このサイトは、ほんの入り口です

ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

にちようびの「日」は、なんの ことなの?

日曜日の「日」は何のこと? 外国では「太陽の日」と「主の日」に分かれる

日曜日の名前の由来 ── 七曜の「日」、Sunday、dimanche・domingoの「主の日」と、日本で休日になるまで

分野:歴史・文化

にちようびの「日」は、お日さま、つまり たいようの ことです。えいごの サンデー(Sunday)も、「たいようの 日」という いみです。

ところが、フランスや スペインでは、おなじ 日を「しゅの 日」と よびます。おなじ 日なのに、なまえが 2しゅるいに わかれたのは、どうしてでしょう。

日曜日の「日」は、お日さま、つまり太陽のことです。英語のSundayも、ドイツ語のSonntagも、「太陽の日」という意味です。

ところが、フランス語の dimanche(ディマンシュ)やスペイン語の domingo(ドミンゴ)は、「太陽」ではなく「主の日」です。同じ日なのに、名前が二つの系統に分かれました。この記事では、その分かれ道と、日本で日曜日が休みの日になった時期を読みます。

日曜日の「日」は太陽を指す。英語のSundayやドイツ語のSonntagも「太陽の日」の意味で、ラテン語のdies solis(太陽の日)に由来する[4]。

一方で、フランス語のdimancheやスペイン語のdomingoは、ラテン語のdies dominica(主の日)から来ている[4]。同じ日に二つの名前の系統があるのはなぜか。このメモでは、七曜の並びの中での日曜日の位置、「主の日」への変化、日本での受け入れ方を順に見る。

読み方を切り替えられます。画面の上にある「よみかた」のボタンで、小学校低学年むけ・小学校高学年むけ・中学生むけの3つの書き方に切り替わります。むずかしいと思ったら、いつでもやさしい方に戻ってください。選んだ読み方はブラウザが覚えているので、次に別の記事を開いたときも同じ読み方で始まります。

1. 「日」は、なんの ほし?

1. 「日」は、七曜の中の太陽

1. 七曜の中の「日」:太陽に当たる天体

にちようびの 日は、お日さまの ことです。げつようびの 月は、そらの お月さまの ことです。かようびから どようびまでの 5つは、そらに 見える 5つの わくせいの なまえが もとに なって います[1]。

お日さまと お月さまと 5つの わくせいで、あわせて 7つです。むかしの 人は、そらを うごく この 7つを、1しゅうかんの 7日に あてました。

この 7つを、まとめて「しちよう」と よびます。にちようびの 「日」は、その 7つの なかで、いちばん あかるい お日さまなのです。

日本語の曜日は、日が太陽、月が月、火が火星、水が水星、木が木星、金が金星、土が土星に当たります。この7つの天体をまとめて「七曜」と呼びます[1]。

つまり、日曜日は「太陽の日」です。日本語の曜日の名前は、空を動いて見える7つの天体(七曜)に対応しています。

英語のSunday、ドイツ語のSonntagも、どちらも太陽にちなんでいます。日本語だけでなく、遠くはなれた言語でも日曜日が太陽の日なのは、どこかで同じ元の考え方が伝わったからだと考えられます[4]。

日本語の七曜は、日=太陽、月=月、火=火星、水=水星、木=木星、金=金星、土=土星に対応する[1]。日曜日は太陽の日である。

英語のSundayは古英語のSunnandægに由来し、これはラテン語のdies solis(太陽の日)のゲルマン語への置き換えで、さらに元をたどればギリシャ語のHēlíou hēméra(太陽の日)の訳にあたる[4]。ドイツ語のSonntagも太陽の日である[1]。

天体名で曜日を呼ぶ習慣そのものは、ヘレニズム期の占星術の考え方にさかのぼる[3]。では、なぜ太陽が「1週間の最初の日」の位置に来るのか。次の章で、並びの決まり方を見る。

2. おひさまの 日は、どうして 土ようびの つぎ?

