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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

そばは どうやって、ほそ長い めんに なるの?

そばは、どうやって細長い麺になるのでしょうか

そば粉を細長い麺にするには、何が必要なのか

分野:歴史・文化

そばを ちゃんと 切れる めんに するには、そば粉そばこに 水を くわえるだけでは、うまく いかない ことが あると いわれます[4]。むかしの そばは、めんでは なく、ねった かたまりだった ようです[1]。

どうして めんに するのは むずかしいのでしょう。しごとの 手じゅんと、「二八」や「十割じゅうわり」の ことばの いみが、この ページで 分かります。

そばは、江戸時代の中ごろより前は、麺ではなく、そば粉を湯で練って固めた「そばがき」で食べられていたといわれます[1]。細長い麺の形は、あとから生まれたものです。

そば粉だけでは、麺としてまとまりにくいといわれます[4]。それなのに、細長く切ってもちぎれないのは、なぜでしょうか。この記事では、そば打ちの手順、小麦粉を混ぜる意味、「二八」「九一」「十割」の数字の読み方、そば切りの古い記録が分かります。

1574年(天正2年)、本堂の修理をした職人に「そば切り」がふるまわれた。木曽地域の資料にあるこの記述が、そば切りの最古の記録とされる[2]。発祥の証拠というより、「このころには麺の形があった」ことを示す記録だ。

それでも、そばは江戸時代中期より前は、そば粉を湯で練って固めた「そばがき」として食べられていたといわれ、細長い「そば切り」の形が広まったのは中期以降とされる[1]。麺という形は、そばにとって比較的あたらしい。

そば粉は、小麦粉に比べて生地がまとまりにくいと説明される[4]。では、その粉をどう加工して、切るときにちぎれにくい麺にするのか。この記事では、手打ちの手順、つなぎの役割と配合の呼び名、そば切りの最古の記録と発祥をめぐる諸説が分かる。

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1. そばは、どんな じゅんばんで めんに なる?

1. 粉に水を行き渡らせてから切るまで、そば打ちはどう進むのか

1. 粉に水を回してから切るまで、そば打ちの順序はどうなっているか

そばを つくる 人は、まず そば粉そばこに 水を くわえます。これを 水まわしと いいます。そば打ちの はじめの しごとで、粉こなの ぜんぶに 水を いきわたらせます[5]。

水まわしの あと、ねって かたまりに します。つぎに、めんぼうで うすく のばします。さいごに、ほうちょうで ほそ長く 切ります[5]。

じゅんばんは、水まわし、こねる、のばす、切る。この 4つです。

ところで、うどんも 粉こなに 水を くわえて つくります。そばだけが 「つなぐ」くふうを するのは、どうしてでしょうか。

そば打ちは、水まわし、こね、のし、切りの順に進みます[5]。最初の水まわしは、粉全体に水を行き渡らせる作業です。

粉が粒のようになったら、残りの水を加えてひとつにまとめます。そこから麺棒で均一にのばし、たたんで、包丁で切ります[5]。粉と水だけを使う作業のように見えますが、粉のどこにも乾いた部分を残さないことが、切るときの強さにつながります。

ただし、水の量や粒の大きさの目安は、地域や流派、季節で変わるといわれます[4]。ここでは順番だけを覚えておいてください。では、水を行き渡らせるだけで、なぜ切れる麺にまでなるのでしょうか。

手打ちのそばは、水まわし、こね、のし、切りの順に進む[5]。最初の水まわしは、粉全体に水を行き渡らせる工程だ。ここで水が偏ると、あとでこねても、乾いた部分と湿った部分が残りやすい。

粉が粒状になった段階で残りの水を加えてひとつにまとめ、麺棒で均一にのばし、たたんで切る[5]。粒の大きさや水の量は、資料や地域、流派によって異なるといわれ、固定した数値として示すのは避けるべきだ[4]。

粉と水を混ぜて切るだけなら、小麦粉の麺と変わらない。そばに特有の問題が出てくるのは、生地を「つなぐ」段階だ。では、そば粉は、なぜつながりにくいのか。

2. そば粉そばこだけだと、どうして ちぎれやすいの?

