1. しめじの 「ほんたい」は どこに あるの?
1. 売り場のしめじは、きのこの「花」にあたる部分
1. 子実体と菌糸 ── 見えている部分は本体の一部である
パックの しめじを よく 見て みましょう。あの かさと 太い 足は、きのこの 「花」のような ものです。たねの かわりの 胞子を つくる ための ところです[1]。
ほんたいは、菌糸という 細い 糸の あつまりです。おがくずの 中に ひろがって、えいようを とって います。あたたかさや しめりけなどの じょうけんが そろうと、はじめて 目に 見える かたちに なります[1]。
では、その 糸は なにを たべて いるのでしょう。
2. おがくずを たべて いるって ほんと?
2. 糸の栄養は、木のおがくずと落ち葉の分解にある
2. 腐生菌としてのぶなしめじ ── 培地はおがくず、野生では倒木
しめじは、はっぱを もたないので、お日さまの 力で 栄養を つくることが できません。かわりに、木や 落ち葉を とかして、栄養に します[2]。
やまでは、秋に ブナや カエデの たおれた 木に、たくさん はえます[3]。お店の しめじは、おがくずに 栄養を まぜて かためた 「ふとんの ような もの」の 中で そだちます[3]。
では、その 糸は どのくらい おがくずの 中で 待って いるのでしょう。
3. なぜ 3か月も おがくずの 中に こもるの?
3. 出荷まで約110日、そのほとんどは「見えない時間」
3. 培養・熟成約90日と全体110日前後 ── 見えない期間が大半を占める
しめじが お店に ならぶまでには、およそ 3か月から 4か月 かかります。そのうち、ほとんどは、おがくずの 中で 糸が ひろがる 「まつ じかん」です[4]。
この 「まつ じかん」は、およそ 90日ほどに する やりかたが ふつうだと いわれて います[4]。
ただし 日数は、しめじの しゅるいや 工場に よって ちがいます。目やすだと 思って ください。
4. なにが きっかけで きのこが 出て くるの?
4. 出てくる合図は、温度・光・空気の三つ
4. 芽出し・生育の管理 ── 14〜15℃、光、換気の条件
お店の しめじを つくる 工場では、おんどを 14〜15度に して、め が 出る のを まちます[5]。すこし ひんやり した へやです。
あたたかすぎると、15.5度 いじょうで め が うまく 出なく なる ことが あります。つめたすぎ ても、13度いかだと そだちが おそく なり、かさが つぶれて しまう ことが あります[5]。
おんどの ほかに、「光」と「空気」も だいじな あいずです。
長野県の栽培指導では、芽出しの適温は14〜15℃とされています。15.5℃以上になると、芽が正常に伸びない溶岩症状や菌塊症状(芽がうまく出ない状態)が出やすくなります[5]。
生育の適温も14〜15℃で、13℃以下になると生育が遅れ、傘がつぶれる低温障害が出ます[5]。つまり「少し涼しい」くらいの、せまい温度の幅が、きれいなしめじを育てる条件です。
温度が合っても、きのこは出てくれるとは限りません。光と空気も、重要な合図になります。
芽出しの適温は14〜15℃で、15.5℃以上になると、溶岩症状や菌塊症状(芽が正常に伸びない状態)になりやすい。生育でも適温は14〜15℃で、13℃以下では生育が遅れ、傘のつぶれなどの低温障害が出る[5]。
芽出しも生育も、適温はいずれも14〜15℃とされ、温度の管理が欠かせない。
温度だけでは足りず、光と換気の管理も加わる。それは次の章で見る。
5. 光や 空気は、しめじに どう かんけい するの?