2. 太陽の日が、土曜日のつぎに来る計算

2. 惑星時間の計算:土星の日の次が太陽の日になる

むかしの 人は、ちきゅうから とおい じゅんに、土せい・木せい・火せい・お日さま・金せい・水せい・お月さま、と ならべて 考えました[2]。

この ならびの 7つを、1じかんごとに 1つずつ あてて いきます。土せいから はじめて、24じかん すすむと、つぎの 日の さいしょの 1じかんは、お日さまに なります。

その つぎの 日の さいしょは お月さまです。そうやって つづけると、土・日・月・火・水・木・金の じゅんばんが できあがります[2]。ただ、ほんとうに この けいさんで きまったのかは、はっきり わかって いません。

むかしの人は、地球から遠い順に、土星・木星・火星・太陽・金星・水星・月、と天体を並べて考えました(天動説)[2]。

この7つを、1時間ごとに順番にあてていきます。1日は24時間で、24を7でわると、3あまります。だから、土星から始めて24時間たつと、次の日の最初の1時間は、7つの並びの3つ先にあたる太陽になります。

さらにその次の日は月、と続けると、土・日・月・火・水・木・金という曜日の並びが出てきます[2]。つまり、日曜日が土曜日のあとにくるのは、この計算の結果なのです。ただし、この説明がほんとうに曜日の並びを決めたのかについては、ほかの説もあります。

土曜日がなぜこの計算の出発点になるのか、くわしくは土曜日の「土」の記事に書きました。

天動説で地球から遠い順に並べた土星・木星・火星・太陽・金星・水星・月を、1時間ずつ順に当てていくと、24時間を7で割った余り(3)により、土星の日の次の日の最初の時間が太陽に当たる[2]。以降、月・火・水・木・金と続き、土日月火水木金の並びが現れる。

この説明は広く紹介されているが、並びが実際にこうして決まったことを示す直接の記録があるわけではなく、ほかの説(音楽の調べと結びつける説など)も紹介されている[2]。

土曜日から始まる計算の詳しい説明は、土曜日の「土」の記事で扱った。ここでは、日曜日が「太陽の日」なのは太陽が七曜の一つだからであり、土曜日の次に来る並びは計算で説明できる、と押さえておく。

では、同じ日がなぜ「主の日」とも呼ばれるのか。

3. おなじ 日が、「しゅの 日」とも よばれるのは どうして?

3. ローマ皇帝の休日令と、「主の日」の名前

3. 「太陽の日」から「主の日」へ:321年の休日令とキリスト教

こうていが おさめて いた むかしの ローマでは、キリスト教の 人たちが、日ようびを たいせつな 日として いました。キリストが よみがえった 日だと 考えたからです[4]。

この 日の ことを、ラテンごで「しゅの 日」と いいます。フランスごの ディマンシュ、スペインごの ドミンゴは、この ことばから できました[4]。

ロシアでは、日ようびを「ふっかつ」という いみの ことばで よびます[4]。おなじ 日でも、くにや しゅうきょうで、よびかたが ちがうのです。

日曜日は、ヨーロッパでは長いあいだ、キリスト教の大切な日でした。イエスがよみがえった日として、教会に集まる日とされたからです[4]。

この日をラテン語で「dies dominica(主の日)」と呼びました。フランス語のdimanche、イタリア語のdomenica、スペイン語・ポルトガル語のdomingoは、ここから生まれた名前です[4]。ロシア語の日曜日は「復活」を意味する言葉です[4]。

英語版Wikipediaによると、321年3月7日、ローマ皇帝コンスタンティヌス1世は、町の役人と住民は「太陽の尊い日」に休み、仕事場も閉めるよう定めたといいます。ただし農村では、仕事を続けてよいとされました[4]。

この命令が「太陽」の名で出されたことは、日曜日が「太陽の日」でもあり、同時に教会の「主の日」でもあったことを示す一つの手がかりです。

キリスト教徒は、イエスの復活を記念する日曜日を集会の日とした。ラテン語のdies dominica(主の日)は、イタリア語domenica、フランス語dimanche、ルーマニア語duminică、スペイン語・ポルトガル語domingoの語源になった[4]。現代ギリシャ語のKyriakī(Kyrios=主から)、ロシア語のVoskresenye(復活)も、同じ流れの名前である[4]。

