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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

オーストラリアの 牛と 日本の 和牛は、なにが ちがうの?

オーストラリアの牛肉と日本の和牛は、何がちがうのか

豪州産牛肉と和牛は何が異なるのか ── 品種・生まれ育ち・肥育・霜降りの面から

分野:生きもの

オーストラリアには、和牛の 血を ひく 牛が います[2]。ところが、その 牛が 日本に 来ても、「和牛」と 書いて うる ことは できません[2]。

「和牛」って、あじの 名前じゃ ないの? どうして オーストラリアで 育つと 和牛と 言えないの? 和牛が ひんしゅの 名前である こと、育て方と しもふりの ちがいが 分かります。

オーストラリアには、和牛の血を引く牛がいます。それなのに、その牛の肉を日本で「和牛」として売ることはできません[2]。逆輸入しても同じです。

「和牛」は、おいしい牛肉のブランド名ではないのでしょうか。何が和牛を和牛にしているのか、豪州産の牛肉はどこがちがうのか、育て方と霜降りの入り方の面から分かります。

豪州には、1990年前後に導入された和牛の遺伝資源をもとにした牛がいて、海外では「Wagyu」と呼ばれている[2][4]。しかし、その牛の肉を日本へ逆輸入しても、「和牛」と表示して売ることはできない[2]。

では、「和牛」は何を決めた言葉なのか。豪州産牛肉との差は、品種・生まれ育ち・肥育の仕方・霜降りのどこにあるのかが分かる。

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1. 和牛の 血を ひく 牛なのに、なぜ 和牛と 書けないの?

1. 和牛の血を引く牛なのに、なぜ「和牛」と書けないのか

1. 和牛の血を引いていても「和牛」と書けない ── 表示は品種と生まれ育ちで決まる

日本で「和牛」と 書いて うれる のは、きまった 4つの 品種ひんしゅと、その かけあわせの 牛だけです。4つは、くろげわしゅ、あかげわしゅ、日本たんかくしゅ、むかくわしゅ です[1][2]。

「和牛」は、あじの よしあしでは なく、牛の 品種ひんしゅに 目を つけた 分け方です[1]。

もう ひとつ きまりが あります。日本の 和牛は、日本で 生まれて 育った もの です。外国で 育った 牛は、和牛の 遺伝子いでんしを ひいて いても、日本では 和牛と 書けません[2]。

では、その 4つの 品種ひんしゅは、どんな 牛なのでしょう。

日本で「和牛」と表示できるのは、黒毛和種・褐毛和種・日本短角種・無角和種の4品種と、それらの交雑種だけです[1][2]。農林水産省は、和牛を「味ではなく、牛の品種に着目した区分」と説明しています[1]。

もう一つの条件が、生まれ育ちです。JETROによると、日本の和牛は国内で生まれ育ち、品種の条件を満たすことが証明できるものです。外国で育った牛は、和牛の遺伝子を引いていても日本では「和牛」と表示できず、外国産を逆輸入して和牛として売ることもできません[2]。

つまり、題名の問いへの答えの入り口は、「和牛」が味の名前ではなく、品種と生まれ育ちを決めた言葉だということです。では、その品種はどんな牛なのでしょうか。

日本で「和牛」と表示できるのは、黒毛和種・褐毛和種・日本短角種・無角和種の4品種と、それらの品種間の交雑種に限られる[1][2]。農林水産省はこれを、味ではなく牛の品種に着目した区分と説明している[1]。したがって、「和牛だからおいしい」のではなく、「品種の条件を満たした牛だけが和牛と表示できる」というのが正確な順序になる。

条件はもう一つある。JETROによれば、日本の和牛は国内で生まれ育ち、品種条件を満たすことが証明できるものであり、外国で育った牛は和牛の遺伝子を引いていても日本では和牛と表示できない。外国産を逆輸入して和牛として売ることも認められない[2]。表示が決めているのは、遺伝子だけでなく、どこで生まれ育ったかという履歴でもある。

この区分から、題名の問いへの答えの骨組みが見える。豪州の牛肉と和牛の差は、品種の差であると同時に、表示上は「日本で生まれ育ったか」の差でもある。では、品種そのものに味や肉質の傾向はあるのか。

2. 和牛は、むかしは 何を する 牛だったの?