5. 光を当てる日と、空気を入れ替える回数
5. 光の時期と炭酸ガス ── 傘と茎の形を決める管理
しめじは、ずっと くらい 部屋で そだつ わけでは ありません。め が 出て 少し たつと、1日に 12じかん いじょう、あかりを 当てます[5]。
はやすぎると かさが ひらきすぎ、おそすぎると 足が ひょろ ながく なって しまいます[5]。
また、空気を 入れかえる ことも たいせつで、1日に 1回は、部屋の 空気を ぜんぶ 入れかえて います[5]。
こうして、たくさんの 小さな あいずを あつめて、ようやく おいしい しめじが できあがります。
光は、菌かき後12〜15日目(傘の直径3〜4mm、茎の長さ10〜12mm)を目安に、1日12時間以上、500〜1000luxで当てます[5]。早すぎると傘が開き、遅すぎると茎がひょろ長く伸びます。数値は工場ごとに異なる目安です[5]。
換気は、収穫時や朝夕などこまめに行い、一日に一度は室内の空気を総入れ替えします。過湿だと傘の水やけが出やすく、空気中の炭酸ガスが多いと茎が伸びるのが早いので、早めに光を当てます[5]。
こうして温度・光・空気を整えると、約3週間でパックに入るしめじになります。
光は、生育で菌かき後12〜15日目(傘の直径3〜4mm、茎の長さ10〜12mm)を目安に、1日12時間以上、500〜1000luxで当てる。早すぎると傘が開き、遅すぎると茎が徒長する[5]。これは栽培指導の目安で、実際の数値は工場ごとに異なる。
換気は、収穫時や朝夕など、日に一度はドア換気を行い、室内の空気を総入れ替えする。過湿は傘の水やけや気中菌糸の原因になる[5]。培養が長いとき、生育室の炭酸ガス濃度が高いときは、茎の伸びが早いため、光を早めに当てる[5]。
つまり、光を当てるタイミングを、日数ではなく「茎の長さ」と「空気の状態」で調整する必要がある。培養期間や炭酸ガスの量しだいで、同じ日数でも茎の伸び方が変わるためである。
6. 「しめじ」と いえば ホンシメジの こと?
6. 店で見る「しめじ」は、ホンシメジとは別のきのこ
6. ブナシメジとホンシメジ ── 腐生菌と菌根菌の違い
お店で うって いる ぶなしめじは、ホンシメジとは べつの きのこです。ホンシメジは、生きた 木の ねっこと いっしょに くらす きのこです[6]。
ぶなしめじは、かれた 木を とかして そだちます。だから、おがくずを つかって そだてられるのです[3]。
7. パックの しめじで しらべて みよう
7. パックのしめじを観察して、見えない糸を探す
7. 観察と資料 ── 根元のおがくずと、一次資料の探し方
おうちの 人と いっしょに、パックの しめじを 見て みましょう。ねもとに ついて いる おがくずの かたまりを 見て ください。この 中に、白い 糸が 見えることが あります。
たべる ときに、かさと 足の ほかに、ねもとの ようすも 見て みましょう。まいにちの ごはんの 「しめじ」が、3か月の じかんを かけて できた ことが、すこし わかるかもしれません。
パックの根元を観察してみましょう。おがくずの塊が付いていれば、その中に白い糸(菌糸)が入り込んでいる様子が見えることがあります。傘や軸の付き方、同じ根元から何本も出ている様子も確かめてみてください。
もっと調べたくなったら、農林水産省や林野庁のきのこのページ、都道府県の林業試験場が公開している栽培指導の資料を読むと、温度・光・換気の数値の根拠が分かります。
パックの根元を観察し、培地の塊と子実体のつながりを確かめることができる。根元の白い糸状のものが菌糸にあたる。
数値の原典として、長野県の栽培指導資料(温度・光・換気)、林産試験場の資料(工程の日数)を読むことを勧める。本記事の日数・温度は、品種・施設により変わる目安である。
しらべた もとの じょうほう
参考にした情報源
参考にした情報源と、その使い方
本文の参照番号に対応する資料。数値は栽培指導の目安で、品種や施設で変わる。
- 農林水産省「aff 特集1 きのこ(4)」 https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/1610/spe1_04.html (菌糸・子実体)
- 林野庁「きのこのはなし」 https://www.rinya.maff.go.jp/j/tokuyou/kinoko/ (胞子・腐生性・栽培種類)
- 農林水産省「aff 特集1 きのこ(3)」 https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/1610/spe1_03.html (野生の生育場所・菌床栽培)
- 北海道立林産試験場の資料 https://www.hro.or.jp/upload/10254/31717004001.pdf (栽培日数の目安)
- 長野県「ブナシメジ栽培のポイント」 https://www.pref.nagano.lg.jp/sakuchi/nosei-aec/joho/gijutsu/documents/bunasimeji.pdf (温度・光・換気)
- Wikipedia「ブナシメジ」 https://ja.wikipedia.org/wiki/ブナシメジ (ホンシメジとの区別)
なおした ところ
更新履歴
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