英語版Wikipediaによれば、321年3月7日、コンスタンティヌス1世は、都市の官吏・住民は「太陽の尊い日」に休み、作業場も閉じること、農村の者は農作業を続けてよいことを定めた[4]。原典のラテン語の法文は今回直接見ていない。この文言は「主の日」ではなく太陽の日に言及していて、皇帝の命令が太陽神への崇拝とキリスト教の礼拝のどちらを意識したかには、資料によって見方が分かれる。

ここから分かるのは、「太陽の日」と「主の日」が、ヨーロッパの言語で別々の名前として残ったということだ。英語・ドイツ語は太陽の日、フランス語・スペイン語などは主の日を受けついでいる[4]。

4. にほんでは、いつから おやすみの 日に なったの?

4. 日本では、いつから休みの日になったのか

4. 日本での受容:宿曜経から明治9年の休日制へ

にほんに 7つの ようびを つたえたのは、むかしの おぼうさんの 空海くうかいだと いわれて います[1]。いまから 1200ねんくらい まえの ことです。

そのころの 日ようびは、おやすみの 日では ありませんでした。こよみに のって いて、その 日が よい 日か わるい 日かを 見る ための ものでした[1]。

おやすみの 日に なったのは、明治めいじ9ねん(1876ねん)からです。それまでは、1と 6の つく 日が おやすみでした[1]。

空海が伝えた七曜

日本には、平安時代のはじめに、空海が『宿曜経』という書物といっしょに七曜を伝えたとされます[1]。

藤原道長が書いた『御堂関白記』には、1004年のところに、その日が日曜日だと暦で確かめられる記述が残っています[3]。このころの日曜日は、日の吉凶(よい日か悪い日か)を見るために使われていました[1]。

休みの日になったのは明治9年

明治時代になる前は、1と6のつく日が休みでした。1876年(明治9年)に、役所で日曜日が休みになり、土曜日は半日休みになりました[1]。欧米の国々との行き来で不便があったため、と説明されます。

この1と6の休みについては、「平日」に土曜日は入るのかを調べた記事で書いています。

七曜は宿曜経に書かれ、弘法大師(空海)が9世紀初めに唐から持ち帰ったとされる[1][3]。藤原道長の『御堂関白記』(具注暦に書き込んだ日記)には曜日が入っていて、長保6年2月19日(1004年3月12日)が日曜日と記され、現在の暦で計算してもこの日は日曜日になる[3]。

当時の七曜は、休日ではなく、宿曜経に基づく吉凶判断に使われた[1]。1868年(明治元年)の太政官布告で「1と6のつく日」を休日とした制度があった。1876年(明治9年)、官公庁で日曜日が休日、土曜日が半休とされた[1]。

この制度に至る経緯は、「平日」に土曜日は入るのかを調べた記事で詳しく扱った。

5. にちようびは、1しゅうかんの はじめ? おわり?

5. 日曜日は、1週間のはじまりか終わりか

5. 週の始まりは日曜か月曜か:カレンダーの2つの流儀

にほんの カレンダーは、ひだりはしが 日ようびの ものが たくさん あります。でも、月ようびが ひだりはしの カレンダーも あります。

ヨーロッパでは、月ようびを 1しゅうかんの はじめに する カレンダーが 多いと いわれます[4]。にほんの ばあいは、日ようびを はじめに する カレンダーが 多いようです[5]。

日本の多くのカレンダーは、日曜日を1週間の最初に置いています。一方、国際規格のISO 8601は、月曜日を週の1日目、日曜日を7日目としています[4]。ヨーロッパの多くのカレンダーも月曜はじまりです[4]。

どちらが正しいというわけではありません。ヘブライ語では日曜日を「yom rishon(最初の日)」と呼び、ユダヤ教・キリスト教・多くのイスラム教の伝統では、日曜日が週の最初の日と数えられます[4]。