2. そば粉だけだと、麺がまとまりにくいといわれるのはなぜか

2. そば粉の生地がまとまりにくい理由と、小麦粉を足す意味

小麦こむぎの 粉こなには、水を くわえて こねると、ねばりと のびが 出る ものが ふくまれます。これを グルテンと いいます。グルテンは、ほそい あみのような 形に なるそうです[3]。

そば粉そばこには、グルテンを つくる もとが 入って いないと いわれます[3]。だから、そば粉そばこだけでは、ねばって つながる 力が 弱く、切るときに ちぎれやすい ことが あります[4]。

そこで、つなぎとして 小麦粉こむぎこを すこし 入れる ことが よく あります[4]。つなぎは、ばらばらの 粉こなを ひとつに つなぐ ための ものです。

では、そば粉そばこと 小麦粉こむぎこを、どのくらいの わりあいで まぜるのでしょうか。

小麦粉に水を加えてこねると、粘りと伸びが出ます。これは、小麦粉に含まれる2種類のたんぱく質が水を吸って、網の目のような「グルテン」をつくるからです[3]。

一方、そば粉や米粉には、グルテンをつくるたんぱく質が含まれないとされます[3]。このため、そば粉だけの生地は、のばしたり切ったりするときに、まとまりにくいといわれます[4]。

そこで、生地を結びつける「つなぎ」として小麦粉を混ぜることが一般的です。つなぎがあると、麺が切れにくくなり、コシも出るとされます[4]。目安の配合例として、そば粉400gに小麦粉100gという例が資料にあります[4]。ただし、これも一例で、どの店でもこうだという意味ではありません。

つなぎを入れたそばには、粉の割合を示す呼び名があります。「二八」は、数字の掛け算ではありません。

小麦粉に水を加えてこねると、粘りと伸びが出る。小麦粉に含まれる2種類のたんぱく質が水を吸い、網目状の「グルテン」をつくるためと説明される[3]。一方で、そば粉や米粉にはグルテンをつくるたんぱく質が含まれないとされる[3]。そのため、そば粉と水だけの生地は、延ばしたり切ったりする段階で、まとまりにくいという。

この問題を補うのが「つなぎ」で、一般には小麦粉を混ぜる。グルテンが生地の結着を助け、麺が切れにくくなり、コシも出るとされる[4]。配合例として、そば粉400gに小麦粉100g(そば粉8:小麦粉2)が挙げられる[4]。ただし、この比率と水の量は、地域・流派・季節で違うと断られており、決まった値ではない[4]。

「つなぎ」という言葉の意味は、これで説明できる。では、配合の呼び名は、何を表しているのか。

3. 「二八」「九一」「十割じゅうわり」の 数字は、なんの 数字?

3. 「二八」「九一」「十割」の数字は、何の割合なのか

3. 配合の呼び名「十割」「二八」「九一」は何の割合を指すか

おそば屋さんで、「十割じゅうわりそば」や「二八そば」という ことばを 見た ことが あるかもしれません。

十割じゅうわりそばは、そば粉そばこだけで つくった そばです。10のうち 10が そば粉そばこだからです[1]。

二八そばは、そば粉そばこが 8、つなぎが 2の わりあいです。「2×8」ではありません[1]。九一は、そば粉そばこが 9、小麦粉こむぎこが 1です[1]。

数字の 大きい ほうが そば粉そばこ、小さい ほうが つなぎです。ところで、そば粉そばこだけの そばを つくるのは、むずかしくは ないのでしょうか。

お店のメニューで、「十割そば」「二八そば」という名前を見たことがあるかもしれません。これらは、そば粉と小麦粉の割合を表した呼び名です[1]。

十割そばは、そば粉100%のそばです。二八そばは、そば粉80%と、つなぎ20%でつくります。九一は、そば粉90%に小麦粉10%の配合です[1]。「二八」は、2と8の割合であって、2×8ではありません。

つなぎが少ないほど、そば粉の割合が高いことになります。十割は、つなぎを使わず、そば粉と水だけで麺にするそばです。それだけに、水まわしからこね、のしまでの作業が、いっそうむずかしくなるといわれます[5]。

では、そもそも、細長い「そば切り」という形は、いつ生まれたのでしょうか。

配合の呼び名は、粉全体に占めるそば粉の割合で決まる。そば粉100%を十割そば、そば粉80%を二八そば、そば粉90%に小麦粉10%を九一と呼ぶ[1]。二八は「2×8」ではなく、「つなぎ2割、そば粉8割」を意味する。つなぎが少ないほど、後ろの数字(そば粉)が大きくなる。