2. 和牛の中心の黒毛和種は、もとは田畑で働く牛だった

2. 外国種との交配を経た黒毛和種 ── 役牛から肉牛へ

和牛の 9わり いじょうは、くろげわしゅ です[2]。しもふりが 細かく 入りやすい 牛と して 知られて います[2]。

でも、むかしの 牛は、肉の ために そだてられて いたのでは ありません。田んぼや はたけを たがやしたり、にもつを はこんだり する、はたらく 牛でした[1]。日本では、明治めいじの ころまで、牛の 肉を 食べる ことは ふつうでは ありませんでした[3]。

明治めいじに なって、外国の 牛と かけあわせて 改良かいりょうが すすみました。1944年(昭和しょうわ19年)に、日本の 肉用の 牛と して みとめられました[1]。「ずっと むかしから 外国の 血が まじらない 日本の 牛」と いうわけでは ありません。

では、オーストラリアの 和牛の 血を ひく 牛は、いつ、どうやって 海を わたったのでしょう。

和牛の9割以上を占めるのは黒毛和種で、きめ細かい霜降りになりやすい品種です[2]。

ただ、もとは肉のための牛ではありませんでした。牛は田畑を耕し荷を運ぶ役牛で[1]、日本では牛肉を食べる習慣が明治まで一般的ではありませんでした[3]。

黒毛和種は、明治時代に外国種と交配して改良され、昭和19年(1944年)に日本固有の肉用種に認定されました[1]。「古くから外国の血を入れていない純粋な日本の牛」という印象があるかもしれませんが、外国種との交配を経ています。

肉用としての改良が加速したのは1950年代以降です[3]。この日本の牛が、20世紀の終わりに豪州へも渡りました。

和牛の9割以上は黒毛和種で、この品種はきめ細かい霜降りになりやすい[2]。ところが、この牛はもとから肉のために飼われていたわけではない。牛は田畑を耕し荷を運ぶ役牛であり[1]、日本では牛肉を食べる習慣が明治まで一般的ではなかった[3]。

そのため改良の歴史も新しい。黒毛和種は明治時代に外国種との交配で改良され、昭和19年(1944年)に日本固有の肉用種に認定された[1]。肉専用への改良が加速するのは1950年代以降とされる[3]。「古くから外国の血の入らない純粋な日本の牛」という理解は、資料と合わない。

この「役牛から肉牛へ」の改良の途中で、日本の牛の遺伝資源が海外へ出た。次の問いは、それがどういう経路だったかである。

3. オーストラリアの 和牛は、いつ 海を わたったの?

3. 1990年前後、受精卵と精液が豪州へ渡った

3. 受精卵から築かれた豪州のWagyu ── 日本が輸出を止めるまで

和牛の 血を ひく 牛は、1970年代から 1990年代に、オーストラリアや アメリカへ わたりました[2]。外国では「WAGYU(ワギュウ)」と 書いて うられて います[2]。

オーストラリアでは、1990年の 前後に はじまりました。アメリカから、牛の せいえきや 受精卵じゅせいらんが 入りました[4]。

生きた 牛を 運ぶのは 高い ので、受精卵じゅせいらんが 使われました。かけあわせを くりかえして、牛の 集まりが 作られました[4]。

日本は 1990年代の おわりごろに、和牛の 生きた 牛と せいえきの 外国への 輸出ゆしゅつを とめました[3]。

いま、オーストラリアの 牛の うち、Wagyuは 十年ほど 前の 記事で 30万頭ほど、全体の 1わりぐらいと 紹介しょうかいされて います[4]。

JETROによると、和牛の遺伝資源は1970〜90年代に豪州や米国へ渡り、海外では「WAGYU」として売られています。育つ環境や品質は、日本の和牛とは異なると説明されています[2]。ここでいうWagyuは、日本の表示ルールの「和牛」ではなく、品種の名前として使われる言葉です。

豪州への導入は1989〜1990年ごろ、米国から雄牛の精液や凍結した受精卵が入ったのが始まりとされます(年は出典で差があります)。生体は高価なため、受精卵が使われて交配で群が築かれたといわれます[4]。

日本は、米国向けに和牛247頭と精液約1万3000本が出たあと、1990年代の終わりごろまでに海外への生体・精液の輸出を止めました[3]。品種を守る方針です。年や経緯は出典によって食いちがうので、ここでは「終わりごろ」とします。

2010年代半ばの記事では、豪州のWagyuは約30万頭で、国内の牛全体の約1%と紹介されています[4]。現在の数ではありません。

JETROによれば、和牛の遺伝資源は1970〜90年代に豪州や米国へ渡り、海外では「WAGYU」として流通している。JETROは、育つ環境や品質が日本の和牛とは異なるとも説明する[2]。日本の表示ルールの「和牛」と、海外でのWagyuは、同じ言葉でも指す範囲がちがう。