ISO 8601は月曜日を週の1日目、日曜日を7日目として数える。ヨーロッパの多くのカレンダーも月曜はじまりである[4]。アメリカ、カナダ、日本、南アメリカの一部では日曜日が週の最初とされ、ユダヤ教・キリスト教・多くのイスラム教の伝統でも日曜日が最初の日と数えられる[4]。ヘブライ語のyom rishonとアラビア語のal-ahadは、どちらも「最初の日」の意味である[4]。

日本の資料では、多くのカレンダーが日曜はじまりで、UNIX系のPOSIXやExcelの既定も日曜はじまりだと整理されている[5]。日曜日を週の終わりと見るか始まりと見るかで、カレンダーの並びが変わる。

日曜日の名前をたどると、太陽という天体、「主の日」という信仰、休日という制度の三つが、それぞれ別の時代に重なっていることが分かる。

6. じぶんでも しらべて みよう

6. 自分でも調べてみたくなったら

6. 自分で確かめるなら

おうちの カレンダーを 見て、日ようびが ひだりはしか、みぎはしか たしかめて みましょう。

ほかの ようびの なまえも、がいこくごで しらべると おもしろいですよ。日ようびが「お日さま」か「しゅの 日」か、どちらの なかまかも わかります。お日さまを 見るときは、まぶしいので、ちょくせつは 見ません。

学校や家にある外国語の辞書で、日曜日の名前を一つ調べてみましょう。「太陽の日」と「主の日」のどちらに近いでしょうか。ほかの曜日も調べると、神の名や天体の名がどこで入れかわったのかが見えてきます。

家や学校のカレンダーが、日曜はじまりか月曜はじまりかも見てみましょう。

国立天文台の暦Wikiの「曜日の名前」「曜日の順序」で、曜日名と惑星の対応、並び方の説明を読める。さらに、英語版Wikipediaの"Sunday"にある引用文献(Falk 1999など)をたどると、「太陽の日」の元になった考え方を原典に近い形で確かめられる。

使っているカレンダーアプリの週の始まりの設定を、日曜と月曜で切りかえて、見た目と数え方がどう変わるかを比べてみるのもよい。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

本文の[ ]の数字は、次の資料に対応します。曜日と惑星の対応・日本への伝来・休日の始まりは国立天文台、並びの計算は国立天文台の別ページ、ヨーロッパでの名前と休日令は英語版Wikipedia、日本のカレンダーの週の始まりは日本語版Wikipediaで確かめました。百科事典は二次資料なので、引用文献も合わせて読むことをおすすめします。

  1. 国立天文台 暦Wiki「曜日の名前」 https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/wiki/CDD7C1C72F1BDB5B4D6A4C8A4CFA1A92FCDCBC6FCA4CECCBEC1B0.html (七曜と惑星の対応、日本への伝来、休日の始まり)
  2. 国立天文台 暦Wiki「曜日の順序」 https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/wiki/CDD7C1C72F1BDB5B4D6A4C8A4CEBDE7BDF8.html (遠い順の天体、1時間ずつ当てる説、音楽説)
  3. 作花一志「曜日の起源と具注暦」(京都情報大学院大学) https://www.kcg.ac.jp/kcg/sakka/kagakushi/youbi.pdf (空海の伝来、御堂関白記、具注暦の曜日、ヘレニズム期の成立)
  4. Wikipedia(英語版)"Sunday" https://en.wikipedia.org/wiki/Sunday (Sundayの語源、dies dominica、321年の休日令、ISO 8601。引用文献はBarnhart 1995、Zerubavel 1989、Schaff 1867。英語の資料)
  5. Wikipedia(日本語版)「曜日」 https://ja.wikipedia.org/wiki/曜日 (日本のカレンダーの週の始まり)

なおした ところ

更新履歴

更新履歴(改版の記録)

  •  初版を公開。

このサイトでは、公開した記事の本文は原則として書き直しません。誤りが見つかったときや、内容が古くなったときだけ手を入れ、その理由をこの欄に残します。