この呼び名は、先に見た結着の問題と直結している。十割そばでは、つなぎの小麦粉に頼れない。そのため、水を粉全体に行き渡らせる水まわしや、その後のこねの出来が、仕上がりを左右しやすい[5]。つなぎを入れた二八や九一は、その負担を小麦粉が肩代わりするともいえる。

ただし、数字が大きいほど「よいそば」だとはいえない。味や香り、のどごしの好みは人によって違う。数字は、配合の目安を表しているだけだ。では、そばの麺という形は、いつごろ生まれたのか。

4. そばは、ずっと めんで たべて いたの?

4. そばが麺になる前は、どのように食べられていたのか

4. 麺になる前のそばは、どのように食べられていたか

江戸時代えどじだいの 中ごろより まえは、そばは めんでは なかった ようです。そば粉そばこを おゆで ねって かためた 「そばがき」で 食べて いたと いわれます[1]。

ほそ長い 「そば切り」の 形に なったのは、江戸時代えどじだいの 中ごろ いこうで、はじまりは 今の 長野県ながのけんあたりと いわれて います[1]。

ただし、これには いろいろな かんがえが あります。はっきり 分かって いる わけでは ありません。

でも、これより むかしの 記録きろくが、1つ 見つかって います。

そばは、細長い麺として食べられるより前から、日本にありました。江戸時代の中ごろより前は、そば粉を湯で練って固めた「そばがき」の形で食べられていたといわれます[1]。

「そば切り」と呼ばれる細長い麺の形になったのは、江戸時代の中期以降です。農林水産省の記事によると、発祥は信州(今の長野県)といわれます[1]。粉を湯で練るそばがきと、細長くのばして切る麺とでは、粉に求められるまとまりの強さが違います。

ただし、発祥の時期と場所には諸説があります[1]。実際、江戸時代中期より前にも、そば切りの記録が見つかっています。

江戸時代中期より前のそばは、そば粉を湯で練って固めた「そばがき」が中心だったといわれる[1]。粉を湯で練って固める食べ方と、細長くのばして切る麺とでは、粉に求められるまとまりの強さが異なる。細長い「そば切り」の形になったのは、江戸時代中期以降で、発祥は信州と言われる[1]。

ここで、資料の食いちがいに注意が要る。農林水産省の記事は「江戸時代中期以降」としながら、同じ記事の中に、1574年に寺の祝いでそばがふるまわれた記録も紹介し、これには「諸説あり」と注記している[1]。1574年は、江戸時代の前だ。つまり、麺の形の起源は、一つの年に決められない。

この食いちがいがなぜ生じるのかは、資料からは分からない。では、その古い記録とは、どんなものなのか。

5. いちばん 古い 「そば切り」の 記録きろくは、どんな ものなの?

5. そば切りの最古の記録は、寺で職人に出された食事

5. 最古とされる記録は、寺の修理に関わった職人への振る舞いだった

長野県の 木曽きそという ところに、定勝寺という おてらが あります。むかしの 書きものに、本堂ほんどうを なおした 職人しょくにんさんに、「そば切り」を ふるまったと 書いて あります[2]。

それは 1574年、今から 450ねんほど 前の ことです。これが、そば切りの 一ばん 古い 記録きろくと いわれて います[2]。

でも、「ここが はじまり」と 決めきれません。農林水産省のうりんすいさんしょうの 記事には、「諸説しょせつあり」と 書かれて います[1]。

長野県の木曽地域の資料には、天正2年(1574年)に、本堂の修理をした職人へ「そば切り」をふるまったという記述があるとされます[2]。これが、「そば切り」についての最古の記録とされています。今から450年ほど前の記録です。

ここで、大切な点があります。この記録は、そば切りの「いちばん古い記録」であって、「はじまり」ではありません。農林水産省の記事も、同じ出来事に「諸説あり」と添えています[1]。

1574年といえば、江戸時代が始まる少し前です。寺で職人に出される食べ物として、そば切りがすでに記されていたことになります。この話を、自分の手で確かめる入口が、家のそばの袋にあります。