豪州への導入は1989〜1990年ごろで、米国から精液と凍結受精卵が入ったのが始まりとされる(年は出典で1989年と1990年にずれる)。生体は高価なため受精卵が使われ、交配によって群が築かれたといわれる[4]。

一方、日本側は、1998年末までに米国向けに247頭と約1万3000本の精液が出たあと輸出を止めたと紹介されている[3]。輸出停止の年や経緯は資料で食いちがい(1997年とする資料もある)、国の「国宝」指定のような説明も出典間で一致しないため、ここでは「1990年代の終わりごろ」にとどめる。

豪州のWagyuの規模は、2010年代半ばの記事で、約30万頭、国内の牛全体の約1%とされる[4]。現在の値ではない。また豪州産Wagyuの多くは、和牛とアンガスなどとの交雑で、純血(fullblood)、純粋種(和牛の血が93.5%以上)、F1などの交雑という段階がある[4]。「豪州のWagyu」とひとくくりにしても、中身には幅がある。

4. 日本に とどく オーストラリアの 牛肉は、どう 育てられるの?

4. 日本向けの豪州産牛肉は、穀物で仕上げる育て方が増えている

4. 牧草か穀物か、何日で仕上げるか ── 育て方で変わる肉

ここまでは、和牛の 血を ひく 牛の はなしでした。日本に とどく オーストラリアの 牛肉には、ほかの 品種ひんしゅの 牛も あります。その 育て方を 見て みましょう。

オーストラリアの 牛の 育て方は、大きく 2つ あります[5]。

ひとつは、牧場ぼくじょうで 草だけを 食べさせて 育てる 方法ほうほう。もうひとつは、ある ところまで 牧場ぼくじょうで 育てて、そのあと「フィードロット」と いう 場所で、こくもつの えさを 食べさせる 方法ほうほうです[5]。

日本には、こくもつで 育てた 牛肉が 多く 送られる ように なって きました[6]。

日本の 和牛は、9〜10か月の 子牛を 買って、およそ 20か月 育て、生まれて 30か月ほどで 出荷されるのが だいたい そうだと しょうかい されています[8]。

オーストラリアの ある 会社の 日本向けの 例れいでは、こくもつの えさを 食べる 日数が 150日や 200日でした[7]。これは 一つの 会社の 例れいで、国ぜんたいの きまりでは ありません。

豪州の肉牛の育て方は、大きく2つに分かれます。放牧だけで育てる牧草肥育と、ある程度まで放牧したあと、フィードロット(肥育施設)で穀物を与える穀物肥育です[5]。

日本向けには、穀物肥育の冷蔵肉の輸出が増える傾向が2014年時点で報告されています[6]。日本は、豪州産牛肉の大きな輸出先のひとつです。

日本向けの穀物肥育の例として、ある企業の販売計画には、アンガス・アンガス交雑種の150日プログラムと、ブラックアンガスだけの200日プログラムがあります。肥育を長くして霜降りの入りを安定させ、米国産と競うねらいとされます[7]。あくまで一企業のブランドの例で、豪州全体の標準の日数ではありません。

日本の和牛の肥育は、全農の資料によると、9〜10か月ほどの子牛を買い、約20か月育てて、生後およそ30か月で出荷するのが平均的です(ALICは「平均20か月程」と紹介)[8]。150日は約5か月、200日は約6〜7か月なので、期間はおよそ3〜4倍ちがう計算です(筆者の計算)。ただし、豪州は穀物を与える日数、日本は子牛を買ってからの期間で、数え始めがちがいます。この豪州の例も一企業のものです。

では、その育て方のちがいは、肉の何に表れるのでしょうか。

日本向けの豪州産牛肉の中身は、品種より育て方で見たほうが整理しやすい。豪州の肉牛の育て方は大きく、放牧だけで育てる牧草肥育と、ある程度まで放牧したのちフィードロットで穀物を与える穀物肥育に分かれる[5]。そして日本向けは、穀物肥育の冷蔵肉の輸出が増える傾向が2014年時点で示されている[6]。日本は豪州産牛肉の大きな輸出先のひとつである。

穀物肥育の期間には幅がある。ある企業の日本向け販売計画(2018年)には、アンガス・アンガス交雑種の150日、ブラックアンガスのみの200日というプログラムがあり、肥育を長くして霜降りの入りを安定させ、米国産と競う意図が述べられている[7]。ただし一企業の例であり、豪州の標準日数とは言えない。

比べるなら、日本の和牛の肥育は、全農の資料で、生後9〜10か月の子牛を買い、約20か月育て、生後約30か月で出荷するのが平均的とされる(ALICは平均20か月程)[8]。150日(約5か月)や200日(約6〜7か月)と並べると、仕上げの期間は約3〜4倍ちがう(筆者の計算)。この比較には限界もある。豪州側は穀物を与える期間で、日本側は子牛を買ってからの肥育期間であり、数え始めの時点が同じとは限らない。

育て方の差は、最後に肉の断面の「脂の入り方」に現れる。ではその霜降りは、品種と育て方のどちらがつくるのか。

5. しもふりは、どうして 日本の 牛で 目立つの?

