溶岩症状や菌塊症状(芽がうまく出ない状態)が出やすくなります[5]。

生育の適温も14〜15℃で、13℃以下になると生育が遅れ、傘がつぶれる低温障害が出ます[5]。つまり「少し涼しい」くらいの、せまい温度の幅が、きれいなしめじを育てる条件です。

温度が合っても、きのこは出てくれるとは限りません。光と空気も、重要な合図になります。

芽出しの適温は14〜15℃で、15.5℃以上になると、溶岩症状や菌塊症状(芽が正常に伸びない状態)になりやすい。生育でも適温は14〜15℃で、13℃以下では生育が遅れ、傘のつぶれなどの低温障害が出る[5]。

芽出しも生育も、適温はいずれも14〜15℃とされ、温度の管理が欠かせない。

温度だけでは足りず、光と換気の管理も加わる。それは次の章で見る。

5. 光や 空気は、しめじに どう かんけい するの?

5. 光を当てる日と、空気を入れ替える回数

5. 光の時期と炭酸ガス ── 傘と茎の形を決める管理

しめじは、ずっと くらい 部屋で そだつ わけでは ありません。め が 出て 少し たつと、1日に 12じかん いじょう、あかりを 当てます[5]。

はやすぎると かさが ひらきすぎ、おそすぎると 足が ひょろ ながく なって しまいます[5]。

また、空気を 入れかえる ことも たいせつで、1日に 1回は、部屋の 空気を ぜんぶ 入れかえて います[5]。

こうして、たくさんの 小さな あいずを あつめて、ようやく おいしい しめじが できあがります。

光は、菌かき後12〜15日目(傘の直径3〜4mm、茎の長さ10〜12mm)を目安に、1日12時間以上、500〜1000luxで当てます[5]。早すぎると傘が開き、遅すぎると茎がひょろ長く伸びます。数値は工場ごとに異なる目安です[5]。

換気は、収穫時や朝夕などこまめに行い、一日に一度は室内の空気を総入れ替えします。過湿だと傘の水やけが出やすく、空気中の炭酸ガスが多いと茎が伸びるのが早いので、早めに光を当てます[5]。

こうして温度・光・空気を整えると、約3週間でパックに入るしめじになります。

光は、生育で菌かき後12〜15日目(傘の直径3〜4mm、茎の長さ10〜12mm)を目安に、1日12時間以上、500〜1000luxで当てる。早すぎると傘が開き、遅すぎると茎が徒長する[5]。これは栽培指導の目安で、実際の数値は工場ごとに異なる。

換気は、収穫時や朝夕など、日に一度はドア換気を行い、室内の空気を総入れ替えする。過湿は傘の水やけや気中菌糸の原因になる[5]。培養が長いとき、生育室の炭酸ガス濃度が高いときは、茎の伸びが早いため、光を早めに当てる[5]。

つまり、光を当てるタイミングを、日数ではなく「茎の長さ」と「空気の状態」で調整する必要がある。培養期間や炭酸ガスの量しだいで、同じ日数でも茎の伸び方が変わるためである。

6. 「しめじ」と いえば ホンシメジの こと?

6. 店で見る「しめじ」は、ホンシメジとは別のきのこ

6. ブナシメジとホンシメジ ── 腐生菌と菌根菌の違い

お店で うって いる ぶなしめじは、ホンシメジとは べつの きのこです。ホンシメジは、生きた 木の ねっこと いっしょに くらす きのこです[6]。

ぶなしめじは、かれた 木を とかして そだちます。だから、おがくずを つかって そだてられるのです[3]。

店で売られているのは、野生で枯れ木を分解して生きる腐生菌のブナシメジです。ホンシメジは別の種で、生きた樹木の根と共生する菌根性のきのこで、マツタケに近い暮らし方をするとされます[6]。

枯れ木を分解するブナシメジは、おがくずに栄養を加えた培地で育てられます[3]。同じ「しめじ」の名がついていても、栄養のとり方が違う別の種です。

店で売られているブナシメジは、枯れ木を分解する腐生菌である。ホンシメジ(Lyophyllum shimeji)は別属の種で、生きた樹木の根に生育する菌根性のきのこであるとされる[6]。

腐生菌であるブナシメジは、おがくずに栄養源を加えた培地で育てられる[3]。両者は、栄養のとり方(腐生か、樹木との共生か)が異なる別の種である。

7. パックの しめじで しらべて みよう

7. パックのしめじを観察して、見えない糸を探す

7. 観察と資料 ── 根元のおがくずと、一次資料の探し方

おうちの 人と いっしょに、パックの しめじを 見て みましょう。ねもとに ついて いる おがくずの かたまりを 見て ください。この 中に、白い 糸が 見えることが あります。

たべる ときに、かさと 足の ほかに、ねもとの ようすも 見て みましょう。まいにちの ごはんの 「しめじ」が、3か月の じかんを かけて できた ことが、すこし わかるかもしれません。

パックの根元を観察してみましょう。おがくずの塊が付いていれば、その中に白い糸(菌糸)が入り込んでいる様子が見えることがあります。傘や軸の付き方、同じ根元から何本も出ている様子も確かめてみてください。

もっと調べたくなったら、農林水産省や林野庁のきのこのページ、都道府県の林業試験場が公開している栽培指導の資料を読むと、温度・光・換気の数値の根拠が分かります。

パックの根元を観察し、培地の塊と子実体のつながりを確かめることができる。根元の白い糸状のものが菌糸にあたる。

数値の原典として、長野県の栽培指導資料(温度・光・換気)、林産試験場の資料(工程の日数)を読むことを勧める。本記事の日数・温度は、品種・施設により変わる目安である。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

本文の参照番号に対応する資料。数値は栽培指導の目安で、品種や施設で変わる。

  1. 農林水産省「aff 特集1 きのこ(4)」 https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/1610/spe1_04.html (菌糸・子実体)
  2. 林野庁「きのこのはなし」 https://www.rinya.maff.go.jp/j/tokuyou/kinoko/ (胞子・腐生性・栽培種類)
  3. 農林水産省「aff 特集1 きのこ(3)」 https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/1610/spe1_03.html (野生の生育場所・菌床栽培)
  4. 北海道立林産試験場の資料 https://www.hro.or.jp/upload/10254/31717004001.pdf (栽培日数の目安)
  5. 長野県「ブナシメジ栽培のポイント」 https://www.pref.nagano.lg.jp/sakuchi/nosei-aec/joho/gijutsu/documents/bunasimeji.pdf (温度・光・換気)
  6. Wikipedia「ブナシメジ」 https://ja.wikipedia.org/wiki/ブナシメジ (ホンシメジとの区別)

なおした ところ

更新履歴

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