長野県木曽地域振興局の資料は、天正2年(1574年)に本堂の修理をした職人に「そば切り」を振る舞ったとの記述が、定勝寺の古文書にあり、これが「そば切り」の起源を知る最古の記録だと説明する[2]。農林水産省の記事も、同じ寺の祝いでそばがふるまわれた記録を紹介しつつ、「諸説あり」と添えている[1]。

ここで、「最古の記録」と「発祥」を分けて読む必要がある。最古の記録は、現在見つかっている資料のうち最も古いものというだけで、それより前に別の場所でそば切りが生まれていた可能性は排除できない。しかも、江戸時代中期以降という説明[1]とは、時期が食いちがう。

だから、「そばは〇〇年に、〇〇で生まれた」とは、現時点では言い切れない。確かなのは、遅くとも1574年には、寺で職人に出される食べ物として「そば切り」が存在したことだ。

この記事は、そうした断片をつなぎ合わせたにすぎない。自分で確かめたくなったら、どこを見ればよいのか。

6. おうちの そばの ふくろを 見て みよう

6. 家のそばの袋で、配合を読んでみよう

6. 袋の表示から、そばの配合を読む

おうちに 乾麺かんめんの そばが あったら、ふくろの うらを 見て みましょう。「げんざいりょうめい」の ところに、そば粉そばこと 小麦粉こむぎこの どちらが 先に 書いて あるか、見て みます。

「二八」や 「十割じゅうわり」と 書いて ある ものも あるかもしれません。書いて あったら、数字の いみが 分かりますね。

おうちの 人と、ふしぎに 思った ことを 話して みましょう。むかしの 人は、そば粉そばこを めんに する ために、どんな くふうを したのでしょうか。

家に乾麺のそばがあれば、袋の裏の「原材料名」を見てみます。そば粉と小麦粉のどちらが先に書かれているか、割合が書かれているか。「二八」や「十割」という呼び名があれば、配合の意味が読み取れます。

お店でそばを食べるときも、「十割」と書かれているか、「二八」か、確かめてみるのもよいでしょう。同じそばでも、配合が違えば、食べたときの感じも違うかもしれません。

もし、近くにそば打ちを見学できる場所があれば、水まわしから切りまでの順番を、実際に目で追ってみてください。粉が、ばらばらから一つに変わる様子が見られます。

そのとき、「どの瞬間に、粉が麺の形になったのか」を探してみると、記事で読んだ言葉が見えてくるはずです。

家庭でできる確かめ方として、乾麺の袋の原材料名を読む方法がある。原材料は使用量の多い順に並ぶのが一般的なので、そば粉と小麦粉のどちらが多く使われているかが分かる。割合が書かれていれば、先に見た「二八」「九一」などの呼び名と照らし合わせられる。

この記事で扱えなかった問いも残る。製粉の方法によって、粉の白さや香りがどう変わるのか。つなぎに、小麦粉以外のものを使う方法はいつから広まったのか。そして、そば切りが生まれた時期と場所は、どこまで絞れるのか。

これらは、公的機関の資料や、各地の郷土史の記録を読むと、さらに調べを進められる。同じ「そば」でも、資料によって説明が異なる箇所がある。そうした食いちがいを見つけるのも、調べ物の楽しみだ。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

出典について:公的機関の解説と、手順についての資料を使った。何に使ったかは、それぞれの項目の最後に書いている。

  1. 農林水産省「aff」2017年3月号 ニッポン麺探訪(そば)。https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/1703/n_search.html (そばがきとそば切り、配合の呼び名について)
  2. 長野県 木曽地域振興局「木曽のそば推進協議会」。https://www.pref.nagano.lg.jp/kisochi/nosei-aec/kisonosobasuisinkyougikai.html (そば切りの最古の記録について)
  3. 仙台大学「運動と栄養」vol.67。https://www.sendaidaigaku.jp/dnt2/_sendaidaigaku/access/files/1/1638754236_undoueiyouvol.67.pdf (グルテンについて)
  4. コメリ「そば打ちの手順」。https://www.komeri.com/howto/html/00390.html (つなぎの役割と配合の目安について。家庭向けの手順解説)
  5. 日光市「水まわし」資料。https://www.city.nikko.lg.jp/material/files/group/31/mizumawashi.pdf (そば打ちの手順について)

なおした ところ

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