5. 日本では、品種の特徴と市場の事情から霜降りが重視された

5. 筋肉内脂肪23%と0.6〜4.7% ── 霜降りの差と、日本の市場が向かった方向

しもふりは、牛の 筋肉きんにくの 中に 入った 白い 脂肪しぼうの ことです[9]。口に 入れた ときの かんじや あじに かかわります。日本や 韓国かんこくでは、牛肉の ランク分けの 大事な ところです[9]。

ある 研究では、和牛の ロースの 筋肉きんにくの 中の 脂肪しぼうは 23%ほど でした。ヨーロッパ生まれの アンガスなどは 0.6〜4.7%ほどです[9]。

これは 一つの 研究の 数字です。おいしさの 上下では なく、脂肪しぼうの 入りやすさの ちがいです。

なぜ 日本では しもふりに 力を 入れたのでしょう。1991年に 牛肉の 輸入ゆにゅうが 自由に なって、外国の 赤みの 多い 牛肉と ちがいを つける ために、しもふりを 目ざす ように なったと 言われます[3]。

オーストラリアの 和牛でも、日本の 和牛の しもふりには およばない という 見方が あります[4]。ただ、これは 一人の 業者の ものさしです。

霜降り(サシ)は、筋肉の中に入った脂肪で、口当たりや風味に関わります。日本や韓国では、牛肉の格付けの主な要因です[9]。

ある研究のまとめでは、和牛のロースの筋肉内脂肪は約23%、ドイツのアンガスなど欧州系の品種は約0.6〜4.7%でした[9]。23%を4.7%で割っても約5倍で、これは「脂肪の入りやすさ」の差です。1つの研究の値であり、品種の優劣を決める数字ではありません。

日本でこの差を伸ばす方向に進んだのは、市場の事情もあります。1991年の牛肉輸入自由化のあと、日本の生産者は、赤身の多い輸入牛肉と差をつけるために霜降りに力を入れたと紹介されています[3]。

豪州のWagyuでも、日本の和牛の霜降りには及ばないという見方があります。ある業者は、日本を100とすると豪州は約50、価格は豪州産が約半分と述べています[4]。一人の業者の指標なので、数字は目安にとどまります。

霜降り(サシ)は筋肉内脂肪のことで、口当たりと風味に関わり、日本や韓国では格付けの主要な要因である[9]。あるレビューが紹介する研究では、和牛のロースの筋肉内脂肪が約23%であるのに対し、ドイツのアンガス、ベルギーのブルー、ホルスタイン・フリージアンは約0.6〜4.7%だった[9]。最も高い4.7%でも約5倍、最も低い0.6%とは約38倍の差になる(筆者の計算)。ただし、これは1つの研究の数字であり、品種の優劣ではなく、脂肪の入りやすさの差を示す値である。

この差が日本で重視された背景には、市場の事情がある。肉専用の改良が加速した1950年代以降に、1991年の牛肉輸入自由化が重なり、生産者は赤身の多い輸入牛肉と区別するために霜降りに重点を置いたと紹介されている[3]。品種の性質に、市場が求める方向が重なって、現在の和牛の姿ができたと読める。

豪州のWagyuについては、日本の和牛の霜降りには及ばないという見方があり、ある業者は日本を100、豪州を約50とし、価格は豪州産が約半分だと述べる[4]。一人の業者の主観的な指標であり、この記事の範囲では、豪州産の品質を一般化する根拠にはしない。同じWagyuでも、血の割合や育て方で肉質が変わることは、前の章で見たとおりである。

6. お店で、牛肉の ラベルを 見て みよう

6. 店で牛肉のラベルを読み、「和牛」の中身を考える

6. ラベルで分かることを確かめ、資料を読み比べる

やってみよう。おうちの 人と 一しょに、スーパーの 牛肉の ラベルを 見て みましょう。

「和牛」と 書いて ある ものは、日本で 生まれて 育った、きまった 品種ひんしゅの 牛です。「オーストラリア産さん」と 書いて ある ものは、オーストラリアで 育った 牛です。

つぎに、白い 脂肪しぼうの もようを くらべて みましょう。白い すじが 細かく 入って いるか、赤みが 多いかを 見ます。どちらが 上、では なく、「どうして ちがうのかな」と かんがえるのが めあてです。

牛の 育て方や 品種ひんしゅを さらに 知りたい 人は、農林水産省のうりんすいさんしょうの ページを、おうちの 人と 見て みましょう。

やってみよう。家族と店の牛肉売り場に行って、国産の和牛と豪州産のラベルを探してみましょう。ラベルから分かるのは、和牛かどうか、産地はどこか、という表示です。この記事では、「和牛」と表示できる条件として、日本で生まれ育った4品種などの牛であることを紹介しました。

そのうえで、肉の断面の白い脂肪の入り方を見くらべてみます。どちらが上かを決めるのではなく、品種・育て方・飼育期間のちがいが、見た目にどう出るかを考えるのが目的です。パックの値段もメモしておくと、前の章の「価格が約半分」という見方と、自分の目で比べられます。

調べたくなったら、農林水産省のウェブサイトの「和牛」の説明(aff 2016年8月号)や、JETROの和牛の紹介ページをのぞいてみてください。本記事の出典欄に並べています。

この記事の要点を、自分で確かめる方法は2つある。1つは店頭で、「和牛」表示の肉と豪州産の表示の肉を見くらべることである。「和牛」は品種の条件と国内での生まれ育ちを満たす牛を指す一方[2]、豪州産は産地を示すだけで、品種・肥育日数・穀物か牧草かまでは表示から分からない。断面の脂肪の入り方と値段を記録し、第5章の「筋肉内脂肪約23%と0.6〜4.7%」[9]、「価格は豪州産が約半分」という業者の見方[4]と照らし合わせてみるとよい。

もう1つは、資料の読み比べである。農林水産省のaff[1]とJETRO[2]は、同じ4品種を挙げ、国内で生まれ育つ条件はJETROが詳しい。nippon.comの2つの記事[3][4]は、輸出停止の年や豪州のWagyuの頭数など、年の差や数え方の差が出やすい点でもあり、どこが食いちがうかを自分で探すと、一つの話題を複数の資料で確かめる練習になる。

この記事の範囲では、豪州のWagyuの現在の頭数や、日本向け豪州産牛肉に占めるWagyuの割合は分からない。そこは、豪州側の業界団体の最新資料を読んで確かめたくなる点である。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

出典について:和牛の定義と歴史は農林水産省とJETRO、豪州の導入・育て方はnippon.com・ALIC・業界報道、霜降りの数字は査読論文のレビューを使った。二次資料の数字は年が古く、現在の値ではない。

  1. 農林水産省 aff 2016年8月号 特集。https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/1608/spe1_01.html (和牛の定義、黒毛和種の改良と認定)
  2. JETRO 和牛。https://www.jetro.go.jp/agriportal/pickup/wagyu.html (4品種、表示のルール、海外のWagyu)
  3. nippon.com "The Roots of Wagyu: From Local Cattle to Global Brand"。https://www.nippon.com/en/japan-topics/b12201/the-roots-of-wagyu-from-local-cattle-to-global-brand.html (牛肉を食べる習慣の歴史、輸入自由化、輸出停止。年は出典で差がある)
  4. nippon.com "The World of Wagyu"。http://www.nippon.com/en/behind/l00119/ (豪州のWagyuの導入、頭数、業者の見方。2010年代半ばの記事)
  5. 農畜産業振興機構(ALIC)豪州牛肉の動向。https://alic.go.jp/koho/kikaku03_000681.html (牧草肥育と穀物肥育)
  6. ALIC 豪州食肉家畜生産者事業団との情報交換。https://alic.go.jp/chosa-c/joho01_001138.html (日本向けの輸出の傾向。割合は2018年時点)
  7. Beef Central "Re-launched Japanese grainfed brand program aims to avoid commodity market"(2018年3月13日)。https://www.beefcentral.com/trade/re-launched-japanese-grainfed-brand-program-aims-to-avoid-commodity-market/ (日本向け穀物肥育プログラムの日数の一例)
  8. ALIC 消費者コーナー。https://alic.go.jp/koho/kikaku03_000849.html (和牛の肥育期間)
  9. Marbling に関するレビュー論文(Hanwoo・Wagyu)PMC。https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC5243954/ (筋肉内脂肪の数字。1つの研究の値)

なおした ところ

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